概要
俳優:小池朝雄(1977年実写映画)、伊東四朗(1985年月曜ドラマランド)
『東京メッツ』の前身に当たる『東京倶楽部』末期の1946年から投手を続ける野球選手。
pixiv上で言う所の「お前のようなじじいがいるか」に該当する漫画ならではのチートキャラであり、表題にある「野球狂」の代名詞的存在にして水島新司作品におけるスターシステムに列する1人。
人物
大柄な体格に見合った剛毅、豪快な人物であると同時に、気に入らない事があれば立ちどころに怒り出すなかなかの癇癪持ちでもあり、そもそも球界全体を見渡しても鉄五郎を諌められる人間が指折り数えるほどしか現存しないため、その扱いは困難を極める。
事ある毎に監督の五利一平を含む球団フロントに抗議しては「ファンに求められる限り現役生活を続ける」という意志を貫き通し、数度の引退宣言と撤回を繰り返しながら監督やヘッドコーチを担う兼任選手として活動を続け、後に72歳にして現役復帰を果たした事から『球聖』の異名を持つ(お祭り作品である『野球狂の詩VSドカベン』では80歳の選手兼任監督として現役出場している)。
かつては「球界一の剛速球」と怖れられる強肩を誇り、50代を過ぎてもなお現役生活を続けられるほどの類稀な頑強、且つ柔軟な肉体を持つ。全盛期からすればスタミナと瞬発力の衰えを隠せないとは言え、それでも球速130km/h前後のストレートを武器にフォーク、カーブ、スライダー、さらに「ハエ止まり」の名を持つ超スローボールを織り交ぜる老獪な戦術で親子ほども歳の離れた打者を手玉に取る。なお、作中においては日本初のフォークボール投手は鉄五郎であるとされている。
一見すれば、現役にしがみつくものの打たれてばかりで一部の球団ファンから「にょほほほ去れ!!」とまで疎まれているロートルの印象が強いが、実際には
- 相手チームを油断させる&過度に打席に立たせて疲弊させるためにわざと大量失点を許して翌日の確実な勝利及びカード勝ち越しを狙う
- 球種と球速の印象を強烈に植え付けた上で僅かの錯覚を利用して三振を奪う(作中では全盛期の嶋重宣にそれをやってのけた)
- 野手の守備位置を計算に入れた上で敢えて甘めの球を振らせて打ち損じを狙う
- 老境にあるが故の不調を装った味方をも巻き込む芝居で相手の警戒を欺き牽制死を誘う
と勝負に貪欲な策士であり、『新・野球狂の詩』ではメジャーリーグも含めて前代未聞の祖父vs孫対決に臨んだ岩田武司に対して「1本のホームランを打たせる代わりに絶好調を支える今のスイングフォームをガタガタに崩す」という狡猾な作戦を実行して長いスランプに陥れ、野球に身を置く以上は肉親であろうと情け容赦無く対峙する非情の姿を垣間見た青田心太郎をして「野球の鬼」と言わしめた。
50歳で現役投手という「まさに漫画」というキャラクターであったが、のちにそれが現実に登場してしまった。