ザ・ブクロス
ざぶくろす
レー・ワンダ「見たか。ケフレン様の生命造実験の恐ろしさ。ダイからひねり潰せ!」
登場話数:第41話「子供にされたダイ」
喉元から腹にかけて大きく膨らんだ青い身体と、それとは対照的に細長い両手足が外見上の特徴で、腕はこれ以外にも頭側部や腹の両脇からも生えている。
ギザギザとした鋭い歯が並ぶ大きな口からは、特殊な青い袋を吐き出すことが可能で、これを被せられた相手は肉体・精神共に大幅に退行し幼児の姿となってしまう。また、これ以外にも赤い両目から放つビームや、足元まで長く伸びた両腕も戦闘における武器として活用される。
フラッシュマンの弱体化を図るべく、リー・ケフレンによって差し向けられたブクロスは、臨海地区にてパトロール中であったフラッシュマンをワンダ達と共に奇襲し、妖獣士ワンダーラのタイムストップ3秒殺しで身動きを封じられたダイに口からの袋を被せることで、まんまと彼を幼児化させることに成功する。
記憶までもグリーンスターにいた頃にまで退行し、仲間のことすら分からなくなってしまったダイを元に戻すべく、ジン達は時村博士の協力を得て、夫人の節子にダイの母親を演じてもらうことで、解決の糸口を見出そうとしていたのだが・・・そんなダイ達の前に現れたカウラーは、ダイに対し「その女、母ではない」と告げ、ショックを受けた彼を逃走させてしまう。
突然横槍を入れてきたカウラーのこの行動に、腹立ちを隠せぬケフレンであったが、対するカウラーもダイが元に戻ってもいいのかと述べつつ、
「親子の愛がダイを元へ戻す。俺は宇宙狭しと駆け巡りあらゆるものを見て来た。その中で一番厄介なのが・・・フッ、愛の奇跡というヤツだ。」
と、あくまでもダイを子供のままとするための行動であることを強調してみせたのであった。
そんなカウラーの言葉を前に、「愛などというものに、メスの生命改造実験は負けん!」とラー・デウスが再度ワンダ達に出撃を命ずる中、ブクロスもこれに従って逃走中のダイを追撃、同じく彼の後を追っていたジン達の相手をワンダ達に任せると、なおも逃げようとするダイにビームを見舞って崖から落とそうとし、さらにこれを節子が身を賭して救ったところで、2人まとめて口からの袋で覆ってしまう。
が、その袋の中でもなおダイを守ろうとした節子の涙が、カウラーの危惧していた「愛の奇跡」を呼ぶ格好となり、袋を内側からぶち破る形でダイが元の姿に戻るという事態が発生。これにより5人揃ったフラッシュマンに対し、初戦と同様にワンダーラの助力を得て袋を被せてみせるが難なく振り払われてしまい、グリーンフラッシュのプリズムカイザー・スーパーピストンをその身に叩き込まれた末に、ローリングバルカンによって撃破された。
巨大化後も、相対したタイタンボーイに袋を被せながらもラジアルカッターであっさり突破され、グレートタイタンのタイタンノバの前に敢え無い敗北を喫したのであった。
かくしてケフレンの企みも潰え、落着するかに思われたこの一件であったが・・・実は先の戦闘の際のショックで、失われていた節子の20年前の記憶が蘇っており、「その時UFOにさらわれたのは女の子」という彼女の言葉は、フラッシュマンにまた一つの波紋を投げかけることとなったのである。
デザインは出渕裕が担当。モチーフとしてカエルなどの両生類、それに魚類を含む形でデザインが起こされており、特徴的な長く突っ張った両腕は、デザイン画稿でも「ギョダーイ(『電撃戦隊チェンジマン』)と同じ方式で」との指示書きが付記されている一方、「ギョダーイのように直線的にならないように」との注文も併せてなされている。
出渕は後年のインタビューにて、かなりフリークスな感じが全面に出ていると評する一方、この頃になるとネタが尽きてしまったところもあり、そんな中でない知恵を振り絞って描いてる感じが出ているとも振り返っている。