概要
2005年6月4日放送。前回『忘却-A.D.2004-』の後編であり、千樹憐編最終三部作の第一部。
本編において、「5年前に起きた新宿大災害の真相」と「メモリーポリスがなぜ人々からビーストに関する記憶を消去していた理由」が明かされる。
そしてラストには…。
あらすじ
前回、青葉ニュータウン上空に飛来したメガフラシを千樹憐の変身したウルトラマンネクサスが迎撃する。ネクサスはジュネッスブルーにチェンジしメタフィールドを展開しようとするが、メガフラシの発生させる隔離空間に邪魔されてしまう。
メガフラシの攻撃によって街や人に被害が及んだ。ネクサスは身を挺して攻撃から守る。
一方、新宿大災害の真相と自分たちの記憶が操作されていたことでTLTに不信感を抱いていた孤門たちはメガフラシ出現に和倉隊長によって自分たちの使命を諭され出撃することに。
メガフラシの隔離空間ではビーム兵器が無効化されてしまうアクシデントに遭遇するが、ミサイルでメガフラシを撃墜する。
ネクサスが攻勢をかけようとするも、メガフラシは撤退していった。TLTによって青葉ニュータウンは封鎖地域となり、孤門たちもフォートレスフリーダムに帰還した。
水原沙羅と再度面会した孤門たちは今まで戦ってきたスペースビーストの目的を知ることとなった。
スペースビーストが人間を喰う理由。それは知的生命体が感じる「恐怖」の感情を集めることだった。ビーストへの恐怖がまた新たなビーストを呼び寄せてしまうことを理由に5年前、水原たちは新宿大災害の真相を隠蔽せざるを得なかったのだった。
それを聞いた西条凪はこれまで弧門に諭してきたのと同様に「恐怖なんて憎しみがあれば乗り越えられる」と主張するが、意外にもそれを否定したのは沙羅だった。
沙羅は5年前、新宿に壊滅的な被害を及ぼしたビースト・ザ・ワンによって恋人を宿主にされる形で失った過去を抱えていた。そして「あなたもビーストに対して強い憎しみを抱いているのでは?」と問う凪に対し、こう諭す。
「確かに自分もビーストは憎いが、その感情だけでは今まで戦ってこれなかった」と。
そして沙羅は、「『憎しみ』ではなく『人を愛する心』と『人を慈しむ眼差し』こそが恐怖に打ち勝つ方法であり、それをウルトラマンから教わった」のだという。彼女もまた弧門と同様、ウルトラマンとの出会いによって絶望を乗り越え、希望を胸に戦ってきた人間の一人だったのである。
そんな中、またしてもメガフラシが現れた。吉良沢優はメガフラシの目的が憐であると推測し、孤門に忠告する。
ひどく憔悴していた憐は野々宮瑞生に介抱されていた。水を持ってくるよう言って瑞生を遠ざけ、ネクサスに変身しようとする憐だったが、孤門が止めに入る。しかし憐は世界を守るためにウルトラマンの力を使いたいとして、ネクサスに変身。その様子を瑞生が目撃していた。
空を浮かぶメガフラシに果敢に立ち向かうネクサスだったが、メガフラシの攻撃で逆に墜落。体をドリルのように高速回転させ押しつぶそうとするメガフラシをクロムチェスターの一斉攻撃が妨害する。
ネクサスはスピニングクラッシュキックをメガフラシに喰らわせ、反撃に出ようとするが憐の体が限界に近付いているためネクサスは再び膝をつき、そのすきにメガフラシは逃げていった。
一方、沙羅はフォートレスフリーダムを去る際、海本との会話の際にある確信を抱いていた。
「かつて、初めてウルトラマンとなった真木舜一と同じように、今戦っているウルトラマンと人間にも強い絆と想いがある事」を。そして「アンノウンハンドが如何に強大であろうと、その想いを断ち切ることなどできはしない」。沙羅はそう満足げな笑みを浮かべたのだった。
そのころ、松永葉月は父・要一郎と電話で会話し、松永の仕事を知ったことでようやく親子関係は修復された。
しかし無情にも規則によって葉月の記憶は消去され、ネクサスとメガフラシの闘いを目撃した人々の記憶も消されようとしていた。
そして吉良沢はとあるビジョンを目にしていた。炎に包まれたとある星の文明で雄たけびをあげる恐るべき黒い巨人の姿を…。
余談
Episode.30において、憐を密かに監視していた人物が、沙羅の部下である海本隼人だという事が本編で判明。尚、沙羅はビースト対策を最優先した事でプロメテの子たちの細胞のアポトーシスを抑える特効薬であるラファエル開発の中断させたため、海本から「私を酷い女だと思ったわよね」と仄めかしていたが、当の海本は彼女を恨むどころか「同名の聖人サラのような存在」だと評価していた(実際、沙羅はプロメテの子達を切り捨てようとしたものの、実際のところは憐たちのことを心配し、海本やプロメテの子たちが極秘にラファエルの開発を続けていたのを知りつつ黙認していたので、海本はそんな沙羅の心情に気付いていたのかもしれない)。
関連タグ
ULTRAMAN(映画):本作との明確な繋がりが明かされる。
真木舜一、ビースト・ザ・ワン、ウルトラマン・ザ・ネクスト:いずれも回想シーンに登場。
???(リンク先ネタバレ注意!:本編のラストに登場。