エアリス・ゲインズブール
えありすげいんずぶーる
「セトラの民、星より生まれ 星と語り、星を開く。セトラの民、約束の地へ帰る。 至上の幸福、星が与えし定めの地」
概要
名前の由来は英語で『地球・大地』を意味する"Earth"から。
ピンクのロングのワンピース服に、赤いジャケットを羽織っており、長い髪は巻き毛。後ろ髪はツイスト状のポニーテールにしている。(よく見るとジャケットはパンクロック系統のモノであり、キュート系のワンピースとはチグハグな印象があるが不思議と噛み合っている)
舌足らずなのか普通に話す時と接続語を省いたり単語ごとに区切った様な特徴的な話し方をする時がある。
母親の形見であり、物語のキーを握る「白マテリア」をリボンとともに身につけ、持ち歩いている。
自らを「セトラの民」と称する古代種の生き残り。
ゲーム本編の段階では彼女しか存在しないとされる種族であり、プレジデント神羅はセトラの知る約束の地を「途方もなく豊かな土地で、魔晄エネルギー豊富な土地」と思い込んでいるため、神羅カンパニーに監視されている。
父は元神羅カンパニー科学部門統括ガスト・ファレミス博士。母は最後の純血古代種・イファルナ。
父が普通の人間である為、正確にはエアリスは古代種と人間のハーフ。その為「星の声をはっきりと聞き取れない」など古代種としての能力は純粋な古代種よりも劣っており、ギ族の長「ギ・ナタタク」には「継いでいるのは血だけのようだ」と言われている(悪口や侮蔑に聞こえるがギ族的にはセトラは「無慈悲で狭量」といった認識であるため、「(古代種の)血しか継いでいない」は褒め言葉の範疇)
昔から神羅のせいで散々な目に遭っているため神羅を嫌っているが、それ故に監視役のツォンは自分の小さい頃からの数少ない顔見知り。彼には単なる敵とは割り切れない複雑な感情を持っている様子。
人物
服装は上品で大人しめで、一見すると清楚で大人しい女性に見えるが、スラムという環境で育ったためか明るく大胆で積極的な性格。押しが非常に強く、思ったことは遠慮なく口に出し、危険なことにも平気で足を突っ込みたがる。
好意を持ったクラウドへのアタックは積極果敢であった。快活そうな外見に反して控え目なティファとは対照的である。
ティファとは恋のライバルであると同時に、仲の良い友人でもある。
ティファとは逆に上半身の布が濃い色で下半身の布が薄い色で、お尻が大きく見えるが(特に公式画)劇中で触れられたのは肌の白さのみで、リメイクでは控え目な胸にも触れられており、そのことを指摘され、切れかける描写が描かれている。
また、ストーリーでクラウドがある理由からドン・コルネオに接触することになった際に「クラウド、女の子に変装しなさい。それしかない、うん」とクールなクラウドを狼狽させるほどの提案をしたり、その後コルネオに対して「・・・ねじり切っちゃうわよ」という発言をしたりと意外に黒い。
リメイク版では何かを知っているような含みのある言動が多々見られる。
また、七番街プレート崩落の際、ティファに「セブンスヘブンにいるマリンと一緒にいてほしい」と頼まれるのだが、ティファがマリンの名を出す前に「マリン、だよね」と言っていたり(そこまでの流れでティファもクラウドもバレットについては若干言及していたがマリンの名を口に出しておらず、バレットとも会っていないので知らないはず)、プレートが落ちることを確信していたり(ウェッジからも「プレートが落ちると信じてるんっすね、俺はアバランチの勝利を信じてるっす」と言われる)と、一部ファンからは「何らかの理由でオリジナル版の記憶を持っているのでは?」と囁かれている。
リバースでいくつもの並行世界の記憶をライフストリームから得ているため、知っていた事実が発覚する。ところが、ほとんどの未来で起こりうる記憶を、リメイクのラストでフィーラーに取られてしまったらしく、ニブルヘイム事件後5年間のクラウドの足跡さえもわからなくなってしまったらしい。(その際に白マテリアのセトラの知識も奪われてしまった)
また、その際マリンがエアリスに抱きついて泣いているシーンでクラウドが頭痛を起こす演出(オリジナル版で、そのタイミングのクラウドが知らないであろう事や知ってはいけない事に言及する発言が出ると起きるエフェクト。神羅兵がバスターソードについて何事か言及しようとしたり、エアリスがザックスの名を出したり、宝条が実験体について言及したりした際に発生する。それ以外でも起きることがあるが、その場合セフィロスの幻覚かエアリスが近くにいる)と同じものが発生、マリンは泣き止んで一瞬呆然とし、エアリスが口に指を当てて微笑む。果たして……?
