概要
大麦、ライ麦、ジャガイモ、とうもろこしなどを原料とした アルコール。
ウォッカなど蒸留酒の多くがそうであるように、ベース・スピリッツ(アルコール部分)の原料の個性を意図的に消している。
そんなジンをジン足らしめているのは原料に使われるジュニパーベリー(セイヨウネズ、俗名社松の実)の香りである。このジュニパーベリーとその他の風味付けの材料はボタニカルと呼ばれる
蒸留酒の中では比較的個性が強くないためカクテルによく用いられる。
アルコール度数は37~48度程度。日本の酒税法上はスピリッツに分類される。
香味付けの方法は主に2通りあり、蒸留器内でボタニカルを直接スピリッツに漬ける「浸漬(スティーピング/スティープ&ボイル)法」と、蒸留器上部に設置した籠内に詰めたボタニカルにスピリッツの蒸気を通過させる「バスケット(ヴェイパー・インフュージョン)法」がある。
歴史
元々は1660年にオランダのライデン大学医学部教授、フランシスクス・シルヴィウスが作った解熱・利尿用の薬用酒であった。
しかしその後産業革命前後には安くて強い貧乏人の酒にまでイメージが悪化。後述のタンカレーの創業者チャールズ・タンカレーが1830年、高級志向のジンを目指してロンドンに蒸留所を起こすも、イメージと品質の改善には20世紀までかかった。
日本における歴史
文化9年(1812年)に長崎の出島にて奉行所の茂伝之進がオランダ人の協力でブランデーやビールと共に作ったのが最初とされている。
当時の出島のオランダ人はフランス革命戦争で本国を失い補給を絶たれたいたのが理由である。しかし、当時カピタンだったヘンドリック・ドゥーフは『日本回想録』にてネズの匂いが強すぎてあまりいい出来ではなかったという感想を残している。
そして時は流れてCOVID-19が猛威を振るう2020年、コロナ禍で売れ残った大量のクラフトビールを原料にジンを作り出そうという運動が起きている。
ジャパニーズクラフトジン
ジンはいわばハーブティーならぬハーブ酒であり、近年ではジュニパー以外にご当地素材を使用した地ジンが作られるようになっている。
日本も例外ではなく、玉露や生姜、桜の葉など日本ならではの素材で風味づけしたジンが登場している。
値は張るがジン自体が度数の高い酒なので、1杯あたりの価格を考えればコスパは悪くない。
炭酸水やトニックウォーターで割って呑むならなおさらだろう。
主な銘柄
ビーフィーター ボンベイ・サファイア ウィルキンソン タンカレー
ジンベースの代表的なカクテル
ジントニック マティーニ ギムレット ジンバック ジンフィズ ジンライム
別名・表記揺れ
関連タグ
skyrim:薬素材としてジュニパーが至るところで取れるゲーム。ジンが飲みたくなる。
ジン(名探偵コナン):この酒をコードネームに使われているヴィラン。