注意:この項目には、ゲーム「フラワーナイトガール」の極めて重大なネタバレが含まれます。ことに2023年度追加分の情報は、フラワーナイトガールの根本的なネタバレに深く関係している可能性が極めて高く、かつゲームの運命をも左右し得る要素が含まれます。閲覧に十分ご注意ください。
注意:現在このキャラクターに対し、賛否両論の評価が発生しております。編集の際は物語の背景や世界観に照らし合わせつつ、賛否どちらかに偏らないようにご注意願います。
注意:大見出しの項目名に重大なネタバレとなる用語を使用する行為はご遠慮願います。また、再三の変更の際は、必要なデータや記述を削除したり、関連性の薄い別のデータと混ぜて他の閲覧者を混乱させたりしないよう、細心の注意をお願いいたします。本項はかなりの長文となっております。過剰な句読点の排除はご遠慮ください。
概要
ゲーム「フラワーナイトガール」に登場する超巨大な害虫で、スプリングガーデンを支配すると伝えられる「三大守護神蟲」の一つ。物語開始より1000年以上前に害虫化し、ウィンターローズの「ナイドホグル平原」地下に封印されていたが、遥かな時を経てナイドホグルの力が封印の力に勝り、現代に復活してしまった。
その後再封印されるも、残るミズウォルムとフラスベルグまで復活してしまい、再び封印が解かれることとなる。
特徴
近江富士を七巻き半したという伝説の大百足に匹敵する巨体を誇る、スプリングガーデンで初めて発見された巨大怪獣。その全長は推定約20キロに及び、頭から曳航肢の先まででウィンターローズ国土を横断できるほど。
体内は溶岩洞のようになっていて、「眷族」と呼ばれる超強力な害虫が多数生息している。体内は後にクジラ艇が安全に格納、離着陸できるほど広大で、そこから体高50メートル以上、体幅200メートル以上あることが推測できる(封印の際に心臓に楔を打ち込んだことから、クジラ艇の出入口は気門と思われる。少なくともクジラ艇が出入りできるほど気門も巨大である)。
とてつもなく巨大なことを除けば全体的にオオムカデに似ているが、その体表はよく見ると蛇やトカゲの鱗のような構造で体節が覆われ、また左右に一対、眉間に一つ、合計三個の複眼を持つ(ムカデ綱で複眼を持っているのはゲジだけ)、後頭部から後方に二対、外側に一対、計三対の角が生えているなど、現実のムカデと比べると非常に禍々しい姿をしている。さらに、背中に一対以上のデスギドラに似た翼があるが、皮膜が破れているためおそらく飛ぶことはできない。
その姿はもはやムカデというよりはドラゴンに近い。
おまけにコブラのような鎌首をもたげるため、数値以上に大きく見える。
体型はオオムカデよりもジムカデ類やオニイソメに似た非常に長細いもので、「千の足のナイドホグル」の異名通りに足の数は500対を超えると思われる。
武器はその巨体と眷族の害虫、そして口から発射する火炎放射と火山弾様の火球である。また後年、局地的なヒートアイランド現象を発生させ、高熱によってあらゆる有機物を自然発火させる能力が存在することが判明した。
眷族害虫について
眷族はいずれも、飛行能力を持たない害虫ばかりが知られている。その全てが極限指定級以上の強さを誇り、一般的な大型害虫と比べてかなり危険な存在である。
・イモムシ型
イモムシ型大型害虫に似た害虫。通常のイモムシ型と違い、全身の棘が鋭い。またナイドホグルに似た翼を一対持っている。非常に攻撃性が強く、体格と重量を活かした戦法を得意とする。
・ケムシ型
イモムシ型の取り巻き。眷族で唯一の小型害虫だが、その強さは極限指定級に準ずる。
・クモ型
クモ型大型害虫に似た害虫。巨大なコモリグモに似た姿が特徴。強い毒性を持つ。
・サソリ型
サソリ型大型害虫に似た害虫。毒針に炎を宿している。
・ムカデ型
2023年現在までに発見されているムカデ型害虫は全てナイドホグルの眷族である。ナイドホグル眷族軍団の主力と言って差し支えなく、最も強力で、その強さは極限指定級どころか、並の古代害虫をも上回る。後述の通り、一部の個体は精霊や世界花との会話が可能。
活動記録
物語開始以前からその存在は知られていたが、長い間誰もその姿を見たことがなく、半ば伝説に近い存在となっていた。
初登場はメインストーリー1部、長い長い旅の終わり頃に、平原に隣接するフヴァの氷結湖を突き破って復活。
全長数十キロに及ぶ巨体はそこにとぐろを巻くだけでウィンターローズ国土の3割以上を覆い尽くすほど。あまりに巨大な害虫のため、体まるごとではなく、体内にある「核」(おそらく心臓と思われる)を封印して地下に叩き返す作戦に変更。激戦の末、一瞬の隙を突いて特別部隊がナイドホグル体内に突入した。
ナイドホグル復活
ナイドホグルは長らく、伝説上の存在として語り継がれてきた。しかし、フヴァの氷結湖周辺や、ナイドホグル平原の広範囲に渡って、なにやら異様な巨体を誇る害虫の残骸が最序盤から確認でき、さらにクジラ艇での攻略対象としてクジラ艇と同じくらい巨大な害虫(全長50メートル前後)が出没するようになったことから、ただの伝説ではないのではないかという噂が飛び交っていた。
1部も終わりに差し掛かる38章以降、ウィンターローズの広範囲で、生物性の局地的な地震が相次いで発生するようになった。それに伴い、ウィンターローズ全土、および国境を接するブロッサムヒル、リリィウッド、ベルガモットバレーでの大型害虫の活性が急激に高まる異常事態が発生。
「本当にナイドホグルは実在するのかもしれない」、スプリングガーデン全土に不安が広まる中、ついに運命の時が訪れてしまった。
伝説によれば、ナイドホグルが最後に封印されたのは、劇中時間で、物語開始より約1000年前。1000年以上という時間、それは、封印の力が弱まるにも、そしてナイドホグルの傷が完治するにも、十分すぎる時間だった。
かくして、本編メインストーリー1部47章、ついにナイドホグルの力が封印の力を上回り、フヴァの氷結湖の氷を粉砕して、ナイドホグルが現代に復活してしまった。
それは、ナイドホグル平原をとぐろで覆いつくし、全
長の一割を鎌首に当て、頭上何百メートルもの高さから地上を見下ろす、超巨大なムカデの化け物だった。規格外の力と、ろくに攻撃が通らない堅牢さ、そしてあまりの被害の甚大さに、ウィンターローズは滅亡の危機を迎えることとなる。
ナイドホグル封印戦
ナイドホグル討伐のため、スプリングガーデン中の花騎士がかき集められた。おびただしい数の眷族害虫が猛威を奮う中、ナイドホグルとの戦いについてとんでもない作戦が立案される。
ナイドホグルは桁違いに巨大である。その呪毒も桁違いであろう。仮に討伐に成功しても、その呪毒はスプリングガーデン中を汚染し、二次災害の原因になりかねない。もはや討伐できないのならば、古の伝説にある通りに封印することはできないだろうか。
…一理あった。
というのも、この時ナイドホグルの封印は、まだ完全には解けていなかった。ならば、元々どこにどのような封印がかけられ、どこの封印がどのように解けているのか、それが解れば、ナイドホグルを封印しなおして沈黙させることができるかもしれない。それが、スプリングガーデン軍の結論だった。
かくして、一瞬の隙を突き、ナイドホグル体内に、特別部隊を乗せたクジラ艇が突入した。
体内には眷族害虫が大量に待ち構えており、中でもムカデ型害虫には、既知の昆虫型や鋏角類型などとは大きく異なる敵に悪戦苦闘。
それでもなんとか「核」にたどり着き、シャインクリスタルを打ち込んでホエイルカノンを放ち、ようやく封印が完成した。
全ての核を封印した特別部隊はナイドホグルの体内から脱出し、ナイドホグルはついに沈黙。とどめにソーラードライブを撃ち込み、ついにナイドホグルはフヴァの氷結湖へと崩れ落ち、氷の湖底に封印された。
前代未聞の巨体を誇るナイドホグルには既知の害虫のような戦法は一切通用せず、今回完全には仕留められなかったどころか封印できたのも奇跡とすら言われ、これ以降対超大型害虫戦を想定した戦略が模索されることとなった。
守護神蟲、復活
ナイドホグルに関して再び動きがあったのはミズウォルム殲滅作戦決行の直前。ロータスレイク湖底から発見された遺跡から、ナイドホグル、ミズウォルム、そして未だ見ぬフラスベルグとおぼしき壁画が発見され、遥か大昔にも目撃されていたことが判明した。
その後の根源の世界花防衛戦、およびミズウォルム殲滅戦の中、呪毒以外に「守護神蟲」という謎のワードを理由にミズウォルム殲滅作戦に難色を示す精霊が現れる。それでも説き伏せ、ようやくミズウォルム殲滅に成功したかに思われたが、今度はソーラードライブに適応した突然変異のミズウォルム「ミズウォルム・シロ」が出現してしまった。
一抹の不安を覚えながらも、ミズウォルムとの戦いはひとまず幕を閉じた。しかしまもなく復活したフラスベルグがコダイバナ奥地に陣を構えていたことから、フラスベルグを討伐すべく、再びスプリングガーデン中の花騎士に召集がかかる。