のちにリバースにて、あの演出はマリンにこれから起こる出来事を知らせたということがわかる。(おそらく、レッドXIIIに伝えたことと同じかと思われる。)
なお、グラフィックが一新されたFF7Rでは黒のショーツを穿いている。
さらにコルネオの屋敷に行く際のドレスが3タイプあり、サブイベントの消化具合で変化する。
お披露目の演出も変化する。
劇中
普段はミッドガル五番街のスラムにて花売りをしており、教会で育つ草花の世話をしていた。
ゲーム序盤でクラウドに花を買わないか聞いてくるのが最初の出会い。その後、教会の屋根を突き破り落ちて来たクラウドと再会、以降は神羅と敵対する彼等と行動を共にする様になる。
過去に憧れていたソルジャー、ザックスに似たクラウドに上記の通り好意を持ち、それと同時に違和感を持っていた様で、カームでニブルヘイム事件のことを聞いた後も「なんか変」と訝しんでいた。後に本当のクラウドに逢いたいと発言する。
物語中盤では、セフィロスのメテオから星を護る為に独りパーティーを離れ、古代種である自分だけが発動可能なホーリーを呼び起こそうと「忘らるる都」の祭壇にて祈りを捧げる。
しかし、直後に辿り着いたクラウドたちの眼前で、ジェノバが化けたセフィロスに刀で串刺しにされ、その短い生涯の幕を閉じた。
この瞬間を以って、古代種は絶滅した(唯一の親戚にイファルナの兄がいたが、こちらも既に死亡…もっとも劇中に出ていないだけで、実際にはまだ存在するかもしれない)。遺体はクラウドの手で、祭壇入り口の湖に沈められる水葬の形で葬られた。
リバースにて、この出来事が覆るのではないか、あるいは期待させて結局救えないのではないかとファンの間でいろいろ憶測が飛び交っている。
真実は下記を参照すること。
なお、ホーリー発動にはギリギリで成功していたが、その発動をセフィロスが妨害し封じていた。そのことを知ったクラウドたちは、エアリスの最後の想いを星に届かせる為にセフィロスとの最終決戦に赴く。
こうしてセフィロスはクラウドたちに滅ぼされたが、ライフストリームの中でセフィロスの精神は存在し続けていた。それに気づいたクラウドの精神も分離してセフィロスと一騎討ちを演じ、勝利する。その瞬間、クラウドを導くようにエアリスが現れ、「ホーリー」が発動したのだった。
後日談である『AC』でも思い悩むクラウドの前に星の中に帰った彼女の意識が現れ、クラウドの背中を後押しした。『AC』ではかつての仲間たちはエアリスへの追悼の意を込めて、ピンク色のリボンを身に付けている。
過去
父親は神羅カンパニーの科学部門統括を務める研究者ガスト・ファレミス博士。母親は被験者だった最後の純血古代種イファルナ。
恋に落ちた2人は独断で神羅を離れ、アイシクルロッジにて幸せなひと時を過ごしていた。その時に生まれたのがエアリスである。だが宝条はとっくに2人の居場所を掴んでおり、「新しいサンプルが生まれるまで待っていた」に過ぎなかった。
ガストは抵抗したことで始末され、妻子はミッドガルの研究施設へと連れて行かれてしまう。
それから7年間も幽閉されていたが、イファルナは隙を見て娘を連れて脱走。しかし衰弱していたためミッドガルの駅のホームまで来たところで力尽き、通りかかったエルミナ・ゲインズブール(CV:高島雅羅)に娘のことを託したのだった(後に戦争に出征していたエルミナの夫の戦死を予兆した)。
その後、エアリスは居場所を突き止めた神羅のタークス・ツォンから戻るよう言われるも拒否。約束の地を求める神羅としてはエアリスの機嫌を損ねることは避けたかった為、手荒なことはせず監視するにとどめる。こうして「エアリス・ゲインズブール」はスラム街で育つこととなった。
ちなみに宝条はイファルナの動向を把握しておらず、ビーチでエアリスと会った時に「イファルナは元気か?」と尋ねている。なお、リメイク版ではイファルナの遺体は宝条によって解剖されているなど設定が異なる。
本編開始の5年前(CCFF7)に教会で花を育てている時にザックス・フェアと出会う。
エアリスは「戦うことを好む」ソルジャーに対して恐怖心を抱いていたが、すぐにザックスの人柄を知って打ち解ける。しかしザックスは任務先のニブルヘイムにて音信不通となってしまう。これがエアリスの初恋であり悲恋となった。
2人が生きたまま再会することはなかったが、エアリスの死後、ライフストリーム内にてついに再会を果たす。そして意識たちに呼びかけメテオを防ぐきっかけを作った。
エアリスの父親がジェノバ・プロジェクトの前責任者ガスト博士であったことを知ったのも、エアリスの出身地はそのガスト博士の逃避先でもあるアイシクルロッジであることを知ったのも、エアリスが乗りたがっていた飛空艇に乗ったのも、そしてエアリスが会いたがっていた本物のクラウドが戻ってきたのも、皮肉なことに全てエアリスの死後に起きた事であった。
キングダムハーツでのエアリス
『キングダムハーツ』シリーズにも登場している。日本語版の声優は坂本真綾。
英語版はマンディ・ムーア(KH)、ミーナ・スヴァーリ(KH2)。
レイディアント・ガーデン出身の女性で、故郷が滅ぼされた後はトラヴァース・タウンに移住していた。
