もしかして→バイオノイド
概要
ディガルド武国の台頭を支える軍事力であり、その技術はソラシティから伝わったとされる。
まるで恐竜の全身骨格がそのまま動いているような極めて異質な形態が特徴で、今までのゾイドと違って内部フレーム以外は機械的な要素を感じさせない斬新過ぎるデザインとなっている。
アニメでは「ヘルファイヤー」を装備している機種がキット版よりも大幅に増えていたり、他のゾイドにも言えるが、キット版にない武装を装備していることも目立つ。
- 『FIELD OF REBELLION』におけるコマンドウルフの専用のガトリング砲である「ヘルファイア」とは異なる武装である。
空中都市ソラシティに住まうソラノヒトからもたらされた技術がふんだんに応用されており、通常のゾイドとの最大の違いは全身が特殊な流体金属製の装甲「ヘルアーマー」で覆われていることである。
ヘルアーマー
バイオゾイド最大の特徴の一つであり、戦闘力の根幹を為す機構の一つである。
これにより、実体弾やビーム兵器等の既存の兵器をかなりの割合で無効化してしまい、最下級のバイオラプターですらビームトータスのビーム砲を至近距離から喰らっても全くの無傷な程。
- 本作で敵対したムラサメライガーのカウルブレードをはじめ、実弾やエネルギー弾を弾いたり逸らすなどの機構を持つ装甲を持つゾイドは過去のシリーズにも何度も見られたが、実弾とエネルギー弾の両方に耐性を持ち、基本装備としているのはバイオゾイドが初めてである。
正面対決で有効なダメージを与えられるのはリーオ(メタルZi)製の武器による攻撃か、ヘルアーマーで覆われていない口腔や関節を攻撃するぐらいとされ、デュアルスナイパーライフルを装備したケーニッヒウルフを操るダンブルなどの狙撃の名手とコンセプトに合った武装を持つゾイド以外は、リーオ製の武器が無いゾイドによる撃破は非常に困難と言われている。リーオが非常に限られていることもあり、バンブリアン(および『ゾイドジェネレイションズ』におけるガンズレイザー)以外は弾丸としてリーオを採用できる場面は戦争後期になるまで訪れなかった。
しかし、実弾兵器やビーム兵器に対して完全無欠というわけではなく、デッドリーコングのパンチやエレファンダーによる踏みつけ、果ては大きな落石といった大質量の攻撃でも撃破されている。これらの質量攻撃はヘルアーマーの破壊ではなく、その攻撃から発生する衝撃で内部の機械を破壊する事が目的と考えられ、現実でもプレートアーマーのような重装甲の鎧を装着している相手に対し、下手に斬りつけるよりも鎧に剣を叩きつけて撲殺を狙う戦法が取られる事は少なくない。また、一部のセイバータイガーが格闘攻撃で撃破する場面もあった。
- 『ゾイドジェネシス』の時代には、デッドリーコングとギルドラゴンを除き、従来の大型ゾイドは全く登場しないので、ゴジュラスやマッドサンダーなどの大型ゾイドによる格闘攻撃や、(バイオ粒子砲で破壊されている事例も見られるので)ジェノザウラーなどの荷電粒子砲などの超兵器ならば倒せるのではないかという意見もファンの間で交わされている。
他にも、ヘルアーマーの防御力を貫通する非常に強力な火器などは稀にだが存在する。
- ブラストルタイガーの「サーミックバースト」や、同じバイオゾイドのヘルファイアーにより機構の内部が溶解する。
- 上記の通り、バイオ粒子砲はバイオゾイドに対しても効果がある。
- ソードウルフクラッシャーのバイオクラッシャーから放つ衝撃波はバイオゾイドを両断する。
- ソラシティ所属のデカルトドラゴンやザバットから放たれる光線でも撃破されている。
また、ムゲンライガーのグラビティーキャノンやソードウルフのエレクトロンハイパーキャノンなど、強力な銃器を使えば、撃破できずとも幹部クラスのバイオゾイドを怯ませる事もできる。
難点
欠点としては、通常のゾイドがコアさえ無事ならばある程度自己修復が可能なのに対し、バイオゾイドは自己修復機能は殆ど無いため、受けたダメージは施設で修理する他無く、本体の寿命も短いとされている。
また、ヘルアーマーや機体コンセプトとの相性が悪いためか、外付けの武装を装備している事例が存在しない。そのため、通常の火器やミサイルやレーザーブレードなどを装備している事例はなく、火器としては口の中に装備する「ヘルファイヤー」などの武装がかなりの割合を占める。
