スペック
デザイナー | 稲田航 |
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形式番号 | F/D-19 |
全高 | 18.2m |
重量 | 41.0t |
パイロット | |
製造 | ペイル・テクノロジーズ |
携行兵装 | ビームサーベル |
選択兵装 |
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概要
ベネリットグループ御三家の一つ、ペイル社が製作したモビルスーツ。
大型の胴体にスリムな腕部と脚部が特徴的で装備の換装を前提としている設計思想らしく後述するようにいくつかのバリエーションを有する。
ジェターク社のディランザとは拡張性重視のコンセプトこそ共通しているが、本機が装備次第で単独飛行が可能な機動力の高さとそれを活かした中〜遠距離戦を本分としている反面、ディランザは重装甲を生かした肉を切らせて骨を断つ近距離戦が得手となっており特性は正反対といえる。
解説
形式番号F/D-19からも窺えるように航空機を参考とした空戦に重きを置いた設計であり、御三家の量産MSで最も軽量(先述したディランザは85.3tであり、それの半分以下といえば分かるだろうか)で空力特性を重視した形状とされる。
基本兵装は特徴的な形状をしたビームガン1丁と、両腕下部にマウントされているビームサーベル2本。
バックパック両側にハードポイントが設けられており、通常は機動性に重きを置いた大型推進ユニット『ベクタードブースター』が選択される(以降、この装備と基本兵装のセットを高機動仕様と呼称)。高機動仕様は標準装備とされているようで、公式ページでの紹介等メディアで取り上げられる際も基本的にこの装備となっている。
後述の実戦仕様と同様に背部への大型火器の同時装着自体は行えるが、決闘規定によりパーツのグレードが低下しておりそれに伴って積載量が不足しているため非推奨とされている。
ハードポイントは腕部側面にもあり、作中ではオプション装備として「品」を横倒しにしたような3連砲身のビームガンが登場している。
劇中での活躍
エラン・ケレスが高機動仕様に搭乗した際は、ダイゴウ寮の学生との決闘にて3機のクリバーリを相手取り、飛行能力を活かして果敢にも砲撃をかいくぐり勝利してみせた。
グラスレー寮との団体戦ではGUND-ARM Inc.(地球寮)にベルメリアを介して高機動仕様と背部にビームタイプの機関砲と側腕に先のビームガンを装備した砲撃仕様(仮称)が2機づつの計4機が納入されたが、パイロット技能に劣るメカニック科や経営戦略科によって運用されたため高機動仕様でも空中戦を行えていないなどと真価を発揮出来ていなかった。しかし最後の最後に破損した機体を集め、同じく破損し単独で戦えなくなったチュチュ専用デミトレーナーによる超遠距離から敵リーダー機ミカエリスの頭部への狙撃を成功させるため全機でチュチュ機を支え見事勝利へと繋いだ。
第8話および第13話時点での個人戦オッズリストでもペイル寮の生徒はエランを除き人気トップ10圏外であり、操縦性は意外にも優れているものの耐久性に劣る代わりにスピードが長所の本機の性能を引き出せる生徒は限られているようである。
バリエーション
ザウォート・ヘヴィ
形式番号 | F/D-20 |
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全高 | 18.2m |
重量 | 40.3t |
携行兵装 |
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選択兵装 |
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ザウォートの実戦仕様。頭部ブレードアンテナを廃し機銃2門を追加、元のビームガンを大型化させロングバレルとアンダーバレルグレネードランチャーを備えたロングビームガン、背部にはAMM(対機動ミサイル、 Anti Maneuver Missile)が装填された4連装ミサイルランチャーとビームキャノンが奢られたものが標準装備となる。攻撃性能が底上げされているが、主に学園で用いられている機体と同様の装備である背部オプションをベクタードブースターに変更した高機動仕様も存在。
大気圏内での運用を想定した防護処理、肩部や膝部に増加装甲が施され大腿部にはビームガン用のマガジンポーチが四基マウントされている。パーツ精度が引き上げられた事によって性能が向上し重武装のみならず機体単独の飛行性能も改善しているものの、推進剤の節約等も兼ねてかティックバランを併用する場合もある。
劇中での活躍
