概要
映画『ドラえもん のび太の魔界大冒険』にて初登場した敵キャラクター。
モデルはギリシャ神話に登場する怪物メデューサ(ゴルゴン)と思われる。
ラスボスである大魔王デマオンの手下の一人で、モチーフとなった怪物の伝説の通り、相手を石化する能力を持つ。
原作・旧映画版
CV:上田敏也
青白い肌の痩せこけた老人のような体で、下半身は日本の幽霊さながらに足が無い。
髪の毛はモチーフと同様に蛇となっている。
そして何より、顔が超キモイ。
ルックスや原作漫画のシーンでさえ十分トラウマだが、アニメ映画では中の人の怪演により声が付く事によって不気味さのレベルは跳ね上がり、より強いトラウマを植え付けている。
劇中での活躍
悪魔達の追っ手から辛くも逃れたのび太とドラえもんは、タイムマシンを使って超空間を移動し、もしもボックスで魔法の世界になる前の地球にたどり着いた。
……だがメジューサは、あろう事かタイムマシンへの入り口に飛び込むと、そのまま超空間を泳いでくるというとんでもない方法でドラえもん達を追いかけてきた。
そのまま執拗に二人を追い詰めていき、最終的に魔法で二人を石像に変えてしまった。
……この石像こそ、物語序盤から登場していたドラえもんとのび太の石像であり、その正体は未来から来た二人の成れの果てだったのだ。
その後、石像と化した二人はドラミのタイムふろしきによって元に戻り、事無きを得た。
子供は涙目必至どころか、大人が見ても十分ホラーチックなシーン満載の本作(極端な例になると、メジューサに石化されたドラえもん達が冒頭部分で動いたシーンでさえトラウマになってしまった者も居た)だが、その中でもメジューサの登場するシーンは本作どころか、映画ドラえもん全作品の中でもトップクラスに君臨する。
特にメジューサがのび太の机の引き出しから這い出てくるシーンはおぞましいの一言に尽き、スクリーン前の子供達の中には勉強机の引き出しが開けられなくなった子供も居たとか。
出番はごく僅かのチョイ役にもかかわらず、ファンの印象に一際強く残る敵となった。
さらに恐ろしい事に、劇中ではメジューサが倒されるシーンは存在しない(一応ラスボス撃破後に魔界星が滅んでいるため、巻き添えになった可能性があるが、それでも明確に描写されてはいない)。
映画が終わっても残る不安と後味の悪さもまた、トラウマを増長させる一因となっている。
ちなみに、生身で時空間を逆行出来る能力を持った存在は、現在に至るまで(リメイク前後含めて)原作・アニメ共にメジューサの他には登場していない。
後年の『のび太の夢幻三剣士』のトリホーと同様、人知を超えた敵として描かれている。
リメイク版
CV:久本雅美
リメイク版の映画『ドラえもん のび太の新魔界大冒険~7人の魔法使い~』にも登場。
容姿が旧作から大きく変更され、全体的に人間的なデザインになっており、性別がまさかの女性に変更。
元ネタに準じて美女っぽくなった事で外見上のトラウマ要素はある程度抑えられたが、後述する通りこちらはこちらで新たに別ベクトルでトラウマになりそうな要素を持ち合わせている(むしろそれが逆にトラウマブレイカーになっているという意見もあるが)。
従来の石化能力以外にも様々な魔法の使い手であり、さらに本物そっくりに化ける変身能力まで習得。
劇中では美夜子に化け、巧みな演技力で自ら暴露するまでドラえもん達を完全に欺いた。
一方で詰めの甘い部分もあり、それによる失態でデマオンのお怒りを喰らう事も。
階級・信頼度は三つ星の上級悪魔達よりも上と思われ、それなりに重要な任務を与えられる事も多いが、デマオンからのパワハラは日常茶飯事の上、同僚の三つ星悪魔からは陰で馬鹿にされるなど、職場での扱いはあまりよろしくない。
悪魔族は本来行く事は出来ない月に普通に行けるなど、何か秘密があるようだが…?
