「口に 入れて 幸せな お菓子も 草木に ひそむ むしポケモンも 小さいけど 大きな力を 持ってます〜」
「足を すくわれないよう ふんばってくださいね〜」
「クマちゃ~ん! あなたの羽化した姿を 見せて~」
概要
ゲーム『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』に登場するキャラクター。
パルデア地方にあるセルクルタウンのジムリーダー。キャッチコピーは『お菓子の虫』。一人称は「わたし」、二人称は「あなた」。
パティシエールを兼任しており、普段は町のパティスリー『ムクロジ』で店長として働いている。作ったお菓子はポケモン達も食べられる(あるいはポケモン用のお菓子?)ようで、時おり振る舞っているとのこと。
「お菓子」ということでお菓子モチーフのポケモンが多いフェアリータイプが真っ先に思い浮かぶが、実際の使用タイプはむしタイプである。甘い物が大好きな虫の特性からか、あるいは昔から食材として需要の高い蜂蜜の生産者という点からの着想だろうか。
調理技術を学ぶために、かつてカラフシティのジムリーダー兼料理人のハイダイに師事していたという。クリア前はそんな素振りは見せないが、クリア後の再戦で勝つと教えてくれる。料理を教わっただけでなく、悩んでいる時にアドバイスを貰う等、色々とお世話になっているようだ。
余談だがハイダイの財布はコンパンの柄である。これは彼女が贈った物なのかもしれない(後にDLC藍の円盤で彼女が贈ったものだと確定)
容姿
虫の繭のように編み込まれた後ろ髪に、ややふっくらした体形、左頬のほくろ、エプロンに飾られた蜘蛛の巣が特徴的。また、帽子や袖にもアリの触角のような模様がついている。常にコックコート姿であり、ジムリーダーとして活動する際にも着用している。
性格
お淑やかで間延びした口調で話し、ジムリーダーのシフトがあるのを忘れてつい『店長』として自己紹介する極めて天然で穏やかな女性。その天然ぶりは「本当にこんなんで大丈夫なのか?」と思ってしまう程。
しかしそんな第一印象とは裏腹に一度バトルに入ると、言動が全体的に好戦的になったり、どこかSっ気混じりの台詞を言ったり等、積極的な一面を見せる。詳しくは後述するがリーグからの指示で手加減をしていることにストレスを溜める描写がある等、穏やかに見えてその実、トレーナーらしくバトル好きで負けず嫌いなのかもしれない。
クリア後のやり取りによれば、お手製のケーキをいつもジムスタッフにお裾分けしているそうで、曰くお菓子を食べれば皆笑顔になるからとのこと。心遣いのできる優しい性格の持ち主であることが読み取れる。DLC藍の円盤の特別講師イベントでは、今でもトレーニングに励んでいるというグルーシャに対しカロリーひかえめなお菓子をプレゼントする等、親切にしつつ善意の押し付けにはならないよう配慮していた。
同じくDLC藍の円盤のライムとのやり取りでは「わたしはカエデ♪ カエデはパティシエ♪ パティシエっていったら♪ お菓子を作ったりする人♪」と、即興の天然ラップ(?)を披露し、当のライムからはそれは連想ゲームだと呆れられていた。
ちなみにゲームでは手を使ったジェスチャーが多いが『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット 公式ガイドブック 完全ストーリー攻略』p435に掲載された設定資料によると、職業柄顔には触れないとのことで、パティシエとしてのプロ意識も相応に高いことがうかがえる。
以上から一見天然なようでプロとしての筋はしっかり通す等、案外侮れない人物だと言える。
ジムテスト
ジムテストは「巨大オリーブ転がし」。
街の祭典で催される巨大オリーブ転がしに参加し、当のオリーブゴールまで運ばさせるというもの。簡単に思えるが、オリーブはアメフトボールの如く不規則に跳ねるので、コントロールは意外と難しい。またミニーブを引き連れたジムトレーナー2人が道を塞いでおり、話し掛けるとバトルとなる(ただ勝てばショートカットルートを開けてもらえる)
なおボールの軌道から、わざわざ退いてもらわずとも頭上を無理やり通せそうに見えるが、そこはゲーム。彼らのいる部分に見えない壁が展開されているため無理に通行しようとすると球を跳ね返される……素直に迂回するかバトルで勝とう。