アーシアンのデモ隊の鎮圧に出動し、ティックバランに搭乗して急行していた。ミスか不明だが背部装備がオミットされており、オリーブドラブに塗装された高機動仕様にも見える。
ドミニコス隊にも配備されているのか、あるいはペイル社も協力体制をとったのかは不明だがプラント・クエタ襲撃の報復としての地球侵攻部隊にも含まれていた。
ガンプラ
メインウェポンであるビームガンはグリップが動くので、手首をバラす必要がない。
バックパックに搭載されているベクタードブースターも外す事が出来、空いたバックパックにキャノンやミサイルポッドといった兵装が装着可能。(バックパックの3mmジョイントに合わせる必要がある)特にM.S.G.系の武器パーツの相性は抜群。(そのままでは射角に影響でるためメカニカルアーム使用するといい)
ヴィートルーウェポンズのビームキャノンとミサイルポットを付けると擬似的にヘヴィ仕様に出来る。
ただし、胴体とバックパックが一体化した構造なので他のバックパックと交換できないのが難点。
特徴的なカメラアイもしっかり再現されており、パーツごとの色分けで再現されている関係上シールが不要と文句なしの良キットである。
なお、先述の第9話に登場した側腕部ビームガンや背部ビームランチャーといった砲撃仕様の装備は付属しておらず現時点ではそれらのキット化の案内等は告知されていない。前例や可能性として、デミトレーナー拡張パーツは既に販売され、Season2のOPにてガンダム・ファラクト、ダリルバルデ、ミカエリスの追加兵装が描かれているため、今後の立体化に期待しよう。
説明書の搭乗者としてはエランではなく地球寮の面々が描かれている。
- ザウォート・ヘヴィは2023年4月に発売(価格はザウォートと同じ)。
ベクタードブースターの代わりビームキャノンとミサイルランチャーが付属。
ロングビームガンはビームガンに追加バレルを装着する方式。ビームサーベルの色はピンク。
太ももにはビームガンの弾倉ラッチが追加され、ミサイルランチャーは各ハッチごと開閉ギミックがあり、ビームキャノンの銃口は3mmの丸穴が設けられ発射エフェクトパーツが装着出来る。
ビームキャノンは左右対象に3mm丸穴があり、ミサイルランチャーは正方形対象のため左右付け替えたり、2個買いすればダブルビームキャノンやダブルミサイルランチャーといった左右対称も可能。
追加肩アーマー側面にも3mm丸穴があるのでそこにもパーツ装着ができる。
原型機以上にM.S.G.系の武器パーツが似合うと、こちらも文句なしの良キットである。
余談
- 機体名はムガル騎兵を意味する「sowar」(サワール)に由来するのではないかとされる。
- インキュベーション・パーティの会場には夕暮の時間帯の砂漠迷彩を思わせる桃色の当機がペイル社の商品として展示されていた。
- 基本的に水星の魔女に登場するモビルスーツは(GUND=ARMに対しての)やられ役になる事が多く、更にダリルバルデやガンダム・ファラクト、ミカエリスといった新型および高級機として登場した機体も(ほぼ)一度限りの登場に終わる事が多く、にも拘わらず学生用であるが一般機でありながら2回登場しその2回とも勝利を掴んでいるなど妙に扱いが良い。
- プラモインストでは明言こそされていないものの、本機で近距離戦を行ったパイロットが存在すると記載されており、劇中の活躍から彼を示唆しているのではないかと思われる。
- 本機のビームガンは元々実弾兵装の予定だったらしく、プラモの告知やモールドにその片鱗を窺う事が出来る。
- 本機やザウォート・ヘビィの設定画が公開された際、とあるゲームの傭兵たちが闘争を求め始めていた。これは、本機のデザイナーがその『とあるゲーム』のロボットをデザインしている事に影響されての現象である。
- デザイナーが携わった作品およびその前作に登場する機体にTYPE-JUDITHが存在し、胴体が大きく手足が細長いシルエットで空戦重視のコンセプトが似通っているが、JUDITHは本作のGUND-ARMに相当する従来型と異なる高性能機。なお、稲田氏はJUDITHをデザインしたわけではないので混同に注意されたし。
- 当初は匂わせ程度とされていたが、ザウォート・ヘヴィのインストで「積載量」に触れている点やガンダムベース東京の宣伝動画から公式もある程度意識している模様。快く受け取らない者もいるためネタの扱いには留意する事。
- 意外にも、現時点ではPixiv本体では当該作品と絡めた投稿は見受けられない。
関連タグ
- ペイル寮
- ガンダム・ファラクト:本機をベースに開発されたカスタム機のようで、腕部や脚部を中心に流用したと思わしき点が見受けられ、当初黒いザウォートと誤認されたほど。
ガンダムシリーズ
アナザーガンダム