ハイダイ
はいだい
「潮風に あてられても けなげに 咲く お花!」
「なんて…… かけがえが ないんだい!」
概要
ゲーム『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』の登場人物。
キャッチコピーは『激流料理人』。
みずタイプのジムリーダーで、大ベテランのコックにして中華レストラン「ハイダイ倶楽部」の店主。一人称は『オイラ』で、やや気性の荒い江戸っ子口調で話す。口癖は名前通り「〇〇だい!」。
筋骨隆々な見た目通りに凄まじいレベルの体力を持っており、マリナードタウンの市場へ食材の仕入れのため毎日、夜は氷点下・昼間は熱砂の砂嵐吹きすさぶ大砂漠を徒歩で行き来している。
ほかジムリーダーとして町の運営にも口を出せる影響力を持っており、例えば数年前にはカラフのカラーを全体的に青色に塗り替える提案をし、観光客を増やすという成果に繋げている。町の住民からの支持も厚く、各々の台詞から彼が頼れるリーダーとして慕われていることが分かる。無論ジム運営もしっかりこなしているようで、マップの紹介文によればジムテストは厳しめにされているとのこと。
セルクルタウンシムリーダーのカエデは料理の弟子である。クリア後のカエデとの再戦時にさらっと教えてもらえる。
ただ当のカエデはお菓子専門のパティシエで、対するハイダイはレストランの料理人なので、師弟と言われても正直ピンと来ないだろう。一応ハイダイの店にはドウファーという品名のスイーツがあるので、お菓子作りの心得があることは伺える。ゲームで描写されてないだけで、実はカエデ以上の達人スキルを持っているのかもしれない。
ほかあるイベントでコンパン柄な財布を持っていることが分かる。上記関係から察するにむしタイプ使いの彼女からの贈り物なのかもしれない。後に『藍の円盤』でカエデに対して「(財布を)ありがたく使わせてもらっとるぞ!」と言うシーンが描写された。やはり彼女からの贈り物だったようだ。
名前の由来はおそらく、中国語で昆布を表す「海带(ハイダイ)」からだと思われる。
容姿
見た目は超大柄で、荒波を思わせるような豪快な眉と髭を持つスキンヘッドで長身の中年男性。前掛けも波を模していて、胸部に描かれているマークは海藻がモデル。全体的に厳つい風貌をしているが表情豊か。
性格
結構お茶目で愛嬌のある性格。意外とドジなのか、競りに遅刻して慌てるあまり財布を忘れることまである。
親分肌な気質で面倒見が良く、ジムトレーナーは勿論、街の住民達にも老若男女問わず慕われており、ジムバトルが始まればあちこちから住民達が観戦しようと駆けつける。
一方で優しく繊細な面もあり、道端の花を見て感動する感受性の強さも持っている。
作中の動向
カラフシティで初登場。カラフジムに入ろうとすると、入れ違いでハイダイがジムを出て行ってしまう。が、うっかりなのかハイダイは足元に財布を落としており、しかも気付かずにそのままマリナードタウンまで行ってしまう。主人公はジムテストの申込みも兼ねて、それを届けにマリナードタウンまで冒険することになる。
マリナードタウンのポケモンセンター手前の三叉路へ行くとハイダイに追いつくが、すぐに彼は走り去って行っていく。なおここでハイダイの魅力が詰まったショートイベントが起き、記事冒頭のセリフが聞ける。ただし三叉路を通らないルートで行ったり、先に市場の競りイベントを起こしてしまうと二度と見れなくなるので要注意。
マリナードタウンに着き、ハイダイに財布を渡そうとすると彼の弟子・ミズキに「忙しいハイダイの邪魔をした」と因縁を付けられバトルする羽目になる。彼の手持ちのは後述するハイダイの手持ちと概ね同レベルなので、スター団を倒した流れで挑んだ場合はレベルが足りず痛い目を見る(道中のポケモンがそれでも何とかなるレベルのため、割とあり得る)。幸い選択肢で引き下がれるので、相性とレベルを整えてから挑もう。
ミズキを倒すとハイダイに財布を渡すことができる。ジムテスト代わりの試練として市場の競りを任せられ、目当ての食材を限られた資金(50000円)で競り落とすように頼んでくる。余った資金はお小遣いとして貰えるので、安く落札出来るよう頑張ってみよう。
余談だが彼に財布を届ける道中の近くに、レジェンドルートの1つがある。ただ難易度の差が段違いなので「ついでにこっちもやるか」と軽い気持ちで向かって痛い目にあうことも。
使用ポケモン
1戦目/カラフジム
「売った 買ったは 市の競り 切った 張ったは ジムの競り」
「技と かけ引き 渦巻く 海原!」
「みずのポケモン フルコース! さあさあ ドドンと 召し上がれえ!」
彼が繰り出すみずタイプポケモンは低レベルだと一撃で沈められる猛者ばかりである。