ちなみにオリーブ転がしグラウンドは適度に広くて敵とエンカウントしないことから、孵化厳選に利用されることがある。またRTAではこのジムテストはちょっとした難所として知られ、ここで区間タイムを縮められるかどうかが記録更新のカギとされている。
使用ポケモン
1戦目/セルクルジム
「むしポケモン 甘く 見てたら 痛い目 見ちゃうかもですよ〜」
マップの紹介文では初めてのジムにお勧めとされており、事実平均レベルは全ジム中最低である。『宝探し』出発時にネモより西門からの出発を勧められるため、彼女のアドバイスに従った場合はここが最初の挑戦となるだろう。
手持ち3体で平均Lv14と歴代の序盤ジムリーダーの中では強め。とは言え対策が多く取れる分、反対側の序盤ジムよりは難易度は低い方である。
切り札のヒメグマはテラスタルによりむしタイプに変化する。本来の弱点であるかくとう技は半減されてしまう。最初のジムということもあり、初見殺しとして嵌ったプレイヤーもいるかもしれない。
また徐々に威力の上がる『れんぞくぎり』を覚えており、かつテラスタルによりタイプ一致技として使われるため、素早く仕留めないと全抜きされる恐れがある。ヒメグマは未進化とはいえ攻撃種族値80もあるため、油断すると足をすくわれてしまうだろう。
最初のポケモンでホゲータを選んでいればかなり有利に戦えるだろう。逆にニャオハだと苦しい戦いになるので、その場合はタイプ相性で有利を取れるポケモンを他所から捕まえてくるのが望ましい。
幸いにもアカデミー周辺にはヤヤコマ、ムックル、ココガラといった歴代の序盤鳥が集結しており、東門にはいわタイプのコジオ、コライドン/ミライドンに乗れるようになってから入り江の洞穴まで引き返せばデルビル、アカデミー南東方向にはカラミンゴが捕獲出来るので、手には困らないはずだ。
ただし、セルクルタウン近辺は雨が降りやすいので、雨が降ってほのおタイプ技が半減することもあるので注意。
2戦目/セルクルジム(クリア後)
「完膚なきまでに ひねってさしあげますね~!」
バトル前後のイベントでは、リーグからの指示で普段は手加減していることを明かす。しかし内心では自分のむしポケモン達に勝たせてあげたいと思っているようで、どうも本気を出せないことに鬱憤が溜まっている様子。
相変わらずほのお技に耐性のあるポケモンはいないが、前述の通り雨が降りやすい場所のためほのおだけに頼って慢心しているとヒヤッとさせられる場面がある。ひこう技やフェアリー技など他の対策もとった上で臨むのがいいだろう。
特にエースのリングマは、虫に強いポケモンに刺さる技範囲とパワーを持っているため、これまた相性に胡座をかいて育成を怠ると叩き潰されかねない。
勝利した後は 「あー! 本気で 勝負して 負けるって 気持ちいいー!」 と嬉しそうにしており、甘く戦いすぎるのは自分にも相手にも良くないことや、ハイダイからも「もっと カエデらしく」と言われていたことから 「これからは もうちょっと 自分らしく…… やってみます!」 と前向きに考えるようになる。
普段は本気を出せないこともあるのかもしれないが、彼女はネモに負けず劣らずの戦闘狂なのかもしれない…。
3戦目/ブルーベリー学園(藍の円盤)
- ワナイダー Lv80
- フォレトス Lv80
- オニシズクモ Lv80
- ヘラクロス Lv80
- エクスレッグ Lv80
- リングマ Lv81(テラスタル:むし)
オニシズクモが手持ちに加わってはいるが、やはりほのお技への耐性は控えめ。初手のワナイダーはねばねばネットを展開するところから始動し、積み対策にともえなげやスレッドトラップで有利対面を積極的に作り、それ以降は1体倒される毎に適宜対応出来るポケモンに交代して立ち回ってくる。
どのポケモンもある程度のタイプ範囲を持っている上に攻撃力もそれなりで、甘くみていると結構苦戦するかも。代わりに搦手はワナイダー以外はあまり多用せず特性もほぼすべて火力の補助に回しているため、天候や持ち物を活かして戦うとかなり楽になるだろう。
交換してくれるポケモンはミツハニー。♀の個体なのでビークインに進化できる他、隠れ特性のはりきりを持っている。
余談だが、今作ではDLCを含めピートブロックが入手できないためガチグマは使用せずリングマで留まっている。
アニメ版
アニポケ・第8シリーズ
cv:三石琴乃
2024年4月より第3シリーズとなる『テラスタルデビュー』にて登場。
初登場となる第47話では、リコ(アニポケ)のテラスタル基礎研修の対戦相手として、セルクルタウンで待ち受けた。こちらでもゲーム版同様パティスリームクロジで店長を務めている。
