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※電撃文庫 紹介ページ、Wikipediaから引用(一部加筆及び修正)

地名編集

地球編集

本作の主な舞台。真奥達エンテ・イスラの住人がこの世界に流れ着いたのは偶然ではなく、千穂の身体を借りた何者かによると「エンテ・イスラに最も近いセフィロト大地」であるらしい。5巻の後書きにて(5巻時点で)2010年8月頃の日本を舞台にしていると作者に言及されている。

なお作者・和ヶ原聡司氏の意向により、作中で時間経過が発生しても、この世界の地球には『現実のそれに即した東日本大震災は発生しない(余談だが、阪神大震災はこの作品世界の地球でも発生している)』と明言されている。


ヴィラ・ローザ笹塚編集

東京都渋谷区笹塚にある古いアパートで、日本における『魔王城』。真奥たちが住んでいるのは2階にある201号室。ちなみに、家賃が月四万五千円、敷金礼金なし、保証人不要、築六十年の六畳一間、風呂なしである。初めは真奥たちだけが住んでいたが、後に鈴乃が202号室に引っ越してくる。原作3巻で天使達との戰いによって壁が破壊され、原作4巻では壁の修復と建物の全体の補修のため住人達は一時退去を求められる。その後原作5巻で修復され、地デジ対応となった。志波美輝が大家をしており、すぐ近くには志波の家である洋館が建っているとのこと。2階へ上がる外階段は造りがよくないのか転びやすいようで、真奥や恵美、鈴乃らもここでの転倒→階段落ちを経験している。


アーバンハイツ永福町編集

勇者エミリアこと遊佐恵美が暮らしている、東京都杉並区永福町にある高級マンション。住んでいるのは505号室で、オートロック完備、カメラつきインターホンあり、キッチン、リビング、寝室、シャワーつきバスルームあり、駅の最寄りと、真奥たちのアパートとは嫌味なほどに対照的な高級住宅である(ただし広いとはいえファミリー用ではないが、同じドコデモで働く友人・鈴木梨香の見立てでは家賃ひと月十万円は下らないだろうレベル)が、この恵美の住む部屋は事故物件であったため、これだけの設備を備えておきながら家賃は月五万円である(……まあ、その『事故物件化』も、元を辿れば恵美に起因するものなのだが)。

エンテ・イスラから流れ着いてきた恵美が入居後、当初は一人暮らしだったが、恵美に宿る聖剣とアラス・ラムスが融合して離れられなくなってしまってからは、恵美はアラス・ラムスと擬似シングルマザー生活を送っている。


大黒屋編集

4巻で登場。志波美輝の親類である大黒家が銚子の海岸で夏季限定で経営しているいわゆる「海の家」で、現状では店長は志波の姪である大黒天祢。 職場の改装で休業となった上に補修のために職と家を失った真奥・芦屋・漆原が住み込みで働くことになった。店の接客スペースは海の家としてはそこそこ広いが、もともと大黒家も真面目に経営・整備していなかったため、看板やビールサーバーの金属部にはさびが浮き、備え付けのテーブルや椅子もささくれ立ったりスポンジが破れていたり、シャワールームやコインロッカーも経年劣化でくたびれていたりと惨憺たる有様だったが、マグロナルドで飲食業としての嗜みを叩き込まれ、かつ店の長期休業で稼ぎに飢えていた真奥が「大入りを目指そう」と、様子見でついてきた千穂、恵美&アラス・ラムス、鈴乃も巻き込んで全力整備と接客の改善を図ったため、小さなトラブルもいくらかあったものの、前年比200%増という凄まじい売り上げを叩き出した(まあその前年の額からして、上記の放漫経営ゆえに褒められたものではなかったのだが)。


営業最終日に天祢から明かされたことなのだが、毎年来客するのは普通の人間でなく「死者の魂」であり、この海岸は「魂を浄化する地球でも数少ない聖地」であるらしい。労働期間は当初は2週間であったが、真奥や芦屋の魔力と恵美の聖法気が大きすぎ、またエンテ・イスラからの悪魔来襲やその迎撃のためにその力を解放して大立ち回りをしてしまったことで聖地としての霊的バランスが崩れ、魂たちがその安らぎのために訪れていた「海水浴客としての姿」を保てなくなってしまい、僅か4日で終了となった。


