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以下、2部6章「妖精円卓領域アヴァロン・ル・フェ」のネタバレ注意







































































FGOらくがき

義理堅き殺人者の最期

ブリテン異聞帯には、カルデアに先んじて「ペペロン伯爵」(ペペローンナ伯爵と自称したことがある他に、後にバレンタインイベントにて闇のコヤンスカヤもこの呼称を用いている)を名乗って潜入したスカンジナビア・ペペロンチーノ。なお、彼は既にコヤンスカヤの転移契約を一度使ってしまっているために、どうやってブリテン異聞帯へ潜入出来たのかは劇中では明らかになっていないが、この異聞帯では汎人類史(外)から物や概念が流れ込んでくる「チェンジリング」が発生しているので、一部のファンからは恐らくこれを利用したのではないかと推察されている。

汎人類史のセンス知識で無双して、ノリッジの領主スプリガンに人間の兵力を認めさせる手腕を発揮したり、グロスターに店を出せるほどの箔と富を得て表向きはファッションリーダーを気取ったりという形で、ベリルの動向を監視し、キリシュタリアの仇を討つタイミングを窺っていた。その目的が概ね一致することから、カルデアには全面協力。自身が築いたコネクションや得た知識をフル活用し、一行を援助、敵対する理由もほとんど無くなったためインド異聞帯の時以上に主人公たちに対してはフレンドリーに接した。


そして、ウッドワス打倒後、妖精騎士トリスタンの奇襲を受けた主人公アルトリア・キャスターの行方を、マシュと主人公の縁の糸を辿って追跡、ニュー・ダーリントン郊外の寺院地下で落ち合わせる。その直後、遂にベリルと邂逅。決戦が始まる。


事前にウッドワスの霊基を喰らって肉体性能を上げていたベリルに対してカルデアが押され気味になる中、彼の背後を取って奇襲をかけるが、すでに先読みされており、逆に手痛い一撃を受けて戦闘不能になってしまう。


しかし、それ自体ペペの計算の内だった。


この時のベリルは足止めの手段として、外道にも大量に捕らえていた現地の人間に対し、自身が半年かけて生み出した「本来妖精のみに効くはずのところを人間にも効くようにしたモース毒」を与えてモース人間として地下へと放っていた。

これは通常のモース毒のように「直接触れたら感染する」だけでなく、「感染者を殺害した者を呪う」呪詛すらも兼ね備えていた、つまり「助けを求めて縋り付いてくるが触れられてはダメ、かといってモースの様に殺して排除するのもダメ」という最悪の時間稼ぎだったのだ。しかもその数は500人にものぼっていた為、それらが埋め尽くす地下通路を無傷で突破するというのは絶望的な状況だったのである。

だが改造モース毒や殺害時の呪詛自体はマシュに宿る英霊の加護によってマシュにも主人公にも効かない。では何故ベリルはこんな一見ただの悪趣味でしかない足止めを仕掛けたのか?


「罪のない人間を助けようともせず殺す」そのこと自体がマシュにも主人公にも精神攻撃として最上の手であり、それ自体がこの策に仕込まれた英霊の加護では弾けない「本当の呪詛であり毒」だからである。

それにいち早く気付いたペペは、マシュ達には詳細を明かさぬまま、自分一人でこれに対処。代償として500人分のモース毒と呪詛を一人で抱えることになってしまった。


そんな状態で当然普通にしていられるわけはなく、戦う前から既にボロボロだった彼。自身の状態と通路に飛び散った犠牲者の骸を幻術で隠し、一行を騙して戦っていたのだ。そして、奇襲に応じてベリルが彼に致命の一撃を与える…が、その瞬間をペペは待っていたのである。


ベリルがペペロンチーノを攻撃=ペペに接触したことで、ペペ自身が溜め込んだ500人分のモース毒がそっくりそのままベリルに感染する。そこに更にペペ自身の「呪詛返し」を加え、刺し違えることを最初から狙っていたのだ。まんまと策に嵌まったベリルは致死量500倍の猛毒と呪詛にのたうち、更にカルデアの反撃を受け、這々の体で行方をくらました。

