登太牙
のぼりたいが
「深央、俺なら君を守れる。それを今見せてやる」
演:山本匠馬
概要
『仮面ライダーキバ』の登場人物の一人。第32話より登場。キング(バットファンガイア)と真夜(パールシェルファンガイア)との間に生まれた息子で、現代編のキング。ファンガイアではあるがファンガイア態は明かされなかった。
怒ると複数の蛇のようなオーラを出す。
左手に黒い革手袋を着用しており、その下の掌と甲にそれぞれキングの紋章がある。他のファンガイアと異なり、血の色が青い。黒髪の持ち主。
劇中の動向
過去編
キャッスルドラン内部でチェックメイトフォーのビショップ(スワローテイルファンガイア)の教育の下で育てられた。その後、嶋護の手により育てられた。幼少の頃の紅渡と会っており、彼にとっての初めての親友となった。しかし、突然彼の前から行方をくらました。
現代編
表向きでは巨大投資企業「D&P」の若き社長を務めているが、裏では、人類を進化させる新技術を「人間の進化(ファンガイアにとっての脅威の発生)の抑制」という使命の元に葬るべく、投資を求めてきた科学者などを抹殺していた。ただし、自分達の利益になるなら投資をすることもある。抹殺対象が人間なら配下のファンガイアに任せるが、抹殺対象がファンガイアである場合のみ自ら出向き、サガに変身して粛清する。
基本的に人間は家畜・食料としか見ていないが、渡だけは上記のことがあってか、親友として温かく接していた。しかし渡が弟(異父兄弟)であることが判明。以降は彼を一族に迎え入れ、共に人間を管理しようと誘いかけるようになる。
彼自身はキングの使命感を強く持っている故、自らの行動や考えが最善である事を信じて疑わないが、親しい者への愛情とそれ以外の者への非情さの二面性は深央や渡に理解されず、更に言えば、人間の可能性を信じて『共存』という方法を提案する渡の案を聴き入れようとしないばかりか、彼を無理矢理にでも一族に迎える為にビショップに命じて、彼の中に眠るファンガイアの本能を目覚めさせて、親しい人間達との仲を壊そうとしたり、深央の心中にある渡への想いや葛藤を全く察しようとしないなど、実際は親しい者への愛情表現さえも父親である先代のキング譲りの独善的なものであり、そうした一面も祟り、皮肉にも太牙の思惑とは裏腹に渡や深央との間には少しずつ溝が深まっていく事になってしまい、母親である真夜から中々キングとして認められない苛立ちも合わさる事で、次第に孤独感や焦燥感に苛まれるようになっていった。
後半も佳境に差し掛かった頃、嶋を騙す形でサンゲイザーファンガイアにしてしまった一件を巡り、渡と明確に対立する事になり、とうとうライダー同士の抗争にもつれ込んでしまう。
さらに渡との恋を望んだ深央が暴走し、泥沼の戦いの果てに、太牙への情も捨てきる事ができなかった深央はキバの攻撃から太牙を庇い、その身に必殺技を受けて、重症を負ってしまう。
さらに一連の一部始終を見ていたビショップが、掟に反した深央の粛清とキバの戦意喪失を目論み、深央にとどめを刺して謀殺。
そうとも知らない太牙は、この事件で渡との仲違いが決定的になってしまうという最悪の結果に至ってしまった。
後にビショップから深央の死の真相を明かされた(実際は得意気にベラベラと自慢していた)折には、激昂して痛めつけた末に追放した事で、逆恨みと怒りを爆発させた彼から謀反を起こされ、それをきっかけに「D&P」社員達や他の支配下だったファンガイアからも次々に反旗を翻される事になり、「D&P」社長の座を追われ、次から次に自身の命を狙ってくるファンガイア達に心も身体も追い詰められる事となる。
そこへ追い打ちをかけるかの如く、終盤では突然態度が豹変した渡に「キング」の称号を奪い取られてしまう。
こうして、何もかも失い、絶望の底に突き落とされた果てに、真夜に手をかけ、ダークキバへの変身資格を手にする。
そして、渡に母に手をかけた事を伝えた末に、2人は一対一の決闘に至ってしまう。
実力は拮抗し、中々決着がつかなかったが、そこへ駆けつけた嶋から、渡の性格の豹変やキングの称号を奪った目的がすべて「キングの座を欲するファンガイア達から太牙を守る為の芝居」であった事を知らされる。
そこへ別の場所でイクサに敗北したビショップが自身のライフエナジーを使って復活させた先代キングこと再生バットファンガイアが現れ、太牙と渡は兄弟二人力を合わせてこれを撃破。
その後、無事であった真夜から諭された2人は和解の意図を込めて、殴り合いに興じることで、兄弟の絆を取り戻した。
先代キング(+ビショップ)との戦いの後、一度は失った「D&P」社長の座を取り戻し、「ファンガイアと人間の共存」に方針を変え、これを実現すべく奔走している。
余談
演じた山本は『劇場版 仮面ライダーキバ 魔界城の王』では白峰天斗を演じているが、公式でTV版とはパラレル扱いになっているため、ただのそっくりさんという認識でよい。
ただ、撮影時期が近かったのか渡役の瀬戸康史は「大牙くん」と呼ぶシーンを「白峰さん」と間違えて呼んだとか。
山本は後に『KAMEN RIDER DRAGON KNIGHT』でブラッド・バレット/仮面ライダートラストの日本語吹き替えを担当している。