『キングダムハーツ』ではソラたちの冒険のサポートをした。『キングダムハーツ2』ではレイディアント・ガーデンの復興に尽力している。
エアリスの死亡について
FF7以前にもFFシリーズでは仲間などの死の描写は存在したが、エアリスが作中のヒロインである事、従来のドット絵や文章効果音の組み合わせでの表現とは違い3DCGを用いた表現、彼女の死を目の当たりにしたクラウドの動揺と激情がないまぜになった独白、そして悲壮感に満ちた「エアリスのテーマ」が流れる事も影響してプレイヤーの衝撃度及び悲壮感も増している。
おまけにプレイヤーにとっては、その「エアリスのテーマ」が流れる中、動揺で心の準備もできぬまま、強敵ジェノバLIFEと戦わなければならないという二重の意味で残酷な展開が待っている。
物語中に多くの謎がちりばめられているFF7の作風と、また彼女の人気故に「死んだはずがない、生き返らせる手段があるはずだ」と彼女の死を受け入れようとしないプレイヤーの間で蘇生ネタが蔓延し、「水中呼吸マテリア」(データは存在するが入手不可)等の復活ガセネタが広まったり、果てはサガフロンティアを利用しエアリスを生存させる等の事を行う通称「サガフロワープ」というバグ技までが発見されたりした。因みにこの裏技でエアリスを生存させる為だけにサガフロを買う人もいたらしい。
また、前出の水中呼吸マテリアなどの話題も絡み、いわゆるチートエンジンに手を出すプレイヤーが少なからず発生した。当時はチートエンジンを使用する人間はほぼマニア層に限られており、無対策に等しかったが、チートエンジンの一般化に手を貸す結果になってしまったとも言われている。
いずれにしても彼女の死が、各方面に大きな影響を与えたのは確かである。
なお、実際に死亡したプレイヤーキャラクターたるヒロインは彼女が初めてであるが、NPCまで広げればFF3のエリア・ベネット(水の巫女エリア)という先例がある。
また開発途中ではFF4のローザ・ファレルも、作中展開によっては命を落とすことが予定されていたとのことである。このことに注意してゲームを進めると、該当イベント後は彼女の発言機会が極端に減少していること、カイン・ハイウインドのせいしんのパラメータがローザに次いで高いこと(ローザが命を落とした場合はカインがある程度の回復魔法を習得する計画であったため)などに気付かされるであろう。
FF6のティナ・ブランフォードも初期設定では消えてしまう予定だったが、FF外伝のヒロイン、聖剣伝説2のポポイのように「見えなくなる」だけで、「死ぬ」訳ではなかったとの見解もある。
物語後半、あるアイテムを入手してからミッドガル(の一部)に自由に入れるようになってからエアリスの教会に行くことができるが、そこで子どもたちと花を摘んでいるエアリスの姿を見ることができる。ただし近づくと消えてしまい二度と見られなくなる(近づかなければ何度でも見られる)。隣にいた子どもに話しかけると「あれ、お姉ちゃんは?」というセリフを口にする。(HDリマスター版でも同様)
FF7Rでクラウドが降りてきたセフィロスの正宗を弾き飛ばし運命を変える事に成功したかと思いきや結局串刺しにされ、死んでしまう
しかし、血が垂れてなかったと思ったら、垂れており、血濡れかと思ったらそうでなかったり
その後のラスボス戦どころかEDイベント内でチラチラ登場する上、台詞どころかクラウドとの会話すらある。
そもそもクラウドの態度も妙に明るくオリジナル版では
「エアリスはもうしゃべらない…もう笑わない、泣かない、怒らない。」
「おれたちは…どうしたらいい?この痛みをどうしたらいい!?」
「指先がチリチリする。口の中はカラカラだ。目の奥が熱いんだ!」
と叫んで感情を爆発させていたにもかかわらず、本作ではそもそもクラウドだけエアリスが死んでいることを認識できていないかのような描写が散見される。
また直前のザックスの選択とその結末や結局どれも選んでいないのがザックスの選択であった…というイベントと併せて不可解な描写が多くその死には何か違和感がある
そして中身を失っていたエアリスの白マテリアに中身を託し、抜け殻となったもう一つの白マテリアは悍ましい漆黒に染まっていて…
余談
『スカイリム』でもMODとして「Aerith - Final Fantasy 7 Clothes and Hairstyle」という名で登場している。
ディズニー映画『シュガー・ラッシュ』ではゲーム・セントラル・ステーションの場面において壁にいくつか落書きがされており、その中の一つに"AERITH LIVES"と書かれたものがある。エアリスの悲劇をジョークネタにしたファンサービスである。
『大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL』では剣撃タイプのMiiファイターコスチュームとして参戦。ただし、服装のみで髪型はMiiのものからエアリスに近いものをセットしなければならない。
2020年12月にはセフィロスが参戦したことでDLCとしてスピリッツ化。憑依先は茶髪のゼルダ姫となっており、これを倒せば入手できる。効果は5秒おきに体力が回復するというもの。ランクは★3でコストは2。