概要
エックス、ゼロの宿敵・シグマの正体である自我を持つ悪性のコンピューターウイルス。
詳細な設定が明かされたのは3作目だが、1作目のエンディングでは「倒したはずのシグマからメッセージが届く」という形で既にその存在が仄めかされており、続く2作目では「シグマが中央コンピューターステージに潜んでいた」、「第二形態の姿と名前(後述)」という形でその正体が示唆されていた。
プログラムが本体として独立している一種のプログラム生命体の様なものであるらしく、今まで何度倒されてもその度に進化してパワーアップし復活できたカラクリも、所詮ボディは全てただの依代(本人の言葉を借りるならただの分身体)に過ぎず、本体さえ無事なら何度でも体を乗り換えればよいだけだったというのが真相である。
またやろうと思えばワイヤーフレームを思わせる立体映像の様な姿で実体化して相手を攻撃することも可能。2作目では第一形態の「ネオシグマ」を倒すとワイヤーフレーム状態の第二形態「シグマウイルス」として正体を現し、目から破壊光線やザコメカニロイドを召喚して攻撃してくる。この第二形態は中ボスのようにライフゲージが表示されないので、ワイヤーフレームの色(緑~赤)で与えたダメージ量を判断しなければならない。残りライフが僅かになってくるとエックスを自身に取り込もうとするかのようにワープ攻撃を仕掛けてくる。
3作目では第二形態の「カイザーシグマ」を倒すと第三形態として再びワイヤーフレーム状のシグマウイルスとなり、崩壊するステージから脱出しようとするエックスを追いかけてくる。今回は無敵状態でありエックスも最終的に追い詰められてしまうが、ドップラー博士が開発した自身のワクチンプログラムによって遂に消滅した(ゼロの動力炉が破損したルートではドップラー博士が自身の体内に封じ込める形で、未破損状態ではドップラーのデータを手に入れたゼロのビームサーベルによってワクチンを打ち込まれる)。
しかし、4作目ではプログラムを別の場所にも潜伏させていたのか、はたまた自己再生したのか定かではないが復活を果たし、またしてもエックスやゼロたちの前に立ち塞がる事となる。
そして5作目では序盤にて巨大なウイルスの集合体「シグマヘッド」となって出現。出動したエックスやゼロにわざと撃破される事で地球全土にシグマウイルスをバラ撒き、未曾有の大災害を引き起こした。また、ステージ中にも「シグマウイルス」として、シグマヘッドを小型化させ立体映像にしたような姿で登場する。通常の敵キャラと異なりパワーアップパーツ「ウイルスバスター」がないと倒せないうえ、接触すると「ウイルスゲージ」が蓄積していき「VIRUS」状態に達するとエックスの場合はライフが減少していく。一方ゼロの場合は逆にライフが全回復するうえに無敵状態になるという恩恵を得られるが、それに13回以上も頼り過ぎていると恐ろしい事態を招いてしまう。また、ゲーム後半にはシグマウイルスが変異した「ゼロウイルス」が登場する。
第5作におけるエックスとゼロの活躍で今度こそシグマウイルスは完全に消滅した………
はずだったのだが、6作目で大人の事情もとい興味本位でゼロのDNAを解析していたゲイトに手によりまたしても復活する(ただしシグマ本人は「そんなことをしなくてもういずれ復活できた」という旨の発言をしていた事から、やはり自己再生能力を持っているのかもしれない)。同時に亜種と言えるナイトメアウィルスも開発された。
そして、その後も性懲りもなく他者を利用してイレギュラーハンターに牙をむいたり、ウイルスに感染しないであろう新世代型レプリロイドまでも操って騒乱を起こすなど、引き続き人類とレプリロイドの共存に影を落としていくのだった……
誕生の経緯
実はその誕生の経緯には、かつて自身の才能を世間に認めさせる為に何度も世界征服を目論み、全世界に恐怖をばら撒き続けたあるマッドサイエンティストが関わっている。
各作品での描写から、どうやら彼の最高傑作にウイルスの原型が仕込まれていて、シグマとの初邂逅時に戦闘によってそれがシグマに感染し、彼の中で自己進化したことで誕生した存在だったことが仄めかされている。
なお、マッドサイエンティストの存命期に起きたある事件にて、ウイルスの原型の更なる原型となったと思われるウイルスが登場している。
元は宇宙から飛来していた隕石より偶然発見された微生物であったらしいのだが、これは「ロボットのみに感染し暴走させる」という特性を備えており、そこに目を付けたマッドサイエンティストは、このウイルスを利用して世界中のロボット達を暴走させる事態を招いたいる。