国鉄183系特急形電車
日本国有鉄道(国鉄)が設計・新製した車両とJR西日本が改造した車両の系列。
番台により誕生の経過と運用に大きな違いがある。
0番台
1972年に内房線・外房線の電化に伴い運転開始された特急「しおさい 」・「あやめ」・「わかしお」・「さざなみ」に新製・投入された。
分割併合運用や総武地下線への入線に伴う火災対策から前面に通路を設けた貫通形でデザインされた。近距離運用が前提であることから食堂車は当初から製造されず、国鉄特急形電車・気動車では初めて乗客用扉が片側2ヶ所設置となった。
一部のグリーン車用のサロが、113系用のグリーン車に格下げ改造されている。
国鉄分割民営化に際してはJR東日本に承継された。
極一部を除き2006年に全廃される迄、幕張車両センターで生涯を終えた。
1000番台
0番台をベースに上越線の特急「とき」での運用を前提に冬季の耐寒・耐雪対策が強化された車両。1974年に新製・運用開始。
設計経過としては碓氷峠通過対応車両である189系から同区間での協調運転機能を省いた形となっている。前面は非貫通形になった。
上越新幹線開業に伴う転用で一部の制御車が総武快速線/京葉線への入線対策でATCを搭載し1500番台に改造されている。
国鉄分割民営化に際してはJR東日本に承継された。
2002年12月に、中央特急の運用を追われ、あずさ、かいじの運用についていたグレードアップ車の多くは、房総特急の置換え用に転属した。しかし、2005年12月に房総特急用の新車が登場し、房総特急の運用も追われ、それをもって定期特急運用はなくなり、現在は信越本線の長野~直江津間の普通列車「妙高」のみで定期運用されるほか、首都圏を中心とした団体・波動輸送に用いられている。
200番台・700番台・800番台
1990年より北近畿方面の特急に運用されていた485系の交流対応機器を、使用路線が全線直流電化だったことで交流機器が遊んでいたことと七尾線電化に伴う113系から415系への改造に用いるために、撤去した車両にこの番台が与えられた。
性能が同等であることから183系を称しているが、JR東日本の0番台・1000番台とは全く別の車両である。
中には「スーパー雷鳥」の七尾線分割併合運転用に改造された切妻制御電動車であるクモハ485-200を種車としたグループも存在し、183系唯一のクモハ形式となっていた。
JR西日本の福知山電車区に配置され、北近畿ビッグXネットワークを構成する特急「きのさき」・「はしだて」・「まいづる」・「こうのとり」に運用されているが、近年では287系への置き換えも進んでいた…のだが、2013年3月のダイヤ改正で「くろしお」への287系投入で捻出された381系に置き換えられ、形式消滅となった。
国鉄キハ183系特急形気動車
キハ183系を参照。