ディープ・レコードが、「禁書領域」という異空間内で発見した資料によれば、はじめてナイドホグルとフラスベルグが封印された際は「フラスベルグとナイドホグルを闘わせ、双方ともに消耗したところを封印した」(要約)とあり、もう他に手段を選んでいられる状況ではなかったことから、この時の記録を元にした「千の足の方舟計画」という、一か八かの極めて危険な作戦に打って出ることが決定する。
千の足の方舟計画
作戦の概要はこうだ。まずナイドホグルとフラスベルグを戦わせ、その隙にクジラ艇でフラスベルグに肉薄する。頃合いを見てフラスベルグにソーラードライブを放ち、フラスベルグを浄化、撃破する。そしてそのまま両者を再封印し、フラスベルグの野望を永遠に打ち砕く。
それは、文字通り狂気の計画だった。まず何より、ナイドホグルをコントロールする手段がない。1000年前の再現は、不可能かに思われた。
リリィウッドから、ミズウォルム・シロに関する信じ難い情報が飛び込んできたのは、まさにそんな時だった。
ミズウォルム・シロの性質
ミズウォルム・シロの研究が行われていた、リリィウッド郊外の研究所から届いた報告書によると、ミズウォルム・シロには、既知のミズウォルムにはない能力があることが判明した。それは、光の衝撃波で他の害虫を攻撃すること。極限指定級以上の力を持つフラスベルグの眷族ですら退けるこの衝撃波だが、なんと同じミズウォルムをミズウォルム・シロに変異させるという性質が発覚。さらに研究がなされた末に、この光の衝撃波に、ソーラードライブやホエイルカノンのような、呪毒の浄化作用がある可能性が出てきた。
これは、ミズウォルム・シロが害虫ではない何らかの存在に変異したことを意味する。
さらに、この衝撃波を中途半端に食らい、半分だけミズウォルム・シロになったミズウォルムも発見された。この半分だけミズウォルム・シロになったミズウォルムは後に「浄化のミズウォルム」と命名され、その後の研究で、衝撃波を使えない以外ミズウォルム・シロと全く同じ性質を持つことが確認された。
そして、ミズウォルム以外の害虫はたとえ極限指定級や古代害虫であっても浄化反応が出る前に死滅することが判明し、ミズウォルム以外でミズウォルム・シロの効果を活かせ得る唯一の存在として、ナイドホグルの名が上がったのである。
果たして、ミズウォルム・シロは害虫なのか、益虫なのか、あるいはどちらでもない何かなのか。そして、ミズウォルム・シロの光の衝撃波で変異し、浄化反応が出た「浄化のミズウォルム」は、害虫なのか、益虫なのか、あるいはどちらでもない何かなのか。
その正体を知る方法は、一つしかない。
ミズウォルム・シロの性質を理解するための最終実験。この「千の足の方舟計画」が、その舞台に選ばれたのである。
報告者は、レシュノルティア、カラタチ、ウルシの三名。ウルシは先の再封印戦での功績もあるが、いささか不安の残る面子である。とはいえ、もう他に手段を選んでいる時間はない。コダイバナの最終防衛ラインでは、日に日にフラスベルグの眷族の数が増えてきている。
ついに、スプリングガーデン軍特別部隊に、ミズウォルム・シロによるナイドホグル浄化実験、および「千の足の方舟計画」の決行が命じられた。
ナイドホグル浄化作戦
住民の避難が終了し、閑散としたナイドホグル平原。突入部隊が、再びナイドホグルに対峙する。先の根源の世界花防衛戦に関わった精霊の力を借り、氷の底に封印されたナイドホグル体内に瞬間移動した。
そこは、封印されているにもかかわらず、変わらず溶岩洞のよう。部隊は封印されたナイドホグルの核にたどり着き、ミズウォルム・シロが発光し始めた。
その光に反応し、ナイドホグルの眷族が四方八方から集まってきた。突入部隊は迎撃のため、ミズウォルム・シロの群れを中心に輪形陣を敷く。
迎撃戦の最中、ミズウォルム・シロの群れが、ひときわ強力な光を放つ。光の衝撃波はナイドホグル体腔を満たし、眷族害虫の大軍を消し飛ばす。
衝撃波で、ナイドホグル体内が揺れる。突入部隊は精霊の助けで辛くもナイドホグルから脱出し、フヴァの氷結湖へと撤退した。
そこに、一体のムカデ型害虫が現れた。それは、ナイドホグルの眷族の生き残り。何かの物陰に隠れて生き延びた、眷族害虫の一体が、フヴァの氷結湖に出てきたのである。
突入部隊が戦々恐々とする中、一体のミズウォルム・シロがナイドホグルの眷族の元に駆け寄る。そして、何かを会話し始めた。
以下は、居合わせた精霊が解析した、ナイドホグル眷族がミズウォルム・シロに語ったと思われる内容である。
ナイドホグルの眷族「感謝を。我らが主は、この変容を受け入れようとしている。時間はまだ必要だが、その時はいずれ来るだろう。」
ナイドホグルは、光の衝撃波で浄化され、青白く脱色された。
それは、この作戦により、ナイドホグルの性質が、大幅に変化したことを意味していた。
こうして、荒唐無稽にも思われた「千の足の方舟計画」は、にわかに現実味を帯びてきた。
ナイドホグル曳航作戦
それからしばらく経ち、ついにナイドホグルの変態が完了し、1000年ぶりにナイドホグルの封印が解かれた。
迎えたコダイバナ奪還作戦決行の日、コダイバナの最終防衛線にナイドホグルを転移すべく、ナイドホグル曳航部隊がウィンターローズに集結。残る全ての花騎士はコダイバナに集結し、ナイドホグルの到着を待っていた。
クジラ艇の最終点検中だった。何かを悟ったフラスベルグは、コダイバナ最終防衛線、ナイドホグル曳航予定地付近に、凄まじい数の眷族害虫の大軍を送り付けてきた。
天を覆い尽くす眷族害虫の大軍。最終防衛線の迎撃が追いつかない。
最終防衛線に、コダイバナ全域から古代害虫が集結する。
その時だった。
アブラナ「衝撃に備えて!舌噛んで死んだりしたらシャレにならないわよ!」
サントリナ「でっ……かぁぁぁぁぁぁぁぁい!!?」
ひしめく害虫の大軍を蹴散らし、ついにナイドホグルがコダイバナに降臨した。
コダイバナ決戦
突撃部隊を乗せたクジラ艇が、ナイドホグルの口腔内に格納される。今、まさにフラスベルグとの戦いが幕を開ける。突撃部隊はナイドホグルとともに突撃、他の花騎士部隊は少し離れたところからナイドホグルを援護。
全ての花騎士によって構成されたスプリングガーデン軍と、眷族害虫を率いるナイドホグル。最初で最後の、花騎士と害虫が共闘する、最終決戦の火蓋が切られた。
フラスベルグは、ナイドホグルとスプリングガーデン軍を蹴散らすべく、何万という眷族型の誘導光弾「天雷の使徒」を、連合軍に浴びせてきた。
さらにフラスベルグは、ミズウォルム・シロと関わっていないミズウォルムをかき集め、自分の眷族と共闘させていた。
猛烈な爆撃の嵐の中、突撃部隊はナイドホグル上で防空攻撃を開始。
さらに、この時ばかりは、害虫であるナイドホグルの眷族が精霊と共闘。主を守るべく、突撃部隊をナイドホグルのあちらこちらに移動させ、迫り来る天雷の使徒の撃墜に努めた。
ナイドホグルが味方した理由
ほんの少し前まで害虫の王であり、そして今なお害虫の眷族を多数引き連れ、まさに花騎士と敵対する存在であるナイドホグルが、フラスベルグを前に花騎士と共闘した理由。それは、ナイドホグルが、この世の何よりもフラスベルグを憎んでいたからである。
過去にナイドホグルとフラスベルグの間に何があったかは不明だが、花騎士の中に本能レベルで害虫を憎む者が大勢いるように、ナイドホグルは本能レベルでフラスベルグを憎んでいる。
フラスベルグの息の根を止めるためならば、ナイドホグルはいかなる存在も利用する。それがたとえ、かつて命の奪い合いをした、花騎士であろうとも。
つまり、この「千の足の方舟計画」が成功した最大の理由は、偶然にも花騎士とナイドホグルの利害が一致し、一時的とはいえ互いに利用し合う関係になったからだと言える。
フラスベルグ撃滅作戦
そしてついに、ナイドホグルがフラスベルグに接敵した。
クジラ艇は緊急発進し、ナイドホグルを離陸。直後、ナイドホグルとフラスベルグが激突した。
スプリングガーデン最大の生命体同士による激闘。フラスベルグは、雷状の光線「天雷」と、天雷の使徒をナイドホグルに浴びせる。対するナイドホグルは、業火のような火炎と牙で、フラスベルグの翅を引き裂く。
それはまさに、この世の終わり。コダイバナの天地を揺るがす猛烈な戦い。
離陸したクジラ艇は、全兵装をもってフラスベルグを攻撃する。
10対以上に発達したフラスベルグの翅を、一枚残らず剥ぎ取る。その全てを破壊し、大地に叩き落とす。
そしてついに、フラスベルグが大地に叩きつけられる。もはや飛ぶ力すら喪失しつつあるフラスベルグに、最大出力のソーラードライブが放たれる。それは、フラスベルグを貫き、鱗粉の一欠けすらも余さず焼き尽くす。
その時だった。
フラスベルグが探していたもの
果たして、これを誰が予想できただろうか。