聖十字大陸エンテ・イスラ編集

恵美や鈴乃が出自としている異世界に存在する大陸。一際広い中央大陸を中心に、東西南北の大陸が十字架を描くように存在している。 鈴乃によると西大陸は大法神教会が絶対の存在らしい。


中央大陸編集

かつては地理だけでなく、政治や文化でも五大陸の中心地であったが、一夜にして現れた魔王城に、中心都市イスラ・ケントゥルムが文字通り踏み潰されるなどし、魔王軍によって滅ぼされる。


西大陸編集

大法神教会の総本山があるなど、教会の影響力が強い地域。そのため、天使の血を引く者なら、攻略が容易だろうということで、ルシフェルが侵略を進めていた。

ルシフェルは、ほぼ壊滅状態となるまで西大陸を追い詰めるが、勇者エミリアが登場したことで形勢を逆転され、倒されることになる。

文化的には、地球のヨーロッパに近いものがあるらしい。


東大陸編集

全土をエフサハーンが支配している。

魔王軍侵攻時は、アルシエルが攻略を担当した。国そのものは滅ぼされず、魔王軍に間接的に支配される事となる。

文化的には、中国と、中央アジア遊牧民の文化が入り混じったような描写となっている。


北大陸編集

アルバート・エンデの出身地。厳しい土地柄のためか、他に大陸と異なり、強大な国家が無く、無数の氏族が連合しながら大陸を収めている。氏族同士の合議制が重んじられ、紛争は公平な「試合」で解決するという独特の文化がある。魔王軍侵攻時は、アドラメレクによって支配されていた。


南大陸編集

中心部には、広大な砂漠が広がり、点在するオアシスなどに国家が作られている。国家間の軋轢が強く、政情が安定していない。初めて土地を訪れる者は驚くような独特の食文化があるが、その味は癖になるものがあるらしい。

中東のような雰囲気で描写されている。


聖地サンクト・イグノレッド編集

大法神教会の総本山。

そこにこじつけたのか、鈴乃が日本で買い物をする際に店からもらう領収書には「株式会社サンクト・イグノレッド」と記載している。


神聖セント・アイレ帝国編集

エンテ・イスラ西大陸で大法神教会と勢力を二分する大国。エメラダが宮廷法術士を務める。


交易都市イスラ・ケントゥルム編集

エンテ・イスラ中央大陸最大の都市。一度魔王軍によって滅ぼされた後、魔王サタンの居城として魔王城が建てられた。 現在はその北方の都市ノザ・クォータスに五大陸連合騎士団が駐留し、魔王城の解体にあたっている。


大帝国エフサハーン編集

エンテ・イスラ東大陸を統一した大帝国、統一蒼帝が治める。ただ、その支配の度合いは地域によって、かなり差があるらしく、帝に対する忠誠が強い地域もあれば、反乱が日常という地域もあるらしい。

魔王軍侵攻後はアルシエルの支配下にあり、その後は内紛の絶えない国だったが、突如中央大陸を武力制圧する宣言を発する。

なお、4巻にて鈴乃が君ヶ浜で作った砂城「蒼天蓋(ソウテンガイ)」と同じ名前の古城「蒼天蓋」が大帝都に存在する(鈴乃が砂の城のモデルにしたのだろうか)。その美しさは、西大陸にも音に聞こえているらしい。

蒼帝が、大法神教会を「異国の邪教」と呼ぶなど、あまり教会は好かれていないようである。


天界編集

漆原やサリエルが出自としている異世界に存在する世界。漆原によると「何も無い退屈な場所」らしい。 エンテ・イスラが魔王軍の侵攻に遭っても無関心だったが、失われたセフィラを探すために活発に動き始めている模様。


魔界編集

真奥や芦屋が出自としている異世界に存在する世界。首都は魔王都サタナスアルク。 真奥に統一されるまでは、腕っぷしと凶暴さが全ての混沌とした世界だったと言われる。真奥とファーファレルロの会話から、悪魔の存在と魔界には何らかの因果関係がある模様。


人間界(地球)の用語編集


マグロナルド編集

大手ファーストフードチェーン。真奥はここの幡ヶ谷駅前店で、正社員採用を目指してアルバイトをしている。ビックマグロバーガーというメニューがあるらしい(ただ、社名・ブランド名ともに「マグロ」という3文字こそ入ってはいるものの作中描写で魚のマグロがバーガーの具に使われているような描写は皆無であるため、あくまで「マクド」のもじり以上の意味はない模様)。略称は公式には「マッグ」だが、梨香のような関西出身者やその梨香と親交の深い恵美からは「マグド」と呼ばれている。

