ラー・デウス「獣戦士ザ・ゼーゲルのスーパーリング、見事だぞケフレン」
登場話数:第40話「処刑都市XX作戦」
概要
赤い筋組織を灰色の外骨格で覆った屈強なボディと、胸から生えた骸骨のような顔が外見上の特徴で、獣戦士共通の人工心臓はその顔の口部内に収まっている。また、造物主たるリー・ケフレンの台詞から、後述の実験都市にて収容されていた実験材料を活用して生み出されたことが示唆されている。
両腕を合わせて放つ螺旋状の光線は、相手の腕に命中すると「スーパーリング」と呼ばれる特殊な手錠へと変化する。このリングを嵌められた者は、如何な強者であろうとも自力で外すことは不可能に近く、さらに連射することで複数の相手を数珠繋ぎのように拘束し、まとめて身動きを封じることもできる。戦闘ではこれ以外にも、目から放つビームも武器としている。
作中での動向
「XX(ダブルエックス)作戦」。地球の某所に建設したメスの実験都市に大勢の人間を拉致し、彼等を素体として何万もの獣戦士を創り出すというこの恐るべき作戦を実行すべく、ゼーゲルは拉致されてきた人間達にスーパーリングを嵌めて拘束する役割を担っていた。
が、この作戦は実験都市にジンが入り込むという、思わぬ事態によりにわかに綻びが生じることとなる。この事態は偶発的に起きたものではなく、実験都市の最高責任者として作戦指揮に当たりながらも、長きに亘ってメスへの反逆の機会を窺っていたシベール(演:浅見美那)の差し金によるものであった。
カウラーの迎撃により、一度は拘束の憂き目に遭っていたジンも、シベールの手で密かに解放され作戦の全容を知るに至ったが、そんな彼等の動きを察知し再度カウラーが攻撃を仕掛けたその最中、ゼーゲルはカウラーもろともジンにスーパーリングを嵌め、さらなる追撃で2人を何処ともなく吹き飛ばしてしまう。
これはケフレンの命を受けての行動であり、拘束状態の2人に死闘を演じさせることで、邪魔な彼等を共倒れさせようという魂胆があった。が、夜通しの殴り合いの末に満身創痍となった2人の元へシベール、そして彼女の手で実験都市に入り込んだダイ達4人が駆けつけ、人工心臓からのエネルギー放射でシベールがスーパーリングを破壊したことで、その目論見も未遂に終わってしまう。
シベールに促される形で、再度実験都市にフラッシュマンが急行する中、ゼーゲルもネフェルの指揮でこれを迎撃し、スーパーリングによって5人の身動きを封じて苦戦に追い込んでみせた。しかし、全員がフルパワーを発揮してスーパーリングを打ち破ると、その流れから繰り出された新技・ビッグファイブタイフーンとローリングバルカンの連続攻撃の前に散った。
巨大戦でも、フラッシュキングを両目からの破壊光線で攻撃しながらも、キングシールドでそれをはね返されて逆にダメージを負い、そのままスーパーコズモフラッシュによって敗北。XX作戦もまた、シベールの犠牲と引き換えに囚われていた人々が解放され、実験都市の崩壊と共に潰える格好となった。
備考
デザインは出渕裕が担当。デザイン画稿では、両前腕の内側に肋状の意匠も見受けられるが、実際の造形物では簡略化され、メイン画像にもあるようなスプリング状のそれとして処理されている。また同話数ではゼーゲル以外にも、シベールの衣装のデザインも併せて手掛けている。
シベール役の浅見美那は、本作がスーパー戦隊シリーズ初参加となるが、翌年の『光戦隊マスクマン』へのレギュラー出演を控えてのこのゲスト出演は、第27話のゲストであった海津亮介のケースと併せて、一種のカメラテスト的なものではないかと見る向きもある。