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凶暴なマグマ星人に襲われた、宇宙で一番美しい怪獣ローランは

ひょんな事から自転車屋の親子に助け出されます

そしてローランはその恩返しに、可愛い女の子に変身して

自転車屋の店員になって大ハッスル!

さぁ、みんなで見よう「ウルトラマンレオ」!!

運命の再会!ダンとアンヌ本話地球を守る白い花

登場怪獣

宇宙鶴ローラン

サーベル暴君マグマ星人

STORY

火山ガスが噴き出す岩場にて、争う2つの大きな影があった。そしてその片方は、我々にとっても見覚えがある、憎きあの顔…

センシティブな作品

ナレーション「君達の良く知っているマグマ星人。今、宇宙で一番美しいと言われている怪獣ローランを、お嫁さんにしようと追いかけて来たのだ。でも不幸な事に、ローランはマグマ星人が大っ嫌いだった」

嫌がるローランを追い回し、抱きつくマグマ星人。しかし嘗てL77星を壊滅に追い込み、この地球さえも侵略しようとした野蛮で暴力的なマグマ星人は、平和的なローランにとっては天敵も同然であった。ローランは迫ってくるマグマ星人を何度も振り払い、拒絶。そして飛び立って逃げようとするが…

ナレーション「どうしても言う事を聞いてくれないローランに、マグマ星人はとうとう腹を立てた」

卑劣なマグマ星人は手の先から針を次々発射し、うち一本がローランの左足に命中。身動きがとれなくなり弱るローランに、マグマ星人は嘲笑うかの様な素振りを見せながら近付く。しかし、悪に都合の良い展開ばかりがいつまでも続きはしない。

ナレーション「丁度、近くをパトロールしていたおおとりゲンは、ローランの悲鳴を聞きつけ、現場へ駆けつけて来た!」

マッキー3号に乗ったゲンは、偶然にも故郷の仇であるマグマ星人がまたも悪事を働く現場に遭遇。迷わずマグマ星人目掛けて飛んで行き、ローランの首を絞める星人の注意を惹きつけてミサイル攻撃を開始した。

その隙にローランは逃走。マグマ星人は腕を合わせて光線を発射し、マッキー3号を撃ち落とそうとするがゲンは回避。マッキー3号が一旦旋回している隙に、慌ててローランを追跡しようとするマグマ星人だったがゲンの追撃を受けて失敗する。マッキー3号を捕まえようと飛びかかるものの避けられ、翻弄されるマグマ星人。分が悪いと悟ったか、マグマ星人は跳び上がって空に消えた。

ゲン「ざまあみろ!!」

ナレーション「マグマ星人を追い払ったゲンは、傷ついたローランの姿を追い求めたが、何処へ姿を隠したのかローランを発見する事は出来なかった」

(場面転換)

それから少し時間が経っただろうか、近くの山道を走る2台の自転車。彼らは町で自転車屋を営む大熊親子であり、父の名はシンジ、息子の名はケンジといった。

先頭を切って走っていたケンジだが、喉が渇いて死にそうだと言って自転車を停め、近くの川へ降りて行く。仕方なくシンジもその場で待つ事にし、煙草に火をつけていた。

すると、シンジの眼前の林に霧がかかり始める。その頃、川の水を飲んでいたケンジは、霧の向こうから聞こえる唸り声に気付き、見れば光る2つの目が。

すぐにそれが怪獣であることに気がついたケンジは、父の元へ急いで戻る。やがて霧の向こうから現れたのはローランだったが、2人はそれが善良な怪獣である事など知らないため、急いで自転車に乗って逃げ出した。ケンジは倒して停めていた自転車を起こすのに手間取り、その間に父シンジは先に行ってしまう。

シンジ「ケンジ!に、逃げろ!自転車なんか置いてこい!!」

ケンジ「先に逃げるなんて、冷てえ親だよなぁ!!」

やっとの事で父に追いついたが、ローランから逃げるのに夢中になるあまり自転車がもつれあって倒れてしまう。今度は走って逃げる事にし、慌てるあまり転んでしまった父を助け起こしてケンジも逃げる。

シンジ「仏様神様、どうか私達親子をお助け下さい!ナンマイダ、ナンマイダ…」

すると近くに、マックカーで地上を探索していたゲンも通りがかる。ローランは地鳴らしをして2人の逃走を阻むと、ケンジの「死んだ真似をすれば怪獣も殺さない」という提案から親子は死んだふりをする。

