概要
1928年に創刊された日本共産党の政党機関紙。休刊や発行停止を繰り返していたが、1952年に復刊。1997年に現在の「しんぶん赤旗」に改題となった。
政党助成金の受け取りを拒否する同党にとっては最大の資金源となる。
印刷は「あかつき印刷」が担当。
ピーク時の1980年代あたりは日曜版の発行部数は300万部を突破していたが、支持層の高齢化および減少に伴い、2019年にはついに日曜版約80万部と、100万部の大台を割るまで低下した。
なお日刊紙は20万部前後となる。つまり現在は3分の1の党員がそもそも「読んでいない」ということになる。これを受け志位和夫は「率直に言って危機的」と述べ、部数増を目指す決議を採択した。
特徴
上述のように日刊版(毎日発行)の「しんぶん赤旗」と日曜版「しんぶん赤旗日曜版」の2種類があり、「しんぶん赤旗」は毎日届けられる。月額930円で購読できる日曜版の発行部数のほうがはるかに多い。
日刊紙は、時事通信やロイター通信などから配信される日本国内外の各種報道を掲載し、一般の全国紙や地方紙と遜色ない内容が提供される。加えて独自の調査報道には定評があり、ページ数が少ない分広告が少なめで記事の正味量では他の一般紙とほとんど差がない。
「文体がですます調」「(政治家の汚職事件などを除き)容疑者の名前は匿名」「天皇・皇族に『陛下』『さま』は付けない」といった独自の決まり事が多々ある。ちなみにラテ欄は東京ニュース通信社から配信されているため、皇族への敬語などは修正せずそのまま掲載しているが「扱いは赤旗の立場とは異なります」という注意書きを入れている。
報道姿勢は真逆であるが、読売新聞を追放された記者が多く加わっていた経緯から、レイアウトや記事のまとめ方は読売新聞の流れをくんでいる面が大きいという。
論調
「日本共産党の政党機関紙」であるため、当然だが論調は左派である。労働者寄りの視点から企業不祥事や労働問題の報道に熱心で、原則として大企業の広告を載せておらず、それが逆にスポンサーのことを気にせず財界にとって都合の悪いことも書けるという、有力なセールスポイントの一つとしている。また、ニセ科学や新興宗教に対し非常に批判的でカルト集団をチェックしている人たちの情報源にもなっている。このため、共産党支持者ではないのに購読している人もいる。
東京オリンピックへの児童生徒や医療従事者の動員要請、日本学術会議の任命拒否問題などスクープの実績も多いが、本紙のスクープが他の報道機関で紹介される際は「ソースが赤旗」であることは伏せられることが多い。つまり赤旗のスクープの実績はともかく、ネームバリューの信頼性は非常に低い。
趣味
将棋・囲碁の情報が充実している。これは、日本の有望な若手棋士の登龍門であるとされている「新人王戦」(将棋は日本将棋連盟、囲碁は日本棋院・関西棋院との共催)また「赤旗名人戦」の主催紙であるため。このような経緯から、日本将棋連盟会長だった米長邦雄は、思想的には真逆の立場ながら共産党には感謝の意を表している。
読者のイラスト投稿欄が荒ぶっている(紙面にイラスト講座もある)、記者にミリオタが多いのか軍事情報にやたらと詳しい(日本共産党が反戦運動に熱心という理由もあるが)、など妙にオタク界隈に親和性の高い新聞でもある。
有名人
日曜版には有名な俳優やアイドルや文化人やスポーツ選手が頻繁に登場する。阿部寛、相葉雅紀、藤原紀香、内村航平、白井健三など多数。週刊誌とは違いゴシップやスキャンダルには一切触れないため、芸能事務所なども安心してオファーを受けやすいらしい。本紙に登場する=日本共産党を支持する立場であることを必ずしも意味するわけではないが、共産党に積極的に反対する立場である人はそもそもオファーを受けないであろう。
購読料
種類 | 通常料金 | 学生料金 |
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日刊紙 | 3497円 | 2200円 |
日曜版 | 930円 |
宅配版と電子版は同額だが、別途料金が必要となる。
クレジットカードと銀行振替に対応。