突如、コダイバナ最奥のクレーターから、猛烈な闇が噴出する。それはフラスベルグを呑み込み、ナイドホグルを呑み込み、ミズウォルムを呑み込み、ミズウォルム・シロをも呑み込んだ。
衝撃でクジラ艇は不時着し、そしてコダイバナの害虫軍団は総崩れとなった。
闇の中に、不気味な目玉が浮かび上がる。その正体は、1000年前スプリングガーデンに戦争を仕掛け、滅ぼされてなお害虫化の呪毒を「闇」としてコダイバナの地底に隠し、自らは怨霊となって「闇」の中に潜み、そして今、ついに出揃った三大守護神蟲を取り込み、その力と「闇」と化した呪毒をもって1000年ぶりに肉体を手に入れた、全ての黒幕、「死にゆく世界の支配者」アグレッサだった。
この「闇」こそ、復活したフラスベルグが一直線にコダイバナ奥地に移動した理由。フラスベルグは眷族を使ってこの「闇」を手に入れ、あわよくばスプリングガーデンを滅ぼすつもりだったのである。
突然の事態に混乱するスプリングガーデン軍。その時、突然フォスの亡霊がナズナに憑依した。
フォスは、突撃部隊とともに闇に突入すると、まず満身創痍のナイドホグルをウィンターローズに送り返した。
力尽きたナイドホグルは、ナイドホグル平原の下に戻り、ようやく永遠の眠りについた。
戦いは続く。続けて発見されたミズウォルム・シロを一匹取り上げると、ミズウォルム・シロは光の衝撃波を放ち、他のミズウォルム・シロを解放。突撃部隊は数匹のミズウォルム・シロを伴い、力尽きた残りのミズウォルム(衝撃波で全てミズウォルム・シロもしくは「浄化のミズウォルム」に変異した)をリリィウッドに送還。
そしてついに、力尽きたフラスベルグをベルガモットバレーに送還。フラスベルグは幽谷の底に沈み、ようやく永久の眠りについた。
突撃部隊とフォスの作戦に気づいたアグレッサは、最後の抵抗とばかりに三大守護神蟲から奪い取った力を振りかざす。
今、1000年の戦いに、終止符が打たれる。
呪毒の消滅
最後のソーラードライブが、闇を引き裂く。アグレッサが、猛烈な光の中に消えていく。
ついに、アグレッサの怨霊が滅びた。それとともにフォスは成仏し、「闇」と化していた害虫化の呪毒が浄化された。
こうして、コダイバナ奪還計画と、三大守護神蟲との戦いが終わりを告げた。
そして、力尽きた守護神蟲は地の底に姿を消した。
1000年ぶりにウィンターローズで復活し、スプリングガーデンを揺るがす猛威を奮いながらも、ついにフラスベルグと相討ちになったナイドホグル。それは今、完全に力尽き、再びウィンターローズの大地へと沈んでいった。
こうして、ナイドホグルとの果てしない戦いは、ようやく終わりを迎えた。
…はず、だった。
ナイドホグル怪人態
注意:この先、フラワーナイトガールの根本的なネタバレが含まれている可能性があります。
その後、スプリングガーデンは束の間の平和を迎えていたが、古代花騎士復活によって始まった「試練」とも呼称される大精霊との戦いの後、ついに世界花が降臨。
これに伴い、スプリングガーデンでは、いよいよ害虫との戦いを永遠に終わらせるべく、害虫の起源、呪毒の根源、すなわちアグレッサの故郷であるスプリングガーデンの外界の攻略計画が持ち上がった。ブロスの賛同の下、かつて外界から来た存在である「七賢人」の情報をかき集め、平行してクジラ艇の再改装とさらなる量産を行い、そして最初の偵察の計画が立ち上がった。
その後ディープ・レコードが発見した古文書から、スプリングガーデンと外界の間に「外園」なる狭間の空間があり、スプリングガーデンと外園の間、および外園と外界の間は時空がループする封印の結界が施されていることが判明した。この結界はその後、スプリングガーデン~外園間を「内外園」、外園~外界間を「外外園」と命名され、この結界を解除するために、結界を扱える魔術師として、ナイドホグル再封印戦の際にウィンターローズで封印技術試験を行ったシギラリアに白羽の矢が立つこととなった。
偶然にもシギラリアは、「外界より来る七賢人」の一人、ダインの子孫であり、その封印術は先祖代々受け継がれ、洗練されてきたものだった。
外園偵察計画
そしていよいよ、改装が終わったクジラ艇の運用試験と、外園の結界突破のための実験を兼ねた、外園偵察計画が始動した。
シギラリアが伝え聞くところによれば、外園とは「不毛な土地が延々と続く沈黙の世界」。この情報はブロスの記憶とも一致し、そこから、外園には脅威になり得る存在はないものとみなされた。
これにより、この計画自体が、「内外園と突破し、外園で偵察と兵装の試験を行った上で帰還する」という、簡単なものとなった。
誰もが、この偵察が、呆気なく達成されるものと推測していた。
しかし、いざ外園に到達すると、そこは既に、極限指定級害虫の巣窟と化していた。
不意を突かれた偵察部隊だったが、そこには秘密裏に密航していたスイカズラをはじめ、歴戦の大物たちが集っていた。
待ち構えていた害虫の大軍に対峙する偵察部隊。しかし、そこに現れた害虫軍団には、皆一様に、ある不吉な共通点があった。
アキレア「…なあ、団長。あいつら、見たことねーか?監獄島じゃねえ。熱くて、暗くて、肌がひりつくような…。」
マロニエ「私も同じことを考えてるけど、今はゆっくり喋ってる場合じゃなさそうだよ。」
そこに現れた極限指定級害虫の大軍。それは皆、不気味なほどに、あのナイドホグルの眷族害虫にそっくりなのである。
「害虫使い」の争い
そこに突然、謎の人物が乱入してきた。
???「そこから動かないで!」
突如乱入し、極限指定級害虫を撃退した謎の少女。それは、何匹もの黄金のコガネムシを操り、その体躯に似合わぬ力で極限指定級害虫の大軍に割り込み、成り行きとはいえ初対面の花騎士たちと合流することとなった。
しかし、彼女は花騎士ではなかった。それどころか、世界花であるブロスですら世界花の加護を感じ取れなかった。それはすなわち、彼女…ケペラは、そもそもスプリングガーデンの出身ではないということを意味していた。
困惑する偵察部隊。しかしそこに、第2の「害虫使い」が乱入してきた。
????「ケーちゃんから離れろ」
飛び退いたアキレアのいた場所に、巨大なサソリのハサミの一撃。それは、巨大なサソリを操る者。
花騎士を「花の悪魔」と呼び、ケペラの言い分を無視して、害虫軍団もろとも花騎士たちを消し去ろうとする。その不気味なほど据わった目には、おぞましいほど深い憎しみが宿り、猛烈な害意に満ちていた。
極限指定級害虫の大軍を前に、偵察部隊は撤退を決意する。しかしそこに、サソリ使い…シルキトが、偵察部隊を追撃し、クジラ艇ごと偵察部隊を壊滅させようと迫る。
シルキトの凶行を防ごうと、ケペラがシルキトの前に立ち塞がる。
あくまでも花騎士たちを葬り去ろうとして、サソリ型害虫を暴れさせるシルキト。シルキトの言い分に異義を唱え、偵察部隊の時間を稼ごうとするケペラ。二人の「害虫使い」が言い争う。
シルキトをなだめようと、ブロスが割り込もうとした、その時。
今この外園で、最も恐ろしい存在が、襲いかかってきた。
謎の極限指定級害虫使い「ふう…ようやく、捕まえた…」
それは、あの極限指定級害虫の大軍を操る者。この外園の絶対強者であり、外園に潜んでいた極限指定級害虫の大軍の親玉である。
不吉な赤黒いムカデの鎧に身を包み、ムカデのような尾を生やし、ムカデの尾のような鞭を振るうそれは、明らかに人間ではなかった。
サソリ型害虫を脅威的な脚力で踏みにじり、その脳天を踏み抜こうとする。同時にその恐るべき握力でシルキトの首を握り潰し、何十人もの人の目の前でシルキトを殺そうとする。
ケペラがお供のコガネムシに攻撃させるが、全く効き目がない。
その強さを認めたスイカズラが、謎の極限指定級害虫使いに襲いかかる。一瞬の隙を突かれ、謎の極限指定級害虫使いは、シルキトを取り落とす。
一命を取り留めたシルキト。その行く末を省みることなく、目の前に突然現れた強敵に嬉々として殴りかかるスイカズラ。しかし、何かがおかしかった。
謎の極限指定級害虫使い「…何?この子…。花騎士…だけど、何か…変…あ…先帝が言ってたの、これか…。異端、例外、イレギュラー…聞いてた通りの…でも…思ったよりは、たいしたことない。」
スイカズラ「………は?」
次の瞬間、謎の極限指定級害虫使いは、その圧倒的な腕力で、呆気なくスイカズラを投げ飛ばした。
クジラ艇に激突したスイカズラは、なお立ち上がるも、謎の極限指定級害虫使いを「自分と刺し違えない限りどうしようもない」と断定。
そして、決定的な出来事が起こる。
なおも立ち上がるスイカズラの姿を認めた謎の極限指定級害虫使いは、自らスイカズラに手加減したことを独白しつつ、それでも「己の役割」のために偵察部隊を葬り去ろうと近づく。
迫り来る謎の極限指定級害虫使いの前に、突然ブロスが飛び出した。
ブロス「ナーちゃんっ、スト~~~~プ!!!!」
似ているだけ。単なる人違い。あるいは偶然の一致。
おそらくその場にいた、全ての花騎士たちの思考から、その説は意図的に排除されていたのかもしれない。
