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レクイエム(ガンダムSEED)の編集履歴

2024-06-15 10:15:54 バージョン

レクイエム(ガンダムSEED)

れくいえむ

レクイエムとは、TVアニメ『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』に登場する戦略兵器。 劇場版『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』でも登場する。

オペレーター「シアー開放。カウントダウン開始。発射までTマイナス35」

ロード・ジブリール「さあ奏でてやろうデュランダルお前たちのためのレクイエムを!!」


概要

地球連合軍の月面ダイダロス基地に設置された巨大ビーム砲および月の周辺に配置された「中継点」を担う複数の廃棄コロニー群(以下、中継コロニー)で構成される軌道間全方位戦略砲。また、その一連のシステムやプロセスのこと。

レクイエムとは鎮魂歌を意味する言葉。


中継コロニーにはエネルギー偏向装置「ゲシュマイディッヒパンツァー」が配備されており、位置を調整することによって月の裏側「ダイダロス基地」に籠城しながら射線の偏向によって好きな場所へと戦略級のビーム(所謂、コロニーレーザー並みのビーム)を発射する事が出来る。

その威力は1発だけでプラントを構成する複数のコロニー、その外壁をまるで刃物によって切り取るかのように切断して崩壊させられる絶大なものであり、アスラン・ザラはかちての戦略兵器ジェネシスに匹敵するとまで畏怖している。


一方でレクイエムのシステムはその性質上、本体であるビーム砲の射角はほぼ固定されている状態なので、中継コロニーが無ければ真っ直ぐにビームを発射する事しか出来ず、目標に対して正確に照準して発射するために中継コロニー、特にビーム砲の真上にある第一次中継点の中継コロニーを配する必要がある。これは逆に言えば第一次中継点の中継コロニーに不備が生じれば事実上目標への発射が不可能となることも意味しており、レクイエムにおける最大の弱点となっている。

他にも発射には莫大な電力を必要とするため、連射は出来ず1発ごとにチャージする必要がある。


ダイダロス基地

地球連合軍によって月の裏側に建造された軍事拠点。劇中ではほぼダイダロス基地=レクイエムと言う扱い。

小説版によると、レクイエムの設置が本来地球連合軍の前線拠点であるアルザッヘル基地ではなく、月の裏側であるダイダロス基地に配備されたのは、プラントから見て正面に位置するアルザッヘル基地の反対側に位置しているため警戒されにくい事やダイダロス基地は資源基地であるため、既に大規模な地下空洞のスペースが確保できること等が挙げられる。

位置の関係上、プラント方面からダイダロスの直接攻撃には膨大な戦力を有するアルザッヘルの月艦隊を突破する必要もあるため、ザフトとしては非常に攻めにくい場所にあるとも言える。

その利便性を生かし、ロード・ジブリールオーブ連合首長国から宇宙へ脱出する際に、アルザッヘル基地ではなくダイダロス基地へ直行しており、自らレクイエムで指示を飛ばしてプラントに向けて発射している。


中継コロニー

過去の戦闘(時期は『SEED』よりも前の戦闘)の影響で廃棄されたオニール型コロニーの残骸を再利用したもの。輪切りにされたコロニーの残骸の両端には、かつてフォビドゥンに搭載されていたエネルギー偏向装置「ゲシュマイディッヒパンツァー」の超巨大モデルが追加されている。ちなみに、コロニーの内部にはかつて人が住んでいたことを物語るようにビルなどの住居がそのまま並んでいる。

各地点の中継コロニーには「フォーレ」「チェルニー」「グノー」という名称が付けられているが、これはそれぞれ現実で鎮魂歌を手掛けたことで有名な作曲家の名前ガブリアル・フォーレカール・チェルニーシャルル・グノー)に由来している。ちなみに作中で具体的に呼称された廃棄コロニーはこの3つだけだが、設定上は他にも「ヴェルディ」「マルタン」(それぞれジュゼッペ・ヴェルディフランク・マルタンに由来)などが存在したらしい。

この中継コロニーそのものに戦闘能力も無ければ、防御手段も無いと攻撃にとにかく脆弱であるため、防衛戦力の配備が必須となる(故に使用する際には中継コロニーにも多くの戦力を割く必要があることもレクイエム運用時の弱点だと言える)。