その結果に満足するが、魔力と気力を使い果たした為に瀕死状態なのは彼もまた同じであり、もはやベリルを追ってその最期を確認する余力すら残っていなかった。それでも一連の事態を悟り、何とかペペを介抱して一緒に脱出しようと必死になるマシュ達に対し、自分はもう足でまといにしかならない事と、本来なら死を悲しまれる価値もないロクデナシなんだと叱咤し、「本当の敵は國を守る女王ではなく國を終わらせようとしている誰かというアドバイスとともに送り出したあと、一人思い出すのは忘れ去っていたはずの過去であった。


天性の才能か、六神通の内三つを習得した彼は、その内の一つである漏尽通を用いて、これが自身の魂の最後の転生だと知ってしまっていた。さらにかつて自分が暮らしていた天狗道の家は、出来が悪いと目を覆いたくなるような虐待も辞さない過激な一面も持っていた。そのため『このままにしておけば後々ろくな事にはならない』と考え、関係者を皆殺しにしたうえで、それを罪だと思うことすら止めた。

(似たような本質を持つ妖精國の実態にも、恐らくは早々に気づいていたのだろう…)


そんな自分の最期は、どんな理由があれ多くの人を殺したのだから、孤独なものになると確信していた。

だからこそ「」は、“獣”との一度きりの契約を使って、インド異聞帯に自分が一番キレイな時に、会いに来てくれたのだろうと悟る。

そして最期に、何もかもを諦め静観して来た自分がカルデアチームのメンバー』として、大切な仲間と後輩を次の道(未来)へと送り出すという大仕事を果たせた事に今一度喜びの笑みを浮かべると、崩れ落ちる寺院の中で妙漣寺鴉郎はその生涯を終えた。


ちなみにベリルは、以前からペペがこの異聞帯に来た理由が仇討ちだと見抜いており、ロンディニウムにおける攻防戦では主人公の身柄を狙っていたものの、ペペが潜伏していることを知って突撃を踏みとどまるなど警戒に警戒を重ねていたのだが、そのような目的を見抜き警戒もしている相手に対し、見事狙い通りの攻撃をしてみせたペペの「殺し」の手腕は半端なものではない。

だが、その「並外れた人殺しとしてのペペの姿」は、マシュと主人公に仇なす形で牙を剝くことは作中においてはなかった。そればかりか、人殺しとしては同類であるベリルを指して主人公に語った言葉が、後にマシュを救う事にさえなった。


もし彼がベリルのような立ち回りで動き、マスターではなく殺し屋として襲い掛かるようなことがあれば、情が移っていた主人公にとってはベリルより遥かに対処の難しい相手となっていたことは容易に想像できる。ロクデナシの人殺しとしての本来の自分を(実感として)知られぬまま「いい先輩」として最期を迎えられたことは、彼にとっても後輩にとっても、そして主人公を通して物語を追体験するプレイヤーにとっても、さまざまな意味で救いになっただろう。


立場上戦ったことはあれど、あくまでクリプターとして正面から挑むのみであったし、全体を見れば総じてカルデア側に好意的に接するのみならず協力体制を築き続け、更に上述の通りブリテン異聞帯でカドック含めて3人でAチームを名乗るのもいい」とまで語った彼の死は、プレイヤーの精神を抉る後編の展開においても大きなポイントとなっており、オリュンポスまで(というか前編まで)で散々ヘイトを稼ぎまくったベリルをようやくフルボッコに出来るにもかかわらず、「ざまあみろベリル!」という感情に至らなかったプレイヤーも多いとか多くないとか……

むしろベリルを打ち取るのに払った代償が大きすぎたことを嘆く者の方が多かった。


余談

アルトリア・キャスターからは「迷いも欺瞞もなく、自分たちに対して嘘はつかなかった」「怖いくらい自分の心に正直で、好きなことを、思うままに行った人」と嘘が見える彼女としては最上級の評価をしていた。


レッドラ・ビットからも「惜しい方を失った、叶うのであればノリッジを治めていただきたかった…」とこちらも高評価である。


本人の自己評価とは裏腹に、関わった人物たちからは軒並み高い評価であることが彼の人徳を物語ってると言えよう。


また上記の通りカドックと自分と主人公でAチームを名乗るのもいいと評していたが、当時まだ存命中のクリプターであるデイビットは入っていなかった。これについては後の2部7章にて彼の特性と目的を考えると、Aチームのメンバーにはなり得ないことを理解していたからだろう。

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