しかしこの瞬間、「謎の極限指定級害虫使い=ナイドホグル」という、考え得る限り最も恐ろしい説がほぼ確定してしまった。
シギラリア「は~~~~……世界花様といい、守護神蟲様といい、人型の美女になるのがブームなんですかね………?」
守護神蟲の役割
「守護神蟲」。前述のミズウォルム殲滅戦に反対した精霊が使った用語である。当時これはよくわからない謎の用語でしかなかったが、後のディープ・レコードの調査の結果、それがロータスレイクで発見された遺跡の壁画に描かれた3種類の害虫の王、すなわちナイドホグル、ミズウォルム、フラスベルグの総称であることが判明した。
精霊の言い伝えや、遺跡の壁画を基に推測すると、アグレッサが葬られ、本来あるべき姿に戻った守護神蟲は、本来の役目…すなわちスプリングガーデンの守護へと戻ったということになる。その方法は不明だったものの、少なくともそれは、スプリングガーデンの主たる世界花の話を聞くということでもあった。
そして万が一、ブロスの話が本当ならば、謎の極限指定級害虫使いの正体は、ウィンターローズで力尽きたはずのナイドホグルであり、それは最低でもブロスの話は聞くということになる。
…精霊の言い伝えが本当ならば。
謎の極限指定級害虫使い(以降しばらくの間ナイドホグル怪人態と呼称)「…うん。初めまして、ブロス…そして…さようなら。」
ナイドホグル怪人態は、ブロスの嘆願を一蹴し、絶対に何者をも外園の通過を許すことなく、そこに存在する全ての命を殲滅する勢いで暴れ始めた。
なおも諦めきれないブロスだったが、もはや交渉は決裂。このままでは、偵察部隊は全滅する。
ブロスは全ての権能を総動員して、偵察部隊をクジラ艇に緊急避難。ブロスはクジラ艇に全ての権能と加護を注ぎ込み、クジラ艇は出力を最大にして緊急離陸。ナイドホグル怪人態が暴れる外園からの緊急脱出に、辛うじて成功はしたものの、バナナオーシャン沖の無人島に不時着して大破。ブロスも力尽き、毛玉に戻ってしまった。
この事件により、ケペラは巻き込まれてリリィウッド郊外の密林に遭難。そしてシルキトは外界に放り出され、消息不明となった。
そして、この脱出により、団長は頭を打ち、気絶してしまった。これ以降、団長の言動に、それ以前では考えられない違和感を感じさせるものが混じることとなる。そしてそれが、やがて花騎士たちの運命を、ゆっくりとねじ曲げていくこととなる。
そもそも、守護神蟲の本来の役目とは、なんなのだろうか。その頃、ミズウォルム研究所にいたギンランたちが、精霊と会話するミズウォルム・シロを発見した。
通りがかった、人語とミズウォルムの言語を理解できる精霊の通訳により、エーデルワイスらはミズウォルムから、直接全てを聞き出すことを決意した。
以下は、ミズウォルム・シロと花騎士たちの問答である。
ミズウォルム・シロ「─そうだよ、これから外園に行くところ。よく知ってるね。傷が治った「ボク」から移動を始めてて、ボクは結構遅い方なんだ~」
ギンラン「外園には、一体何があるのですか?そこで、あなた方は何をしているのですか?」
ミズウォルム・シロ「外園にあるのは、広めの大地。ボクらが本気で暴れても平気なくらいの。そこで侵入者をぶっ潰すの。それがボクらの役割。……1000年前は、失敗した。あんな連中、信用しないで全員ぶっ潰しとけばよかった…。」
ギンラン「…侵入者というのは、外から来た者ですか?それとも、内から出ていこうとする者も含みますか?」
ミズウォルム・シロ「含まないよ。それは脱走者。脱走者は、スプリングガーデンに連れ戻すだけ。だから安心して。キミらが脱走を企てても、ボクらは連れ戻すだけだから。」
ギンラン「「脱走」自体を止めようとはしないのですか?」
ミズウォルム・シロ「今までずっと止めてたよ。意識を逸らしたりしてね。でも、それはもう通用しなくなっちゃったでしょ?キミらは外の世界の存在を知り、出たくなった。キミらの使命感と自由意志ゆえに。だからもう、今の時代っていうのは、お互いにお互いのしたいことをするだけなんだよ。キミらは出たい。だから脱走する。ボクらは止めたい。だから連れ戻す。それだけ。」
ギンラン「…話し合いの余地は、ないのでしょうか?」
ミズウォルム・シロ「それも全然あると思うよ。ただ、結果どこに落ち着くかはわからないかな~。ボクらの役割は、この世界が創られた時にアルカと交わした約束だから。」
ギンラン「アルカ…?」
ミズウォルム・シロ「最初の夢の花。この世界の創造主。ボクらの使命は、アルカの願い。そして、キミらという存在もまた、アルカの願いから生まれた。だから、どっちのしたいことが正しいのかは、ボクにもわからない。」
レシュノルティア「…それはある意味、わたしたちを対等な存在として認めてくれてるってこと?」
ミズウォルム・シロ「話し合いでもいい。ぶつかり合いでもいい。アルカの子ども同士、遠慮せずにいこうよ。そうすればきっと、アルカの意志が顕れる。ボクらはそれが見たいんだ。」
レシュノルティア「…」
ミズウォルム・シロ「それじゃ、ボクはそろそろ行くね。お互いに、信じる道を進んでいこ~」
ミズウォルム・シロの語った内容から推測すると、守護神蟲の本来の役割とは、スプリングガーデン内外の完全な遮断であると考えてよいだろう。
それは、単なる守護の範囲を超え、鎖国に等しい状態と言ってよい。
少なくとも、ミズウォルム・シロとは、まだ話し合いの余地はあるのかもしれない。しかし、ナイドホグルにその余地があるのか否か、それには議論の余地がある。
そして、この後保護されたケペラの話から、外界のカレンサスの民に、花騎士とスプリングガーデンへの憎悪を吹き込み、スプリングガーデンへの侵略を唆す何者かの存在が語られた。ケペラ自身は、この存在(後に、カレンサスの民に生贄を要求する「陽炎様」と、それを従えていると言われている「ハクア様」なる存在が示唆された。これらの存在と、スプリングガーデンへの侵略を唆す存在が同一かどうかは不明だが、無関係とは考えにくい)の語る内容に疑問を抱いていたが、姉のシルキトは完全に鵜呑みにしたようである。
この存在は、おそらくアグレッサと無関係ではないだろう。むしろ、この存在こそ、カレンサスを壊滅させ、害虫をけしかけている可能性もある。であるならば、この存在こそ、今回の事件の真の黒幕である可能性もある。
「陽炎様」と「ハクア様」の正体が何者であれ、カレンサスとスプリングガーデンの戦争を仕掛けようとする何者かを倒すためにも、そして、外界のどこかに潜んでいるはずの、害虫化の呪毒を振り撒く真の黒幕を滅ぼすためにも、スプリングガーデンは外界への遠征の決意を固めるに至った。全ては、害虫との戦いを、今度こそ終わらせるために。
しかしそのためには、どうにかして外園を突破する必要がある。ミズウォルム・シロの意志が、ミズウォルムの総意かどうかはわからない。そして外園には、あのナイドホグル怪人態が、すさまじい数の眷族害虫を率いて待ち構えている。ブロスやウェルウィッチアは、いまだにナイドホグル怪人態への望みを捨てきれていないが、マロニエやアキレアは、もはやナイドホグル怪人態との交渉は不可能だろうと推測している。
水面下で動く者
その頃、外園で別の動きを見せる者がいた。第2の世界花、ウィン。
ウィンは、当初ナイドホグル怪人態同様、花騎士の外界進出には反対していたが、その理由は真逆だった。
方や、スプリングガーデンと外界との関係を、一切遮断しようとするナイドホグル怪人態。方や、花騎士たちの身を案ずるあまり、過保護になるウィン。
花騎士たちの意志の強さと、計画の現実性を目の当たりにしたウィンは、自らの過保護を曲げ、一転、花騎士の外界遠征のための準備に賛同していた。手始めに、ナイドホグル怪人態が、ケペラ追討のために眷族害虫をスプリングガーデン中に展開させていることを知ると、眷族害虫をウィンターローズに呼び集め、ナイドホグル怪人態に対し、ケペラ追討を止めるよう圧力をかけた。
その後も、花騎士たちの外界遠征計画を支援する裏で、密かにナイドホグル怪人態と交渉を続けていたウィン。そしてついに、ウィンとナイドホグルが、直接相見えた。
会談は、外園で行われた。ウィンが外園に向かい、ナイドホグル怪人態と直接顔を合わせる。
ウィンは、なるべく穏やかな口調で、花騎士たちの意志と、世界花の総意を伝える。そしてそのために、花騎士たちは何度でも外園を通ろうとすることをも伝え、ナイドホグル怪人態の譲歩を狙った。
しかし、ナイドホグル怪人態は、それを拒絶した。
ナイドホグル怪人態「…届かないよ。その手は、私が叩き落とす。アルカが望んだのは、永遠の平和。今以上の危険に、皆を晒したりはしない。」
ウィン「はぁ…そうですか。では、どうぞご自由に。」
ナイドホグル怪人態の強情さに呆れたウィンは、万が一の可能性を探ることにした。
ウィン「お互いに譲れないのなら、あとはぶつかるしかないのでしょう?」
