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ジョエル・ジャンメール・ジロー

じょえるじゃんめーるじろー

「ジョエル・ジャンメール・ジロー」とは、漫画『機動戦士ガンダムSEED ECLIPSE』の登場人物。同作のヴィラン。
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その機体から降りてくれないかな? なに安心してくれ。 "キミ"に危害は加えない。 その必要は無いからね」


「素晴らしい! 素晴らしいよ、タツミ・ホーリ君! ここまで"殺したくない相手"は、初めてだよ!!」


概要編集

ハーフコーディネイター達のテロ組織「アンティ・ファクティス」の指導者。自身もハーフコーディネイターであり、年齢は30代と推定されている。


人物編集

カリスマ的な指導者として仲間からの評判は高いが、ジョエル・ジャンメール・ジローは偽名であり、組織の仲間にさえ一切の素性を明かさない用心深さを持ち、その素性に関しては、オーブの暗部組織「ODR」でさえも全く突き止める事が出来ずにいた。

エクリプスガンダムの操縦限定とは言え、ナチュラルでありながらコーディネイターを越える才能を見せた上に、更に成長していく姿のタツミ・ホーリには、並々ならぬ興味を抱いている。


エールカラミティブーストレイダーと言った大西洋連邦の第2期GAT-Xシリーズのバリエーション機、ザフトのエース向け改修機であるジングラディエイターに加え、まだ公表前であろう次期主力機となっているザクウォーリアの先行量産型も確保する等、多方面からMSを入手する伝手を持つ。


当初の搭乗機はエールカラミティだが、特に愛着は無く、後に愛機を失った部下のヴァレンティーナ・ビノンにエールカラミティを譲渡。自身は専用機として開発されたブーストレイダーへ乗り換えている。


劇中の様相編集

ボスゴロフ級をアンティ・ファクティスの拠点としながら大西洋連邦に迫害された元・大西洋連邦MS部隊のハーフコーディネイター達を集め、手厚く扱う事で信頼を得ながら、彼らに「プラントへの亡命」と言う希望を餌として扇動する事でテロ行為へ加担させる。


アンティ・ファクティスの活動として、OSをナチュラル用に調整したザフトのMSやオーブ寄りのナチュラル用OSに改良した地球連合軍のGATシリーズを他のテロ組織やゲリラ組織に提供、世界各地で紛争が起こる切っ掛けを作りながら、ある目的の為に情報を集めていた。

そして、ODRのケン・ノーランド・スセを協力者として取り込み、ケンにエクリプス2機の強奪を提案。しかし、エクリプスの奪取作戦決行時、ケンがエクリプスガンダム2号機の強奪した際にそのまま戦闘して1号機を大破に追い込むという予定外の行動に出る。


2号機奪取からの帰還後、1号機の強奪に失敗した事を咎めるものの、ケンから「予備パーツの無い1号機で追撃は不可能」と言われてしまい、渋々引き下がっている。

組織内では「エクリプス2号機に核ミサイルを持たせて地球連合軍の軍施設を爆撃」と思わせていたが、Nジャマーキャンセラーがエクリプス2号機の分しか無いこと、ケン自身が地球連合軍の軍施設に特攻で死ぬつもりなのを利用して開戦の狼煙にしようと計画していた。

だが、エクリプス2号機を使った大西洋連邦軍ハワイ基地への核攻撃作戦が進められる中、拠点としていたボスゴロフ級はODRの指揮官であるミヤビ・オト・キオウに突き止められてしまう。


あくまでもテロリストに過ぎない自分達に対し「交渉」ではなく「説得」しにやって来たミヤビからは、自分達の居場所に関する情報を与えたのは他でもない受け入れ先だったプラントで、「穏便に済ませれば全て見なかった事にする」と言うのがプラント側の意志である事実を聞かされる。

そもそも、今回の自分達アンティ・ファクティスの行動は、穏健派と過激派が睨みを利かせ合う中で火種を放り込まれる事を望まないプラント側にとっても傍迷惑でしかなかった。

それ以前にハーフコーディネイターを「異端者」であると忌み嫌うのはプラント側も変わらず(ハーフコーディネイターを寛容に受け入れてくれるシーゲル・クラインが落命した以上は猶更)、ましてや前大戦で生き残る為とはいえプラントの最大の敵と言える大西洋連邦側に「兵士」として与していた過去を持つ者達など、「理屈」では通っても「感情」までは変えられない以上、亡命が受け入れられるはずが無かったのだった。

これらに関して、ミヤビからは「大西洋連邦からの工作員とさえ思う」と指摘している。


やがて、エクリプス2号機は奪取し損ねたエクリプス1号機の追撃で阻止されてしまう形で決着がつき、ミヤビから「裁きを受けて更生するなら生活を保障する」と言う条件の上でオーブへの受け入れが提示される。