モデルはマクドナルドと思われる。


マグロナルド幡ヶ谷駅前店編集

魔王サタンこと真奥貞夫千穂のバイト先。店長は木崎真弓。原作4巻で店舗改装のため一時閉店していたが、原作6巻で営業を再開。その際、1階は通常店舗、2階はカフェ形式(マッグカフェ)となった。原作12巻からは電話・ネット注文によるデリバリーも始めた。

余談だが、劇中のマッグ幡ヶ谷駅前店のテナントには、リアルではモスバーガーが入っていたとの事。現在はこのモスは閉店している。


ドコデモ編集

大手携帯電話会社。恵美はここの子会社ビルにあるオフィスで、主に苦情処理やお客様相談を請け負う受信専門テレアポ契約社員をしている。

モデルはdocomoと思われる。


ae編集

ドコデモと並ぶ大手携帯電話会社。真奥の使用している携帯のキャリアはここである。

モデルはauか。


センタッキーフライドチキン編集

メイジャー・ファイヤーズおじさんが飾られている、大手ファーストフードチェーン。大天使サリエルこと猿江三月は、ここの幡ヶ谷駅前店(真奥たちの働くマグロナルドの道路を挟んだ向かい)で店長として働いている。このセンタッキー幡ヶ谷駅前店が属している渋谷西販売エリアのエリアマネージャーは、マッグ幡ヶ谷駅前店店長である木崎と幼少時からライバル関係を続けている田中姫子

モデルはケンタッキーフライドチキンと思われる。


ジャングル編集

漆原がよく、ネットで欲しくなった物を(真奥のクレジットカードで勝手に)買っている通販サイト。

モデルはAmazonと思われる。


ユニシロ編集

真奥と悪魔大元帥アルシエルこと芦屋四郎が好んで着ている衣類の大半を占めるメーカー。安くて非常に丈夫。

モデルはユニクロと思われる。


ホソダ編集

原作9巻で鈴乃が買った屋根つき三輪スクーターのメーカー。

モデルはホンダと思われる。


デュラハン号編集

真奥が愛用してきた自転車・バイクなどにつけられる名前。

この真奥の愛騎たちの『デュラハン(首無し馬の馬車に乗った首無し騎士)』という名前には、真奥がマグロナルド就職までにさまざまなバイトをしては失職してきた苦い経験からくる『首無し』=『クビなし』というゲン担ぎの意味が込められている(余談だが、正真正銘ファンタジーな出自である真奧たちのいた魔界にも、エンテ・イスラにも、この『デュラハン』という悪魔は存在せず、真奧や芦屋も地球で見たファンタジー創作物で初めて知ったとのこと)。

デュラハン号(初代)編集

アルバイト先に通勤するために最初に購入した自転車。ドッキ・リ・ホーテで6980円で購入したらしい。しかし、原作1巻(アニメ第2話)で漆原の魔力弾による狙撃でタイヤをパンクさせられたり、その際に主である真奥が現場に放置してしまったせいで、車体の弾痕および防犯登録から真奥が警察に銃撃事件の参考人として呼び出しをくらったりとなかなかハードラックである。原作2巻(アニメ12話)の事件で鈴乃の大槌にペシャンコにされ再起不能となったが、その反射板は弐号に受け継がれた。

デュラハン弐号編集

初代がスクラップになった後、鈴乃に弁償してもらう形で、真奥の知り合いの自転車屋で購入。変速機能などが付いており、その造りは全般的にドッキ・リ・ホーテで買った初代よりも上等。代金は防犯登録料も込みで三万円。壊れた初代の残骸の中で唯一無事だった反射板が装備されており、真奥たちのもとにアラス・ラムスがやってきてからは、アラス・ラムス用に急遽乳幼児用チャイルドシートが増設された。

機動デュラハン参號編集

芦屋と恵美がオルバ達の陰謀によりエンテ・イスラに拉致されたとき、その救出における現地での移動手段にと鈴乃が都内で購入した屋根つき三輪バイクのうち、真奥用のものに真奥が勝手に命名。車種はホソダのジャイロルーフ。形状はよくあるピザ屋の出前用バイクそのもので、車体後部には荷物を入れる小コンテナがついている。フロントガラスおよび屋根は、エンテ・イスラの軍隊に突っ込む際迎撃で放たれた矢や法術を雨あられと浴びて傷つきはしたものの、乗っていた真奥たちがケガをせずに済む程度には頑丈だった。すごいぞ日本の技術。最終的には乱戦の中で壊れ、真奥が自分用として日本にお持ち帰りする夢は破れてしまった。残骸や部品などはアルバートが集めて日本に送り返すとの事。鈴乃が買ったこの2台は中古車ではあったが、それでも特殊なタイプであったがゆえに高額で、2台で50万円したという(真奥談)。