ナイドホグル怪人態「…ぶつかる…また、ここに来る…そう、だね…皆は、強いから…一度や二度の敗北じゃ、心折れたりしないから…その時は…また、同じように…」
ウィン「…違うでしょう。そうじゃないでしょう、ナイドホグル。」
ウィンとブロスだけが勘づいていた、ナイドホグル怪人態の正体。そして、そのさらに奥に隠された、ナイドホグルの自己矛盾。最後の望みを賭け、ウィンは、その自己矛盾に触れた。
ウィン「同じではだめなのです。あなたも、変わらなければならないのです。そう思ったからこそ、わたくしと「話がしたい」と思ったのではないのですか?」
ナイドホグル怪人態「変わる…?私が…違う…有り得ない、そんなこと…私が…私が、変わってしまったら…誰が、アルカとの約束を…!」
ウィン「…そうですか。わかりました。」
話は平行線。ナイドホグルの自己矛盾も、交渉材料にならなかった。
たとえ世界花が何柱頭を下げようと、絶対に花騎士を外界には出さない。ナイドホグル怪人態の意志は、ウィンの想像をはるかに超える固さだった。
ついに、ウィンがしびれを切らした。
ウィン「…この、わからず屋!」
ナイドホグルvs世界花
ついに、交渉は決裂した。激怒したウィンは、その権能を行使して、外園を氷漬けにする。
急激に冷えていく外園。全てが凍てつく中、怒り狂ったナイドホグル怪人態の叫びが響きわたる。
凍てつく外園の一角に、突然灼熱の炎が立ち上がる。
ナイドホグル怪人態「私は…私だって、本当は…!!」
ウィン「遠慮はいりませんよ、ナイドホグル。そのまま全て吐き出しなさい。口下手で、頑固で、不器用なあなたの激情…このウィンが受け止めてさしあげます!」
戦いは、一瞬のうちに決した。
ウィン「ふう…やはり、純粋な力比べでは、あなたに敵いませんね。」
それは、ナイドホグル怪人態の勝利に終わった。しかし、ナイドホグル怪人態の一方的な勝利とはならなかった。
ようやく、ナイドホグル怪人態が、ほんの少しだけ、意志を曲げた。そして望むのは、花騎士との最後の決着。
対話するのか、敵対するのか。花騎士たちの旅路を認めるのか、否か。全てを決するために、ナイドホグル怪人態は、花騎士との最後の戦いを望んだ。
ナイドホグル怪人態「私よ…同一にして異質の私よ…近い内、ここにまた、スプリングガーデンから花騎士たちが来る。そのときは…」
ナイドホグル「我よ…同一にして異質の我よ…。裁量は、そちらに委ねる。時代は移ろいゆくもの。なれば、我等もまた不変ではいられぬが道理。新たな選択は、任せた。」
ナイドホグル怪人態「…やっぱり、わかってたんだ。私が、この姿になった意味…」
ナイドホグル「然り。されど、既に我が手を離れたこと。これからの意味は、そちらが築くべきだろう。」
ナイドホグル怪人態「そうさせてもらう。それと…名前も。」
ナイドホグル「名…それもまた、道理か。既に役割は分かたれているゆえ。問おう。我よ、同一にして異質の我よ。汝の名は?」
ナイドホグル怪人態改め外園騎士ナイドホグル「私は─外園騎士ナイドホグル。この地からスプリングガーデンを守る存在。そして…この地とスプリングガーデンを繋ぎ、花騎士との架け橋となる存在。」
ナイドホグルとの最終決戦
今ここに、スプリングガーデンの全てを賭けた、最後の戦いが幕を開ける。
スプリングガーデン軍は、ナイドホグル怪人態、改め外園騎士ナイドホグルを倒すため、外園に集結した。
ウィンの情報を基に、スプリングガーデン軍は、国家維持のためのごくわずかな戦力のみを残して、全戦力を外園へとかき集めた。
外園騎士ナイドホグル「…ようこそ、外園へ。また、いつか会うとは思ってたけど…。」
スプリングガーデンの最大戦力を前にして、なお外園騎士ナイドホグルは揺らがない。おびただしい数の眷族害虫を引き連れ、スプリングガーデン軍と対峙した。
外園騎士ナイドホグルを擁護しつつ、花騎士とナイドホグルの間を取り持とうとする世界花。しかし、なおナイドホグル軍も、スプリングガーデン軍も、その戦意は衰えない。
外園騎士ナイドホグル「皆の力をちゃんと知って、私自身が、納得したい。この世界の外に出すことが正しいのか。それが、アルカの願いを叶えることに繋がるのか。」
そして、外園騎士ナイドホグルは、眷族害虫の大軍を、スプリングガーデン軍に叩きつけた。
外園騎士ナイドホグル「…私は、あの山の頂上にいる。そこで…また、話をしよう。」
外園騎士ナイドホグルが瞬間移動する、直後、眷族害虫の雄叫びが上がる。
ウィン「さて…これで舞台は整いましたね。騎士団長、花騎士の皆さん。あとは、あなた方の力を示すのみです。この世界の神のひとつであるナイドホグルは、それを待ち望んでいます。」
かつて、幾度となく、スプリングガーデン軍と命を賭けた決戦を繰り広げた、ナイドホグル。1000年の因縁を、今度こそ終わらせるために、今、スプリングガーデン軍と、ナイドホグル軍が激突する。
今ここに、ナイドホグルとの、最後の戦いの火蓋が切られた。
猛烈な死闘の末、スプリングガーデン軍は、ついに眷族害虫の大軍を全滅させた。
既にかなり消耗したスプリングガーデン軍だが、そのまま外園騎士ナイドホグルが潜む山に雪崩れ込む。
外園騎士ナイドホグル「…そう、来たんだ…」
外園騎士ナイドホグルは、わずかな護衛だけを連れて、頂上に佇んでいた。そして、スプリングガーデン軍の接敵を悟ると、自らの剣を振りかざし、ついに、その真の力を表した。
外園騎士ナイドホグル「おいで、アルカの子どもたち。どれだけ強くなったのか…試してあげる。」
山がえぐれる。大地が裂ける。何人もの花騎士が、弾き飛ばされる。
空が燃える。大地が熔ける。何人もの花騎士が、炎に巻かれる。
それでも、スプリングガーデン軍は、外園騎士ナイドホグルめがけて押し寄せる。
戦いは、ほとんど相討ちに終わった。全ての花騎士が力尽きる中、一瞬の隙を突いて放たれたソーラードライブが、疲弊したナイドホグルを貫いた。
そしてついに、外園騎士ナイドホグルは、地に伏した。
条約締結
世界花の呼び声により、外園騎士ナイドホグルは再び目を覚ました。そして、自らの敗北を悟ると、ついに折れた。
外園騎士ナイドホグルは、ついに花騎士の前に屈した。そして、花騎士の外園通過と、外界への出入りを認めた。
しかし、世界花は、それだけでは満足しなかった。
ブロス「えーっ!?ナーちゃんも一緒に行こうよ~!」
外園騎士ナイドホグル「行くって…どこに?」
ブロス「どこにでも!スプリングガーデンの中も、外の世界も!だって、そのためにその姿になったんでしょ?」
ウィン「意地を張らずともよいのではないですか?それが外園騎士の役割なら。いえ…それが、あなたの望みなら。」
ナイドホグルの真意。それは、自己矛盾。それに気づいていた世界花だったが、花騎士とナイドホグルとの勝敗が決した今、世界花は、ただ外界への道を拓くだけでは満足しなかった。
一転して、ナイドホグルと花騎士を和解させようとする世界花。そして、もはや完全に思考回路が焼き切れた団長。
世界花からの想定外の勧誘に困惑した外園騎士ナイドホグルは、「少し考えさせてほしい」とだけ述べると、どこかへと消えていった。
花騎士の運命
※この先の展開は現在猛烈な賛否両論の評価がなされています。可能な限り客観的な記述に努めて参りますが、次回以降の更新で評価が大幅に変化する可能性があります。最新の情報にご注意ください。
外園での決戦から数日。スプリングガーデン軍で、ようやく回復したアブラナ、ギンラン、ワレモコウ、セントポーリア、ポトス、シギラリアの6人と、これを支える世界花二柱、そしてナズナによる巡回部隊が、ブロッサムヒル郊外の巡回を行っていた。
この編成は、この時動かせる最大戦力である。
いまだに戦いのダメージが残り、弱い害虫一体倒すだけでも体が悲鳴を上げる状態。
休憩しようと、街道近くの丘を登る巡回部隊。
アブラナが、丘の頂上に、やつれたような姿の外園騎士ナイドホグルを発見したのは、まさにその時だった。
突然の加入
※本項の内容と展開には、現在猛烈な賛否両論の議論が発生しております。
外園を離れ、遠くを見つめる外園騎士ナイドホグル。その視線の先には、世界花に抱かれた、ブロッサムヒルの首都。
ナイドホグルの姿を認めた世界花たちが駆け寄り、ナイドホグルに話しかける。
ナイドホグルが、口を開く。
外園騎士ナイドホグル「…ただ、見てた。この世界と、ここで生きている皆を…。…やっぱり私は、この世界が好き。アルカと一緒に夢見た、このスプリングガーデンが。」
そして次の瞬間、ナイドホグルは、想定外の言葉を口にした。
外園騎士ナイドホグル「だから…私も…………仲間に、入れてくれる……?」
この青天の霹靂を喰らった、各々の反応がこれである。
ブロス「もっちろんだよ~!!ねっ、皆!!」
セントポーリア「は~い。いいですよ~。ナイドホグルさんも、一緒にお茶しましょ~♪」
