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概要

 ぎゆナエ(ぎゆカナ)とは、吾峠呼世晴の漫画『鬼滅の刃』における、冨岡義勇×胡蝶カナエのカップリングである。

 原作本編においては鬼殺隊での同い年の同僚()であり、キメツ学園では夜の校舎にそれぞれ別の者と共にマイペースに赴く同僚(教師)である。

共通点

1.(人を喰わない)鬼に対して、救いの心を持つ

 カナエは、に愛する両親を目の前で惨殺されていながらも、元は人だったのだから、鬼(にされてしまった人)をも救いたいという言葉を口にしていた。

 命の恩人である悲鳴嶼行冥から「本気で言っているのであれば正気の沙汰ではない」と言われながらも、鬼を斬り、柱にまで至っている。

   (『鬼滅の刃 片羽の蝶』)

 義勇は、鬼に対し救うという言葉は口に出していないが、飢餓状態でありながらを喰わずに護ろうとした竈門禰豆子を、己(と)の腹を懸けて守っている。

 また、「人を喰わない鬼となら仲良くできる」と取れるような言葉を口にしている。

   (『鬼滅の刃』46話・28話)

 

 「人を喰った鬼に情けをかけるな」と言った直前に振るったのは、干天の慈雨。凪でバラバラにすることもできた筈だが、痛みのない技で頸を落としている。

   (『鬼滅の刃』42話)

2.同時期の柱だった

 竈門禰豆子が鬼にされるより前、冨岡義勇と胡蝶カナエは共に17才という若さで水柱と花柱の席にあった(義勇の方は当時の年齢がはっきりしていないので、あくまで推測だが)。

 不死川実弥が風柱となり柱合会議に初参加した日、そこに居たのは岩柱の悲鳴嶼行冥、音柱の宇髄天元とこの2人。

(正確にはあと1人その場に居たが名前も顔も不明。さらに、煉獄槇寿郎もまだ炎柱だった筈だが、この頃には既に会議に欠席するようになっていた模様)

   (『鬼滅の刃』168話・『鬼滅の刃 風の道しるべ』)

3.妹を叱咤激励する姉、弟弟子を鼓舞する兄弟子

 カナエは死の間際、姉としてに鬼殺隊を辞めて少女としての幸せを掴んで欲しいと願った。しかし「姉の仇を討つ」と決めた妹が挫けそうになった時には、一転して“柱”としての厳しい姿勢を見せた。

「しっかりしなさい。泣くことは許しません」

「立ちなさい、蟲柱・胡蝶しのぶ」

「どんな犠牲を払っても勝つ。私とも、カナヲとも約束したんでしょう」

「しのぶならちゃんとやれる。頑張って」

   (『鬼滅の刃』142話)

 家族を全員殺され、唯一残った妹も鬼に変えられてしまった竈門炭治郎。蹲り、ひたすら妹の助命を懇願するだけの彼に、義勇は現実を突き付け、自分の願いは自分の覚悟と力で成し遂げるしかないのだと示した。

 自身が禰豆子を斬ったとしても、強い怒りで以て絶望せずに生きていけるように。

生殺与奪の権を他人に握らせるな!!

「惨めったらしくうずくまるのはやめろ!!」

「弱者にはなんの権利も選択肢もない」

「それが現実だ」

「なぜ斧を振らなかった。なぜ俺に背中を見せた!!」

「そのしくじりで妹を取られている。お前ごと妹を串刺しにしても良かったんだぞ!!」

   (『鬼滅の刃』1話)

4.本質が穏やか

 義勇は、猗窩座戦のモノローグにて、極力刀を抜きたくはない。娯楽のように手合わせするのも好きではないと述べており、口下手故に誤解されるが、自分を嫌う相手にも悪感情を抱かないなど、温厚でお人好しな人柄が窺える。

 カナエの方も、穏やかな微笑みやのんびりとした言動、そして人喰い鬼をも哀れむ点から、やはり温厚で優しい人格者だとわかる。

   (義勇『鬼滅の刃』150話)