しかし薄目で様子をうかがっていたシンジは、顔を近づけて来るローランにビビって目を真ん中に寄せ、気絶。当然ローランは2人を食べようとしたのではなく、手を合わせて必死に頼み込む。

やがて様子がおかしい事に気がついたケンジは、ローランが差し出した足に刺さった針を目にして悟った。

ケンジ「そうか、その針を抜いてほしいんだな?」

頷くローラン。ケンジは気絶した父を揺り起こし、頬をつねる。

ケンジ「父ちゃん!大丈夫だよ!」

シンジ「おお…痛いなお前!」

ケンジ「ほら、あの針を抜いてほしいんだよ!」

シンジ「だってお前、相手は怪獣だよ!?」

ケンジ「見なよ、頼んでるんだぜ?弱気を助け、強気を挫くのが男の道だって、いつも父ちゃん言ってたじゃないか!」

シンジ「ようし、やってやるぞ!俺も男だ」

2人は息を合わせてローランの足に飛び移り、力を合わせて針を引っ張る。マックカーもすぐ近くに駆けつけ、ゲンは車から降りる。ローランは流石に痛いらしく、大粒の涙を落としそれが親子に直撃。

シンジ「わっ!何だこりゃ?」

ケンジ「涙だよ!」

シンジ「なに涙?なんだ、みっともないなお前!こんな事で涙を流す奴があるかい!我慢しろい我慢ほら!」

多少口は悪いものの、ローランの為に力を尽くすシンジ。そこへ、ゲンも駆けつけて一緒に針を抜く手伝いをする。

ケンジ「あっ、おおとりさん!」

ゲン「うん!ようし…」

3人が力を合わせると、すぐ針は抜けた。勢い余って3人は地面に投げ出され、ゲンはケンジを助け起こす。彼は無事だったが、シンジの方はというと首を痛めてしまっていた。一方のローランは嬉しそうな声をあげて、シンジに礼をして飛び去った。

シンジ「なーに、いいってことよ!困った時はお互い様さ」

(場面転換)

その後、ケンジはスポーツクラブにてゲンと共にこの話を聞かせていた。

カオル「ケンジ君って勇気があるのね!」

百子「勇気ばかりじゃなくてよ、優しい愛の心も持ってるのね」

照れ臭そうに頭を掻くケンジ。ゲンも彼の頭を撫でてやる。

「あっそうだ!昔話にもそんなのがあったよね、人間が鶴を助ける話だ!」

トオル「僕も知ってるよ、鶴の恩返しっていうんだ!」

ケンジ「鶴の恩返しかぁ…」

(場面転換)

その頃、ケンジの家の自転車屋。店主であるシンジの負傷によりシャッターが閉められ、壁には技術者募集の張り紙がしてあった。

すると、シャッターを叩く音が。シンジが出迎えると、そこにはスーツケースを持った美しい女性が立っていた。

シンジ「ハイハイ、今開けますよ…」

女性「御免下さい」

シンジ「はい、あのー、私ん家に何か?」

女性「あの、表の張り紙見て来たんですけど、もう決まってしまいました?」

シンジ「いやぁあんたね、とてもじゃないけどこの人手不足じゃ…」

女性「よかった…」

シンジ「お、心当たりでもあるんですか?」

女性「私を使って下さい!」

シンジ「だってねぇ、あんた女でしょう?そらぁやめといた方がいいよ、やめときな?給料も安いんだから」

女性「構いません。私、お金なんか欲しくありません。ここで働かせてもらえれば、それでいいんです。さっ、社長は怪我人なんですから、奥で休んでて下さい!早く早く」

シンジ「あぁ…あんたも強引な人だねぇ」

星村かな子と名乗るその女性にされるがまま、奥へ連れられるシンジ。

そこへやがて、ゲンのマックカーに乗せられてケンジが帰宅。店のシャッターが開けっ放しになっている事に違和感を感じ、自転車を洗うかな子に気付かず奥へ様子を見に行く。

すると、かな子は立ち上がると、店先のゲンを見つめて歩み寄って来る。ゲンも彼女を見つめると、互いの宇宙人の目がその姿を見破った。

かな子「貴方は、レオ!」

ゲン「君はローラン!?」

驚いたゲンはかな子を店先に連れ出し、事情を聞く。

ゲン「どうしたんだこんな所で!正体が知れたら、変な事になるよ」

かな子(ローラン)「分かってます!でも、私を助けた為に、ご主人は鞭打ち症になり、お店も閉めなければならなくなったんです…私、このまま黙って帰る訳にはいかないんです」