アブラナ「はーっ……ほんっと、あんたが言うと緊張感ぜーんぶなくなっちゃうわね…」
ワレモコウ「モコウも、異議なしです?断じて、頼もしすぎる仲間……?」
ギンラン「ウィンターローズでの決戦の時には、予想もできなかった展開ですわね。」
シギラリア「クッソビビリますけど……誰も反対しないなら、まあ、あたしも特には……」
ウィン「相変わらずですね、シーちゃん。言いたいことは早めに言った方がいいですよ。」
ポトス「なんと言いますか、今に始まったことじゃありませんけど……団長様の騎士団、どこまで強くなるんですかね……?」
ナズナ「ふふっ。きっと『どこまででも』ですよ!それは、強いとか、すごいとか、そういうことだけじゃなくて……」
外園騎士ナイドホグル「……いいんだ。……本当に、いいのかな……?」
団長「もちろん。よろしく、ナイドホグル。」
外園騎士ナイドホグル「……そっか。うん……団長がそう言うのなら……わかった。外園騎士ナイドホグル。この世界のために……皆と一緒に、戦う。……よろしく、ね?」
賛成6、棄権1。そこにいた花騎士のうち、困惑するアブラナ以外の全員がブロスに賛成した。
ほんの数日前まで、花騎士たちと命を奪い合っていたナイドホグルは、こうしてあまりにも拍子抜けするほど呆気なく巡回部隊に受け入れられ、そのまま騎士団に入ってきた。団長は、これを止めるどころか、むしろ歓迎した。
こうして、ほとんど誰も知らぬまま、また、一切の調整も行われぬまま、騎士団に、あのナイドホグルがやって来た。
第一次外界遠征
それからしばらく経ち、ようやく全ての花騎士が復活した。そして、スプリングガーデンでは、先のナイドホグルとの決戦の結果を受け、いよいよ1回目の外界遠征が決定した。
しかし、この時行われた調整の内容は、現時点で何一つ公表されていない。そのため、ナイドホグルの加入に関する調整が行われたかどうか、および、それに伴う混乱をどのように治めたのか、それについては一切明らかになっていない。
大きな不安を抱えつつも、遠征部隊が組織され、出撃の日を迎えた。
外園騎士ナイドホグルは、外園で待っていた。難なく手続きを済ませた遠征部隊は、ついに外外園を突破し、スプリングガーデンの外界へと突入した。
…はずだった。
外界に到達した直後、遠征部隊は、何者かの攻撃を受けた。そして、次に目を覚ました時、遠征部隊は、カレンサス砂漠で遭難してしまっていた。
団長が気づいた時には、全員クジラ艇から放り出され、砂丘しかない砂漠のど真ん中で気絶していた。そして、クジラ艇は行方不明になってしまった。
そしてどういうわけなのか、なぜか外園騎士ナイドホグルまでもが攻撃に巻き込まれ、カレンサス砂漠で遭難してしまっていた。
花騎士たちの運命が、少しずつ狂い初めていることを、この時はまだ、誰も気づいていなかった…。
データ
名 | ナイドホグル |
種族 | 外園騎士 |
図鑑ナンバー | 997 |
属性 | 斬 |
所属 | ウィンターローズ |
史上初となる害虫由来のプレイアブルキャラクターである。
しばしばマイドアリと比較されるが、マイドアリはあくまでもオンシジュームに付随する存在であり、また益虫であることが確認されている(同族に害虫の「マイドアリ」もいるが、オンシジュームが連れている個体は最初から益虫である。それでも初期の頃はかなり警戒されていた)。そしてマイドアリ単体ではプレイアブル化していない。このため、一度でも害虫化したことがある存在のプレイアブル化は、名実ともにこれが初となる。
容姿
大きく二つの形態を持つ。
通常形態は前述の通りムカデの鎧を纏う寡黙な女の姿である。
これが元のナイドホグルに近い姿に変化した「害虫態」は、本体の百分の一程度の大きさと、数体節に一対という脚の少なさ以外、浄化作戦以前の本体によく似た姿となる。
浄化作戦以前の姿で現れた理由は、浄化作戦以降の姿だと、他の守護神蟲(特にフラスベルグ)と色味が被って不快だからなのだと言う。
性格
極めて物静かで寡黙な性格で、見た目に反しかなり暗い。
しかしそれ以上に感情の起伏が激しく、特に「フラスベルグ」という単語を聞くや否や一切周囲を省みず激怒して暴走し始める。
厄介なことに軽く力むだけで半径数キロの気温を急上昇させられる(そしてその作用により、範囲内にある自分以外の有機物を自然発火させられる)という恐ろしい力を持っており、感情の起伏に合わせて局地的な災害を起こすことも可能である。前例のないほどの気性難である。
性能
超高火力型のアタッカーで、最大の特徴は害虫態への形態変化である。一度発動すれば高レベル極限指定級のレイドボスでも瞬く間に消し飛ばされる。
発動にはもちろん条件があり、「自パーティーのメンバー全員が合計10回攻撃される」というもの。これは回避や無効などで不発扱いになってもカウントされる。
例えば5人パーティーの全体攻撃が来た場合、その攻撃はキャラごとに1回としてカウントされるため、これだけで5回分としてカウントされる。先制攻撃をしてくる敵の場合、こちらのターンが始まる前にカウントが溜まりきる可能性もある。
弱点は、形態変化したターンには一切攻撃できないこと。そのためそのターンだけ4人分の攻撃になる。
本件と「千の足の方舟計画」との差異
本件はしばしば、前述の「千の足の方舟計画」と比較される。また、この「千の足の方舟計画」が、今回のナイドホグルの騎士団加入の妥当性の根拠とする意見も見られる。
実際、両件ともに「ナイドホグルが花騎士と共闘する」という点で共通しているものの、詳しく両件を比較してみると、実際にはかなりの差異があることがわかる。
以下に、「千の足の方舟計画」と、今回の「ナイドホグルの騎士団加入」の具体的な違いを述べる。
・騎士団におけるナイドホグルの位置付けの違い
本件を「千の足の方舟計画」と比較した際、真っ先に着目すべき差異である。
「千の足の方舟計画」では前述の通り、ナイドホグルはあくまでもフラスベルグに肉薄するための移動要塞であり、巨大な乗り物として扱われていた。
一方、今回の騎士団加入により、ナイドホグルは騎士団のメンバーとして扱われることになる。
すなわち、「千の足の方舟計画」時にはクジラ艇をナイドホグルに載せる構図だったのが、今後は逆にナイドホグルをクジラ艇に乗せる構図となる。そのため、騎士団から見て、ナイドホグルの戦略的な位置付けが根本的に異なることになる。
・ナイドホグルの大きさの違い
非常にわかりやすく、また戦術的に重要な差異である。
これまでナイドホグルは推定全長約20000メートルという、極めて巨大な存在であり、「千の足の方舟計画」時には、この巨体がスプリングガーデン軍の盾として活用されていた。これだけの大きさがあれば、いかなる地形、いかなる戦況においても非常に目立ち、敵味方ともにその存在を簡単に認識できる。
一方、外園騎士ナイドホグルは通常、身長約2メートル、害虫態でも全長約200メートルしかない。そのため、スプリングガーデン軍の盾として運用することはできない。また地形や戦況によっては、敵味方ともにナイドホグルの現在地を正確に把握することが難しくなる可能性がある。
これにより、ナイドホグルの戦力としての運用方法が根本的に変わることになる。
・ナイドホグルと花騎士の共闘期間の違い
二つの計画を比較する上で重要な差異である。
「千の足の方舟計画」では、伝説に基づき「フラスベルグとナイドホグルを共倒れさせる」ことが目標に定められていた。このため花騎士とナイドホグルの共闘期間はフラスベルグが倒れるまでとなる。フラスベルグさえ倒してしまえば、ナイドホグルとの共闘関係は解消される。
しかし今回、世界花が花騎士たちに求めているのは、ナイドホグルとの無期限での共闘である。ナイドホグルを騎士団に加入させたのは、このためである。
ナイドホグルとの共闘期間に終わりが有るのか、無いのか。戦略的な意味だけでなく、花騎士の士気にも影響し得る重大な差異と言える。
・ナイドホグルと花騎士の距離の違い
以上三点の差異に深く関わる、騎士団在来の花騎士の士気に影響し得る重要な差異である。
「千の足の方舟計画」では、スプリングガーデン軍は現場での合流となった。そしてあくまで花騎士にとってナイドホグルは利用対象であり、ナイドホグルの眷族が害虫であること、ナイドホグルが元々害虫だったことを割り切る要素となっていた。
しかし前述の通り、ナイドホグルを騎士団に入れてしまった以上、今後は寝食を共にする一人の団員として扱うことになる。ナイドホグルの眷族が変わらず害虫であること、そしてナイドホグルが元々害虫であり、再び害虫の姿を選択した事実は、外園での最終決戦から変化していない。
少し前まで害虫であり、今なお害虫の眷族を率い続けているナイドホグルと、騎士団上げて仲良くする方針は、害虫と戦うという花騎士の使命を重んじる多くの花騎士にとって、大きな精神的負担を伴う恐れがある。
- 害虫を憎む花騎士は本当にいなくなったのか?
