私の小説。私の繭よ。
概要
独身の中堅推理作家。
ペンネームではなく歴とした本名である。学生アリスの有栖川有栖が父親に名付けられた本名であるように、こちらは母親に名付けられた本名。
探偵役の火村からは、苗字を省略した愛称『アリス』と呼ばれている。
誕生日について特に表記はないが、二次創作では作者と同じく4月26日が当てられている事が多い(二人が出会ったのは20歳時と本人が言っているので、5/7時点で既に20歳になっている点でも妥当ではある。)
血液型はO型だが、血液型占いには興味がなく、火村の血液型を知らない。
初登場時32歳。33、34と徐々に加齢していたが、34歳からはサザエさん時空に。この辺の事情は『菩提樹荘の殺人』のあとがきに詳しい。
本人いわく、からくも同年配サラリーマン並みの収入を維持しており、四天王寺夕陽丘のマンション(2LDK)に1人で暮らしている。
親友である犯罪社会学者火村英生のフィールドワークに同行して殺人現場に乗り込み、推理する彼に付き添ってワトスン役を務める。
自身が取材旅行先で事件に出くわし、火村を呼び出すというパターンも多い。火村の解決した事件は、ポリシーとして絶対に小説のネタに使わない。
人物
作者と同名の語り部という性質上、客観的な人物像が描写されることは少ない。
それでも、文章の端々から人となりを窺える。
- 大阪生まれの大阪育ちで、関西弁で喋る。語り口は軽妙で屈託がない。
- 27歳まで印刷会社の営業で働き(この時期が一番火村(当時大学院生)と週末に訪問しあって夜中まで語り明かす頻度が高かった)、新人賞の佳作受賞を期に作家として独立。
- 初対面の人物から、大抵自由業に見えると評される。普段からラフな格好で、勤め人には見えない雰囲気を発散しているらしい。
- 大学時代の友人に「人を騙すより騙される方」だと思われていた。
- 火村曰く『実は相当なオプティミスト』(本人に自覚無し)
- 〃「お前という男は情緒的すぎる」
- 煙草は火村からの貰い煙草で、たまに喫う程度。
- アクセサリー類はあまり身につけない。(恋人に贈ったこともない)
- 就寝時の服装はパジャマ。
- 推理力は、素人に毛が生えた程度。頓珍漢な推理や、豊かな想像力の飛躍で火村を呆れさせ、時に楽しませている。行き止まりを示す道標として役には立っているらしい。一方で火村に「小説家を失職しても探偵で食べていける」と言われたことも。
- 同業者の朝井小夜子、編集者の片桐光雄を筆頭に、(火村よりは)友人が多い。「私の交友範囲は火村センセを筆頭に紳士しかいません。」(三つの日付より)
- 語学力は英語が海外旅行中現地の人との会話に困らない程度には出来ているが、相手が早口だったり、疲れてくると聞き取りが悪くなってしまうのもあり(また火村の語学力がかなり高いこともあり)、本人の認識では『英語が苦手』。英語で書かれた本を辞書も無くスラスラ読める(大好きなミステリを原書で読むことが出来る)。
- 数学がからっきし苦手。(※高校は進学校を出ている)
- 女性には並べて紳士的に接する。しかし、過去の複雑な失恋が影響しているのか、現在恋人はいない(大学生になってからと、火村と出会う数ヶ月前に三か月ほどと(この二人は同一人物かもしれないが)、22歳の時に相合傘をした相手がいた描写はある)。隣人のカナリアの君(真野早織)とは、清い友情を育んでいる。
- 女性の憧れのタイプを自分の小説に反映させて書いてしまっている(自覚が無く、火村に指摘された)。
- 朝井小夜子に電話をかけた時、小夜子のハスキーヴォイスを真似て電話したら『森進一がダイイング・メッセージを伝えにかけてきたんかと思うやないの』とつまらなさそうに言われた。(海のある奈良に死すより)
- 小夜子のハスキーヴォイスが好き。
- 子供の頃は推理小説とSF小説一辺倒だったが、20歳を過ぎてから児童文学に親しみ始めた。正統派ファンタジー小説は苦手だった。