ゲン「しかし…」

ローラン「貴方には、あの親子がどんなに暖かい心の持ち主か、分からないんですか!?」

ゲン「そんな事はない!あの親子がどんなに素晴らしい親子か、僕も知っている」

ローラン「だったら、私の気持ちを理解してくれますね?このまま帰るのには、忍びないんです…!」

ゲンは黙り込み、彼女の行為を見逃す事にした。

(場面転換)

その夜、大熊家に下宿する事になったかな子は、自室から出て障子越しによく眠る親子の姿を見て微笑み、再び自室に篭る。そして本来の姿に戻り、ゆっくりとその羽を抜いて何かを作り始めた。

ナレーション「みんな、もう分かったね?この娘さんは、怪獣ローランだったんだよ」

(Aパート終了)

後日、トオルら子供達はみんなでサイクリングを楽しんでいた。中でもケンジの自転車は人一倍速く、誰もが追いつくのに一苦労。途中で一旦休んでから近くのトーテムポールまで競争する事になったが、カオルはみんなより私は小さいのにと不平をたれる。するとケンジは、自転車にかけてあった風車をカオルの自転車に取り付け、これがあれば速く走れると言う。カオルは最初信じなかったが、いざ競争を始めるとあら不思議。見る見る内にスピードが上がり、カオルはトオルらに大差をつけて一着となった。羨ましがるトオルに、ケンジはこれを家の自転車屋の宣伝で作ったことを明かし、みんなにもやると言う。

噂はすぐに広まり、やがて大熊家のサイクルショップには子供が溢れるようになった。店先には笑顔で子供達に風車を配るかな子の姿が。無邪気に喜ぶ子供達の姿にシンジも笑顔を浮かべる。町は風車をつけた自転車を走らせる子供でいっぱいになった。

ナレーション「ローランのくれた、まるで御伽の国の風車だねぇ!みんなも貰えるといいのにね?でも羨ましがってばかりもいられないのだよ」

青空の下自転車を走らせる子供達の前に、突如として走る雷。そして雲の中から姿を現したのは、あのマグマ星人だった。子供達は慌てて逃げ出したので無事だったが、マグマ星人は残された自転車の風車に狙いを定め、右手に装備したサーベルで一刀両断してしまった。

事件はこれだけに留まらず、公園にて少女が、河川敷では少年達がマグマ星人に襲われ、町中で助けを求める子供達の声が相次いだ。

被害の声を受けたMACも遂に動き出し、またもや子供を襲撃し風車を引きちぎるのに夢中のマグマ星人をマックロディーで発見。ゲン以下隊員達が次々にマックガンを発砲する。

逃走を図るマグマ星人を工事現場へ追い詰める事に成功し、砂山に登るマグマ星人を後ろから不意打ちで叩き落とす。しかしマグマ星人は格闘戦も強く、2人の隊員が敗北。そこへ間髪入れずにゲンが戦いを挑み、鋭い打撃と切り返しでマグマ星人相手に互角に立ち回る。しかしゲンが攻撃を回避した一瞬の隙をついて、マグマ星人は宙返りと共に姿を消してしまった。

立ち尽くすゲンだが、そこへどこからともなく風車が飛んでくる。ゲンがそれをキャッチすると、向こうから現れたのはダンだった。

ゲン「隊長!」

ダン「その風車をよく見ろ」

ゲンが言われた通り宇宙人の目で見ると、風車は四本の白い羽の中に、一本の黒い羽が束ねられて出来ていた。

ダン「ローランの羽で出来ている…襲われた子供達は、皆この風車を持っていた。マグマ星人は、ローランの反応のある物を次々と襲ったという訳だ」

ゲン「ローランの羽…」

ダン「風車は俺が全部回収した」

ゲン「隊長…」

ダン「ローランの居場所は知っている筈だな?お前の責任でローランを宇宙へ送り返すんだ、いいな」

ゲン「…はい!」

ダンには全てお見通しだった。ゲンも責任を取るべく、夕暮れ時に河原へかな子ことローランを呼び出す。

(場面転換)

