機体データ
概要
型式番号MS-06E-3。
模型企画『MSV』に登場。
ジオン公国軍が運用した強行偵察型ザクの改良型であり、「高性能強行偵察型」「強行戦略偵察機」とも呼ばれる。
開発時期は一年戦争中期で、頭部センサーやバックパックなどが一新され、機動力および索敵能力が向上している。
特に頭部がモノアイセンサーから3つ目のスコープカメラに変更され、外見上の特徴は他のザクバリエーションとは一線を画する。一方、両肩部および腰部のカメラユニット、携行するカメラガンは強行偵察型ザクのものを引き継いでいる。
強行偵察型ザクの頭部カメラユニットがザクⅠ・スナイパータイプに流用されたのと同様に、本機のそれはキマイラ隊のジャコビアス・ノード大尉が搭乗したゲルググキャノンにも流用された。
また、光学系センサーが主体であった強行偵察型ザクに比べて、レーザーや超音波のほかにミノフスキー物理学を応用したセンサーも搭載されている。これらのセンサーは主に背部の複合探知システムに集約されており、フィン状の6本のブームを備えた外見から「フリッパー(水かき)」の愛称の由来にもなっている。
さらに、超高速での強行偵察のため、宇宙空間では増速用ブースター「バスノーズ」と予備タンクを装着することもある。なお、バスノーズ装着時にはブームは折り畳まれる。
就役は一年戦争後期であり、地球連邦軍の迎撃による被害も増加しつつあったため実績は少ないものの、外洋艦隊や特殊偵察小隊といった部隊に配備され、ア・バオア・クー戦開始前のレビル艦隊への偵察任務などに投入されている。また、狙撃戦向けにカスタムされたタイタス中尉の専用機や、地球上で地上偵察に用いられた機体もあった。
漫画『GUNDAM LEGACY』では、一年戦争後もジオン共和国軍で運用されている姿が確認されており、シルバー・ランス迎撃の際にヨルムンガンドへ観測データを送っている。
雑誌企画『ADVANCE OF Ζ 刻に抗いし者』には、一年戦争後に強行偵察型ザクと共に連邦軍に接収・運用された機体が登場している。後にティターンズでも使用されており、特にエセルバート・ヒンカピー少尉の搭乗したザクⅡF2型をベースとした機体が有名。
こちらはコックピットの全天周モニター・リニアシート化や、ハイザックとの規格統一といった改修が随時行われており、特にヒンカピー機はサイド2ではガブスレイと共に狙撃を主体としたゲリラ戦を展開。その情報収集能力で得たデータをガブスレイへ供給し、戦果を上げている。
バリエーション
ホークアイ
型式番号MS-06E-3 PLUS
漫画『機動戦士ガンダム バニシングマシン』に登場。
ザクフリッパーのさらなる改良型。コックピットが複座化された他、ボディがサイコミュ高機動試験用ザクと同型のものに変更され、それに伴って計8基のパルスブースターが脚部の代わりに取り付けられている。
センサー関連では、3基一体の型式は維持しつつ頭部カメラユニットに再改修が加えられ、両肩部にはオプチカルスキャナーとチャフフレアカートリッジを備えたショルダーアーマーが装着されている。また、腕部は通常のマニピュレーターを基本仕様とするが、デジタル画像処理アームに換装することも可能。
一年戦争末期、連邦軍に占領されたソロモン(コンペイトウ)を強行偵察した機体が「ワレニオイツクMSナシ!」の電文を発してその速度性能を喧伝している他、グリプス戦役時にもジオン軍残党によって運用されていた機体が存在する。
ガンプラなど
『MSV』展開当時に発売された1/144スケールの旧キットが現在でも販売されている。
また、「ジオノグラフィ」では『MS-X』のアクト・ザクとコンパチで商品化されている。
余談
その特徴ある形状から、むせr……とある某ロボットシリーズの機体に似ているのではないかと言われるが、おそらく気のせいだろう(多分)。
なお、2019年11月にゲーム『機動戦士ガンダム バトルオペレーション2』にザクフリッパーが参戦となったのだが……。
どうみても気のせいです、本当にありがとうございました。
また、前述の『バニシングマシン』ではザクフリッパーのデザインもアレンジされているのだが、カメラユニットのデザインは今度はこの機体に寄せられているように見える(ような気がする)。
関連タグ
機動戦士ガンダム MSV 強行偵察型ザク アイザック(ガンダム)