廃棄されたコロニーのリサイクルであり、C.E.でも珍しい環境に優しい戦略兵器とも言える。


ザフト運用時

後にザフトに接収された際に、地表に出ているレクイエムの外殻部分(砲口周辺とも)へ陽電子リフレクターが装備される事になり、防御面が改善されている。

さらに、中継コロニーの名称は「ステーション」と呼ばれるようになる(例えば第一次中継点はフォーレから「ステーション・ワン」と改名されている)。


劇中では

オーブ連合首長国からダイダロス基地へと逃亡したジブリールの手により、プラントの首都であるアプリリウス市に向かって発射。イザーク・ジュールディアッカ・エルスマンを中心とした部隊の尽力によって最終中継コロニーを破壊されアプリリウスへの直撃は免れたものの、ヤヌアリウス・ワンからフォーに直撃し、その崩壊に巻き込まれる形でディセンベル・セブン、エイトの合計6つのプラントを破壊する大被害を与えた。

血のバレンタイン以来のプラントそのものの被害にアークエンジェル組は唖然茫然、ギルバート・デュランダルも怒りをあらわにした。ちなみにデュランダルに関しては演技であり、後述の行動を考えるとむしろレクイエムの攻撃は好都合であった。


第二射の発射を阻止すべくミネルバが急遽宇宙へ上がり、宇宙のザフト軍と連携し全戦力を挙げて尽力。発射直前に内部に潜入したルナマリア・ホークの駆るブラストインパルスによってコントロール施設を破壊され、発射は失敗。ガーティ・ルーで脱出を図ったジブリールもレジェンドドラグーンによって乗艦ごと爆破され死亡した。


その後、ダイダロス基地はザフトによって接収されたが、デュランダルの密命によって修復、陽電子リフレクターによる防御面に手を加えらている。デュランダルが発表したデスティニープランに反対を表明した地球連合軍の艦隊とアルザッヘル基地に向けて発射。これを壊滅させた。

この、6つものプラントを破壊し数多くの犠牲者を出した大量殺戮兵器を破棄せず裏で修復し、そして自身の反対勢力に躊躇なく使用したデュランダルの姿勢は、ザフト内部からですら彼に対する大きな不信感を招かせる事にも繋がり、後にイザークらの離反へとつながった。

次にはオーブへと発射しようとしていたが、メサイア攻防戦にて「陽電子リフレクターは耐ビームコーティング化された物体は防げない」という弱点を突いたインフィニットジャスティスにはビームシールドVPS装甲の重ね掛け装備である「MX2002 ビームキャリーシールド」を使用され、更に全身がビームコーティングそのものであるアカツキに対しては全く効果が無く、2機にリフレクターを突破される。インフィニットジャスティスからはファトゥム-01が砲口を突撃、アカツキのドラグーンで追撃を受けて発射寸前で破壊された。


関連項目

機動戦士ガンダムSEED DESTINY コロニーレーザー


ロード・ジブリール:使用者。


DEW:「指向性エネルギー兵器」の略称であり、ある意味リアルレクイエム。

反射衛星砲エクスキャリバーバベルの塔:他作品(それぞれ宇宙戦艦ヤマトエースコンバットZEROふしぎの海のナディア)に登場する兵器。それぞれ「本体から発射したビームを、複数の中継機器によって偏向させて目標に命中させる」という点で共通している。


劇場版ネタバレ注意























劇場版『SEED FREEDOM』でも登場。

メサイア戦後は解体されたことになっていたが、実際にはファウンデーション王国、あるいはその思想に恭順していたザフトの強硬派によって秘密裏に修復されていた。

小説版ではレクイエムの反応炉がダイダロス基地のかなり深い地下に建設されているため解体が不可能であり、プラントがレクイエム砲本体を解体し、動力炉はザフト軍が別途運用に利用するとの協定を地球連合と結んでいたが、ジャガンナートによってレクイエム本体も修復されてしまっていた。そのため、東アジア共和国代表がプラントの協定違反を責め立てており、事実プラント政府の監督責任を問われる事態となっている。

エネルギー偏向装置「ゲシュマイディッヒパンツァー」で射線を変えるなど、基本的に『DESTINY』の時と(欠点も含め)あまり変わっていないが、最大の相違点として中継点は中継コロニーから巨大な偏向リングへ変更されている。偏向リングには専用の設置艦が添えられており、中継点の移動も中継コロニーのそれよりも速い。しかも、その偏向リングと設置艦は何れもミラージュコロイド・ステルスで秘匿されているため、発射直前まで発射経路を特定・阻止されないようになっている。阻止するには、構造上必ず砲口の上空にある第一次中継点の偏向リングを狙うしかない。


