カナデガミ
かなでがみ
古い鞴(ふいご)と、新しいスピーカーから生み出され、音に関連する能力を備えている。
その特性を反映するかのように、頭部や左肩、それに両脇はアコーディオンのような形状となっており、右肩に備わった巨大なスピーカーを起点に左腹部にかけての部位と、両膝の辺りに同様の意匠が見られる。
新しい方の素体の特性として、超高音域から重低音域まで優れたレスポンスを保つグラスファイバーコーンウーハー搭載の最新式スピーカーを使用している。
一方の古い方の素体である鞴は単にメロディを吹き奏でるだけだが、このスピーカーの特性によって鞴のメロディを完璧に再生し、更にチューニングの増幅で生み出した音を「衝ウ撃ハー!の術」によるソニックブーム攻撃に転用することも可能となっている。
以上の説明からも分かるように、先に投入されたカワズガミと同様に、メインは新しい素体の能力であり、古い素体の方はサブという作りになっている。
誕生の後、風のシズカと共にとあるデパートの秘宝展よりプレシャス「ハーメルンの笛」を盗み出すと、行く手を阻んだボウケンジャーを衝ウ撃ハー!の術で迎撃し、ブラックとブルーをビルの屋上より転落させるが、肝心のハーメルンの笛はその攻撃に巻き込まれたシズカが取り落とした上にピンクに回収されてしまったため、収穫を得られぬまま幻のゲッコウの命令により退却を余儀なくされた。
・・・が、ハーメルンの笛はもう一つ存在しており、ゲッコウがあっさり退却を命じたのも、既に闇のヤイバがそちらを入手していたがためであった。この笛の「子供の生命エネルギーと引き換えに巨大な力を得る」という特性を最大限に発揮すべく、笛を携えたカナデガミはシズカやガジャより貸与されたカースを伴って街中へと繰り出し、笛を奏でて子供たちを洗脳・誘導した末に琥珀色の珠へと変えてしまう。
そこへもう一本の笛の存在、そして街中で発生した事件を知ったボウケンジャーが後を追ってくるが、目の前で子供たちを珠へと変えられたことで浮足立ったレッドとピンク以外の3人が突撃してきたため、彼らもまたカナデガミの笛の音で支配下に置かれてしまう。
牧野からの指示により、マスクのジャミングレベルを3に引き上げたことでレッドとピンクには笛の音の効果は通じなかったものの、カナデガミの支配下に置かれた3人との間で同士討ちが発生、ピンクは前述の対応策でイエローを正気に戻すことに成功するが、残るブラックとブルーの攻撃で3人共アクセルラーが破損し変身解除に追い込まれた末、カナデガミも衝ウ撃ハー!の術で追い打ちをかけ、明石に重傷を負わせることに成功する。
その後、とある洞窟で珠にに変えられた子供たちを生贄とし、強大な力を呼び出そうと目論むが、そこにさくらと菜月が生身で洞窟内に突入。スモークグレネードによる奇襲でシズカの持っていたアクセルラーを奪い返され、囚われの身となっていた真墨と蒼太も救出された上、さくらが最初に回収したハーメルンの笛を奏でたことにより、そちらの効果である「子供たちを元の姿に戻す」が発動、生贄として集めた子供たちも元の姿へと解放された。
こうして計画が頓挫し、さらに回復した明石も駆けつけボウケンジャーが全員揃うと、カナデガミはこれと再び相対するも、イエローのバケットスクーパーによる打撃でダメージを負った挙句、ピンクのデュアルクラッシャーを喰らって敢え無く撃破されてしまった。
ゲッコウの影忍法・オオガミの術で巨大化した後も、スーパーダイボウケンを強化版の「特大の衝ウ撃ハー!の術」で攻撃するが全く通用せず、一方的に圧倒された末にダブルアームクラッシュで止めを刺されるに至った。
デザインは篠原保が担当。音がテーマであったことから、「音でコントロールする」ブイレックスロボをデザインモチーフに定め、そこに分かりやすくスピーカーや鞴の要素を盛り込んだ一体となっている。また、ツクモガミの共通項の一つである「青いうねうねしたライン」を活用し、唇っぽい意匠を加えることで、ロボットっぽくないオリジナルな感じを出すよう工夫もされている。
声を担当した津久井は、スーパー戦隊シリーズへは『特捜戦隊デカレンジャー』(ワンデ星人ニワンデ役)以来2年ぶりの出演であり、本作を起点としてその後も3年連続でシリーズに出演することとなる。
轟轟戦隊ボウケンジャー ネガティブシンジケート ダークシャドウ
スピーカーバンキ:『炎神戦隊ゴーオンジャー』に登場する敵怪人の一体。スピーカーをモチーフとした戦隊怪人の後輩に当たる。ちなみにカナデガミの中の人はジャイアン族の炎神の声を担当。