《迯」諡ウ謌ヲ髫》
「俺ハ、高ミヲ目指シテ学ビ、変ワリタインダァ!」
「モット静ケサヲォ!」
データ
身長/195cm
体重/229kg
スキン/マスターカンフー
むかしむかし/田丸は高みを目指して日々精進していたそうな…。
概要
受験生・田丸の「憲法を学ぶためにみんな静かにしろ」という欲望を叶えるために誕生した、獣拳モデルのヒトツ鬼。
ベニツ鬼が、虎等の猫科猛獣を模したスキン・“マスターカンフー”を身にまとった姿。頭部はまんま、鬣を逆立てた猫科獣人が猫科動物の足先裏を模したヘッドギアを被った出で立ちで、胸鎧の方も毛皮と爪を組み合わせ、獣の顔に見える造形になったシンプルな見た目の物を纏っている。
全体的なフォルムはオードソックスな獣人の格闘家ともいえる、非常にスッキリかつスタイリッシュな物にまとまっており、逆に獣人がヒトツ鬼の外殻を鎧として身につけたと逆転の解釈も出来る外見に変わった。
変貌時にはゲキレンジャーの変身時の効果音とともに「迯」諡ウ謌ヲ髫」(獣拳戦隊)の文字化けと、獣拳戦隊ゲキレンジャーのクレストが浮かび上がる。
自身の勉強の妨げとなる音を取り除くべく、周りがとにかく五月蝿いと喚きながら、自身の逆鱗に触れた相手を獣の力をたぎらせた拳法や両目より放つ電撃光線で過激にガンガンぶっ飛ばしていく。更には自身と同じ姿のオーラを放って敵にぶつける事が出来る。
しかし、周りを破壊し回って静かにするより別の静かな所へ移動する行動傾向があり、宿主が戦闘経験も無い事も加わって武闘派だったモデルの戦隊とは真逆で戦闘は不得手かつ消極的。
しかし場所を変えても、ありふれた自然音(蝉の鳴き声等)ですら五月蝿いと感じて暴れる為、放置すれば無差別に被害を生む厄介な存在と化している。
活躍
受験に備えてとある喫茶店に訪れた田丸。ノートにひたすら憲法を殴り書き、勉強に打ち込んでいたが、他の客がコーヒーを混ぜる音やパソコンを打つ音等あらゆる音が気になって集中できず、そして店員がコーヒーを置いた音でとうとうフラストレーションが限界を超えてしまい、そのまま獣拳鬼へと変貌してしまう。
「はぁぁ……うるさ~い!!お前ら、何故勉強ノ邪魔ヲスルゥゥッ!」
人を超えた静けさの鬼となり、店にいた人々を追い出して「ウルサイ…ウルサイ…ウルウルダァ~!!」と街のうるささに怒りをどんどん燃え立たせていた所にドンブラザーズが出現、遅れてタロウ/ドンモモタロウが久々に神輿&天女演出を伴って参上した。
ドンモモ「ハッハッハ〜!!祭りだ!祭りだ!」
「ウルサ~イ!」
ドンモモ「袖振り合うも他生の縁。躓く石も縁の端くれ……」
「ウルサーーイ!」
ドンモモ「うるさくて悪いかっ!」
そんな豪華絢爛で大音量な演出にキレ散らかしていたが、「確かにうるさいが、お前の方もうるさいぜ!」と翼/イヌブラザーが先制攻撃を仕掛けようとしたのを、自身のオーラをぶつけて遠くへ吹き飛ばし、もっと静かな場所を探し求めて敵前逃走した。
ドンブラザーズの追尾を撒き、静けさを求めてあちこちを右往左往していたが、先程の戦いにて飛ばされた先で、交通事故で死んだ犬の為に飼い主の少年が供えた物を気づかず踏み、犬の祟りに遭ってイヌブラザーから元に戻れなくなった翼と犬と認識して愛でるみほの前に「クンクン、ウルサイ!」といちゃもんを付けつつ出現。目からの光線で生身のみほを攻撃するが、犬化が進行しながらも彼女を守る為にイヌの放ったドンブラスターの銃撃や手裏剣でひたすら反撃されてしまい、「ウルサイナァ…!」と呟きながら一時退散した。
「静ケサヲォ…! モット、静ケサヲォォ!!」
その後も静かな場所を求めて走り回り、どこかの森林に辿り着くと完全に犬になって駆けつけられなかったイヌを除くドンブラザーズと再戦、ダイレンジャーへとアバターチェンジしたドンブラザーズに格闘術で応戦するも、今度は故郷から帰ってきたジロウが駆けつけるが、なんと闇ジロウが何故か二人に分裂。
それぞれが変身したドンドラゴクウとドントラボルトと交戦するが二人の繰り出す攻撃に怯んでしまい、さらにドンロボゴクウとドンロボボルトにアバターチェンジした二人に圧倒され、最期はそのまま二機がそれぞれ放つドラゴンファイヤーとタイガービームを喰らって敗北・爆散した。