この差異について考える上で、しばしば議題に上がる無視できない課題である。両方の戦いに参加していたミントをはじめ、花騎士の使命に特に忠実な花騎士の中には、その理由として過去に害虫に親しい人間を殺された経験がある例がしばしば見られる。
メインストーリー中のミントが害虫に対して抱く思いが描写された最後のシーンは、根源の世界花防衛戦の時である。この戦いでは害虫と戦うことに執着し過ぎて暴走気味だったミントとコルチカム、カイコウズとの交流により、害虫への憎しみに囚われすぎて周りが見えなくならないよう成長する展開となっている。
つまりこの物語以降のミントが害虫にいきなり殴りかからなくなっていても、それと害虫への憎しみの有無は無関係ということである。
このミントの例に基づくならば、害虫への憎しみに身を委せて暴走する花騎士はいなくなったが、彼女たちの害虫への憎しみがなくなった訳ではないということになる。実際、害虫への憎しみを抱く花騎士の中でミントは比較的冷静な部類だが、スターチスやバニラなどもっと猛烈な憎しみを抱いていたり、身体が無意識に害虫を憎んでいる花騎士も見られ、中には戦闘中に害虫への恨みで周りが見えなくなる花騎士すらいたのである。彼女たちも今はアンガーマネジメントができるようになったとはいえ、正気を失わせるほどの猛烈な憎しみが消えたとは考えにくい。
・敵対する対象の違い
前述の差異に加え、花騎士とナイドホグル、双方の士気に影響し得る差異である。
「千の足の方舟計画」が成功した最大の理由は、上述の通りフラスベルグという花騎士とナイドホグルの共通の敵が存在していたからである。そもそも「千の足の方舟計画」自体、ナイドホグルとフラスベルグが敵対関係にあることが解らなければ、まず絶対に立案されなかった作戦である。
しかし現在、ナイドホグルは外界から入ってきた存在を、そして花騎士は害虫と害虫の根源を、それぞれ外園から先の敵と見なしている。直接両者の共通の敵となる存在は現時点では確認されていない。
現在、ナイドホグルと花騎士が共通で対抗すべき存在は見つかっていない。そのため、現在世界花と関係なくナイドホグルと花騎士が自発的に共闘しようと考える可能性は低い。たとえナイドホグルが花騎士と仲良くしようと思っても、当分は一方通行になるだろう。
・作戦中の眷族害虫の行動範囲の違い
花騎士の士気だけでなく、騎士団全体の戦術に関わる重要な差異である。
ナイドホグルの戦力には、眷族として率いている多数の害虫たちが含まれている。「千の足の方舟計画」では、これらの眷族害虫は原則としてナイドホグル体内にのみ配置され、ナイドホグルから離れて他の害虫と交戦することはなかった。眷族害虫が直接戦った相手は天雷の使徒であり、その舞台はナイドホグル体表上に限定されていた。
一方、外園騎士の体内には眷族は配置できない。よって戦場では必然的に眷族がぞろぞろついて来る構図になる。当然だがこの場合、眷族がナイドホグルから遠く離れた所で敵と交戦することが予想される。
現在、外界には、少なくともサソリ型は存在することが判明している。そのため、戦闘中には、ナイドホグルの眷族を敵害虫と誤認して攻撃することが予想される。それを防止しようとした場合、いちいち害虫の正体を確認する必要が出てきてしまう。これが繰り返されれば作戦の成功率にも影響を及ぼし、花騎士の士気にも影響する。
・各国との調整の違い
両件の最大の差異と言ってよい、極めて重大な差異である。
「千の足の方舟計画」の際は、各国首脳部と全ての花騎士の了解の元に作戦が実行された。ナイドホグル浄化作戦の際、ウィンターローズでは決行前にナイドホグル平原からフヴァの氷結湖までの広範囲の立ち入りが制限され、近隣住民は首都東部や近隣諸国へと避難していた。またコダイバナ攻略までの間に、団長が各国を巡り、世界花に挨拶まわりをする一連の儀式をしていた。これは各国が共同で作戦に関わっていることを示しており、その調整などのために何度か首脳級国際会議が開かれていた。さらに劇中ではしばしば作戦の概要などについて花騎士たちに説明している様子が見られ、この場でこの作戦が害虫を運用する作戦であることとその危険性、そしてそれでもやらなければならなかった理由などが説明されていたと見られる描写もある。よってこの作戦では説明を受けた花騎士たちの同意に基づいて各部隊が配置され、そして決行されたことがわかる。
しかし、今回のナイドホグルの加入は、ナイドホグル再発見の場にいた者たちだけの、しかも多数決合意に基づき決定された。前述の通りその場は世界花によって全て仕切られており、花騎士への説明などは一切なかった。そしてこの時、この巡回部隊にいた者以外の花騎士は、各国首脳部含め誰一人としてナイドホグルの安否を知らない状態だった。つまり、ほとんど誰にも知らされないまま、事実上世界花の意向だけでナイドホグルの進退が決定してしまったのである。その後、外界遠征のための各国との調整が行われたようだが、この中にナイドホグルに関する要件が含まれている描写は一切なかった。本件が明るみに出れば、スプリングガーデンで大きな混乱が発生することは目に見えている。しかし、世界花の性格上いつまでも本件が秘匿されるとも考えにくい。各国や騎士団の花騎士たちに事後報告されたのか、それとも隠蔽されたのか、現在それすら何もわからない状態となっている。
ナイドホグルは、その存在そのものがスプリングガーデンに大きな影響を与え得る存在であり、仮に運用するならば各国の慎重な調整が必須となる。「千の足の方舟計画」の際は長期間かけて慎重かつ綿密な調整が行われたのに対し、今回は一切の調整がなされないまま、極めて短時間でナイドホグルの騎士団加入が決定してしまった。
加入したことの問題点
前述の通り、今回のナイドホグルの騎士団加入には激しい賛否両論があり、その是非が今なお問われ続けている状況である。その理由として、既に述べた通り、フラワーナイトガールという作品の設定上、ナイドホグルのプレイアブル化を手放しで喜ぶことが絶対にできない重大な問題がいくつか存在していることが挙げられる。
1.性格面の問題
既に述べた通り、ナイドホグルは非常に感情の起伏が激しく、その度に局地的な災害が発生し得るという危険な側面を併せ持つ。そのため取り扱いが極めて難しく、他の花騎士やケペラでは発生しなかった相性問題が発生している。
最も厄介なのはやはり「フラスベルグ」という単語に対する過敏性と過剰反応である。ナイドホグルの性質上、この問題は重大な弱点になり得る。花騎士と違い、ナイドホグルが暴走を始めた場合は周囲に甚大な被害をもたらすことになるため、ナイドホグルの怒りが鎮まるのを待つしかない。この弱点が敵に露見すれば、部隊の全滅もあり得る。
そうである以上、過去にフラスベルグを信仰していたジュズダマとは絶対に合わせてはならない。一言でもジュズダマが口を滑らせるか、あるいは記録や伝聞でジュズダマの過去がナイドホグルに知れれば、ナイドホグルはジュズダマを殺そうとする可能性がある。
厄介なことに、現在外界遠征部隊にはジュズダマも編成されていることが確認されている。そして外界にはナイドホグルも飛ばされてしまっているため、両者が直接顔を会わせる危険性が高い。
また将来、万が一フラスベルグも分体を作り出した場合にも備える必要がある。仮にそうなった場合、ナイドホグルとフラスベルグの戦いが再開してしまう可能性がある。これが騎士団内や市街地などで起これば、大惨事は免れられない。
2.運用面の問題
既に述べた通り、ナイドホグル自身は既に害虫ではなくなったが、ナイドホグルの眷族はいまだに害虫ばかりである。ナイドホグルを運用する以上、眷族である害虫を運用することも意味するため、害虫を運用する合理的理由付けが必須になる。
その理由は大きく二つ。
1つ目は前述の「花騎士の使命」である。しつこいようだが花騎士とは「世界花の加護を受け、害虫と戦う」存在と定義されている。よって一般的に害虫は花騎士の討伐対象になり、その害虫と戦わず、むしろ共闘するのであれば、それ相応の理由が必要となり、それに関する調整なども必須になるが、前述の通りナイドホグルには現在そのような理由も調整もない。
もう1つは敵味方の識別である。害虫が花騎士に混じって戦闘に参加するのであれば、どの害虫が味方なのか、詳しく確認する必要のない識別手段が求められる。混戦中や最前線であれば、作戦遂行のためにもなおさら識別は短時間で終わらせる必要がある。しかし残念ながらナイドホグルの眷族は、ムカデ型とイモムシ型以外、はっきりそれとわかる固有の共通点がないため、花騎士からの誤認攻撃を受ける可能性が高い。
3.政治的問題
何度も述べた通り、ナイドホグルの運用は政治的に非常に難しい用件の一つである。特に今回、ナイドホグルの騎士団加入に関して、一切の政治的調整が行われないまま話が進行してしまったため、ナイドホグルの運用に関する混乱を抑える手段が何もない。唯一の方法は「世界花の意向」であることを公表することだが、全ての花騎士が常に世界花を信仰している訳ではないため、この方法でも混乱を抑えることは極めて難しい。
しつこいようだが、害虫の被害は描写されている以上に深刻である。当然だが、いまだに害虫を憎んでいる人々や花騎士が無視できない割合で存在している。こうした人々が本件を知れば、大きな混乱を招くことになる。そうした混乱を抑えるためにも、ナイドホグルの運用は各国との調整が必須になっていたのだが、現時点で事後報告含めそのような調整が行われた形跡が一切ないため、今後大きな混乱が発生することが懸念される。
派生種
(ラスト1コマ)
以前から、「ナイドホグル団長」なるオオムカデ型のキャラが、エイプリルフール企画などに登場していた。