使用ポケモンはヒメグマ(むしテラスタル)で、当初はあまいかおりとあまえるでリコのニャローテのステータスを下げつつ、きりさくでダメージを与える「甘くててビターなバトル」を繰り広げており、有利に進めていた。
しかし、リコがサンドウィッチとのケーキ作り対決の後にカエデがアドバイスしてくれた内容を理解し、更に今行っているバトルの中で成長したことで、「自分(トレーナーであるリコ)を信じて今の全力をぶつけること」を疲弊して周りが見えていないニャローテに語りかけ、テラスタルをして逆にカエデを追い詰める。
その後、もう少しリコ達の力を知りたくなったカエデはテラスタルを行ってバトルに勝利するが、彼女は上記のリコとニャローテの出来事を「心をこめてバトルをすること」を満たしたと判断し、合格を言い渡した。
※テラスタル研修では、テストの合否の基準が「バトルの勝敗」ではなく「バトルを行って(各ジムリーダーが独自に決めた)合格基準に達すること」であるため。
その後、第56話でも再登場。
四天王交流戦では研修生をサポートするジムリーダーの一人として登場し、リコとタッグを組んだ。
使用ポケモンはエクスレッグで、当初はリコと共に対戦相手のチリのドオーとダグトリオの猛攻に追い詰められる。
この時、ダグトリオの攻撃を避けようとした結果すぐに動けなかったニャローテをエクスレッグが代わりに攻撃を受けることで守り、ドオーの「どくづき」を庇ってどく状態になる。
しかし、エクスレッグの特性「むしのしらせ」を発動したことでカエデ自身も本気を出して反撃を開始し、「むしのていこう」でドオーの攻撃力を下げ、「とびはねる」でダグトリオにダメージを与えた後にどくで戦闘不能となるもダグトリオを「まひ」させる事に成功する。
その後、ダグトリオがニャローテにやられたことで、ニャローテとドオーのテラスタル一騎打ちとなり、チリの勝利となる。
この後、悔し涙を流すリコに対してアドバイスを送りながら優しく抱擁した。
放課後のブレス
余談
- 名前の由来は読んで字のごとく『楓』。メープルシロップの素材としても有名であり、ヒメグマを連れていたり、パティシエを営んでいるのもその繋がりか。
- むしタイプの女性トレーナーはビオラに続いて二人目。
- パティスリー名の『ムクロジ』は、カエデ属が含まれるムクロジ科、ないし同科に属する同名の植物から取られていると推測される。
- 前述の通り彼女が担当しているセルクルタウンはオレンジ/グレープアカデミーからほど近く、駆け出しの学生が数多く訪れる場所柄ということもあり、ポケモンリーグからバトルを手加減するようにと指導を受けているという。手持ちポケモンのレベルが他のジムリーダーに比べて低いのは、序盤のジムというメタ的な都合もあるが、実は世界観に基づいた合理的な理由があった。
- なお元々ポケモンには「ジムリーダーは相手のレベルに合わせて使うポケモンを変える」という裏設定がある。しかしそれがゲーム中で語られることは少なく、こうしてジムリーダー本人の口から事情が明かされるのはシリーズでも珍しい例である。
- アニポケ版を演じる三石琴乃氏は、第1~第7シリーズではドミノ(ミュウツー!我ハココニ在リ)役、ポケモンマスターズではパキラ役を担当している。
- 包容力のある外見と、それに違わぬおっとりとした性格、それでいて戦闘時に時折垣間見せるSっ気など、一部の紳士プレイヤーにニッチな要素が大いに受けたためか、ここpixivでは作品のR-18率が非常に高い(およそ2~3枚に1枚)。苦手なユーザーはマイナス検索を併用することをお勧めする。
- 姫野かげまる氏のマンガ「ポケモンカードになったワケ」には同名のキャラクターが登場していた。コチラはロケット団幹部候補生で花粉アレルギーながら、パートナーは(わるい)クサイハナ。
- アニポケのAG編第128話にて、同名のキャラクターが登場している。
関連イラスト
関連タグ
他のむしタイプの使い手
料理人・パティシエトレーナーリンク
その他関連トレーナー
- エリカ:間延びした口調が共通。好戦的な一面を見せるところも似ている。
- ちなみに先述した「ポケモンカードになったワケ」内の設定ではカエデの幼馴染。カエデが花粉アレルギーで涙が止まらないのをお花をあげたのを涙を流すほど喜んでくれていると勘違いしているため、双方の感情には大きな行き違いがある。