神殺しのペガサス
かみごろしのぺがさす
天馬星座《ペガサス》の聖闘士の伝説
ペガサスの青銅聖衣を纏う聖闘士は神話の時代より常に傍らよりアテナを守り続け、そしてその度に地上を狙う他の神々の返り血をその聖衣に浴びてきた……といういわくつきの伝説が存在する(星矢Ω第53話の檄の台詞より)。
そしてその神殺しの伝説の力に因ってペガサスの青銅聖衣は光牙の小宇宙と共鳴し、聖衣石の形態から本来のオブジェ形態へと新生している(ちなみに他の青銅聖衣は貴鬼の手で修復された)。
尚『神殺しのペガサス』(もしくは『神殺しの光牙』・『神殺しの男』)と発言したのは、今のところ海皇ポセイドン(アルティメットコスモ版)・昴・タルヴォスなど。
神話の時代、ハーデスとの前聖戦
原作版星矢の終盤において、冥王ハーデスは神話の時代に己の本来の肉体をペガサスの聖闘士から傷つけられた事が判明する(これがキッカケで、側近であるヒュプノスの力で自身の肉体をエリシオンのハーデス神殿に眠らせた)。以後ハーデスは、地上を懸けてアテナと聖戦を行う際に地上で最も清らかな心を持つ少年を憑代に選んできた(冥王神話ではアローン、原作版星矢ではアンドロメダ瞬)。
実際に先々代のペガサスであるテンマは夢界を支配するオネイロスらを討ち倒した上で実母であるパルティータからは神殺しの魂を抜かれかけている(実はこれはパルティータがテンマの神聖衣発動を促すための芝居であった)。そして最終的にサーシャやアローンと共に、復活したハーデスを再びエリシオンに封印した(そして聖戦は243年後に持越される)。
星矢の時代
時代は廻りペガサスの聖闘士になった星矢は射手座の黄金聖衣やオーディンローブの力を借りつつオーディンの地上代行者であるヒルダからニーベルンゲン・リングを外し海皇ポセイドンにダメージを与え、劇場版では各作品のラスボスであるエリス、ドルバル、アベル、ルシファーを打ち破ってきた。
また新たに勃発したハーデスとの聖戦ではエリシオンにて神聖衣を発動させてタナトスを一撃で破り、本来の肉体を得て復活したハーデスにもダメージを負わせている(*但し星矢の方が深手を受けている)。
そして劇場版五作目となる『天界編序章~OVERTURE~』ではハーデスを破ったことがキッカケで天界の神々からその命を狙われ、イカロス斗馬ら天闘士が派遣される。更にポセイドンやハーデス以上の力を持つアポロンからも狙われた(*エンドロールにて、星矢はペガサスの聖衣を神聖衣とは別の形態に進化させ、アポロンの頬に傷をつけている)。
Ωの時代
(見方によってはおそらく天界編とは時系列の異なるパラレルワールドともいえる)Ωの時代=光牙たち次世代の聖闘士が活躍する時代では、ペガサスの聖闘士は特別な存在として扱われている。
初期の頃こそ彼は伝説の英雄である聖闘士・星矢の名残であるペガサスを継ぐ者……としてしか認識されていなかった。
しかし光牙の生い立ち(13年前のマルスとの第一次聖戦で、アテナの光の小宇宙を受けた後にアプスの闇の小宇宙を浴びてしまう)が明らかになるにつれ、次第にペガサスの聖闘士としての宿命も色濃く反映される様になる。
十二宮にてマルス(=ルードヴィク)を討ち倒し火星にてアプスの器を脱却した後に、闇から帰還した星矢から射手座の黄金聖衣を託される。
更には蒼摩・ユナ・龍峰・栄斗・エデンの五つの小宇宙を受け取り、完全覚醒を果たしたアプスに止めを刺した。
またこの時点で射手座の黄金聖闘士となっている星矢に関しても、現状唯一の「生来の光属性の小宇宙持ちの人間」でありその魂が他の聖闘士とは一線を引くものであることが強調されている。他の光属性持ちのうち、城戸沙織は神であり、アリア・光牙の2人は乳児期に彼らの命が危機に晒されていたため沙織が緊急避難的に自らの小宇宙で包むことで光属性を後天的に得た身である。
新生聖衣編