レッド・デュラハン号編集

マグロナルド幡ヶ谷駅前店が、デリバリー業務開始のために導入したバイク(に、真奥が勝手に命名)。機動デュラハン参號と同じタイプだが、業務用ということもあり、マッグのイメージカラーである赤に塗装されている。



エンテ・イスラに関する用語編集

聖十字大陸エンテ・イスラ編集

魔王たちが元いた異世界。大海イグノラに浮かぶ一際広い中央の大陸を中心とし、東西南北の大陸を十字架に見立てた神々の見守る大地。


大法神教会編集

主にエンテ・イスラ西大陸に普及している、天界を崇める教会。オルバはここの最高幹部である大神官の一人として、勇者エミリアの魔王討伐パーティに参加していた。様々な部署に分かれており、鎌月鈴乃ことクレスティア・ベルはここの訂教審議会筆頭審問官として働いている。

また、教会騎士など、戦闘力の高いものも多数存在しており、その権力は絶大。なお、世間で「勇者」として広く知られているエミリアも、(身元後見人がオルバであったため)一応は教会所属の教会騎士のひとりということになっている。教会の上層部は非常に権威主義かつ保守的であり、偉業を成し遂げた勇者を良しとせず、権力を維持するため、「勇者エミリアは、魔王と相打ちになり死亡した」と嘘の情報を流し、恵美真奥に刺客を送ってくるなどしている。しかし、鈴乃などそれをよく思わない一部の者もいる。

訂教審議会編集

大法神教会の中でも、「教義に背き陰謀をめぐらす邪悪な者、背教者を捕捉し、その罪を糾す」…という意義のもとに組織された部署。実態はその建前の下に、教会にとって目障りな対立勢力や危険視される因子らを監視し(アラも探り)、その危険度が度を越した際に(相手の意思はさておき)背教者なのではないかという疑義をかけ、政治的に、社会的に、あるいは文字通りに生命を絶つ事も珍しくない、政治将校や諜報機関としての要素も強い、教会の暗部を司る組織であった。

大神官オルバの管理している宣教・外交部に属し、鈴乃はその下でトップを勤めている。

かつてはそのものズバリな「異端審問会」という組織名だったが、魔王軍との戦いの終結後、その血生臭いイメージを払拭するという教会の建前で現行の組織名となった。



悪魔編集

エンテ・イスラに深い関わりのある魔階に生息している種族。人間とは姿が大きく異なり、デーモンやゴブリンなど、多数の種族から成り立つ。魔力をエネルギー源にして超常的な力を使っている。悪魔は魔力を生命エネルギーに変換できるため、魔力さえあれば食事をとる必要はない。また、人間よりはるかに長寿であり、真奥は300歳くらい、芦屋は1500歳くらいである(原作1巻の履歴書欄より)。なお、体内の魔力が一定以下になると、強制的に人間や小鳥など別の姿になる。カミーオ、アルシエルなどの例外はあるが、人間に比べて考え方は単純で直線的。

黒羊族編集

真奥貞夫こと魔王サタン・ジャコブの出身部族。

人間のような上半身に黒い羊めいた体毛と蹄を備えた下半身で、頭にはこれまた羊の様に湾曲した2本の角が生えており、さらに魔力で背中に竜のような黒い翼を構成することもできる(翼はアニメでは未登場)。真奥が真の姿であるこの形態になった際は、身長が3m近い大柄で筋骨隆々とした体つきを見せていた。

種族の特性としては、「魔力の扱いの器用さに長けている」とされるが、数百人が精々の小人口かつ戦士が数える程しかいなかったこともあり、多種多様な肉体と能力・特性を持つ諸部族の勢力争いの中では、零細弱小部族であった。

