つばさの党
つばさのとう
「つばさの党」は、日本の政治団体。2019年5月20日結党。2024年5月時点の代表は黒川敦彦。2020年12月31日までの党名は「オリーブの木」。
しかし、2019年の第25回参議院議員通常選挙後に黒川とのスタンスの違いで離党者が続出。2021年1月1日に「つばさの党」に党名を変更して以降は黒川を中心とした政党となっている。
一時は立花孝志の「諸派党構想」に参加し黒川、元AV男優の根本良輔がNHK党(NHKから国民を守る党)から地方選挙、国政選挙に出馬。(いずれも落選)黒川はNHK党の幹事長も務めた。
その後、2023年3月につばさの党主催で「政治家女子48党」(NHK党の2023年3月8日ー11月6日までの党名)の名を借り政治資金パーティーを立花らNHK党関係者に許可を取らずに開催。これにより黒川はNHK党の幹事長を辞職。つばさの党はNHK党から離党した。
2024年4月28日に投開票が行われた東京15区補選(江東区)ではつばさの党所属の根本良輔が立候補したが、これに先立つ公示日の4月16日以降、他党の選挙演説への乱入や他党候補支援者に対する暴行などの妨害活動を開始した。
立候補者の乙武洋匡や乙武の応援演説に来た小池百合子都知事に対し、電話ボックスの上で演説を妨害するようなヤジを飛ばしたほか、立憲民主党の酒井菜摘の選挙カーに蓮舫が乗っていると知ると、カーチェイスと称して選挙カーを10分以上にかけて追い、酒井と蓮舫にプラカードを掲げヤジを飛ばした。
さらに選挙期間中、江東区を管轄する警視庁城東警察署の警備課長ら警備に当たる警察官相手に揚げ足を取り、聞くに耐えない罵詈雑言を浴びせる様子を撮影しYoutubeやX(旧Twitter)に上げている。城東警察署に乗り込んで警察官に書類を投げつけたり詰め寄る様子を得意げに配信したりもした。
また、日本維新の会の金澤結衣の演説会場では吉村洋文大阪府知事を見つけると、大阪万博に関するヤジを行う。その際通りすがりの男の子から「大人として恥ずかしくないのかよ!」と言われてしまう。(メイン画像)
補選期間中、つばさの党はこれらの妨害妨害行為を記録した動画約40本を投稿したが、候補者の根本は配信動画内で「広告収入が増えている。これが究極の落選運動だと思う。ぜひこれを流行らせたい。俺はこれをビジネスにしようと思っている」 と語っていたほか、スーパーチャット機能を利用して支援者から寄付を受け取っていた。
警察の捜査と逮捕
これらの妨害行為に対して警視庁は4月18日に根本と黒川らに警告を行ったが、投開票後の5月13日に警視庁はつばさの党事務所・黒川の自宅・根本の自宅に強制捜査を行った。
これについて黒川は「言論の自由の中で適法にやっている」と弁解した。
しかし、この選挙妨害事件を重く見た与野党は、公職選挙法の法改正について議論を重ねる動きを出している。
なお、この2日後の5月15日に根本・黒川の両名と運動員の杉田勇人の3名は警視庁の本部前で強制捜査に対する抗議活動を行ったが、一部報道によるとこの際に杉田が警察官の個人名を挙げた上で「パクったら、出てきたあとにつけ回して、家で皆殺しにしてやるからな」「覚悟しとけよ」などと発言する脅迫行為を行っていたという。
しかし直後に発言のヤバさに気づいたのか「ホントはやらないけど…」と小声で撤回していた。
そして5月17日。家宅捜索から4日という異例の早さで、根本・黒川の他、先述した運動員の杉田の3名が逮捕される事となった。3人は警視庁の車両で警視庁本部に入る際、カメラに向かって満面の笑みを見せており、中でも黒川は、体を横に揺らしながらWピースしていた。
これに対し逮捕から2日後の5月19日につばさの党のスタッフや支援者らは東京都庁の前で抗議活動を行い「本当にあってはならない弾圧が行われてしまった。不当逮捕だ」と主張した。
逮捕後の動向
逮捕から2週間後の5月31日には神戸学院大学の教授が2022年につばさの党から黒川個人に政策活動費名目で合計420万円を寄付したとする政治資金規正法違反容疑の告発状を東京地検に提出している。
また、根本・黒川と運動員の杉田の3名は6月7日に他陣営の選挙カーを追い回して交通の便を妨げたとして警視庁に再逮捕された。
その後、同月28日には他陣営の演説を妨害した容疑で3度目の逮捕を受けている。
なお、これら一連の選挙妨害行為で逮捕された後の勾留期間中に実施された東京都知事選挙では黒川が獄中から立候補した(裁判前のため公民権は停止されていない)が落選した。
11月21日に行われた初公判では、「公職選挙法違反のつもりはない」「正当な政治行為」「あってはならないこと」と主張し、法廷に響くほどの大声で無罪を主張するなど相変わらず子供のような振る舞いを見せている。
また、黒川が「『よくやったもっとやれ』という声もある」と述べた際に傍聴人が「そーだー!」と喚き、裁判長から「次言ったら退廷」と釘を刺される場面もあった。