「ばか言っちゃいけません あっしなんかに感謝だなんて」
「あの時あっしゃピンと来たんだ」
「この旦那についてきゃ間違いねェってねー!!」
概要
ワノ国花の都のおこぼれ町(花の都のおこぼれで成り立っている町)であるえびす町の人気者で、太鼓持ちを生業としている。現将軍黒炭オロチが惚れ込む花魁小紫の従者であるおトコの父親でもある。
その正体はかつてワノ国の郷の一つ「白舞」を統治していた元大名の霜月康イエであり、かつての九里大名光月おでんや彼の家臣たちである赤鞘九人男を知る数少ない一人である。
プロフィール
本名 | 霜月康イエ |
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異名 | ハリネズミの康→ヤス |
年齢 | 享年71歳 |
身長 | 155㎝ |
肩書 | ワノ国白舞の大名→えびす町の人気者 |
悪魔の実 | SMILE(ただし能力はないため実質非能力者に等しい) |
出身地 | 鈴後(?) |
誕生日 | 4月2日 |
血液型 | F型 |
好物 | 白米 |
笑い方 | 不明→あははははは |
CV | 島田敏 |
人物
外見
特徴のある髪を隠した頭巾とSMILEの影響で常に見せているにやけた笑顔、歯は欠けていて身なりはボロボロの三下お調子者これ極まりといった身のこなしをしている。ハリネズミの康という異名の通り、頭巾を取れば個性的な髪型が露出する。
20年前は覇気がある風貌をしておりその厳格さは、とても現在のひょうきん者の姿からは想像できない程であった。その変貌故に20年経過した現在ではかつて交流があったカン十郎やしのぶもトの康が康イエであることに気づくことができなかった。
性格
現在は太鼓持ちということもあって、剣士として腕の立つゾロに対して絶えずよいしょを行っていた。
その態度は強い者に媚びるいわゆる『虎の威を借る狐』としてのものではなく、自分の物を他の人に分けるなど優しさに溢れており、街の住民からは
「顔も体もふざけてるけどあの人は昔からみ~~んなに愛されてた。“仏”だよ」
とまで言われるほどに慕われていた。
20年前は大名として、厳格で国を守る1人としての責任感を持った面が目立ち、皆からも尊敬の目を向けられていた。
人間関係
- おでんとの関係
若い頃からおでんの事を未来の将軍と見込んでおり、当時はおでんが破天荒が過ぎるあまりに民衆から彼を差し置いて次期将軍と呼ばれながらも、おでんを真正面から叱り付け将軍になるように鼓舞していた。傾奇者のおでんのことを叱責できる数少ない人物の一人にして盟友、そして良き理解者でもある。
「お前こそが『光月家』を背負って立つ男!!」「スキヤキ様の勘当は“愛のムチ”にすぎぬ!!」「応えてみせねェか!!」
- 赤鞘との関係
おでんの家臣となった赤鞘九人男こと若かりし頃の錦えもんたちが、おでんのために大金を盗もうとした時は彼らにそのまま金を(上乗せして)譲り、「(おでんが好きなの)だったらこの金で身なりを整え礼儀を学び本を買い学問を身につけろ」と諭した。
「お前たちは都の」「いや ゆくゆくはこの『ワノ国』の守り神となれ!!!」
- オロチとの関係
41年前、身分や理由を偽って自身のもとで働きたいと身を寄せてきたオロチを不憫と思い、小間使いとして迎え入れる。しかしその後オロチは金を持ち逃げして失踪し、次に顔を合わせたのはおでんの弟分として将軍代理に就こうとしたときであった。そして20年前にはおでんは死去し、ワノ国は荒廃の一途を辿っていった。
このため康イエはオロチのことを「害虫」と称する程に嫌悪していた。
- おトコとの関係
娘のおトコとは実は血の繋がりはなく、本来は義理の父と娘という関係である。しかしおトコはその事実は知らず、康イエも本当の娘としておトコを育て上げた。おトコがSMILEを口にしてしまった際は娘だけが辛い目に合わないようにと自身もSMILEを口にし、2人揃って笑うことしかできないようになってしまったが、なんとか前向きに受け入れるようにしていた。
生涯
過去
スキヤキ存命時~おでん処刑後の反逆
光月スキヤキの政権下では霜月の大名として次期将軍と目されるほどの評判となる。この時期に当時まだ肩書も何もなかった黒炭オロチを自分の下で召し仕えさせた。その後、オロチがスキヤキからワノ国の実権を任された際は納得いかないながらもそれに従う。
九里の大名にして光月家の当主であった光月おでんが処刑され、完全にワノ国の実権を握った黒炭オロチが各郷の大名に「黒炭に仕えるか戦うか」を問うたところ、残る四人の大名は全員オロチとカイドウに仇討ちをせんとする。しかし、カイドウとその軍勢はあまりに強く仇討ちは叶わず大名は彼一人を除き無念のまま捕らえられ死ぬこととなった。
その後、康イエはトの康と名前を変えてえびす町に隠れ住むようになる。また、詳細な時期は不明だが両親を失った当時赤ん坊のおトコを拾い、父親として共に過ごす生活を送り始める。
えびす町での生活
えびす町には黒炭オロチの手によって用無しになったSMILEが廃棄されており、生きるためにその残飯を食べたえびす町の住民たちは、笑顔以外の表情を浮かべることのできない中毒状態にされるという地獄という他ない環境に置かれていた。
