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キャラクター商品注文機

きゃらくたーしょうひんちゅうもんき

『ドラえもん』に登場するひみつ道具の一つ。及び同作品のエピソードの一つ。
目次 [非表示]

「すごい!!のび太商品なんて世界のどこにもないぞ!!」

「かわいくてかっこよくて皆大喜び間違いなし!!」


概要編集

てんとう虫コミックス28巻及び、藤子・F・不二雄大全集19巻に収録。


キャラクターの画像をみせてボタンを押し、発注をかければ、販売されていないいかなるキャラクター商品をも即座に購入することができる。

ただし購入とある通り有償である。


ストーリー編集

ジャイアンしずかスネ夫はそれぞれ『カメライダー』『アサレちゃん』『バンダム』のグッズを集めていることを話し合うが、のび太は「持ってるわけないだろ」とスネ夫に言われ、つい「持ってるよ!!皆のを合わせたよりもっといっぱい」と負け惜しみを言ってしまった。


帰宅後のび太は訳を知らないドラえもんが首をかしげる一方で、ママに何と言われようと、叱られようと大急ぎでグッズをたくさん買い集めることを決意する。だがママが来客の女性との会話の中で「うちでは絶対に買いません。どんなにねだられても。それがわたくしの教育方針ですの」と言っているのを聞き、「立派なのかケチなのか」と言いながらも、「もうすぐ皆が見に来る」とパニックになってしまった。


訳を聞いたドラえもんは、それはママの言うことが正しいし、グッズを集めたからと言って偉いわけではなく、人の値打ちも説明しようとしたが、のび太は貯金箱を開け出し全財産を持って出て行ってしまった。だが全部で37円しかなかったのでノート一冊も買うことができず、本屋の店主は『オバケの太郎』という売れ残りの一冊なら10円でいいと言ってくれたが、10年前に流行ったものだったためバカにされると思い買うのを止めることにした。


その頃野比家にはジャイアンとスネ夫が訪ねてきていて、2人はのび太が留守だと分かると、何も持ってないから逃げ出したと予想。更にまちぶせして二度と偉そうな口きかないようにしようとも言い出したため、これを聞いていたのび太は家に帰ることもできないし、たとえ帰ったとしても明日学校で捕まってずーっとバカにされると考えて絶望的になってしまった。


そして自暴自棄のあまり、そばでラジコンカーで遊んでいた男子にそれで引いてくれとその場で座り込むが、やって来たドラえもんに「ばかばかしい。くだらない」と言われながも一緒に帰宅。見かねたドラえもんが「何か一つだけ僕が買って来てあげる」といったので、のび太は買って来てほしいグッズのキャラクターを見せると、しばらくしてドラえもんは『建設巨人イエオン』のスケッチブックを買って来てくれた。


のび太は大喜びしてこれをジャイアンとスネ夫に自慢しに行き、最初こそ2人は驚いたものの、これ一つだけじゃコレクションとは言えないと言い出した。そしてのび太はドラえもんにもう後2つか3つ出してとお願いし、「また始まった!!」と言われるも一生のお願いと泣き付いたので、ドラえもんもこれが最後とついてこないことを条件に再び買いに出て行った。


このことに疑問を持ったのび太は後を付けることにし、ドラえもんが壁紙ハウスの中に入って行くのを発見する。実はドラえもんは「キャラクター商品注文機」という道具でグッズを作っていて、のび太はドラえもんが出て来る前に部屋に戻り、プラモ、ポスター、ペンダントを持ってくるとのび太は喜んでこれもジャイアンとスネ夫に自慢し、2人がどこで売ってるのかを聞いてきたため30分後に空地で大売り出しをすることを発表する。


2人が小遣いをありったけ持ってこようと走り出すと、のび太はグッズ制作に取り掛かるが、レンズに映り込んだためにボタンを押して出て来たのは、自分をモチーフにしたゲームだった。これに上記のセリフを言いながらのび太は大はしゃぎして中身を見るが、それがママや先生に叱られ、スネ夫やジャイアンにいじめられたり、車にはねられ、犬に噛まれると言った内容だったため他のグッズを作ることにした。


そしてドラえもんがやって来た頃には既に大量のグッズが作られた状態で、ドラえもんは後で代金を払わなくてはならないことを説明するが、のび太が皆に売って大儲けするからと言ったので、愛想をつかして怒って出て行ってしまった。


だがのび太は構わず空地で店開きをし、皆も興味を持って集まって来たが、プラモや超合金はカッコ悪い、鉛筆は字が下手になりそう、ノートは成績が下がりそうと不評で、しずかにも女の子用だとぬいぐるみやパンツを見せるが帰ってしまい、ついには誰もいなくなってしまった。これにてのび太は全く売れなかった大量の在庫の処分に困り再びドラえもんに泣き付くが、当の本人は険しい顔でそっぽを向いたままだった。