サタンの幼少時代に、ハグレの単眼刻印鬼に襲われ、サタン一人を残して全滅した。

パハロ・ダェニィーノ族編集

サタンを拾って鍛え上げ、後には魔王軍最初の参謀となり、魔界平定後には悪魔大尚書の位についた老将・魔鳥将軍カミーオの部族。

将であるカミーオの二つ名の通り鳥人間型の種族であり、魔界においては規模の小さい部族だったが、種族柄、魔界諸部族でも希少な「一人一人が独力で高速飛行できる(制空権が取れて、偵察力・機動力の高い)部族」であり、かつて「魔界最強の剣士」と謳われた老練の強者で知恵者でもあるカミーオの率いる部族として、有力者の間では一目置かれていた。

族長のカミーオが、サタンをリーダーに擁立し、魔界統一の戦に乗り出したことで、魔王サタンの率いる最初の主要軍勢となる。

蒼角族編集

悪魔大元帥アドラメレクが率いていた部族。

悪魔諸部族の中でも特に大柄な体格(サタンモードの真奧よりさらにデカい)の種族であり、容姿は端的に表現すると「大ぶりな角と青い肌をし、肉食獣の牙を生やしたミノタウロス」。

見た目どおり体躯の頑強さと剛力に恵まれており、パッと見は力押し一辺倒のパワーファイターに見られがちだが、水と氷の魔術(それも部族レベルで繊細な魔術の編み上げに長けている)を得手とした魔術集団としてもひとかどの実力を持っており、魔界の戦国時代においては鉄蠍族、マレブランケ族と並ぶ大勢力の一角であった。

血統を重んじる慣習があり、代々の族長は蒼角族始祖の血縁から選出されるとのこと。

サタンとカミーオが旗揚げした魔王軍黎明期において最初にぶつかった強敵集団であったが、サタンに敗れた後は彼らに力を貸す郎党のひとつとなった。

鉄蠍族編集

芦屋四郎こと悪魔大元帥アルシエルの部族。

基本的に両手両足を持ち二足歩行のヒューマノイド型。念動力系の魔術に秀でており、その名の通り体の各所が蠍のような甲殻で覆われ、同じく蠍そのものの針を先端に備えた尻尾が2本生えている(なお、部族を敵視する者からは「毒虫」とも呼ばれているが、別にこの針に毒があるわけではない)。こうした体つきのため頑丈さが多種族に比してもずば抜けており、族長たるアルシエルなどの甲殻は大天使ガブリエルの聖法気を宿す霊剣さえも凌ぎきるほど。

フィジカル的にはこうした耐久力以外は魔界諸部族では突出したものはないが、鉄蠍族はそれをよく理解しており「個の力」ではなく「集団の合力」を重んじているため社会性が極めて高く、組織としての連携力・統率が優れており、アルシエルが魔界でも稀有な知恵と指揮能力を持つことも合わせ、諸部族の中でも蒼角族、マレブランケ族と拮抗する大勢力を築いていた。

マレブランケ族編集

悪魔大元帥マラコーダが率いていた種族で、人間並みの体躯に蝙蝠のような翼、四肢から一本ずつ長い爪を生やしている。種族の肉体・容姿的な特徴はそのくらいで、後は個々人の容姿は(多種族以上に)バリエーションに富んでいるようである。

蒼角族や鉄蠍族と違って旧来から「唯一絶対のリーダー」を戴いておらず、マレブランケ族内の各部族の頭領たちの合議で運営されており、マラコーダはその中でも特に知恵と実力が高かったためその筆頭としてマレブランケを纏めていた。

死体を傀儡とする屍霊術と幻術を操る。魔王軍崩壊後は、主戦派の副官バーバリッティアのもとで新生魔王軍として再起を図っている。基本的に脳筋悪魔が多い(もっとも魔界に生きる者たちの気風を考えると、マレブランケ族に限った話ではない。ただマラコーダはその中では別格といえた冷静さと聡明さを備えていた)。

ハグレ編集

漆原半蔵こと悪魔大元帥ルシフェルが率いていた悪魔の集団

その名の通り、部族という単位すら構成できない小人数の種族や、同族同士で寄り集まらない個人主義者、敗亡部族の生き残り、変わり種、アウトロー、そもそも種族の氏素性さえよくわからない者……といった悪魔たちが寄り集まっているだけに、他の悪魔大元帥の率いる集団に比べても個々人の実力、協調性、特性、容姿および肉体、性格などに至るまでバラバラの一言であり、魔王軍全軍の中でも一番規律に縛られるのを嫌い、好き勝手にやりたがる者だらけである。(なお、「ハグレ」という呼称も元からそうした魔界のハグレ者たちを指してそのまま呼んでいただけであり、魔王軍でまとめられた際に名づけられたわけではない)

