概要
闇の王国ダーク・キングダムに所属する、妖魔軍を指揮する四人組の司令官。第一期の反セーラーチームであり、人間のエナジーを集めながら「幻の銀水晶」を探している。
セーラームーンシリーズ最初の敵幹部で、イケメン揃いであることや、下記のセーラー戦士との繋がりに関する設定などもあり、ファンの中でも人気が高い。原作漫画版、テレビアニメシリーズ版、実写版、ミュージカル版では性格と設定が大きく異なる。軍服は原作がグレー、テレビアニメは紫だが、『Crystal』では白。
本来の姿は地球の王子プリンス・エンディミオンを慕う四人の騎士で、月の王女プリンセス・セレニティの四人の守護戦士と対を成す存在。しかし、クイン・ベリルに洗脳されてダーク・キングダムの手先にされてしまい、月の王国シルバー・ミレニアムを襲って主人を死に追いやり、未来の世界でもその生まれ変わりと敵対することになる。
原作者の構想上では前世の四守護神と恋愛関係にあり、『Crystal』やミュージカル、ゲーム版などで使われている。テレビアニメでは四守護神との恋愛関係は発生せず、別のカップリングが成立している。
メディアミックスごとの差異
原作
月の女王クイーン・セレニティと幻の銀水晶の力で未来の地球に転生したが、前世の記憶を取り戻す前にクイン・ベリルに惑わされて洗脳され、肉体も宝石に作り替えられてしまった。
対応するセーラー戦士と恋仲だった裏設定があり、Crystal版ではそれを匂わせるセリフなどがある。モチーフの宝石の石言葉には対応戦士のイメージジュエリーを補助する意味合いがあり、Crystal版ではそれにちなんだ騎士の称号が追加設定された。
敵討ちをしようとするなど仲間意識は高いらしい。クンツァイトを除く三人はセーラー戦士に倒されてミイラ化した後、月野うさぎの覚醒で復活した銀水晶の光を浴びて再生するが、強い光の力に耐えられず石に戻ってしまう。その後クンツァイトも倒されて石になった。
化身の4つの宝石はベリルに洗脳された地場衛の手に渡り、最終決戦直前に衛を庇うかのようにセーラームーンの剣を受ける。意識を取り戻した衛に四天王の幻影が現れてクイン・メタリアの急所を教えた後、プリンセスとの幸せを願って消えてしまった。石は衛に保管され、たびたび衛のサイコメトリーの力で残留思念の幻影が助言を行った。
テレビアニメ及びゲーム
90年代テレビアニメの第一期(通称『無印』)では「エンディミオンの配下」という設定は描かれず、シルバー・ミレニアム滅亡後は結界の中に封印されていた。
軍服の色は紫。原作漫画に比べてネタキャラ度が高い。四守護戦士と恋仲の設定も登場せず、クンツァイトやゾイサイトがゲイカップルで、ネフライトと大阪なるの悲恋など、原作漫画と別の恋愛模様が発生した。
人間とほぼ同じ容姿だが、正体は妖魔で緑色の血が流れている。通常の妖魔と違って倒されると光になる。暗黒を美しく感じる美的感覚を持つが、ベリルに恐怖支配されて仲間意識は薄く一方的な指示に不満を持つ描写もある。
エンディミオンの騎士という設定自体は未登場だが、意味ありげに地場衛とネフライトがすれ違って何か感じかけたり、ダークエンディミオン(洗脳された衛)と対立するクンツァイトにクイン・ベリルがほくそ笑むなどしている。
後日譚にあたるPCエンジン版では、前世の時代にベリルに洗脳されて妖魔に作り変えられ、記憶も封じられて妖魔と思い込まされた設定が登場、パスト・ワイズマンの魔石「ブラッディ・オパール」に再生されてセーラー戦士に復讐を誓った。
大阪なるを愛していたネフライトだけはセーラー戦士を恨む気になれず、なるの親友でもある月野うさぎ=セーラームーンを頼って出奔。残り三人の記憶の封印もセーラー戦士やタキシード仮面との戦いで解けていくが、ブラッディ・オパールの闇のエナジーの呪縛は止まらずネフライトはうさぎに永遠の眠りを望んだ。最後は全ての闇を祓うために銀水晶を発動させたうさぎに力を貸し、衛に別れを告げて転生していった。無印最終回と同じような演出が取られ、うさぎ達の近くの人間に転生している可能性を示唆されている。
パラレル的作品にあたるスーパーファミコンRPG「Another Story」では、幻影としてセーラー戦士の前に現れ、オポシティオ戦士の攻撃で意識を失った衛を助ける方法を教える。