更に材料と設備があれば大量に製造できるが、パイロットが特殊なスーツを着用し機体と繋がって操縦するというシステムの問題上、適合率が極めて低く、それ故に生身のパイロットが不足していた。この欠点を補うべく造られたのが「ナンバー」と呼ばれる機械兵士で、それにより大多数のバイオラプターを配備しては短期間による他国への侵略を拡大できるようになった。
しかし、実はナンバーはある非人道的行為で作り出された悪魔の道具であり、この非人道的な事実が後にディガルドと袂を分かったザイリンを通じて明らかにされた為、これを知った多くのディガルドの将兵らが離反し、討伐軍と合流する事態となった。
機種
雑兵。武力侵攻のためディカルト武国が人為的に生み出したヴェロキラプトル型バイオゾイドで、後述のバイオゾイドよりは性能は劣る。
ミクロラプトル型の飛行ゾイド。こちらも生産性重視の雑兵だが、数の暴力でソラシティを陥落させている。
メガラプトル型。最初期に登場した「本物の」バイオゾイドである(バイオラプター等はメガラプトルのコアを元に生み出されたクローン)。終盤では量産型も登場している。
バイオメガラプトルの進化系。より強固な「クリムゾンヘルアーマー」と対象を分子レベルにまで崩壊させる「バイオ粒子砲」を手に入れた。
トリケラトプス型。攻撃的なバイオゾイドの中でも珍しい、防御型のバイオゾイド。頭のシールドからバリアを発生させつつ突撃する戦法を得意とする。こちらもバイオメガラプトル同様量産化されている。
プテラノドン型。極限まで軽量化されたヘルアーマーと、鋭いブレードを持つ。
ケントロサウルス型。より高硬度精製されたヘルアーマーの剣を複数武装する。こちらもバイオメガラプトル同様量産化されている。
ティラノサウルス型。バイオゾイドの頂点に君臨する唯一絶対の最強の王。腹部には接近した敵を破壊する肋骨状の「リブ・デスサイズ」を忍ばせ、口腔内には最高威力のバイオ粒子砲を隠し持つ。マザーバイオは亜種の様な存在である。
唯一の哺乳類型バイオゾイド。『ゾイドサーガDS』にて登場。
バイオディプロドクス
ディプロドクス型。商品化は実現しなかったが、ラフ画が『電撃ホビーマガジン』に掲載されている。
その他
コンセプトアートが残されているモチーフとしては、カルノタウルス型なども知られる。
ゾイドジェネレイションズ
こちらでは、人間が操縦する兵器ではなく、「マザーバイオ」によって半永久的に生み出され続ける存在として描かれている。
独自の知能と意思を持って活動し、果ては他のゾイドを捕食して進化する魔物ような生命体として描写されていたが、同時に、人類との生命体としての交流やテレパシーに近い意思の疎通も可能である。それゆえに、最終的には和解する個体も見られた。
本作オリジナルのバイオゾイドとして、スピノサウルス型のバイオスピノ、死神バイオ、バイオドロマエオサウルスなども登場した。
キット
従来のポップアップキットのようなモーター・ゼンマイによる歩行ギミックを持たず、既に完成されたフレームに軟質素材で作られた装甲(バイオラプター&グイの装甲はプラパーツ)を取り付けていく簡易組み立てタイプのキットで、バイオラプター&グイを除いて歩行ギミックの代わりにゾイドコアの発光と数パターンの鳴き声発声ギミックを搭載している。
更に一部の箇所にボールジョイントを採用したフレーム各部の関節によって様々なポージングを取らせることが可能で、そのデザインはさながら恐竜の骨格をモデルにした骨格模型と言える。
しかしながら、特徴的なヘルアーマーは加工はおろか塗装すら困難な軟質素材で再現されており、従来のカスタマイズパーツやブロックスのパーツとも互換性がないため、ゾイドの醍醐味のひとつであるカスタマイズの敷居が高くなってしまい、模型誌でも細々と作例が紹介されるに留まった。
余談
- 設定の都合上とはいえ、かつての恐竜型ゾイドがアバンタイトル以外でアニメに登場する機会を失い、現生動物(主に哺乳類)VS絶滅動物(主に恐竜)の構図にした事で動物=善、恐竜=悪というイメージが定着してしまったのも旧来のファンからは不評であった。