ミガルーサはついばむでくさタイプに対抗してくるし、ウミトリオはほぼ先手を取りながらずつきでひるみを狙ってくる。
そしてエースはケケンカニ。
よってノーマルタイプを複合しているオリーニョはくさタイプであってもほぼ役に立たない。
エースのケケンカニはテラスタルによって隙の一つである弱点の多さを解消しつつ、この時点では破格の攻撃力から威力100のクラブハンマーを放ってくるので要注意。
なお、このケケンカニは氷タイプの技を習得していない。また重量級の陸ガニ故に技マシンで多彩な地面技も習得するのだがこちらも採用されていない。他のジムにそういう傾向があることもあって、一見すると草や電気に対するメタとして採用しているようにも見えるがそう言った心配はないので、高い攻撃力に気をつけて冷静に対処すれば然程苦も無く攻略できるだろう。
でんきタイプ対策が薄いのでタイカイデンやマルマインなどウミトリオ以上のすばやさを持ちつつ弱点を突けるポケモンを連れていくと楽になる。
くさタイプを使うならアノホラグサを連れて行けばウミトリオのずつきもケケンカニの格闘技も効かないので有利。ミガルーサを他のポケモンに倒してもらったらくさわけやタネマシンガンを叩き込みまくってやろう。
なお、地域上ジム戦中に砂嵐が起こる可能性もあるので、砂嵐ダメージおよびエンコ殺しに注意。雨が降ってみずタイプ技が強化される可能性もなくはない。
2戦目/カラフジム(クリア後)
「……川は流れ 海となり 雲へのぼり また雨となる」
「千変万化の 激流ハイダイ! その身をもって 測ってみてくれい!」
「素材そのまま とくと 味わえ これが 本当のハイダイだい!」
ペリッパーとブロスターが追加。また全員フルアタ構成かつ攻撃範囲が非常に広くなっている。
2体目のペリッパーは、特性「あめふらし」で強制的に雨を振らせてくる。砂嵐が起こっている時にあめふらしが発動すると強制終了する場合があるという報告があるため、砂嵐が収まってから再戦する方が望ましい。
ケケンガニは1戦目とは異なり、こおり技のアイスハンマーを使ってくるのでアノホラグサを使う時は注意。
なお「ヘイ ラッシャイ」が口癖なのにこいつやこいつは手持ちにいなかったりする。
余談だが、2戦目の試合はオモダカに対する不満を漏らすジムリーダー(二人だけ言わない)が多い中、愚痴一つ漏らさず、代理で来た主人公に対しても温かい言葉を向けてくれる。荒んだ街を活性化させた人徳が垣間見られるエピソードとなっている。
他媒体
ポケモンカードゲームやろうぜ~っ!(スカーレット・バイオレット編)
ハイダイをモデルとした、灰田小太郎(はいだ こたろう)が登場する。
料理人の両親の手伝いをしてる少年で、一人称は「オレっち」。
余談
彼の副業は料理人であり、これはズミに続いて二人目。しかも同じみずタイプである。
ただしハイダイは中華料理で、ズミはフランス料理なので棲み分けられている。
体形や街の人から慕われている部分は、同じみずタイプ使いであるマキシマム仮面を彷彿とさせる。
勘違いされがちだが、主人公のジムテストは飽くまで「財布を届けたお礼として免除」という扱いであり、事実上のテストである競りはハイダイがその場で決めたもの。本来の厳しいジムテストというのが何なのかは明かされていない。(料理人ということでサンドウィッチ作りが有力視されている)
相手トレーナーがテラスタルを発動する際、風圧によって険しい顔をするか表情が変わらないかのどちらかの場合がほとんどなのだが、彼のみ顔をしかめるどころか豪快に笑う姿を見せており、一部でネタにされている。
リーグ部に特別講師として呼ばれた際のアオキとの特殊会話によると、「ハイダイ倶楽部」はデザート類が足りないとのこと。また、サワロとの特殊会話では相撲の経験者であるという。実は本編の時点で集まって来た観衆にどいて貰う時に手刀を切る動作があったり、バトル開始時のモーションが塵手水だったりと、相撲経験者の伏線はあった(塵手水とは相撲の作法で、手を2度すり合わせてから柏手を打ち、大きく左右に広げて掌を上向きから下向きに返す動作。ただしハイダイの動きは順番が逆になっている)。
また、リップとの特殊会話にてジムクリア後の映え~なポーズはリップから教わったと判明する(ハイダイと主人公の位置が逆だったことも判明するが、リップは「これはこれで……オイシイわね」と高評価だった)。
なお、ジニアが「ハイダイ倶楽部」の常連だったことが判明し、汗1つかかずにダンダンミェンを完食(しかもチリソースをいっぱいかけて)する様子を気に入っていることを語っている。
また、芸術に没頭して痩せ細るコルサに対し、「メシをたらふく食えば削る命が増えて もっと芸術に力が入るんじゃないかい!?」と言い、コルサから「一理ある」と納得させた。