『Crystal』
原作で使われなかった「前世では内部太陽系戦士と恋仲だった」という設定が生かされ、Act12まで全員生存している。Act10で前世の記憶が戻りかけたが、クイン・ベリルに再び洗脳され、Act12での最終決戦でムーンを除いたセーラー戦士と戦い、「セーラー・プラネット・アタック」を受けた直後に、セーラー戦士の呼びかけもあって、前世の記憶を取り戻すが、その直後にクイン・メタリアの力によって消滅させられた。消滅後、悲しみに暮れるセーラー戦士たちに「プリンセスが待っている」「お前たちにはまだやるべきことがある」など励ましの声をかけた。各メンバーの名前の由来である鉱物の石言葉をモチーフとした、騎士としての称号も新たに設定されている。
実写版
実写版ではジェダイト以外はデザインが激変。同じ組織に属しているものの一枚岩とは決して言えないが、前世の記憶と主人への忠誠心に揺さぶられていく。
クンツァイトのみ洋館の青年・シンに転生していたが、記憶が蘇った後は地場衛と対立し、水野亜美の心の闇を暴いてダークマーキュリーに覚醒させた。物語終盤でネフライト以外は全員命を落とすが、メタリアに乗っ取られて倒された衛を再生させた。世界再生後は衛のスタンド化しているらしく、「Special Act」でも衛に加勢する。
本編以前のセーラーVの活躍を描いた「Act Zero」では婦人警官の花子(ジェダイト)、赤井(ネフライト)、白井(ゾイサイト)、黒井(クンツァイト)というそっくりの警察官がファンサービスとして登場した。
ミュージカル
ミュージカル版では舞台ごとによって扱われ方は様々。
バンダイ版『外伝・ダークキングダム復活編』ではエンディミオンの部下だったがベリルの支配を受けていた。四守護戦士に好意を持つ高校生に扮して彼女たちを誘惑し、最後は相打ちで倒される。特にクンツァイトは「斎藤訓」を名乗って(本人曰く逆さに読めばクンツァイト)愛野美奈子とラブロマンスを演じた。
バンダイ版『永遠伝説』(1996年版のみ)では、エンディミオンではなくクイン・ベリルの騎士としてゾイサイトとクンツァイトのみ登場。十番高校バスケ部員の斎藤訓と斎藤以蔵を名乗って愛野美奈子と水野亜美に接近したが、最後はセーラーギャラクシアからベリルを守って敗れた。
バンダイ版『スターライツ・流星伝説』ではアイドルグループ「ジュエルメタリアーズ」として登場。セーラーギャラクシアに操られたがセーラームーンの攻撃でブレスレットの呪縛が解けてギャラクシア軍団に戦いを挑むが、最後は衛を庇って倒れて石になった。リメイク版『火球王妃降臨』ではクンツァイト以外のメンバーはオリジナルキャラクターに入れ替えられた(外見が似ているが性格は似ない)。
ネルケ版『-La Reconquista-』では、アイドルグループ「パンデミック4」を名乗りセーラー戦士を誘惑する。ゾイサイトだけは洗脳が不完全で、水野亜美とのラブロマンスを演じた。
メンバー
※推定年齢は漫画版の設定より、宝石の色はCrystal版より参照。
ジェダイト |
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声:小野坂昌也、岸尾だいすけ |
演:増尾遵、二橋進、朝見優香、ルウト、武田莉奈 |
原作漫画:ダークキングダム極東支部長。忍耐と調和の騎士。対応戦士はセーラーマーズ。由来は翡翠の硬玉。天然パーマの金髪碧眼の青年で、性格は冷酷。推定年齢18歳。宝石は赤。さらった女学生の中にいた火野レイを気に入り、最後は覚醒したマーズに倒される。 |
テレビアニメ:幻術を操る変装の名手で、大衆のエナジーを奪う作戦を実行した。形から入るタイプらしく、人間社会を調べ上げて業者に扮した妖魔を送り込んだ。ラジオ局のDJに扮した時の偽名はジェイ・大東。レイが住む火川神社に潜入したり、肌と髪の色を変えてベリル直属の妖魔テティスと作戦実行したことも。ベリルに従順だが相次ぐ失敗で叱責される内に不満を持ち、セーラー戦士との決戦で女性蔑視発言をして非難された。羽田空港に呼び出したセーラー戦士の正体を暴いて飛行機で襲わせるが、背中にマーズのお札を貼られて飛行機に追われ命からがら帰還、ベリルに永遠の眠りの刑を受けて氷漬けにされた。 |