- 訪ねた先に鍾乳洞があると知ったら立ち寄らずにいられない性分。
- ハムには非常にうるさい。
- 定宿は作らないタイプ。
- 空約束はできない質。
- 両親は定年退職後、岡山県の牛窓に移住。父親の性格は温厚。(息子に『ありす』と名付けた母親がどんな人かは現在不明)
- 足が届かないところで泳ぐのがこわい。(朱色の研究より)
- 大阪南港のレストラン&バーの女性店主に『ミハエル』(大天使ミカエルに由来するドイツ系の男性名)と名付けられた。
- クリスマスに独りでいるより、時として春に弱い。夜空で輪郭をにじませる月のように、自分の存在が朧に感じられて。(妃は船を沈めるの幕間より)
- 明りを消すと洞窟のように真っ暗だ。(中略)取材旅行先で「僕、暗い部屋だと眠れないんです。」と編集者が言っていたのを思い出す。(中略)私は平気だ。(暗い宿より)
- 部屋が真っ暗になるのが好きではないので、仄かな明りを灯して眠る。(狩人の悪夢より)
- ↑上の二つは矛盾するが、真っ暗闇で平気で眠れていたのが恐怖体験のせいで出来なくなった可能性はある。(が、御大が設定を忘れていた可能性もある。)
- 推理作家界で大御所の真壁誠一、元純文学作家で現人気ホラー作家の白布施正都など、年上の男性作家に一目で好かれて(懐かれて)家に招待されたり、近くに引越して来ないかと誘われやすい。また少し年下のカリスマ経営者の初芝真路に一緒に仕事をしよう。仕事のパートナーになってほしいと誘われたこともある。
- 火村を含め、事件関係者などにも『カウンセラーに向いている』『カウンセラーのよう』と言われることが何度かある。
散歩コース
アリスの著書
犯人目線のアリスの印象
- 自由業者らしい雰囲気を発散していて、火村に比べると目元が柔和で、第一印象は人畜無害(ショーウィンドウを砕くより)
- 観察があからさまでもっと自然にやるように忠告したくなる。肚の中を隠すのが苦手なタイプなのだろう(カナダ金貨の謎より)
- あんただけは、判ってくれるんだろう?(インド俱楽部の謎より)
火村との出会い・関係
- 火村とは、英都大学2回生の5月7日、アリスが(親族相続法の講義中に)執筆していた新人賞への応募作を、隣に座った火村が勝手に読んだことで知り合った。以来、十数年良好な友人関係が続いている。(20歳を過ぎてから出会って良かったと思っている。多感な十代の頃に一見すると完璧な火村に出会っていたら自分の敵のように感じ、彼の脆さに気づいてやることも出来ずにいたかもしれないから。)
- 火村が悪夢にうなされていること、心に暗い物を抱えている事を知っている。その暗部に踏み込まず、いつか彼が踏み外しそうになった時支えてやる為に傍にいる。
- 同じ目的でフィールドワークにも同行するが、それを気取らせず、三枚目役に徹し、愛想の悪い彼と周囲を取り持つ交渉役を務める。
- 大阪府警に協力した時の火村はアリスの部屋に泊まることが多く(夜中にもなる捜査会議にも出席することが多く、その時間から京都に帰るのは大変だから。アリスが小説の締切でフィールドワークに同行出来なくても、大阪の事件時は泊まりに来ることも)火村用に灰皿、朝食用にピーナツバターを常備。
- それぞれの用事(締切でホテル缶詰/学会・論文発表など)で同じタイミングで東京にいる時も、違うホテルに泊まっていても会う時間があれば一緒に食事する。(アリスがホテルで缶詰め状態の時でも、火村も東京にいるタイミングなら手土産片手に息抜きになるように会いに来る(鍵より))
トラウマ(みじめな想い出)
- 高校(進学校の真田山高校)の二年生の時に、片想いの相手にラブレターを出したところ相手がその夜自殺未遂をした事がトラウマ(7月7日の夜に書いて8日に渡し、9日は彼女が休んで返事が聞けず、10日に自殺未遂を知り、動機が更にアリスを苦しめた)。ちなみにその相手は一命を取り留め現在も存命である事が当時の同窓生からの伝聞で判明している。