アニメにおける原作との主な相違点編集

大山版は1983年7月22日に、水田版は2020年5月23日にそれぞれ放送している。


1983年版編集

  • サブタイトルが「のび太はいかが」に変更。
  • のび太が部屋に帰って来た時ドラえもんはおらず、のび太が押し入れからおもちゃ箱を出し、「こんな古く臭いの持ってたらバカにされるにきまってるな」と手に持っていたこれらを後ろに放った時、帰ってきたがこれが頭に当たってしまった。ちなみにのび太が持ってたのは宇宙戦艦ヤマトっぽい戦艦と、ウルトラマン鉄人28号マジンガーZをミックスしたようなロボットのおもちゃだった。
  • のび太がママの件で悩んだり、ママが来客の女性と話していて、これを見てのび太が慌て出す下りはカットされている。更にジャイアンとスネ夫が野比家を尋ねたり、のび太がこれにますます焦り出す下りもカットされている。
  • のび太は文房具店から出た後、会話をするジャイアンとスネ夫に遭遇しそうになったため、急いでゴミ箱の影に隠れてやり過ごした。
  • ドラえもんは銭湯の煙突の上で、のび太に欲しくもないのに無理に集める競争はくだらないとのび太に言っていて、「僕がジャイアン達にバカにされてもいいって言うんだな!?」というのび太に、「いいよ。うんとバカにされておいで」と見放そうとしたが、あまりにのび太が大泣きするので一つだけ買ってあげることにした。
  • のび太はジャイアンとスネ夫に見せる前から、もう2つか3つグッズを出して欲しいと頼んでいて、これらを一気に見せたため、2人がこれ一つだけではコレクションとは言えないというシーンは描かれていない。ちなみにイエオンのグッズにはマグカップが追加されていた。
  • のび太は風呂敷に大量のグッズを入れて運び出していて、ドラえもんはのび太が出て行ってからこの場に来て、落として行ったプラモを見てのび太が装置を使っていたことが分かった。このことからのび太は代金の件を知らなかったので、グッズは皆に無料で配っている。
  • 鉛筆を手に取った少年は原作とは違った容姿の普通体型になっていて、ノートを手に取ったのはしずかになっていて「恥ずかしくて使えない」と言っていた。このためのび太が女の子用のグッズをアピールする描写は描かれていない。
  • のび太が帰って来るまでドラえもんはのび太のゲームで遊んでいたが、怒って帰ってきたのび太にこれを蹴飛ばされてしまった。そしてのび太も売れなかったこの商品を最初は自分で使うと言っていたが、ドラえもんからお金を払わなくてはいけないと言われ、その金額もお小遣いの1.2年分に相当するものだったため、泣き付くこととなった。

2020年版編集

  • サブタイトルが「キャラクターグッズを作っちゃえ!」に変更
  • 冒頭でスネ夫は今日の朝六時から『アバンジャーズ』の「キャプテンイタリア」と「超人パルプ」が共闘しているフィギュアを買うため行列に並んでいて、買ったこれを空地で皆に見せていた。そしてジャイアンが集めていたグッズはカメライダー02となっていて、しずかが集めていたのは商品名は言われなかったが、目が閉じたぬいぐるみたちだった。
  • 帰宅後のび太はママの会話を聞いて部屋に帰って初めてドラえもんと会っている。
  • のび太の所持金は85円になっていて、売れ残りのノートを一冊50円で紹介してもらった。ちなみにこのノートは原作と同じタイトルだったが、見た目が少し変更されていて、元ネタと同じく毛が3本追加されていて、流行ったのも大昔と言われていた。
  • ラジコンカーは最後のび太の顔に衝突している。
  • のび太がドラえもんに注文したのは、『測量戦隊キラメジャー』という、この当時同じテレビ朝日で放送していた『魔進戦隊キラメイジャー』をパロディしたものだった。またこの後ドラえもんが持ってきたグッズのうち、プラモはフィギュアに変更されていた。
  • のび太ゲームの説明のうち、「車にはねられ」の部分は「しずかに呆れられ」に変更されていた。
  • 1983年版と同じく、のび太は商品を風呂敷に入れて空地に運んでいた。ちなみにしずかに見せた女の子向けグッズは、のび太の顔がプリントされた服になっていて、ハンカチもあるらしい。

余談編集

ネタとなった「建設巨神イエオン」は、元ネタとなった『伝説巨神イデオン』の強烈さと相まってツボに入ってしまった人間が多く、現代に至るまでイラスト・楽曲・動画などの数多くの3次パロディが作り出されている。


性質と、現代のキャラクター事情編集

作品が描かれた1980年代初頭には、マスプロダクションにないキャラクターグッズは作成することがそもそも個人ではほとんど出来ず、ほとんど作品中だけの夢の産物であったが、現代では同人文化の隆盛とあわせ、マスプロダクション品と遜色のないグッズが製作が可能になってきている。作中で上げられたポスターやペンダント、ボードゲームなどの印刷物はオンデマンド印刷、立体造形物は3Dプリンター、キャラクターイラストはSkebなどで個人的に依頼することことができ、部分的ではあるが現実が若干追いつき、実現しているともいえる。

むろん有償であるが。


関連タグ編集

ドラえもん ひみつ道具 ドラえもんのエピソード一覧


Skeb オンデマンド印刷 3Dプリンター

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