ノリノリ⭐︎アウラ様

劇中では宇宙要塞アルテミスと共にアウラ・マハ・ハイバルらファウンデーション王国によって占拠され、自国への核攻撃(実際はブラックナイトスコードによる自作自演だった)の報復としてユーラシア連邦の首都モスクワを攻撃して壊滅させる。アウラたちは地球圏の国家に対しデスティニープランの導入を強要し、従わない場合はレクイエムを発射して軍民問わない無差別攻撃を行うという恫喝を行った。この後、ファウンデーション軍及びザフト反乱軍と交戦していたアガメムノン級宇宙母艦「ベオウルフ」を中心とした連合軍宇宙艦隊に対して発射され、これを壊滅に追いやっている。この時犠牲になったモスクワの人々や艦隊の乗組員達は、ビームが着弾するよりも前に全身が炎に包まれて一瞬で消し炭と化している。それほどまで発する熱エネルギーが凄まじかったのか道を歩いていた幼い少女やカフェでお茶をしていた客たちが一瞬で火だるまになり灰となって消滅していく様はサイクロプスジェネシス程ではないにせよえげつない描写である。


アウラ「言わせておけばッ… あの出来損ないを殺せ!」

オルフェ「母上!?」

アウラ「レクイエム、目標はミレニアムじゃ! 撃て、妾の命じゃ!!」


レクイエム破壊とアルテミスに捕えられたラクス・クラインの救出を目的にオーブから発進したミレニアムを口実にオーブ首都オロファトにその照準を向けるが、ミレニアムに座乗したキラ・ヤマトが自らの生存の事実を国際救難チャンネルを使って知らせたため、「大量殺人犯」との煽りに激怒したアウラの『妾の命じゃ!』の一言でミレニアムに目標を変更して発射されるが、マリュー・ラミアスらミレニアムのクルー、主にアーノルド・ノイマンによる的確な回避運動で回避されオーブ近海に着弾しただけで終わった。

劇中では冷静さを失ったアウラの采配ミスの様に描写されているが、何時でも打てるオーブ本国よりも、こちらに向かってくるミレニアムを狙ったのは決して間違ってはいない。しかし、結果としてここで1発無駄撃ちしてしまったことが致命的ミスとなってしまった

  • なお、核兵器ジェネシスとは違い環境への影響は無いことを祈る。「津波が心配」という観客の声も。
    • ちなみにだが『機動戦士クロスボーン・ガンダム 鋼鉄の7人』にて木星帝国が「神の雷」計画という、木星圏からコロニーレーザーを計12回地球に向けて発射する計画を立てており、実現された場合は照射を受けた地域は一瞬で蒸発、発生した熱量による二次被害もあることながら、地球全体が向こう30年は異常気象に見舞われるとされた(ちなみに似たようなことは『SEED』のジェネシスで計画している)。『FREEDOM』ではモスクワ、オーブ近海にと二度も撃たれており、威力がコロニーレーザーと同等として単純計算するなら5年は地球は異常気象が続くことになるが大丈夫なのだろうか。

オルフェ「レクイエム発射だ! オーブを焼き払え! 貴様がやったことの報いを受け取れ、キラ・ヤマト!」


最終決戦ではオルフェの指示で再びオロファトにその照準が合わせられるが、発射直前にミラージュコロイド・ステルスを解除したコンテナが射線を遮り、コンテナ内部から出現したアカツキ(ゼウスシルエット装備)の奇襲を受けて、第一次中継点の偏向リングを破壊される。さらに、砲撃は拮抗こそしたがヤタノカガミによって分散反射されてしまう(反射後の盾で防ぎきれなかったアカツキは機体端部が赤熱化、ヤタノカガミをほぼ失っており、流石に威力全てを防ぎきれはしなかった様子)。

アカツキ(SEED FREEDOM)


反射されたビームで外殻の一部を破損し修理と再充填、さらにレクイエム周辺の防御艦隊も失ったことで立て直しを余儀なくされたことにより、キラたちにラクス救出と反撃の時間を与えてしまうことになる。


アウラ「ええい、撃ち落とせ! レクイエムはまだか!?」


最終的に修復を終え、今度こそオロファトを狙って砲撃を指示するものの、ミーティアを装備したフォースインパルスSpecⅡによって陽電子リフレクター発生器ごと外殻を破壊され、アカツキから託されたゼウスシルエットを装備するデスティニーSpecⅡによって内部にある本体のビーム砲に対してバンカーバスターを撃ち込まれ暴発を起こし、今度こそ破壊・無力化された。しかも、ほぼ同時にグルヴェイグの撃沈でアウラは戦死。親衛隊ブラックナイトスコードも宰相機のブラックナイトスコード カルラが撃破された事で壊滅し、ファウンデーション王国は全滅という完全敗北に終わった。


かつて曲がりなりにも世界平和を目指していたデュランダルが構想していたデスティニープランの要となるはずだったデスティニーによって、アウラが目論む偽りのデスティニープランが完全に打ち砕かれる皮肉な形で最悪のレクイエムは流れること無く今度こそ消え去るのであった


映画の関連項目

ファウンデーション王国 アルテミス グルヴェイグ


アウラ・マハ・ハイバル:使用者。


アカツキ不可能を可能にする男:天敵。

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