- そんな彼女にまた会いたいと希っていて(恋心は全く無くなっているが)、まだ大阪に住んでるなら道でバッタリ会うこともあるかもと外を歩く時はキョロキョロしてしまっていた。(が、今はアメリカにいると知り止めた。)
- 異性についてはトラウマだらけ(朱色の研究より)、女性を笑わせるより笑われることの方が多かったと独白している場面もあり(黒鳥亭殺人事件)、過去に付き合った女性達ともすぐ別れているので、それらのお付き合いはあまり楽しいものではなかったのかもしれない。
- 気になっている女性が身近にいるのだけれど、今のままでは進展しそうにない。進めるのがいいのかどうか、私には判らないからだ。(鍵の掛かった男より)
容姿
- 身長は175cm(スウェーデン館の謎より)
- 容姿の描写は全く無い(自分で平凡な外見という認識している記述はある)。唯一『ブラジル蝶の謎』収録の『彼女か彼か』で、オカマバーの蘭ちゃんに「お連れのお二人さんもいい男じゃありませんこと」と評されている。
- だが、オフィシャル美形の火村とセットの評価であり、更に水商売のお世辞である可能性も大きい為、定かではない。(蘭ちゃんはアリスの名前を変だと言ったり、二度目の来店で名前を間違えたりなど、お客であるアリスへの態度があまりよろしくない。単に好みじゃないだけなのか、男前(火村)と美青年(森下)と仲良しな事への嫉妬なのか、オカマ的に羨ましい系統の顔立ち故の嫉妬なのかは不明)
- 『乱鴉の島』でアリスが「よく整って賢そうな顔立ちの子」という第一印象を持った小学生男子の市ノ瀬拓海くんと二人でいる時に第三者の男から「若いお父さんですね」と言われ否定したら「違うんですか?」と『親子に見えるのに』というニュアンスとも受け取れる訊かれ方(美少年の父親に見える)をしている場面はある(が、読み手の解釈にもよる)。
- 警察や犯罪学者と知り合いの推理作家には見えない(見かけによらない)と言われたことも。(異形の客より)
- 他人に警戒感を抱かせない雰囲気なのか、被害者遺族が(現場検証の一番後ろに立っていた)アリス(に近づいてきて)には多弁な場面がある。(ダリの繭より)
- コミカライズやドラマ、ラノベ版などビジュアルがある媒体では、茶髪で直毛のセミショートにラフな服装の青年として描かれる。
好き嫌い
好き | 嫌い | |
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音楽 | ゴールドベルク変奏曲(スコット・ロスによるチェンバロ) | テイク・セブン |
小説(ミステリ) | エラリー・クイーン『Yの悲劇』/ウールリッチ・アイリッシュ | |
ミステリ以外 | 『不思議の国のアリス』/『鏡の国のアリス』/山田風太郎/クライブ・バーカーのアートホラー | アリとキリギリス(のキリギリス) |
画家 | エドヴァルト・ムンク(10歳の頃からファン) | |
食べ物/飲み物 | トマト/蕎麦/珈琲(家でのアイスコーヒーは丸福珈琲を愛飲※あべのハルカス店があるので恐らくそこか、梅田にも4軒くらいあるのでついでの場合そこで購入の可能性もある。) | トマトジュース |
スポーツ | 野球観戦(阪神タイガースファン) | ゴルフ |
言葉 | 上京 | |
その他 | 旅行/電車/鉄道(廃線・未成線含む)/人が夢中になって本を読んでいる姿 | 面白い本を読んでいる時にかかってくる電話 |
太陽と月なら | 月 | |
自分(アリス)にとって不愉快な人物達の共通点(だと感じていること)
全員が、私自身の嫌な一面を歪んだ鏡に映したようだったのだ。(カナダ金貨の謎より)
関連イラスト
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有栖川有栖:本作の原作者
有栖川有栖(学生アリス):作者の別作品に登場する同名キャラクター。
窪田正孝:ドラマ版キャスト