ローラン「えっ、私の風車を持った子供達が襲われたんですって?」

ゲン「うん、風車は全部MACが回収した…この次襲われるのは、君だ」

ローラン「私、ごめんなさい…子供達を喜ばせてあげられると思ってそうしたのに…」

ゲン「気持ちはよくわかる…悪いのは皆、あのマグマ星人だ!」

ローラン「皆に迷惑ばっかりかけてしまって…私、帰ります!」

ゲン「ローラン、お願いがあるんだ…僕に風車を作ってくれないか」

ローラン「貴方に?」

ゲン「マグマ星人を誘き出して、倒すんだ…ヤツは、僕の父と母の仇でもあるんだ…!」

ローラン「私が役に立つ事なら、何でもします…でも、ここでは風車は作れないの」

ローランの風車を用いた秘策により、マグマ星人を倒す計画を立てるゲンとローラン。これ以上、卑劣な宇宙人をのさばらせる訳にはいかない。何としてもここで倒さねば、平和はないのだ。

(場面転換)

その夜、家まで夜道を歩く大熊親子。シンジのギプスは明日取れると言われたらしく、ゲンや星村さんを誘って宴会をやろうと話す。

ケンジ「俺、腹一杯アイスクリーム食べたいな」

シンジ「馬鹿、腹一杯酒飲むんだよ」

そして家に着くと、閉まったシャッターには「本日休業」の張り紙が。変に思った2人が裏へ回ると、そこから聞こえて来たのは怪しい鳴き声と女の泣く声。

ケンジ「何処かで聞いた事のある様な声だ」

シンジ「これは確か、こないだ助けた怪獣の声と星村さんの声じゃないのか?」

ケンジ「じゃ、家の中に怪獣が?」

シンジ「えぇ?そんなお前バカな…」

ケンジ「父ちゃん行ってみろよ!」

シンジ「俺がか?」

ケンジ「そうだよっ」

シンジがそっと裏口を開けると、障子越しに羽を束ねる怪獣ローランの影が映っていた。お互い怖くて「お前が行ってみろよ」と押し付け合いながらも、結局父であるシンジが様子を見る事に。シンジがそっと窓を開けて家の中に入ると、ケンジがシンジを押しのけて入ってきたので少し揉める。そのまま障子を開けると、そこにいたのは当然ローランだった。2人が怯えて抱き合い、目を伏せている内にローランは素早くかな子の姿に戻る。

ローラン「何時ぞやはお世話になりました…あの時助けて頂いた御恩は一生忘れません」

シンジ「あんた、星村さん…」

ローラン「この風車を、おおとりさんに渡してあげて下さい…さようなら、お元気で…!」

ケンジ「星村さん…」

2人が見守る中、ローランは廊下の中で闇に溶ける様に消えた。

(場面転換)

満月の下、寂しい平原に佇むローラン。すると、雷鳴と共にマグマ星人が出現し、嫌がるローランを捕まえようと飛び掛かって来る。ローランは抵抗しながら、ゲンの到着を必死に待った。

その頃ゲンは、受け取った風車を傍にマックロディーで夜道を急いでいた。その胸の内は誰も知らないが、いつになく真剣な眼差しを浮かべるゲン。殺された父、母らL77星の人々の無念を晴らす時が遂に来たのだ。今は遠く離れて暮らすロンアストラも、きっと宇宙の彼方から見守っていてくれる事だろう。ゲンはそんな念を込めてか、風車を手に取って息を吹きかけるのだった。

一方、ローランはマグマ星人の腕に噛み付いて投げ飛ばし、時間を稼ぐもののやはり戦いは得意ではなく、マグマ星人もとうとう右腕にサーベルを装備して襲い掛かって来る。

ナレーション「マグマ星人は、何度頼んでもお嫁さんになってくれないローランを、遂に殺してしまおうとした!」

モテない男の逆上ほど恐ろしいものはない。マグマ星人はサーベルを振り回してローランを狙い、ローランが上空へ逃げると着地して振り返る所を見計らって一閃。地面に倒れたローランを嘲笑い、剣先をローランに向ける。だが、ローランの努力は無駄ではなかった。

ゲン「レオーッ!!」

夜はいつまでも続かない。空に登り輝く朝日と共に、ウルトラマンレオが現れた。ローランを踏みつけるマグマ星人を蹴倒し、非力ながら勇敢に戦ったローランを助け起こす。ローランが見守る中レオにとっては弔い合戦を兼ねた決闘が始まった。

重ね重ねの邪魔をされた怒りか、レオに斬り掛かるマグマ星人。しかし、レオはもうあのときの弱いレオではない。数々の血の滲むような特訓や人々との関わり合いを経て、彼は心身共に一人前の戦士へと成長していたのだ。未だ反省せずに悪行を重ねるマグマ星人などが、ただでさえ双子怪獣の援護もなしに敵う筈がなかった。