   (カナエ『鬼滅の刃』7巻 番外編)

5.他の人がそれを見過ごしたり避けたりしても、自身は困っている人を助ける

 義勇は、炭治郎から鬼舞辻無惨の情報を聞き出そうと立ち上がった宇髄天元にぶつかって倒れた甘露寺蜜璃を助け起こしている。(他の柱は天元と同じく炭治郎を問い詰めるのに夢中で気付かなかった)

   (『鬼滅の刃』46話)

 カナエは、縛られた名もなき少女を気にかけ、話しかけた。

(直接買い取った(助け出した)のはしのぶだけれど、きっかけもその後の保護者になったのもカナエなので)

   (『鬼滅の刃』7巻 番外編)

6.胡蝶しのぶを気遣っている

 カナエは、死の間際、しのぶに「普通の女の子の幸せを手に入れて、お婆さんになるまで生きて欲しい」と願った。

義勇は、

「忘れるな、胡蝶。俺たちは“柱”だ」

と言葉が足りないながらも「柱として任命された以上お互い頑張ろう」という意味の激励をしたり(しっかりとしのぶに伝わっていたかは微妙だが)

   (『鬼滅の刃 冨岡義勇外伝』)

顔色が悪いことがある。

と、しのぶの不調に気付き、心配している。

   (『鬼滅の刃公式ファンブック 鬼殺隊見聞録・弐』)

キメツ学園における二人

1. 人気が高い

 体育教師・冨岡義勇。やや暴力的な生徒指導により、PTAから苦情が出ている。口下手で食事中に人と話せないがゆえに、昼食はもっぱら非常階段で一人飯

なのに校内バレンタインチョコ獲得数31個(獲得数校内2位)

   (『鬼滅の刃公式ファンブック 鬼殺隊見聞録』)

 生物教師・胡蝶カナエ(華道部顧問)。キメツ学園の卒業生であり、在学中は3年間ずっと学園3大美女に選ばれていた。男女問わず人気がえげつない

 その人気は、彼女とよく話している数学教師に対する殺害計画が持ち上がったことがある程。

 霊能力があるらしく、お札を壁に投げつけたり「臨・兵・闘・者…」と唱えている所を目撃されている。

   (『鬼滅の刃』17巻 キメツ学園物語)

2 学外時間の同一行動

 23時以降の校舎に同僚/生徒を連れて見回りに行くという、妙なシンクロを見せている。

   (『鬼滅の刃 風の道しるべ』「中高一貫☆キメツ学園物語!!〜ミッドナイトパレード〜」)

3 問題児学生への対応

 竹刀片手に追いかけ回す冨岡先生から校則違反の生徒を庇う胡蝶先生。冨岡は彼女が庇っていると知りながら見逃し、生徒が必要としているものを託した。

 カナエも常に許すというわけではなく、

冨岡先生が許して下さってよかったわね。

校則違反は程々にしてくださいね〜

と義勇が見逃してくれたから、今回だけ、ね?というような言葉をかけている。

   (帆上夏希氏作画『最強ジャンプ 2021年9月号』「キメツ学園!」)

よって、ぎゆナエは恋愛でなくとも素敵

 最後の水柱様(冨岡先生)と花柱様(胡蝶先生)の共通項(対比)は、予想以上に多い。

 別段、恋愛でなくともよいのです。

柱としての同僚、キメツ学園教師としての同僚、あるいは学生時代、あるいは鬼のいない時代への転生、あるいは霊能活動。姉弟のような関係もありえるでしょう。

生来が穏やかで、得手不得手はあろうとも他者を気遣い、弟妹を鼓舞し、鬼に情けをかける、最後の水柱と花柱。

 お互いを全く気にかけず、されど第三者からは「あれ? あの二人って意外と……?」と関係性を少しばかり疑われたり、ほんわか答えをはぐらかしたりする様子が似合う方たちです。

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