概要
英語表記:Doopliss
『ペーパーマリオRPG』に登場するボスキャラクター。『マリオストーリー』に登場したバケバケ族の天才児であり、リメイク版の設定資料で繋がりが明確にされている。
白いシーツをかぶっていて、その上に三角帽子をかぶり、青いリボンを胸元(?)に結んでいる。ややルー語気味の口調に、口癖の「チャオ チャオ!」と「うしゃしゃしゃ」という笑い方が特徴。
他の相手に変身し、その能力をコピーできるという点は他のバケバケと同じだが、彼の魔法のチカラは同族のそれを遥かに超えており、条件を満たせば他人すらも思うがままの姿と相応の能力に変えてしまう事が出来る。
更にこの強制変化は、対象の名前や存在を奪い取る事が出来、逆にランペル自身はドッペルゲンガーの如く「その人物」に成り代わりも可能。そうなった被害者は自分の名前を口に出す事が出来なくなる上、化けたランペルにダメージも与えられなくなる等、見た目以上に恐ろしい。
ただしこの強力さは、「誰か一人には自分の本名を覚えていてもらう必要がある」「自分の本名を人に呼ばれるとチカラが無くなってしまう」というリスキーな制約ありきらしく、自身もその隙を埋める為、唯一名前を知る者を秘密の場所に閉じ込めていた。
その出自は不明だが、ある時ウスグラ村奥地のオドロン寺院にやってきて、先住民のテレサ達を閉じ込めて棲みつき、最上階の鐘付き塔を自分流のマイルームにアレンジしていた。また寺院内には彼を象ったステンドグラスも飾られている。
そして「村人達の暗い雰囲気がつまらない」という理由で、寺院の鐘が一つ鳴るたび、村にいる誰か一人が知性の無いブタに変わってしまう呪いをかけるという、イタズラでは済まない被害をもたらしていた。
劇中での動向
「謎のバケモノ」として噂される彼を追って、隠れ家のオドロン寺院へ向かうことになるマリオ一行。そのまま最上階を訪れると戦闘になる。
1回目の戦闘は変身を行うシーンが必ず挟まれるため、チャージ等を用いてHPを削り切っても10まで回復されてしまう。
この時点で名前は分からず、クリスチーヌ曰く似たようなモンスターが本に載っていると言うのみ。
この時点では大した強さでは無く割とあっけなく倒せるが、勝利後になんとマリオの名前と体がいつのまにかランペルに奪われてしまう。
その姿は本物に比べて目が虚ろであり姿勢が若干悪い。また声はマリオのものと比べるとエコーがかかっている。
ちなみに、ランペルがマリオの名前と体を乗っ取った証拠として
- ランペルが化けたマリオはホンモノと待機モーションも表情も違う
- スターストーンを獲得したにも拘らず無言(本物はヤッフーなど声を出す)
- スターストーン獲得時に出てくるはずのスターストーンにまつわる技(ムキムキボディ等)の習得メッセージが無い
- スターストーン獲得時のマリオのポーズが偽物と本物で違う(偽物はただスターストーンを掲げているだけなのに対し、本物は爪先立ちのような体勢になっている)
- 初戦勝利後、影マリオが本物のボイスで倒れる(原作のみ)
などの点で判別できる。
中でも1つ目と3つ目については違和感を感じやすいため、勘のいい人ならばすぐにマリオが存在を乗っ取られたことに気づいたかもしれない。
ちなみに、スターストーン獲得後の日記調のテキストは原作でもリメイクでもちゃんと流れる。
リメイク版では少し違和感が追加されており、
- 帽子を目深に被っている
- マリオの声が異なる
などから、知っている人が見ればかなり怖い様相になっている。
また、影の姿にされたマリオはオリジナル版では声が出るが、リメイク版では姿を奪われている間は声が出なくなっている。
仲間たちもランペルのほうを本物と信じ込んでしまった為(おしゃべりになったが気のせいだろう程度)、しばらくのあいだマリオは一人ぼっちで行動することになり、偶然再会したビビアンに助けられる。