ナイドホグル団長は体長約3メートル、オオムカデとナイドホグルの合の子のような見た目で、三つ目、頭に鉢巻を巻いている(前述の三上山の大百足伝説でも、藤原秀郷は鉢巻をして戦ったという言い伝えがある)。現時点では「害虫」の括りだが特に有害な何かがある訳ではない。性格は気の良い関西弁のおっさん。
正体
この先、フラワーナイトガールの根本的なネタバレが含まれます。
ナイドホグルの正体
アルカ(後の根源の世界花)「─ねえ、□□□□□□□□。あなたの夢は何?」
□□□□□□□□(後のナイドホグル)「夢…?そんなものはない…私はただ、もう二度と…自分を、仲間を、理不尽に奪われたくない…」
アルカ「─なんだ、あるじゃない!それがあなたの夢よ。」
□□□□□□□□「これが、私の夢…?じゃあ…皆と仲良く、平和に暮らしたいって思うのも…」
アルカ「─それも、あなたの夢ね。それに、私の夢と一緒!」
□□□□□□□□「私の、夢…アルカの、夢…。叶えたい…」
アルカ「─私も叶えたい。そのために、この世界を創ったんだもの。─私たちの新しい世界を、守ってくれない?」
□□□□□□□□「うん…守る。私が、やる…」
アルカ「─よし!じゃあ、一緒に頑張ろう!─そのために、私が力をあげるね。─そうだ。せっかくだし、名前も変える?これから、新しいあなたになるわけだし。」
□□□□□□□□「いいけど…私、バカだから…。アルカに、任せる。」
アルカ「─うーん、そうね…。もっと強くて、格好いい感じの…。─じゃあ、あなたの名前は…。」
遠い、遠い大昔。アルカが、スプリングガーデンを創った頃。当時アルカと親しくしていた存在がいた。その存在は、アルカの加護を受け、ナイドホグルへと変化した。
ナイドホグルの正体。それは、単なる害虫や益虫ではなく、それどころかスプリングガーデンで一般的ないかなる生命体とも異なる、世界花と同じ高次の存在である。外園での最終決戦の時、一度だけだがウィンがナイドホグルのことを「神」と呼んでいたのは、このためである。
ナイドホグルの以前の名前は、現状八文字らしいこと以外一切不明である。しかし、それはスプリングガーデンが創られた遥か大昔に、世界花の加護を受けた代わりに捨てられた名前のため、もうこの名前が出てくることはないと思われる。
そして、史上初めて世界花の加護を受けたのは、最古の花騎士フォスではなく、根源の世界花の加護を受け守護神蟲となったナイドホグルだったのである。そういう意味では、ナイドホグルはあらゆる花騎士の始祖にも等しい存在と言えるかもしれない。
ただし、これが他の守護神蟲にも当てはまるかどうかは、現時点では一切不明である。
外園騎士ナイドホグルの正体
ナイドホグル「我よ、同一にして異質の我よ。自我はあるか、答えよ。」
ナイドホグル怪人態(以降、紛らわしいので外園騎士ナイドホグルで統一する)「…私…同一にして、異質の私…。一体、何を…」
ナイドホグル「我はこれより、外園の仕組みと一体化する。修復と強化、その維持には他に道なし。そちらは、従来の役目を果たせ。個として動き、この世界を守護せよ。」
外園騎士ナイドホグル「…理解した…了承する…けど…この姿は、何…?これじゃ、まるで…」
ナイドホグル「…わからぬ。だが、意味のあることなのだろう。それを識るのもまた、そちらの役目。任せたぞ、我よ─ナイドホグルよ。」
外園騎士ナイドホグル「こっちからも、任せる…ナイドホグル。全ては、この世界のために─アルカの願いのために。」
根源の世界花の加護を受けたことで、ナイドホグルは世界花同様分体(分身)を産み出せるようになった。この能力で、ナイドホグルは外園に無数の分体を送り込み、本体はウィンターローズに在って、スプリングガーデンの広域を監視できるようにしていた。
そのナイドホグルの分体で、初めて人間に近い姿を得た者が、後に「外園騎士ナイドホグル」と名乗るようになった。
分体は世界花の化身同様、その記憶と意識を本体と共有し、独自の自我と意志を持って行動する存在である。そして外園騎士ナイドホグルが若き日のナイドホグルに近い性格であることや、前例のない人型の分体であることから、外園騎士ナイドホグルはナイドホグルの心から産み出された分体の可能性がある。
ナイドホグルのどこから産み出されたにせよ、先のコダイバナでの決戦で満身創痍となったナイドホグルが、自らはウィンターローズの大地を通じて外園の大地へと還るため、その後を託すために産み出した、いわば後継者として産み出した分体が、この「外園騎士ナイドホグル」だったのである。
ナイドホグル団長の正体
ナイドホグルの分体としての特徴「ナイドホグルと記憶と意識を共有し、独自の自我と意志を有する」というものに全て該当し、なおかつナイドホグル本体に類似した姿であることから、ナイドホグル団長の正体はナイドホグルの分体の一体であると推測される。
それだけでなく、ナイドホグル団長は史上初となる人語を解し人間と直接会話可能な害虫として登場したため、エイプリルフール産のネタキャラとはいえ特別な存在として認知されてきた。
この事から、ナイドホグル団長は外園騎士ナイドホグルのプロトタイプに該当する可能性がある。
ナイドホグルの真意
謎
これだけの存在であるナイドホグルだが、様々なことが明らかになるにつれ、スプリングガーデンの成り立ちやナイドホグル自身のことについて、大きな謎も明らかになった。
ナイドホグルの起源
ミズウォルム・シロが「アルカの願いから産み出された」とした守護神蟲だったが、ナイドホグルはアルカの加護で今の姿になったため、元々はまた別の存在だったと考えられる。
根源の世界花アルカにも言えることだが、ナイドホグルがいつどこでどのように生まれ、いつどのようにアルカと知り合ったのかは、今なお明らかになっていない。
ナイドホグルの出自には、ナイドホグルのかつての名前も関係している可能性があるが、今のところ手がかりは何もない。
他の守護神蟲たちの起源
ナイドホグルがスプリングガーデン外に由来し、根源の世界花の親友であったのならば、他の守護神蟲もスプリングガーデン外に由来する可能性がある。しかし、現時点ではミズウォルムとフラスベルグの起源や守護神蟲になった経緯などは一切不明となっている。
ナイドホグルとフラスベルグの因縁
ナイドホグルとフラスベルグは、少なくとも1000年前には互いに憎み合い、敵対していた。フォスはこの時の戦いについて「アグレッサに仕組まれたもの」と推測していたが、後の外園騎士ナイドホグルとミズウォルムの会話から推測すると、アグレッサが現れるよりも前から敵対していた可能性がある。
ではそもそも、ナイドホグルとフラスベルグは、いつ頃から、何をきっかけに、そして何のために憎み合っているのだろうか。その真相については、今なお明かされておらず、少なくとも花騎士側にその理由や経緯を知る者は、古今東西誰一人として存在しない(フォスが知らないならネムノキやジュズダマも知る術は持っていないだろう)。
世界花が何か知っている可能性がある他、いずれナイドホグル自身がこれについて語る可能性もあるが、今のところ詳細は不明となっている。
守護神蟲の封印が解けた理由
メインストーリー中、初めて守護神蟲の封印が解けた時、前述の通り封印の劣化と、守護神蟲自身の力により、自力で封印を破って現れたものと推測されてきた。
しかし、ほぼ同時期に一斉に封印が解けたことや、不完全復活だったナイドホグル以外は復活と同時にスプリングガーデンの滅亡を目的に行動を開始したこと、コダイバナから一番遠いナイドホグルだけ封印が不完全にしか解けなかったことなど、偶然の一致とみなす上でどうしても不自然な点が見られる。
そのため、実は何者かが意図的に守護神蟲たちの封印を解いていた可能性がある。
当然これに関してはいくつか疑問点が上がる。
まず、仮にナイドホグルが完全復活していたら、ナイドホグルは何をするつもりだったのか。次に、本当に何者かが意図的に封印を解いたのならば、それは何者の仕業だったのか。そして、そもそもなぜほぼ同時に封印が解けたのか。これらについては、今もはっきりしたことは不明である。
世界花が加入を急いだ理由
世界花は両方とも、外園騎士ナイドホグル出現確認以降、ナイドホグルの騎士団加入を優先目的に行動していた。その目的はもちろん前述の通り「ナイドホグルと花騎士を仲直りさせること」だが、外園での最終決戦以降は、そのために必要な残りの段階をいくつも飛ばして強引に騎士団に加入させている。
では、世界花たちはなぜそこまでして、ナイドホグルの騎士団加入を急いだのか。その理由は全くわかっていない。世界花のことなので、当然花騎士たちと害虫との間に起きた出来事や、花騎士たちが抱く害虫への思いなどはある程度知っているはずなのだが、それらを全て無視してでも、ナイドホグルの騎士団加入を急いだ何らかの理由があるはずである。
これにはある程度メタ的な事情が絡む可能性もあるが、少なくとも現時点では世界花たちが筋の通らないことをするとは考えにくいことから、いずれこの件について触れられる可能性はある。しかし、それがいつになるのか、そして何のためにナイドホグルの加入を急いだのかは、今のところはっきりとしたことは不明である。
関連項目
フラワーナイトガール 害虫(フラワーナイトガール) 守護神蟲 光落ち
カオスダークネス→カオスヘッダー0:「心」の存在によって、最終的に人類と和解したラスボスの先輩。いずれナイドホグルもこのようになるのだろうか。
美剣サキ/グルジオボーン→グルジオキング→グルジオレギーナ(→ウルトラウーマングリージョ):本来は主人公たちの味方だったにもかかわらず、闇堕ちの末方向性の違いなどから本編では初登場以来最後まで対立することになった同期。ラスボスを前に、最後の最後に新たな可能性を見出だして散っていったサキだったが、ナイドホグルはどうなるだろうか。