「ブッサシイ!!」
基礎データ
進化
ヒスイハリーセン→ハリーマン(「どくばりセンボン」を力業で20回使う)
概要
『ポケモンLEGENDSアルセウス』から登場したポケモン。
ヒスイ地方に生息するヒスイハリーセンが、従来のハリーセンと異なる進化を独自に獲得したもの。
ポケモン金銀の開発データから、当初ハリーセンには進化系が予定されていた事が判明している。このたびリージョンフォーム限定とはいえ、苦節22年の時を経てようやく進化系が実装される運びとなった。
進化して体が膨れあがり、針が異様に大きくなった。その長さと鋭さは、もはや槍と言っても過言ではないほど。特に体の上下左右から十字に伸びる4本の針が最も長く、ほとんど本体のサイズと同じ長さである。
また、体の上面から生えている針の先端は進化前同様に毒々しい紫色に染まっている。本数も増加し、瞼にまでトゲが生えており、鬼のツノのようにも見える。
アルファベットの「Q」のような模様がついた尻尾も特徴的。また、ハリーセンの頃は直線だった体色を分ける境界が波状になっている。
そのインパクトはナットレイやドヒドイデ、バチンウニなどのトゲトゲな先輩方が霞むほどであり、近づくのも躊躇われる外見。
というかもうハリセンボンというよりウニの仲間のガンガゼに近いシルエットである。なおガンガゼも針に毒を含むため、デザインに取り入れられている可能性はある。
性質ももちろん凶暴で、海鬼の異名を持つ。毒を啜って糧とする生態を持つが、これはモチーフに含まれているフグの毒が、主に獲物から取り込んだ毒素を蓄積して得たものである事が元ネタと推測される。
現代のシンオウで確認できなくなった理由は不明。アヤシシやガチグマ、イダイトウやオオニューラのように進化の必要がなくなったなど様々な理由が考えられる。
なお、LEGENDSアルセウスの追加進化組の中では唯一特別な加護を持っていない(ライドポケモンでもキング・クイーンでもない)ポケモンとなっている。
……と思われたが、実はあるポケモンの出現に必要なポケモンの1体である。
ゲームにおける特徴
HP | 攻撃 | 防御 | 特攻 | 特防 | 素早さ | 合計 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
ハリーマン | 85 | 115 | 95 | 65 | 65 | 85 | 510 |
ハリーセン | 65 | 95 | 85 | 55 | 55 | 85 | 440 |
進化前と比べると、すばやさこそ据え置きだがそれ以外の能力は満遍なく上昇した。とんがった見た目の割に堅実な進化をしたと言えよう。
あく・どくタイプの例に漏れず物理寄りの配分で、特にドラピオンとはステータス傾向がやや似通っている。同タイプの中ではみずタイプの技や高威力の「じばく」を撃てる点が特徴的。
反面、あく技を「あくのはどう」しか覚えないという大きな欠点を抱えている。
「つじぎり」を覚えられそうにない外見に加え「じごくづき」などの有望な物理あく技がいくつか未実装なのが災いしたか。
フグ科の仲間がモチーフにもかかわらず「かみくだく」も何故か覚えられない。(※)
別に覚えても違和感はなさそうなのだが…。
結果として原種ハリーセンと同じみず・どくタイプのような使用感となっているのが現状。
専用技の「どくばりセンボン」はそれなりの確率で毒を浴びせ威力も倍増するので、場合によっては「どくづき」よりも高いダメージが期待できる。
ポケモンGO
2022年7月下旬のヒスイイベントで実装。
原作は上記のように特定の技を繰り返し使うことで進化するが、今作では相棒にしてレイドバトルで10回勝つというデスバーンなみに面倒な仕様。レイドアワーやレイドデイなどのときに相棒にするとよいだろう。
通常技は「どくばり」「どくづき」、ゲージ技は「あくのはどう」「ヘドロばくだん」「アクアテール」「シャドーボール」「れいとうビーム」とかなり器用に覚えてくれる。
同タイプで技構成が似通っているドラピオン、スカタンク、アローラベトベトンと比べると耐久が低く、高耐久が推奨されるスーパーリーグ、ハイパーリーグでは優秀な技構成とは裏腹に、種族値のせいで使用率が低いという悲しい不遇を受けている。特にドラピオンとは差別点が実質「れいとうビーム」しかないため、「ハリーマン使うんだったらドラピオンの方がいい」と振ったトレーナーの何と多いことか。
一方で、攻撃種族値及び最大CPはあく・どくタイプの中で最大であり、「あくのはどう」「シャドーボール」が効くエスパータイプ、「れいとうビーム」が効くドラゴン/ひこうタイプが蔓延るマスターリーグ(プレミア含む)の方で活躍できるかもしれない。
因みに、進化前と技構成が全く一緒なのはラッキー→ハピナス以来。
余談
BDSPには本種の登場を示唆するような追加テキストが残されていた。
ミオ図書館の古い文献『海の伝説』にて、海の王子の御供としてブイゼル、タマンタ、そして大きなトゲのハリーセンが登場する。
LEGENDS発売以前は、この「大きなトゲのハリーセン」がヒスイハリーセンの登場を暗示しているのではないかという予想がされていた。
真相は果たして大方の予想を上回り、ヒスイハリーセンの更なる進化系が登場したのだった。そしてLEGENDS中盤にて『海の伝説』なるサブ依頼が発生し、攻略にはタマンタにブイゼル、ハリーマンの存在が重要となっている。
名前の由来は針千本→針万本ということだろう。ネットでも昔から進化予想で挙がるほど分かりやすいネーミングである。
「もしハリーセンが進化したら名前は?」とファンにアンケートを取ったら真っ先に出てきそうな名前であり、ここまで期待を裏切らないド真ん中なネーミングはポケモンとしては逆に珍しいかもしれない。
ちなみに英語名のOverqwilはOverkill(オーバーキル)とQwilfish(ハリーセン)を掛けており、こちらもなかなか秀逸なネーミング。
(※)フグ科は強い顎と強靭な前歯で、エビやカニ、巻き貝などのかたい殻で身を守る獲物を食べることができ、サンゴの欠片をエサにすることもある。更に前歯の中央部分はクチバシのように鋭く、トラフグのような大型種にもなれば細い針金程度なら易々と嚙み切ってしまう。
フグの口にふざけて指を突っ込もうものなら、どうなるかは容易に想像がつくだろう。
関連イラスト
関連タグ
どく・あくタイプ
スカンプー スカタンク ドラピオン アローラベトベター アローラベトベトン