劇中での活躍
原作準拠の展開は基本的に旧作とほぼ同じだが、旧作よりも登場シーンが増えており、全編に渡って登場するキーパーソンとなっている。
偽の美夜子に化けて配下の悪魔と自作自演を行い、ドラえもん達の信頼を得ると魔界歴程の捜索に彼らを協力させる。
その後ジャイアンが手に入れた魔界歴程を奪い取ると本性を表し、魔法でドラえもん達を巨大な氷塊の下敷きにした。
……だが、実は魔界歴程は二冊存在し、その片割れがオールシーズンバッジにより命拾いしたドラえもん達の手に渡った事をデマオンから咎められ、折檻を受ける羽目になってしまった。
その後、旧作同様にドラえもんとのび太を石化した後は、デマオンの命令で月の結界を破壊するために月へ向かう。
苦しみながらも結界を破壊し、見事月の光を消し去る事には成功したが、至近距離で強い月の光を大量に浴びた事で、絶叫を上げると共に藻掻き苦しみ始め……
※以下、映画本編のネタバレ注意!
……その正体は、悪魔族と契約して姿を変えられた美夜子の母親であった。
その昔…幼き日の美夜子が病に倒れてしまい、必死で看病したがどんな魔法でも治せなかった。
そこで彼女は、娘の病を治すために悪魔と契約を交わした。
その結果美夜子は回復したが、契約の代償として美夜子の母の魂はデマオンに捕らえられ、魔物に姿を変えて洗脳されていた者がメジューサだったのである。
悪魔の天敵である月に行く事が可能だったのも、元は人間だったという真実への伏線だったのだ。
最終決戦間際、月の光の影響によりドラえもん達の前で元の人間の姿に戻り、美夜子と夫である満月牧師に抱きかかえられる。
そして事切れる寸前にデマオンの弱点=心臓の在処をドラえもん達に伝え、美夜子に看取られながら消滅した。
『ドラえもん』作品では(恐らく)数少ない、明確な死の描写が描かれた人間の死者となった。
ギガゾンビの逆襲
序盤ダンジョン「魔王の城」の階段近くにて、唐突に現れる中ボスキャラ。なお、本作では「メデューサ」と称される。
かつて映画を見てトラウマになった子供達の前にいきなり戦いを仕掛けてくるため、衝撃を受けたプレイヤーも多いだろう。
しかし…
このメジ、いやメデューサ…はっきり言って弱いのである。
パラメータはHP180、パワー124、スピード25と、その辺の雑魚敵に毛が生えた程度の戦闘力しかなく、麻痺攻撃も持っているがお医者さんカバンで普通に治せる上にそもそも麻痺自体1〜3ターンしか持続しないので大した事なく、コイツより前に戦う三つ星の悪魔に体力しか勝っていないという体たらく。
とどのつまりただ固いだけの雑魚であり、特に苦労なく倒せるため、肩透かしを食らった方も多いのではなかろうか。
尚、本作ではのび太や町の人々が物語開始時点で既に石にされているが、魔法が強化されたため月の光でも戻せず、魔王を倒すしか解く方法がなくなっている。それは人々を石にした元凶たるコイツを倒しても同様であり、この先で出会う満月牧師も石の姿のままである(ただテレパシーで会話はできる)。
映画を見てトラウマになったら、ゲームのコイツをボコってスッキリするのもまた良い…かも知れない。
ドラえもんのどら焼き屋さん物語
デマオンが食事探しにおける敵として登場した関係上、手下として登場したが、アイテムを整えれば一発で倒せる。
余談
ドラえもんの持つひみつ道具の中にも、メジューサとモチーフを同じとするゴルゴンの首がある。こちらも同じく石化能力を持ち、メジューサと同様多くの子供達にトラウマを植え付けた。
また、『のび太の夢幻三剣士』に登場する竜は口から吐く炎で相手を石に変える能力を持つ。こちらも竜によって石に変えられた者達の石像が出てくるシーンはなかなか不気味である。
……『ドラえもん』世界の石化能力持ちはトラウマメーカーしか居ないのだろうか?