曖昧さ回避
パルプ・マガジンに掲載されたフィクション
パルプ・フィクション(Pulp Fiction)とは、20世紀前半にアメリカ合衆国で出版されていた、刺激的かつ通俗的な読み物のこと。パルプ・フィクションが印刷された薄い本をパルプ・マガジンという。
大衆の一時的な欲望を満たすための読み捨て小説で、安いパルプ紙に印刷されていたためこう呼ばれた。原稿料は格安だったが、新人や落ち目になった作家の受け皿になっていた。
映画「パルプ・フィクション」
パルプ・フィクションの《くだらない話》としての味わいをオマージュした犯罪映画。
1994年、ミラマックス配給。
4つのエピソードからなるオムニバス形式ながら、実は時間軸が前後・登場人物が交差しており、頭の中で再構成すると一枚の絵になるというトリッキーな構成をしている。
タランティーノはこれが監督2作目ながら、オールスターキャストを実現。過激な暴力とマシンガントーク、偏愛映画へのオマージュを散りばめ、第47回カンヌ国際映画祭のパルム・ドールまで取ってしまった。
あらすじ
アバンタイトル
あるレストランの客席でカップルがダベっている。強盗の常習犯パンプキンとハニー・バニーだ。話の末、ここで強盗を始めることにした二人は、銃を抜いて叫ぶ。
プロローグ
ビンセントとジュールスはマフィアの殺し屋。その日の仕事は、裏切り者の始末と黒いスーツケースの奪還だった。途中、敵の銃撃を受けるが……。
VINCENT VEGA & MARSELLUS WALLACE'S WIFE(ビンセント・ベガとマーセルス・ウォレスの妻)
マフィアのボス・マーセルスは容赦のない男として知られていたが、彼の愛妻ミアを一晩だけ世話するよう、ビンセントは頼まれる。ミアは美しい女性だったが、一線を越えてはいけない。緊張感の中、楽しい夜を過ごすが、薬物を間違えたミアがオーバードーズで心停止してしまう。ビンセントは薬物の売人であるランスとジョディーの家に押しかけ、応急処置をさせる。
THE GOLD WATCH(金時計)
落ち目のボクサーであるブッチは、マーセルスに八百長で負けるよう持ちかけられていたにもかかわらず、裏切り勝利。弟と共謀して莫大な賭け金を手に入れた。そして翌朝には恋人のファビアンとともに街から逃走している計画だった。しかし逃げる直前になって、父親の形見で、ブッチが何よりも大切にしている金時計がないことに気づく。急いで家まで取りに戻り、追っ手の撃退にも成功するが、もう少しのところで不幸にもマーセルス本人と出くわす。
THE BONNIE SITUATION(ボニーの一件)
スーツケースの奪還を果たしたビンセントとジュールスは、現場にいた男を一人捕まえ、車に乗せて帰る途中だった。だがビンセントの銃が暴発して男に当たり、車中が血まみれになってしまう。近くに住んでいたジミーの家に退避するが、もうすぐ妻のボニーが帰ってくると言って激怒する。マーセルスに連絡したところ、二人の元にザ・ウルフという掃除屋が送り込まれる。
エピローグ
レストランで、パンプキンとハニー・バニーが怒号を上げる。そこにはようやく一仕事を終えたビンセントとジュールスがいた。
キャスト
役名 | 配役 | 日本語吹き替え |
---|---|---|
ビンセント・ベガ | ジョン・トラボルタ | 鈴置洋孝 |
ジュールス・ウィンフィールド | サミュエル・L・ジャクソン | 大塚明夫 |
ミア・ウォレス | ユマ・サーマン | 勝生真沙子 |
ブッチ・クリッジ | ブルース・ウィリス | 山寺宏一 |
ファビアン | マリア・デ・メディロス | 伊藤美紀 |
マーセルス・ウォレス | ヴィング・レイムス | 玄田哲章 |
パンプキン | ティム・ロス | 安原義人 |
ハニー・バニー | アマンダ・プラマー | 安達忍 |
ランス | エリック・ストルツ | 宮本充 |
ジョディ | ロザンナ・アークエット | 田中敦子 |
ジミー | クエンティン・タランティーノ | 立木文彦 |
ザ・ウルフ | ハーヴェイ・カイテル | 西村知道 |
クーンツ大尉 | クリストファー・ウォーケン | 菅生隆之 |
バディ・ホリー | スティーヴ・ブシェミ | 梅津秀行 |
スタッフ
監督・脚本 - クエンティン・タランティーノ
原案 - クエンティン・タランティーノ / ロジャー・エイヴァリー
製作 - ローレンス・ベンダー
製作総指揮 - ダニー・デヴィート / マイケル・シャンバーグ / ステイシー・シェア
音楽 - カリン・ラクトマン
撮影 - アンジェイ・セクラ
編集 - サリー・メンケ
配給 - ミラマックス / 松竹富士
関連タグ
パルプフィクション:表記揺れ