概要
ドラえもんカラー作品集5巻及び、藤子・F・不二雄大全集5巻に収録。
宝石のついた指輪型のアイテムで、指にはめるととてつもない怪力を出すことができる。ちなみにどれくらいパワーがアップするのかは不明だが、2011年版では1000倍と説明されていた。
ストーリー
しずかとの指相撲に負けてしまったのび太は、ジャイアンとスネ夫に弱いなと笑われてしまったので、指を強くする機械をドラえもんにねだり出す。すると「ウルトラリング」を出してくれ、さっそく指にはめたのび太だったが、試しをされたドラえもんはほっぺをつねられ痛い思いをすることとなった。
そして一階に降りるとママが大事なルビーの指輪を探していた。だがその指輪は前にのび太がしずかとお嫁さんごっこをした際に持ち出していたため、「ひょっとしたらこれじゃないの」とのび太はこのリングを渡し本物を探しに出て行ってしまった。
だがその後やって来たドラえもんは、ママに鼻についたゴミを取ってもらった際に飛ばされてしまい、そのまま空地で指輪を発見したのび太と激突。急いでママからリングを取り返そうと急ぐ2人だったが、すでに彼女と話していた婦人が服を泥だらけにされ破かれる、電柱が倒される、家の玄関の戸が外されるといった被害が出てしまっていた。
これらを見た2人はママにすぐその指輪を外すよう言い、ドラえもんが自ら外しにかかるが中々抜けず、痛がったママによって地面に埋め込まれてしまった。これにより指輪が外れるまで家の中に入ることができなくなり、帰宅したパパはこの状況にポカーンとしていた。
アニメにおける原作との主な相違点
大山版は1980年9月30日に、水田版は2011年7月22日及び、2019年11月23日にそれぞれ放送している。
1980年版
- 冒頭の指相撲のシーンでは、スネ夫は軍配と白星黒星の表も持っていた。また勝負の場は空地で、他にも参加者が多数いる状態だったため、のび太は全員から笑われることとなった。
- のび太はリングを貸してもらった後、リベンジをしに向かったが、ジャイアンとスネ夫は留守で、しずかも予定が合わなかった。
- ドラえもんはのび太のいるところまで飛ばされはしたが、彼とはぶつかっておらず、地面にめり込んだところを助けられた。
- ママが道中で会った婦人はスネ夫のママになっている。
- 本編終了後のショートアニメは、ウルトラリングをはめたのび太が、指一本でドラえもんを持ち上げクルクル回すというものだった。
2011年版
- 前バージョンと同じく一同が指相撲をしていたのは空地で、のび太はしずかの前にジャイアンと対戦していた。
- のび太はママの指輪を見せてはいたが、お嫁さんごっこをしたとは言われなかった。
- ドラえもんの鼻についていたゴミはどら焼きのあんこだった。
- ウルトラリングの力によりママは、外出しようとして家のドアを壊してしまっていて、この後公園に通りかかった際、遊んでいたジャイアンとスネ夫から転がって行ったボールを投げてと頼まれ投げたが剛速球になってしまい、はるかかなたへと飛んで行ってしまった。またこの後倒した電柱には作業員は登っていなかった。
- この後ドラえもん達はママを発見したが、彼女が側溝に躓いてよろけたため、ドラえもんは「ふわりビーム」で家を浮かせ自身も止めに入ったが、跳ね飛ばされ地球を一周するはめになってしまった。更にその後もママが半額のバーゲンセールにて、先にいた主婦たちを押しのけたために、救命クッションで彼女たちを助け続けたが、ラストで降って来たのが肥満体型の人でクッションも底をつきてしまったので、ドラえもんは受け止めるともりが下敷きになってしまった。
- だがその後銀行にて強盗に捕まってしまい、ピンチにはなったが怪力になったことであっさりねじ伏せた。しかしドラえもん達もこの場にやってきたためママが投げ飛ばした犯人の下敷きになってしまい、犯人は「うちの子たちになにするの!」と勘違いされた上ママの怒りを買い、パトカーの中に放り込まれそのまま逮捕された。
2019年版
- 冒頭、ドラえもんとパパは居間で日う王日を大可していたが、ママに手伝いを頼まれたので逃げ出した。またのび太達の指相撲の下りは2011年版とほとんど一緒だった。
- のび太が帰ってきた時ドラえもんは二階の掃除をしていたため、頭巾をかぶり旗ほうきを持っていた。またのび太はママの指輪を見せた理由は2011年版と同じだったが、彼女の部屋で見せていて、そこにジャイアンとスネ夫が遊びに誘いに来たため部屋のベッドの下に落ちたままになってしまった。
- 今回もママは出掛ける際にドアを壊してしまっていて、1979年版と同じくママがであった夫人はスネ夫の母親になっている。
- ドラえもんはママを追いかけた際再び飛ばされてしまっていて、これによりしずかから指輪を返してもらったのび太もまた衝突する羽目になり、しずかも巻き添えを食らってしまった。
- ママはスネ夫の母親に謝ろうと彼女を追いかけた後、町で自転車に乗った青年と衝突しそうになったが、怪力で跳ね飛ばしてしまい、青年は段ボール箱の上に落ちたことで助かったが自転車が看板にぶつかり、これが落ちてきたためピンチになったが庇った腕で真っ二つにしてしまった。そしてこれによりよろけたことで電柱も倒してしまった。
- パパは掃除から逃げてしまった罪悪感とママの怪力から、彼女が怒っているのかもと勘違いし、一足先に帰宅し、家中を掃除したり家事を全て引き受けるとまで言い出した。
余談
本エピソードが連載されたのは小学一年生1973年3月号だが、この一年前に放送された『ウルトラマンA』にも同名のアイテムが登場している。
とある考察サイトによると、2011年版におけるウルトラリングのパワーアップは何千倍では留まらず、もはや数百万倍と言っていいほどらしい。