そしてビビアンの助言で、成り代わりに気付いているカラス達から弱点を聞く事が出来、再度オドロン寺院を捜索しその名前を突き止めていく。
それまではウスグラの道を通るたびに上空からランペルが現れ、名前を言い当てるまでは毎回お互いにダメージを与えられない戦闘が続くので、戦闘のたびに逃げる必要がある。
リメイク版ではランペルからの攻撃はしっかり通るようになっており、尚更逃走する必要性が増した。
なお、本記事などのネタバレで彼の名前を知っていようが、ストーリーを進めてとあるアイテムを手に入れるまでは入力画面から「特定の文字」が抜けている為、フライングで当てる事は出来ない。
そしていざ準備を固め、本名を指摘すると…。
「な…なんでおまえがその名前をしってんだよ!?」
みるみるパニックになったランペルは、騙した仲間達を連れて寺院の自室に退却し、そこで二回目の戦いに突入。
なおビビアン除く仲間たちはランペルに騙されているのは前述の通りだが、戦闘中の観客席にいるルイージは騙されることなく、姿を奪われていてもちゃんとホンモノにアイテムを渡してくれる。
血のつながった肉親たる実弟の目は誤魔化せなかった、もといちゃんとわかっていたのである。
コレに勝利することで、ようやくお互いは元の姿に戻り、真実も明るみに。虚飾が剥がれたランペルにもはや打つ手はなく、捨て台詞を吐きながら逃げていった。
なお彼の名前を知っていたオウムは寺院の地下に取り残されたままであり、再びそこに行って話を聞くとランペルがいつまでも来ないことに不満を漏らしている。
そこでクリスチーヌのコメントを聞くと、彼女がオウムを憐れんでいることがうかがえる。
彼のその後
逃走中、ビビアンを探していたマジョリンやマリリンに見つかって捕まり、離反した彼に変わってカゲ三人組の一員に加えられ、共に幾度も暗躍することになる(リメイク版のものしりリストによればカゲ三人組に加わったのはマジョリンに脅された為らしい)。
一応、本人はマリオ達に復讐できるチャンスが得られるのもあって脅迫されつつも承諾したのだが、マジョリンには「シロスケ」と呼ばれ、ビビアン同様の雑な扱いを受けている。
カゲの女王が復活した最終決戦でも同行したのだが、彼自身は元々カゲの女王の配下ではない完全な部外者のため、終始イマイチ状況が分かっていない様子だった。
エンディングでのクリスチーヌの話によると、全てが終わった後の彼はクラウダとともに演劇役者として活躍しているとか。彼にとっては天職かもしれない。
クリスチーヌはランペルが改心したか否かぼかしているものの、カゲ三人組やメガバッテンが改心した事を考えると改心したと見て間違いないだろう。
そしてオドロン寺院地下のオウムは最後まで取り残されたままであった。
ステータス、戦闘面
HP | ATK | DEF |
---|---|---|
40 | 4 | 0 |
ステージ3のゴールド・ホークと殆ど大差がなく、ステージ4のボスとしてはそこまで強くはない(代わりに2回戦う)。
バトルでは頭突き、変身能力を使う。変身した場合は、変身したキャラの能力を使う。
普段は飛び上がってから急降下による体当たり攻撃を行うが、戦闘中にマリオの姿に変身して攻撃してくる。
初戦ではマリオに変身する前にHPを0にしても、イベントが発生し残りHP10になって復活する。
再戦時はマリオの仲間も引き連れている(特にクリスチーヌはれんぞくずつきをしてくる)ため、少々厄介になる。
仲間は倒してもスターポイントが手に入らず、倒してもすぐに別の仲間に交代されてしまうため、ランペルを集中攻撃するのが得策。
再戦時では仲間に影響を及ぼすバッジの効果が表れない為、事前に外して付け替える事が推奨される。
またリメイクではビビアンがマリオに加勢する前に倒すときんきゅうキノコで復活してしまう。