トップを張っているルシフェルからして「滅法強い天使くずれの一匹狼」であったこともあり、そうした連中の気持ちも理解でき、構成員に言うことを聞かせる上でも申し分ない実力の持ち主として、サタンに(半ば強引に)まとめ役として任命された。



魔王編集

魔界においての実力者の称号。真奥曰く「地球でいう『会社を旗揚げする社長』」で、昔は魔王を名乗る魔族があちこちに溢れていたほどで、腕に自身があれば誰でも勝手に名乗ってたらしい。さらに「魔王を名乗ってもやってる事はワンマン社長と何ら変わらない奴らが多く長続きしなかった」と語り、その事を念頭して自身が軍団結成する際はカミーオやアルシエルをはじめとする優秀な人材を選抜・幹部にして合議制にし、結果として古の大魔王サタン以来の魔界統一に成功している。


魔剣編集

4巻で現れたカミーオが真奥に持ってきた剣。鞘にはセフィラの欠片や多数の宝石が嵌めこまれている。その正体は勇者エミリアが砕いた魔王サタンの角の欠片から生み出した魔剣でカミーオによるとオルバが持ってきたらしい。魔力を蓄える能力が在るらしく、剣を抜くことで真奥は全盛期に近い魔力を取り戻し、配下である芦屋達に本来の姿を取り戻す程の魔力を与えている。

天使編集

天界にいる種族で、背中に生えた白い大きな翼が特徴。人間をはるかに凌ぐ聖法気を扱える。身体が成長し全盛期になると成長と老化が止まり不老不死となる(不死身ではない)ため、千歳や万歳の天使もいるらしい。

漆原曰く、基本的には無気力で怠惰なニート軍団。天界の存続以外に興味はなく、エンテ・イスラが悪魔の侵攻を受けた時も黙って傍観していた。

天兵連隊編集

上級天使に従っている、下級天使の兵隊。ちなみに上級天使と違い、武器はごく普通の剣などである。なお、天兵連隊は上級天使には逆らえず、たとえ堕天使となった漆原に対しても同様である。


聖法気編集

主にエンテ・イスラの人間と天使が超人的な力を使う力の源。魔力同様に人間の喜びや希望といった正の感情から生成されるが、地球上では基本的に手に入れる方法がないらしい。摂取すると心臓に送られ、血液の循環を利用して体全体に送られる。また、基本的に人間には無害といわれているが、聖法気には許容量があり、許容量を超えた聖法気を摂取すると危険である。というのも、許容量を超えた聖法気を摂取すると、体内で魔力へと変換されるためである。許容量は、個人差や年齢などが関係している。一般的に、地球の人間はエンテ・イスラの人間より許容量が小さい。

聖別食材編集

鈴乃が日本に持ち込んだ聖法気の宿った食材。教会に祝福された土と聖水によって育てられた食物であり、これを食することによって聖法気を補充することができる。ただし補充量は下記のホーリービタンβよりも少ない模様。人間に対しては無害だが、悪魔にとっては大量の食品添加物程度の毒素があり、数十年単位で食していると体を壊し、最悪死に至る。最初鈴乃はこれによって真奥たちの弱体化を計画していたが、成功したのは芦屋だけだった。

ホーリービタンβ(ベータ)編集

恵美とともに魔王討伐のために戦った戦友の一人エメラダ・エトゥーヴァが開発した、聖法気補充用のドリンク剤。体裁は完全に地球で市販されている栄養ドリンクそのもの(ラベルで薬品名がわかる程度)。使用量は朝晩1本づつの1日2本までと、恵美はエメラダに言われている。補充量は決して多くない。漆原がオルバと幡ヶ谷で暴れた事件の後にエメラダから恵美に送られ始め、後に鈴乃や漆原、千穂にも渡されるようになる。


法術編集

聖法気を用いて使う術のこと。使う術者の力は、訓練が関係するのはもちろん、個人差、体力などに左右され、一般的に法術師が活躍できる期間は、鈴乃曰く「人間の体力が充実する15歳から40歳ほどまで」らしい。恵美の聖剣などの増幅器を使うと術を発動しやすく、また聖法気の消費効率も良くなる。増幅器を用いることで武器、および防具を生成出来る。先述のように個人差はあるが、訓練すると、以下の力が使えるようになる。