マグマ星人の攻撃を受け止め、蹴り返すレオ。その後もサーベル攻撃を躱し、何度も切り返して反撃。サーベル攻撃は確かに強力だが、大振りな分隙も大きい。

側転を繰り返してマグマ星人を翻弄するレオだが、今度は足元を狙った斬撃を避けて転げる。しかしすぐに体制を整えて振り下ろされたサーベルを受け止め、集中的に攻撃して叩き落とす。武器が無くなったマグマ星人の腹にすかさずチョップを叩き込み、組み合って力比べに移行。

先に倒されたのはレオだったが、手を掴んだままだったのでマグマ星人も横転。両者同時に後方回転で向き合い、格闘戦を繰り広げるがやはりレオは強く、腹に蹴りを叩き込んで怯んだ隙に捕まえ、投げ飛ばす。

そして、レオが左腕に右手をかざすと、そこにはあの風車が出現。レオは力一杯、棒先を向けて風車を投げつけた。

風車はマグマ星人の胸に突き刺さり、星人の身体は発光。マグマ星人は苦しみ震えたのち、力無く倒れる。残されたのは風車だけだった。

かくして、L77星とそこに住まう多くの命を奪い、黒潮島を沈めて東京の街を破壊し、か弱いローランまでも手にかけようとした宇宙の悪魔は、ここに地球の風と消えた。

地に刺さり回り続ける風車を見つめるレオ。やがてレオは傷ついたローランを起こし、優しく頷く。立ち上がった2人の目の前には、ギプスを外したシンジとケンジが立っていた。

シンジ「しかしあの怪獣は本当に心の優しい怪獣だったよなぁ」

ケンジ「怪獣なんかじゃないよ、星村さんだったんだよ」

シンジ「うん、お前のいう通りだよ。この頃は人間だってああいう優しい気持ちを忘れちまってるんだもんなぁ、全く頭が下がるね」

ケンジ「星村さーん!!」

レオとローランは共に宇宙へ飛び去った。その姿が見えなくなった時、空の彼方から青い光と共に降って来たのは大量の風車。

子供達はそれを見るなり大喜びで風車を拾いに走る。そこへゲンも風車を手に駆けつけ、さらに多くの風車が落ちている方を笑って指差してあげるのだった…

余談

第2話以来の登場となったレオの仇敵・マグマ星人との決着が描かれた、地味ながらもかなり重要な回。

このマグマ星人がレオの故郷を滅ぼし、地球侵略を狙った個体と同一人物かは意見が分かれるが、円谷監修の書籍である「テレビマガジンデラックス 全ウルトラ怪獣完全超百科」では2代目ではなく再登場と記載されており、最新の見解では同一人物の模様。ゲンも劇中で同一個体であることを仄めかす台詞を発言しており、何より同一人物でなかった場合レオが仇を討てず仕舞いで報われない為、本記事ではマグマ星人の記事と異なり同一人物として扱う。

何気に『レオ』では唯一となる過去に登場した怪獣・宇宙人が再登場したエピソードとなった(着ぐるみだけの登場ならあと1話該当)。

マグマ星人のマスクはフルフェイスに変更されており、これは後のババルウ星人に改造される。また、マグマ星人は劇中一度も第2話で使用していたフックやマントを装備していない。また、マグマ星人が出現するシーンや撤退するシーンは第1話からの流用。

本話で自転車屋の店主・大隈シンジを演じたのはシリーズ第一作(厳密には第二作)『ウルトラマン』で主人公・ハヤタ・シンを演じたことでお馴染み黒部進氏であり、ローランの人間態である星村かな子を演じたのは同作でフジ・アキコを演じた桜井浩子女史。そのためシリーズ第一作のメインキャスト同士が別役としてゲスト出演することとなった。これを反映したのか映画『大決戦!超ウルトラ8兄弟』ではハヤタとフジは結婚して自転車屋を営んでいる。ちなみにダン役を演じた森次晃嗣氏と黒部氏とは直接の共演はしなかった。なお、ゲン役を演じた真夏竜氏は黒部氏が演じたハヤタとしては共演しなかったが、『ウルトラマンサーガ』では初めてゲンとハヤタとして共演している。

黒部氏と桜井女史がレギュラー出演した『ウルトラマンマックス』第33話・34話に真夏氏がゲスト出演したが、黒部氏と桜井女史との直接の共演はしなかった。

ローランの人間態である星村かな子の下の名前は劇中では出てこない。

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