HP | ATK | DEF |
---|---|---|
40 | 6 | 0 |
ステージ8では攻撃力が6に上がった上、マジョリン、マリリンと手を組んでいるため、少々厄介になった。
3ターン目になると、マリオだけでなく仲間キャラにも変身するようにもなる。そして変身した直後に攻撃してくる。
変身してから2ターン経過するとまた変身し、以下無限ループ。
変身回数は4回で、それ以上変身することはない。
余談
ボスキャラクターとしては愛らしいその姿や、小生意気だがどこか憎めない独特の話し方、軽快ながらも恐怖を駆り立てる戦闘BGM、ステージ4全体の絶妙なホラー演出などが相俟って、ファンの間では人気が高いキャラクターである。一方でステージそのものは同じダンジョンを3度も訪れなければならず、その道中も地味に長いのでかなり面倒な相手になっている。
名前の由来はグリム童話「ルンペルシュティルツヒェン(Rumpelstilzchen)」の英語読みであるランペルスティルスキンからと思われる。ざっくり言うと悪魔の名前を言い当てる話であり、劇中のイベントはまさにそれである。
なおリメイク版でももちろん登場しており役回りも特に変わらないのだが、名前と身体を奪われた後の名前を当てるチャンスに対し、2回目以降は問答無しで逃げる事が出来るようになっている(勿論やりたければ1回目の問答をそのままやることもできる)。また、例の文字は赤文字になって強調されるようになった。
ちなみに、リメイク版より追加されたたつじんキノピオにも名前を奪われている間のみ彼からナナシくんと呼ばれるようになる。
ついでに村長宅でランペル扮するマリオがブタの丸焼きを仲間と一緒に囲んでいる様子も見ることができる(先程までに村人たちがブタに変えられてたのに)。
また、エムブレームWを装備している場合、それがランペルにも反映され村人のセリフも一部変化するようになっている(Lの方は入手タイミングの関係で不可能)。
他にも細かいセリフが色々追加されているので是非見てみよう。
ステージ6ではある人物に変身して暗躍していたが、リメイク版では台詞のSEがランペルと同じである。
アートワークで見られる初期デザインを見ると、ピエロ風のデザインだったり、死神のようなデザインもある。
また、同じページでクラウダといっしょに描かれており、もしかしたらクラウダはステージ4で仲間になるキャラクターだったのかもしれない(そうなるとエンディングでクラウダの下で演劇役者していたのは、その名残であるのかもしれない)。
スーパーマリオくん
ゲームと同じくステージ4のオドロン寺院に登場。一人称が「おれ」で語尾に「ペル」をつける。
村人をブタに変えた理由は自分が弱いことを自覚しており、村人をブタに変えれば村を支配できると考え、そしてゆくゆくは養豚場を開いて大儲けするためらしく、性格はゲームと比べて臆病である。
マリオとの入れ替わりは転んだマリオと頭を打った事が原因となっており(魔法ではなく完全な事故である為初登場と同時に名前を名乗っている)(この時のマリオはランペルの姿のまま(読者に分かりやすく額にMの字がある)になっている)、クリスチーヌがもう一度頭を打たせ、間違い探しに正解した事で元に戻る。戻った後はマリオに「自分の力で強くなれ」と諭され、改心した。
とはいえ、彼のしたことのうち、養豚場…つまり「もともと人間だった豚に変えられたものを食肉として売りさばこうとした」ことに他ならず、実は沢田ユキオ作品の中でもトップクラスに悪辣な所業を働こうとした事実は忘れてはいけない。
関連イラスト
関連タグ
同作品中で戦闘する他のボス達
ゴンババ・バッテンダーロボ・マッチョガンス・コルテス・モアモア・バッテンダー・マーク2・カゲの女王
マネーラ:ペーパーマリオシリーズにおける変身能力の後継者。