カチンカチンライト
かちんかちんらいと
てんとう虫コミックス38巻及び、藤子・F・不二雄大全集15巻に収録。
この道具から照射される光を浴びせると、水・煙・雲等、固形物以外の物質を固体化させることが出来る。有効時間は5分。
映画版『翼の勇者たち』及び2002年版「未来の国からはるばると」では、固体及び人間にこの道具の光を浴びせた場合、それらの硬さを上昇させることが出来る様子が描かれているが、これはオリジナルの演出であり、原作版ではそのような設定及び描写は存在しない。
ドラえもんとのび太はテレビで『オバケのQ太郎』を見て楽しんでいたが、料理をしていたママが降雨に気付くと洗濯物を取り込むよう頼まれてしまったため、どちらが行くかでもめることに。そこでドラえもんは仕方なく「カチンカチンライト」を使用することにし、これを庭に置いて引き続きテレビを楽しむことにした。
そして取り入れなくていいのか心配したのび太が外を見てみると、雨粒がこのライトの光で硬い粒に変えられていたため、洗濯ものは濡れずに取り入れママに渡すことができた。このライトの便利さを面白がったのび太は、通りかかった男性が吹いたタバコの煙を固めた後、しずかにも見せに行ったが風呂場にはいなかったためせっかくだからと風呂の湯を固めて帰って行った。
だがこれによりしずかは風呂に入れなくなってしまい、上に乗った際に元に戻ったため浴槽の中に落ちてしまった。一方そんなことは知らずドラえもんとのび太は固めるものを探していたが、水や煙などを見つけられずにいたためとうとう裏山まで来てしまい、ここで煙が出ているのを発見。山火事かと思っていたが行ってみると、ジャイアンが0点のテストを燃やすのをスネ夫に手伝わせていただけだった。
面白がったのび太はこの煙をライトで固め2人の上に落とし、ドラえもんと一緒に大笑いしていたが、怒った2人に追いかけられることになってしまった。そこでドラえもんはライトで雲を固めて落とし2人を足止めした後、川の一部も固めてのび太と共に向こう岸まで渡って行ったが、2人を追いかけて来たジャイアンとスネ夫は途中で元に戻った川に落ちてしまったため、濡れた体を乾かすため焚火の場所に帰って行った。
一方逃げ切ったドラえもんとのび太も焚火がほったらかしだったことが気になり、山火事になるのを防ぐため裏山の方に引き返していたが、この移動中にのび太がライトを下に向けて当てていたため、風呂から上がろうとしたしずかは出られなくなってしまい、やっと出られても床に転んでしまった。
その頃ドラえもんとのび太は裏山に到着したものの、既に火事が起こってしまいジャイアンとスネ夫が助けを求めていたため、ライトで火を固めてスコップで砕いてバケツで川まで運び消火活動を開始。何とか全て消し去り大事にならずに済んだが、この後しずかに見せ言った際、ライトの説明をすると今までのことは全てこれのせいだと気づき怒った彼女に追いかけられる羽目になってしまった。
大山版は1985年9月13日に、水田版は2013年8月23日にそれぞれ放送している。
1985年版
- 野比家の庭にはコスモスが花を咲かせていて、ママは料理をしながら鼻歌を歌っていた。
- 洗濯物を取り込んだ後、一同は昼食を取っていて、この最中にのび太はみそ汁をこぼしてしまったが、ドラえもんがこのライトで固めたため、せんべいのようにして食べていた。
- 0点の答案を燃やしていた際、スネ夫は「ジャイアンの母ちゃん怖いもね。うちのママも怖いザマスけど」と言っていた。またのび太は「テストを燃やすなんてよくない」や「隠したことはあっても燃やしたことはない」と言っていたが、ドラえもんから「だから見つかって怒られてばっかり」と笑われ「余計なことは言わなくていいの」とツッコんでいる。
- 焚火は辺り一面ではなく、ジャイアンとスネ夫を中心に円を描くように燃え広がっていた。また火を消した後、のび太は取り扱いについてジャイアンとスネ夫に注意し、2人も始めは反省したがすぐに元はと言えばお前たちのせいだと言われてしまい殴られてしまった。
- ドラえもんとのび太が、このライトを見せに来た時しずかは家の前で掃き掃除をしていたため、怒った際は2人をこれで叩いていて、最後には「私だって怒るわよー!」と叫んでいた。
2013年版
- ドラえもんとのび太が見ていたテレビ番組には、スーパーマンのようなヒーローが登場していた。
- 野比家の前を通りかかった男性は、タバコではなく煙管を吸っていた。
- しずかは入浴に来た時、体にバスタオルを巻いていた。
- ドラえもんとのび太はしずかの家を出てから、商店街で芸人が口から吐いた炎も固めていた。またジャイアンとスネ夫は裏山で2人だけでバーベキューをしていたため、誘ってくれなかったことに怒ったのび太はこの煙を固めていた。
- ドラえもんとのび太は川ではなく、裏山にあった池を固めて渡っている。
- しずかは上半身を少し出した時に湯を固められ、しぶきで胸部は隠されていた。
- 固めた炎は作業中や池に捨てる直前に一度戻ってしまっている。