  • 筋力、防御力、および回復力の強化。
  • 天光駿靴(てんこうしゅんか)…空中飛行。
  • 武身鉄光(ぶしんてっこう)…増幅器を介して武器を生成する。
  • 魔力弾や飛ぶ斬撃など、遠距離攻撃も可能。
  • 概念送受(イデアリンク)…遠く離れたところから術者同士で会話する能力。
  • 外部からの侵入及び内部からの脱出を阻止する、などの結界の生成。
  • 催眠魔法により人を操る、および記憶の操作。
  • 空間移動を行うゲートの生成。                 などが挙げられる。

魔力編集

主に悪魔の力の源。悪魔はこれを使うことで超常的な力を発揮する。聖法気を扱えない、もしくは強い魔力許容量を持たない者にとっては有害であり、許容量を超えて摂取すると中毒症状を起こし、失神、最悪死に至ることもある。地球では人間の絶望、不安、苦しみなどの負の感情から生成されることがわかっており、災害停電などが発生すると大量の魔力を手に入れることが出来る。また許容量を超えた聖法気を摂取した場合に免疫作用として相殺する場合にも体内で生成される模様。

魔力で出来ることは先述の法術と大差はない。

ちなみに手で触れる物質に加工することも可能であるらしく、ファーレは鎧に擬態させた魔力を持ち歩いていた。


ゲート編集

異世界への門。エンテ・イスラと様々な世界を結んでいるらしい。実際は空間移動するために作るもので、地球から別の地球の場所へも移動可能。ゲートは移動する者が強力な力を持っているほどより多くの聖法気または魔力が必要になる。一定の力を持つ実力者でないと創り出すことが出来ないらしい。作中では「イン」と「アウト」の2種類が確認されている。


ソナー編集

異世界に渡る手段を持つ世界に存在する探査技術。発射先で不可視の魔力爆発を起こし、跳ね返ってきた波長で様子を探ることができる。ただその魔力爆発は発射先で様々な形態をとるため、1巻では局地的な地震、5巻では量販店のテレビ画面の破砕、大規模な携帯電話の通信障害などを招いた。



はたらく魔王さま!

電撃文庫






















※これ以降、はたらく魔王さま!に関するネタバレ、および本質に近づくことを記しています。原作をこれから楽しみたい方、および2013年に放送されるアニメから楽しみたい方は、閲覧することをお勧めいたしません。それでもご覧になりたい方は、ご覧下さい。






















天使に関するネタバレ

 実は、天使は寿命や聖法気許容量などの違いはあれど、人間と本質的には変わらないことが猿江三月ことサリエルから語られた。それゆえ、人間と子供を作ることも可能。事実、遊佐恵美という人間と天使のハーフが生まれている。

 また、天使には第1世代と第2世代なるものが存在し、瞳の色が赤なら第1世代、紫なら第2世代である(漆原は例外)。詳しくは不明だが「第一世代」と「第二世代」の天使の差は「古の大魔王サタンの災厄」の前後に生まれた時期で分別されている模様。


天兵連隊に関するネタバレ

 天兵連隊も、エンテ・イスラの人間だと判明した。主に戦災孤児や他国の奴隷など、信仰心厚く恵まれない者たちから選ばれる。


生命の樹

天界に存在する、『世界を世界たらしめている樹』のこと。10個の『セフィラ』という実が、世界や命の様々な要素に対応している。このうちの一つ、イェソドが以前何者かに持ち去られ、砕かれ世界のあちこちにばらまかれている(ちなみにそのうちの一つが、勇者エミリアの持つ進化聖剣・片翼(ベター・ハーフ))。なお、そのセフィラは人間の姿をしており、人格を宿していることが判明している。

現在は、


以上3人が原作8巻時点で確認されている。ある人物から、「ダァトを見つけて」、と真奥は言われている。


進化聖剣・片翼(ベターハーフ)の謎

元々翼とは、1対で空を飛ぶものである。つまり、聖剣はもう一本存在する可能性が示唆されていて、8巻にて片割れであるアシエス・アーラ(サトウツバサ)が登場した。


古の大魔王サタン

元々サタンという名は魔界ではありふれた名前だったらしい。そのもとは、この古の大魔王サタンがその名の由来となっている。かつてエンテ・イスラに君臨し、世界を混乱に陥れていたらしい。先述の生命の樹と何らかの関わりがあるらしいが…


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