概要
あらすじ
これまでは来訪者のもたらしたオーバーテクノロジーの一つであるポテンシャルバリアの力によって市街地にスペースビーストが現れることはなかった。
しかしポテンシャルバリアの力が弱まったことによって青葉ニュータウンにメガフラシが出現し、多くの人間がウルトラマンネクサスとメガフラシの闘いを目撃しパニックに陥っていた。
地球解放機構TLTはパニックを抑えるために青葉ニュータウンを封鎖。逃げようとすれば銃を向け、無理やり騒動を収めようとしていた。
千樹憐の遺伝子のディフェクトに対する特効薬「ラファエル」の研究はビースト研究に注力しなければならないと考えていた水原沙羅によって中断されていた。しかし憐と同じ「プロメテの子」達はひそかにラファエルの研究を続け、水原もそれに気づきつつも黙認していた。そしてようやくラファエルが完成すという連絡が、憐の遺伝子のもととなった海本隼人に到着する。しかしその直後、海本は何者かの襲撃を受ける。
メガフラシ戦後、意識を失っていた憐は松永要一郎に拘束されていた。憐の寿命が残り少ないことを知った松永は、以前姫矢准にやったことと同じように光の秘密を解き明かそうとしていたのだった。
憐が拉致されたことを知った野々宮瑞生は孤門一輝に連絡する。松永の企みを悟った孤門はフォートレスフリーダムの中に実験施設があると考え、調査を開始した。
孤門から事情を聴いたナイトレイダーの隊員たち。石堀光彦が実験施設の場所を教え、孤門はそこへ向かおうとする。一度は西条凪に止められるが、凪はTLTに反乱することを承知の上で孤門が行動しようとしていることを察知し、今まで戦ってきた憐を見殺しにはできないとナイトレイダーは実験施設へと向かう。
和倉英輔は松永に実験の中止を訴えるが、松永は聞く耳を持たない。そこで孤門は警備員を抑え実験室に突入し、憐を救出するという強硬策に出た。松永はすぐに人員を投入した孤門たちを確保しようとするが、孤門たちはクロムチェスターで基地から脱出。一人残ることになった石堀も基地から逃げ出すのだった。
孤門と合流した瑞生に、これまで隠してきた自分の想いを語る憐。彼は周りの人々に心配をかけながらいつ完成するともわからないラファエルを待つことに耐えきれずに施設から脱走。その時にネクサスの光を受け継いだのだった。たとえ失敗作の自分でもできることがあると感じ戦い始めたという憐に孤門はもう戦うのをやめるよう言うが、憐はまだ戦えると返す。
その時、三度メガフラシが現れた。戦おうとする憐に凪は「生きるために戦いなさい。たとえ明日がなくとも」と伝える。
憐はネクサスに変身しメガフラシと戦い始める。だが今度は復活したガルベロスまで現れた。
2対1の闘いに苦戦を強いられるネクサス。孤門たちはクロムチェスターに乗り込みネクサスの援護を開始。ハイパーストライクチェスターに合体しハイパーストライクバニッシャーでメガフラシは倒され、ガルベロスもシュトロームソードで真っ二つにされ倒された。
闘いは終わった。しかしメガフラシとガルベロスの死体のエネルギーは空中にできた空間のひずみの中へ吸い込まれていく。その中では不気味なスペースビーストが蠢いていた……。
余談
- 前述の通り、かつてはウルトラマンすら敵視していた凪が憐に諭した言葉に、いい意味で印象に残った人もいるのではないだろうか。ネタバレにはなるが、憐が次のデュナミストに凪を選んだのも納得かもしれない(尤も凪は最終回においてとてつもない絶望を味わう事になるのだが)。
- 意外にもガルベロスが再登場したエピソードとなったが、劇中でビーストがタッグマッチでネクサスに挑んだのは本編だけである(これまでネクサスはビーストとは1対1で戦う事が多かったため)。
- 実は平木詩織はEpisode.EXにおいてすでに憐と出会っているのだが、何故かその件については語られなかった。おそらく未放送になってしまった為、視聴者の混乱を避ける為の配慮だったのだろう。
- 『新ウルトラマン列伝』第143話「光の勇者たち ウルトラヒーロー伝説」(放送時間が現在のシリーズと同じ土曜日朝9時に引っ越した初回)ではこの回が取り上げられた。
- メガフラシとガルベロスとの戦闘シーンでは青い果実が流れた。
- 『帰ってきたウルトラマン』をはじめ、ウルトラシリーズで度々描かれてきた夕刻の戦闘シーンは本作屈指の名場面の一つである。
- トーク番組『尊哉の部屋』でゲスト出演した監督のアベユーイチ氏によると、憐の変身シーンの撮影時において、曇天だったのが少しだけ晴れ間が差したため夕陽をバックに変身シーンを撮影できたとのこと。またそれを観た特撮スタッフ陣が戦闘シーンの撮影に全力を尽くしたことで、気合いの入った特撮パートの映像が完成したという。