しかし宿主の欲望が暴走した事で獣拳鬼ングと化し、ドラゴクウはトラボルトと強引に合体し虎龍攻神となって迎え撃つ。
田丸
司法系の学校に進学するべく受験勉強していた男性。「勉強に集中したいから静かにしてほしい」という、これまでのヒトツ鬼の例に漏れない些細な理由で獣拳鬼を呼び寄せてしまうが、しかし最近は勉強が捗ってはいなかったらしく、その焦り等が悪循環を繰り返した末に、ありふれた音でさえ勝手に不快と憎しみを募らせる、ノイローゼ状態へと陥っていた様子。一方周りからすれば、田丸当人の方が誰より五月蝿くして迷惑を掛けている存在へなってしまっている。
言うまでも無く、ヒトツ鬼にしてみたら実体化の礎としておあつらえ向きの精神状態な人物だったが、欲望の内容上シンプルに破壊衝動へ振り切り難かったらしく、実体化後は破壊よりも場所の移動に時間を取られていた模様。
ドンブラザーズに倒された以降の顛末は一切描かれなかったが、心の余裕を取り戻して静かに勉強へ励める様になっているのを願うばかりである。
余談
- モデルとして使われた戦隊は獣拳戦隊ゲキレンジャー。全体的なモチーフはゲキレッドと思われ、これに全身虎に酷似した要素は同じく虎を模した敵であるスウグ、肩から虎の腕が生えているイメージはパチャカマック12世、胸鎧や毛皮、そして目標の為、力に渇望するという面はゲキレッド最大のライバル、そしてもう1人の主人公理央等、敵側の要素も多々と備えている。
- 変身後の謎の動きはゲキレンジャーの名乗りがモチーフ。
- 劇中の『学び変わる』との発言はゲキレンジャーのOPの最初のナレーションからきていると思われる。また田丸が履いていたスポーツシューズは、ゲキレンジャーの拠点であるスクラッチ社の製品。更に獣拳鬼の全体的な色合いがトレーナードロイド・ロボタフに似ているとの指摘もある。
- スキン名のモチーフであるマスター・シャーフーのモットーは『暮らしの中に修行あり』だが、田丸は『暮らしの中の些細な音にすら耐えられない』という状態に陥っている。
- 周囲のうるささが原因になって実体化した獣拳鬼だが、視聴者からは「じゃぁ何故カフェなんか選んだし」「うるさいなら図書館とかにしなよ」と根本的なツッコミが相次いだ。
- 田丸が司法系の学校の受験生だったのは獣拳と受験、拳法と憲法をかけた駄洒落と思われる(五星鬼と被る事を避けた?)。
- 龍と虎がモチーフのドンドラゴクウとドントラボルトと戦ったが、実は元ネタの方も彼らと同モチーフの敵と戦った事がある(前者に至っては色まで同じ)。
- pixivでは登場以前にオリジナル怪人として獣拳鬼が投稿されていた。
- また、ドンブラザーズはゲキレンジャーと同時期の仮面ライダーとコラボした事がある。
- 今回、獣拳鬼との戦闘中の事故で犬に祟られたことで本物の犬にされてしまった犬塚だが、原典の『ゲキレンジャー』でも当初の深見ゴウがイヌ科の動物の獣人に変貌している。
- その変貌の苦しみから救ったのが同じ境遇があったバエが使ったうるさい蝿如く実況の技。困みに、獣拳鬼に対しては騒音を一切を拒絶する逆の立場を取っている。
- 「完全読本」によると、デザインは「獣の拳だったら肉球」と言う単純明快なもの。肉球とともにプロテクターの要素を加えてある。また、プロテクターのオレンジ色はロボタフのイメージ。
- デザイン画には五星鬼のもの同じ「鬼険拳」を武装しているが、劇中で使用されることは無かった。
- 後にボディはドン34話に登場する、特捜鬼のボディにリペイントと肩パーツを付け加えた上で流用された。
関連タグ
特命鬼:同じ猫科の動物をモチーフとしたヒトツ鬼。ベースがベニツ鬼なのも一緒。
獣電鬼:一文字違い。
アナザー電王:デザイン基となったヒーローと同期作品のヒーローを歪めたデザインとしたライダー怪人。
魔進戦隊キラメイジャー:田丸の演者である天羽氏がエピソード11に出演。奇しくもドン23話と同じ監督による話である。
ゴウテツグレード3:そっくりさん。