康イエはSMILEを口にしないよう過ごしていたが、ある日おトコがSMILEを口にしてしまったことで、娘が不本意にも笑い続けるというあまりにも非情な現実を少しでも耐えられるよう自分自身もSMILEを食べる。そして笑うことしかできなくなったことを無理矢理前向きに受け取り、「笑っている顔はえびす顔、だからこの町もえびす町」と言って住民たちを励ましながら上記の様に自分の少ない財産でさえも住民たちに分け与えるなどの行動を見せ続けた。
第2部 最後の海 新世界編
ワノ国編
第二幕
九里の船着き場から出港した船に乗っていた所、仲間と逸れて船に乗り込んだ浪人ゾロ十郎と出会う。ゾロは払う金も持ち合わせていないにも関わらず大量のわさび寿司を平らげていたが、太鼓持ちトの康はその代金を肩代わりする。
下船後に立ち寄った希美の宿場で狂死郎一家によって開かれていた丁半でゾロは大勝ちし、トの康は先刻の寿司代を返金された。ゾロはその後勝負を続ける中でイカサマがあることを見抜き、それに怒り絡んできた三下を一蹴。あわよくば斬り捨てる所であったがトの康はそれを抑え、今までの勝ち金を過不足なく頂くという形で騒ぎを収めた。
宿場出発後、トの康はお礼としてゾロをえびす町に招き、住民たちと一緒にもてなした。
翌日、ゾロは刀を盗まれたと町を飛び出してしまうが、入れ違いで町に潜伏を開始したトラファルガー・ローたちをもてなし、数時間後にはかつて交流があったしのぶと20年前と姿が変わらないカン十郎と邂逅。自身の正体はバレなかったものの、光月モモの助と赤鞘の侍たちが生きていることを知り、協力を申し出た。
白舞大名、えびす町の人気者の偉大なる最期
錦えもんが作成した判じ絵が敵方に露見したために多くの同志が投獄されたことを知ると、ワノ国で手配されている大泥棒丑三つ小僧は自分だと名乗り、羅刹町で磔にされるも、判じ絵はいたずらで自分が作ったと偽証し、同志たちには密かに新たな集合場所を示す。
そして、オロチを「害虫」と強く非難しながらモモの助や錦えもん達にカイドウとオロチの討伐を託し、最後はオロチとその部下の手によって処刑される。
「器の小さき男には 一生食えぬ おでんに候」
その後遺体は処刑場に駆けつけたフランキーとカン十郎に回収され、供養のため九里の編笠村に送られた。討ち入り前日には麦わらの一味に希望を託した男の墓の隣に埋葬され、戦いに勝ったらもっと立派な墓を建てる事を誓い、小さな墓が建てられた。
そして迎えた火祭りの日、天狗山飛徹とともに花の都の祭りに参加したおトコからは「お父ちゃん ありがとう」と
武士としては最高の誉れの言葉が書かれた空船が飛ばされた。
余談
- 異名
その経歴から彼はハリネズミの康(当時は大名)とヤス(当時は町人)以外にも多くの異名(呼び名)を持つ。
- ヤスさん・康さん(過去。光月おでんから呼ばれた)
- カス(現在。ロロノア・ゾロから呼ばれた。悪意あってのものではなく純粋に間違えた。後にゾロはトノヤスと呼ぶようになる)
- ヤス・ヤスさん・トのヤっさん・トノヤスさん(現在。他のえびす町の町人から呼ばれた)
- ドブネズミ(過去。処刑が終わった後に黒炭オロチから呼ばれた)
- 死者
前述のとおり彼はオロチに処刑されているが、実のところONEPIECE作中においてこういったシーンはあまりない。
これは作者である尾田栄一郎が「少年漫画なので死亡シーンや殺人シーンをなるべく描かない」という制約を課しているためで、既に存在する死者の掘り下げを行う回想シーンを除けば本編内における死者からしてそもそも極端に少ない(一見明らかに死亡しているキャラクターでも、何らかの方法で生き残って扉絵連載や本編でその後の活躍が描かれるのがお決まりのパターンである。アニメなど、ある程度視聴者が先の展開を把握しているであろう別のメディアで生存描写が差し込まれることも少なくない)。
そんな中、名無しのモブ(海賊、海軍、村人、他多数)を除き、名前やどういう人物か明確に示された上で死亡したのは、頂上戦争で戦死したエース並びに白ひげ、黒ひげ海賊団に殺されたアブサロム(黒ひげ陣営で死体が確認され、スケスケの実の能力も他キャラが使っているので確定と思われる)、ペロスペローを巻き込んで自爆したペドロの四名くらい。
作中リアルタイムで死亡が確認された珍しいキャラクターでもある。
(名無しのモブについてだが、頂上戦争で逃げようとしてサカズキに焼き殺された海兵や、ピーカの声を笑ったが故、ベビー5によってハチの巣にされた下っ端が該当。勿論、他にも数えきれない程いる。)
- ゾロとの交流
原作では省略されていたが、アニメではゾロと船で出会った後に行動を共にし、宿場町で丁半に参加しながら交流を深める場面が下記の話で補完されている。
関連タグ
赤鞘九人男…錦えもん カン十郎 雷ぞう ネコマムシ イヌアラシ お菊 酒天丸 河松 傳ジロー イゾウ
霜月牛マル…同じ霜月姓を持つ元大名。
徳川家康…名前の由来と思われる。
変なおじさん…メイクや口調が酷似。