実写版:氷の剣を使う。幼い印象の少年。ベリルに寵愛され、記憶が戻っても今の主はベリルというスタンスを取った。 |
ネフライト |
声:森功至、鳥海浩輔 |
演:松本博之、清家利一、依田秀亮、コロ、Shin |
ダークキングダム北米支部長。知恵と安らぎの騎士。対応戦士はセーラージュピター。由来は翡翠の軟玉。推定年齢16歳~17歳。宝石の色は緑。 |
原作漫画:天然パーマの長髪のラテン系の青年。 |
テレビアニメ:青年実業家の三条院正人を名乗って人間界に潜伏し、真っ赤なスポーツカー(フェラーリ512TR)と屋敷を所持する。カセコレでのラジオネームはネフ・来島。ベリルに反抗的。格闘術と占星術の使い手で「星は何でも知っている」と言いながら妖魔を召喚し、1人の人間のエナジーが最も高まる時を狙ってエナジーを総取りした。必殺技は「スターライトアタック」。セーラームーンを誘き寄せようとタキシード仮面に変装したことも。幻の銀水晶の持ち主と思って月野うさぎの親友・大阪なるに近づいて好意を寄せられるが、最後はなるを庇ってゾイサイト配下の妖魔に殺されてしまった。 |
実写版:紅のルベウスに似ている。野心家だが度重なる失敗で力を奪われて放逐され、クラウンのアルバイト・ネフ吉(命名は古幡元基)として暮らした。当初はベリルを恨んでいたが、次第に恩讐を捨てて水野亜美に好意を寄せるようになる。 |
ゾイサイト |
声:難波圭一、松風雅也、山口由里子、三石琴乃 |
演:遠藤嘉人、秋田敏隆、留守晃、青木要、彩夏涼、小嶋紗里 |
原作漫画:ダークキングダム欧州支部長。浄化と癒しの騎士。対応戦士はセーラーマーキュリー。由来は鉱物の灰レン石。ウェーブがかった金髪をゆるく結び、女っぽい性格。推定年齢19歳。宝石の色は青紫。 |
テレビアニメ版:花吹雪を操るオネエで、「ゾイ!」の掛け声が特徴。クンツァイトと恋仲。カセコレでラジオDJに扮した時の偽名はゾイ・斉藤。花や宝石を好みベリルを恐れている。タキシード仮面を陥れるべくセーラームーンに変装したことも。ネフライトから奪った「黒水晶」を使って7人の人間から銀水晶の欠片・「虹水晶」を抜き取り、最強妖魔七人衆に覚醒させていった。衛とうさぎを暗殺しようとしてセレニティ覚醒に立ち合うが、最後は衛に傷を負わせてベリルの怒りを買い粛清され、クンツァイトの腕の中で息を引き取る。 |
実写版:プリンス・デマンドに似ている。ピアノ弾き。前世の記憶を取り戻してからは衛に忠実だが、前世の悲劇の再現を恐れてセーラーヴィーナスと結託し、記憶を消すオルゴールで衛とうさぎの仲を裂こうとした。 |
クンツァイト |
声:曽我部和恭、竹本英史 |
演:窪寺昭、望月祐多、笠原竜司、浅野豪孝、河崎美貴、伊石真由、真田怜臣、安藤千尋 |
四天王のリーダー格で、ダークキングダム中東支部長。純潔と慈愛の騎士。対応戦士はセーラーヴィーナス。由来はリチア輝石の一種「クンツァイト」。四天王で唯一マントを着用。イメージはアラブの王様で、銀髪ロン毛とはだけた胸が特徴。推定年齢25~26歳。宝石の色は薄紫。 |
原作漫画:ヴィーナスと惹かれ合う描写がある。ゾイサイトを弟のように可愛がっているという設定。うさぎを庇って覚醒した衛をさらい、記憶を取り戻すがベリルに石を額に表出・傀儡化され、セーラー戦士の攻撃で石に戻されてしまう。 |
テレビアニメ:ゾイサイトと恋仲のバイセクシャル。カセコレでラジオDJに扮した時の偽名はクンツァ・伊東。衝撃波や光の刃、異空間を作り出す術を操り、目的に合う職業の人間を妖魔に変えてセレニティ=セーラームーンの正体を探させた。ダーク・エンディミオンに作戦を邪魔されていがみ合い、最後は前世の記憶を取り戻したセーラー戦士を攻撃するが、セーラームーンに光の刃を跳ね返されてゾイサイトとの再会を願いながら浄化される。 |
実写版:中華風の容姿を持ち、長い髪を武器に操る。転生して洋館の青年・シンとして暮らしていたが、覚醒後は前世の世界を滅亡させたエンディミオンとセレニティを憎み、自分を含めた前世にまつわる全てを破壊することを目的とする。 |
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美少女戦士セーラームーン 美少女戦士セーラームーンCrystal ダークキングダム セーラームーンの敵キャラ 四天王×四守護