とんち番長
とんちばんちょう
「と!」
「ん!」
「ちーーーーっ!」
「良い子はマネしちゃダメだぜ!」
『サルでも描けるまんが教室』内にて、竹熊健太郎原作・相原弘治作画(以下、実在の人物は苗字、『サルまん』の登場人物は下の名前で表記する)で支配社『少年スピリッツ』に連載されていた漫画。
主人公のとんち番長が子分の3人を連れて、様々な無理難題を吹っ掛ける敵の番長に対しとんちで立ち向かっていく頭脳戦まんがである。
…しかし、連載が始まってから「話が一本調子でカタルシスが無い」という意見が続出し、黒とんち教団相手に命を懸けたとんち合戦を行うデスゲームものに路線変更。更に子分の1人が女だったと無理矢理設定を変更したことで人気が上昇。遂には(作中世界において)『ドラゴンボール』を抜いて初版280万部の超ヒット作となり、(作中の世界における)アニメ化・ゲーム化も決定し、健太郎と弘治は一躍時の人となった。
とんち番長
主人公。当初は普通にとんちを説いていたが、途中から冒頭のセリフと共に人文字をやるルーティンが考案された(最後の注意は実際にまねした全国のちびっ子がケガしたことで入れた)。
路線変更後は、実は幼少期に黒とんち教団の使徒としてとんちの猛特訓を受け悪事に手を染めていたが、白とんちの第一人者であるとんち道人と出会って改心し、脳にはとんち勝負で負けたら起爆する黒とんち爆弾が埋め込まれているという無理矢理な後付け設定が付加された。
とんち番長の子分その1。チビのハゲ坊主で江戸っ子という、いわゆる矢部くん的な典型的な子分キャラ。初歩的なとんちをやろうとして最初の犠牲者となる、いわゆるかませ犬ポジション。ひどい目に度々遭うがなぜか死なない。
とんち番長の子分その2。がっちり体形で九州弁。脳筋なとんちをやろうとしてボケるお笑いキャラ。
とんち番長の子分その3。瓶底眼鏡のインテリ気質。すぐ警察を呼ぼうとする。
当初は完全に男でチンチンも明らかに描かれていたのだが、テコ入れで男装していた女ということにされた。
アニメでは開き直って男装設定が最初から存在しない。
とんち道人
とんちで人々を救う白とんち族最後の生き残り。とんち番長を白とんちの後継者にした。
黒とんち教団
とんちを悪用して弱者を虐げ搾取する悪のとんち使い。
意味なし番長との最終決戦に向かうとんち番長一行。
しかし、意味なし番長は全能の力を持っており、いかなるとんちも過程を無視して結果だけを即座に作り出せる史上最強のとんちを有していた。もはや打つ手がないと悟ったとんち番長は、最後の賭けに出る。
「おれを丸呑みにしてみろ。お前に出来るか?」
意味なし番長は容易いことと一蹴し、自分の息子であるとんち番長を軽々と飲み込んでしまう。だが、それはすなわち、とんち番長の完敗__自爆であった。なまじっか何でも全部出来るが故に負けることを想定していなかった意味なし番長は、胃袋の中でとんち番長が爆死したことにより、腹が破れて死んでしまった。
こうして黒とんち教団は滅びた。最後の白とんち族であるとんち番長の命と引き換えに。
空にオーバーラップするとんち番長の笑顔を仰いで、三人は未来へと一歩を踏み出したのであった。
花咲一休:リアルとんち番長ともいえる漫画。
以下、ネタバレ注意
しかし、支配社は金の生る木であるIPを手放すことは無く、最終回ラスゴマに描かれた『おわり』の文字を修正液で勝手に消し、『つづく』に書き換えてしまった。
主人公が死んでも連載は終わらない。絶望した健太郎と弘治は「もはやこんな出版社で続けてはいられん」と他の雑誌に移籍しようとしたが、既に編集長が手回しをして全ての出版社から移籍NGを食らってしまった。引退しようにも、天狗になり金銭感覚が破綻した弘治と健太郎は、「とんち御殿」なる豪邸を建てる際に24億円もの借金をしてしまったため、月1000万×240回(20年)払いからは逃げられずどうやっても漫画家を続けるほかなかった。
これにより強制的に第2部を描かされることとなった健太郎と弘治は、彦一がとんち番長の息子を妊娠していたという無茶な後付けで強引に第2部を開始する。
しかし、あれほど盛り上げた最終回のせいで既に人気はピークを迎えており、連載が続くにつれどんどん人気は急落、内容も迷走を続けていく。
その結果、ついに作者は限界を迎え、原稿が上記のような理解しがたい電波な怪文書に成り果てた結果、アンケートはドン尻に。
こうして『とんち番長』第2部は、とんち番長2世が巨大ヒーローに変身して宇宙に飛んでいくという、もはや全くとんちと関係ない内容となり、幕引きとなった。
かくして支配社から担当は左遷され、完全に見捨てられた弘治と健太郎は、『とんち』のファミコン版を出した会社の新雑誌で『とんち番長2』を始めるも、即座に雑誌ごと廃刊。
追い詰められた2人が最後に挑む漫画のタイトルとは…。