女神パラスの軍勢であるパラサイトらから、神殺しのペガサスとして名が知れ渡ることになる(……がその割には、三級パラサイトから軽く見られることが多い。パラサイトにとってはその二つ名は自分の手柄や名前に箔を付ける恰好の素材に過ぎないのかもしれない)。
VSガリア戦
パラス城突入後、聖剣を操る四天王・ガリアとの戦いでは劣勢を強いられるも、蒼摩・ユナ・龍峰・栄斗・エデンと力を合わせ“オメガの片鱗”にまで達し、新生聖衣の真の能力を引出した。そして連携攻撃と爆発的に高まった小宇宙でガリアを圧倒し、ペガサスローリングクラッシュで止めを刺した。
聖剣を持つ四天王の実力は、あのアプスを凌ぐほどのものだが、光牙たちはそれをも覆し、神殺しの宿命にまた新たな歴史を刻んだ。
Ω聖衣
ハイペリオンとの戦いでは、昴を救うために何度でも立ち上がり、同じ青銅の友たちと力を合わせる事でついにオメガへと到達する。それに共鳴してペガサスの新生青銅聖衣が、究極的進化を遂げた。(ぶっちゃけ二期新OPで盛大にバラされているのだが。)
星矢の反応から察するに、オメガの到達によりもたらされた(神聖衣とは別の系譜による)奇跡の産物と思われる。
Ωの結晶
エウロパの策略により、昴は真の姿である刻の神・サターンへと覚醒。地上の時間を停止させると、サターン城へと昇って行く。
新生黄金聖衣を手に入れた星矢を先頭に、城に乗り込む光牙たち。だが黄金の短剣をもってしても、星矢はサターンに致命傷を与えることが出来ず力尽きる。
星矢に代わって立ち上がる6人だったが、サターンの強大な小宇宙の前に、彼らは一人また一人と倒れ、Ω聖衣まで全損してしまう。
さらに、サターンの放ったクロノコンクルージョンエターナルにより、地上に残った聖闘士たちやアテナ、パラスやタイタンの刻をも石化されてしまう。
よもやサターンの勝利と思われたその時…
アテナの呼びかけにより氷河、瞬、「Ω」の片鱗に目覚めたエマたち鋼鉄聖闘士、羅喜、インテグラ、ハービンジャー、タイタン、パラス、アテナエクスクラメーション使用後に生還していた紫龍、フドウ、貴鬼、消滅寸前のアイガイオンより密かに救い出され帰還した一輝ら地上に残った仲間たち、そして星矢、蒼摩、ユナ、龍峰、栄斗、エデンらの小宇宙が光牙へと集められ、
巨大な羽を持つ黄金のΩ聖衣を纏った光牙が立ち上がった。(光牙、曰く“Ωの結晶”。神聖衣とは似て非なる物らしい。)
その神々しさは、サターンですらその潜在能力の高さに驚愕し、“これではまるで新たな宇宙の誕生”と述べるほど。
激闘の果てに・・・
聖闘士たちの想いを胸にサターンに最後の戦いを挑む光牙。黄金のペガサスのΩ聖衣を失ってしまうものの、Ωの小宇宙は更に高まり、サターンの刻衣を全損させる事に成功する。
次第にサターンの中にも昴だった時の人格が復活し、尚且つ得体の知れない高揚感が目覚め始め、無限の刻を生きてきた不死の存在である神としては味わった事のない熱意を感じる事になる。
そして光牙は、仲間たちの小宇宙を込めてペガサス流星拳を放ち、サターンの胸に十字の傷を付けた。(サターンの力ならば瞬時の治癒が可能である。だが人間の秘めた「Ω」に強い感銘を受けた彼は、あえて残しておく事に決める)
自身の刻衣と小馬座(エクレウス)の青銅聖衣を小宇宙で再生させたサターンは、光牙に「人間の互いを想い遣る気持ちが生み出したΩの力」に対して潔く負けを認め、「人間がΩ(=互いを想う意志)を忘れた時には再び地上に攻める」事を示唆し、あえて昴の人格を表に出して光牙たちに別れを告げ、時空の果てに去って行った。
…最終的に、光牙はサターンと和解する形で地上を救ったのである。
「神殺しのペガサスの宿命」すらも塗り替えた光牙は、文字通り伝説となった…。
共通項
いずれも神殺しの宿命を背負ったペガサスの聖闘士らは、以下のような状況を最低一つは経験している。