関連タグ編集

機動戦士ガンダムSEED_ECLIPSE

ハーフコーディネイター






















※ここから先は機動戦士ガンダムSEED ECLIPSEのネタバレになります

改心した副官のヴァレが「他の生き方でやり直そう」と言い掛けた所、突如ジョエルは冷徹に発砲する。


「大きな計算違いはあったが、まだ修正は可能だ。こんな程度で諦める訳にはいかない。」

「"青き清浄なる世界のために"も…」

「本気でプラントに、お前たちの思う安住の地に、行けるとでも思っていたのか? ありはしないさ。お前たちが…受け入れられることなど…」


実はジョエルの正体は、ハーフコーディネイターでありながら、ブルーコスモスの熱烈な信奉者であった。

ジョエルがブルーコスモスの工作員であるが為に、大西洋連邦の機密情報(ハーフコーディネイターを使った騙し討ち用のモビルスーツ部隊等)に詳しく、アンティ・ファクティスにはカラミティやレイダーの派生機やそのオプション装備と言った地球連合軍でも希少な物が配備出来ていたのである。


ジョエルは、最初からプラント側がどうやっても自分達を受け入れない事を理解していたばかりか、それ以前に彼はプラントへの亡命など望んでなどいなかった。

そしてジョエルにとって、ヴァレを含むアンティ・ファクティスに所属するハーフコーディネイター達の事も、利用するだけ利用して最終的には始末する算段だったのである。

ブルーコスモスとしての本性を晒したジョエルは、証拠の隠滅としてボスゴロフ級に仕掛けた毒ガスで乗艦していたハーフコーディネイター達を虐殺し、先の発砲で重症を負いながらもエールカラミティで逃亡したヴァレを始末すべく、専用機のブーストレイダーで出撃する。

ヴァレの「人として扱われたかった」と言う想いを踏みにじる形でエールカラミティを撃墜し、更には敗北したケンのエクリプス2号機から核エンジンを奪う為に襲い掛かり、自らが地球連合軍の基地へ特攻しようと目論む。


「自然の摂理に反した罪あるバケモノとして生まれた我が身を! 誰よりも俺が! 許せんのだ!!」

「"コーディネイターが駆逐された世界を見る"、それが俺の夢だった! その世界を見届けた後、俺は自害するんだ! "最後のコーディネイター"として! そのときこそ俺は、『この世に生まれた罪』を精算できる!!」


ジョエルの真の目的は「世界中に蔓延るコーディネイターやハーフコーディネイターが絶滅する瞬間を見届け、自身が最期のコーディネイターとなった時に自害する」という狂気的な野望であり、それらの原動力は彼曰く「俺自身が誰よりもハーフコーディネイターとして生まれた罪深き身を赦せない」、「生まれ堕ちた罪を贖うべき」と言う歪んだ思想が根底にある。その目的の為であれば、大西洋連邦の艦隊を壊滅させてみせたり、同国への核動力機での特攻計画も担う。

ホーリを殺したくない理由は、彼がナチュラルでありながらエクリプスでの戦闘においてハーフコーディネイターの自分やヴァレ、さらにはコーディネイターであるケンを越える才能を発揮した事にあり、その才能を「偽りの命のコーディネイターを乗り越える、正しい命のナチュラルこそが命の在るべき姿であり、世界の希望である」と感じ、感動している。そのことを「殺したくない相手」であるホーリへ共感として求めたが、彼からは「アンタが何を言っているのか分からない! 命にホンモノもニセモノもあるか!」と拒絶されている。


余談

  • ブルーコスモスへ賛同した経緯や上述の思想に至った生い立ちなどは不明である。
    • 劇中で30代前後と推定されており、C.E.40年代はコーディネイターとナチュラルとの能力格差や第二世代コーディネイターへの能力継承が浮き彫りになり、ブルーコスモスの反コーディネイター感情が急速に高まった時期である。
    • C.E.70年代の30代と推定した場合、ギルバート・デュランダルやタリア・グラディスたち第二世代コーディネイターに近い年代となる。さらに、彼らと同様に親とされるコーディネイターは「ジョージ・グレンの告白直後に、富裕層が金を惜しみなく注ぎ込み、秘密裏に生み出された者たち」である。
    • ハーフコーディネイターであるが故に、親のコーディネイターから継承される能力の減衰が起きるものの、ナチュラルからすれば能力格差があることに変わりなく、一種の亜人種として区別されてしまう。一方でコーディネイターからはナチュラルとの間に生まれた半端者と言うレッテルを貼られ、「ナチュラル帰り」としてタブー視される。特に反ナチュラルの過激派コーディネイターからはナチュラル以上に敵視される恐れがあるため、ハーフコーディネイターにとってプラントは地球以上に安住の地にはなりにくいだろう。
    • 生々しい推測となるが、ジョエルの根底にある「コーディネイターに対する根深い憎悪」を見ると、父親がコーディネイターで母親がナチュラルであり、望まぬ形で生まれてきた出生だとすれば、コーディネイターの血を引く自身に絶望して忌み嫌い、破滅願望に近い感情に囚われてしまうのも十分に頷ける。
  • ナチュラルにもコーディネイターにも裏切り者のような目で見られてきた出生に悲観しているのは本心であり、世界を憎悪する切っ掛けなのだろう。
    • コーディネイターとしての出生に悲観して、ブルーコスモスに入信したコーディネイターの青年と言う存在が小説版『SEED』で示唆されていた。ジョエルはその悲観した青年の話を基に、さらにハーフコーディネイターと言う出生が設定されたキャラクターと思われる。

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