宇宙鶴ローラン
うちゅうづるろーらん
その姿だけではなく温厚な性格の持ち主で心も優しく、地球人への変身能力も兼ね備えている。
その目麗しい外見を気に入ったマグマ星人(第1話、2話に登場した同一人物とも別人とも諸説ある)にしつこく求婚を迫られるも(何を考えているのだろうか…)、マグマ星人達の数々の悪行三昧を知る彼女は頑なにそれを拒み続け、地球にまで逃げてきたが、マグマ星人が放った針によって足を負傷してしまう。
だが、偶々パトロール中だったゲンがマグマ星人を追い払った事で危うく難を逃れ、足の怪我はこれまた偶然山にハイキングにやって来ていた自転車屋の大熊親子から手当を受ける。
その恩を返す為に「星村かな子」という女性に化身して自転車屋に現れ、押しかける形で従業員となった。
そして、夜な夜な自身の羽で風車を制作し、これを子供達に配ってゆく。また風車を制作している間は障子の影に本当の姿が映ってしまう。
この風車には自転車の前部に付けるとスピードが増すという不思議な力があり、たちまち大人気となるが、彼女を追い掛けてやって来たマグマ星人に子供達が次々に襲われるという事態を招いてしまう。
この事をゲンから告げられた彼女は宇宙へと帰る決心を固め、自ら大熊親子に自身の正体を明かし、彼らに別れを告げたまさにその時、彼女を亡き者にせんとするマグマ星人の襲撃を受けるが、レオに助けられて無事に宇宙へと帰っていった。
なお、去り際に沢山の風車を子供達の為に残していっている。
また、レオに対しても故郷の仇だったマグマ星人(同一人物かは不明だが)をこの手で倒すという機会を与える事になった。
レオはこの風車を使ってマグマ星人を倒しているが、これはローランの羽根が毒針になっており、見事にマグマ星人の急所に刺さった為。しかもこの風車が徐々にスピードを増す効果がある為、レオの投擲力を加味すればまず避けるのは難しく、特にマグマ星人のような撤退癖のある宇宙人には有効だとなりうる(このほかの武器として足の爪から放たれるキックがあるが、劇中では未使用)。
怪獣の力を利用して作られた武器の中ではトップクラスなのかもしれない。
ローラン人間態を演じた桜井女史は、『ウルトラQ』の江戸川由利子役、『ウルトラマン』のフジ・アキコ隊員役でお馴染み。一方の自転車屋の店主:大熊シンジ役は、同じく『マン』でハヤタ・シンを演じた黒部進氏であり、ファンにとっては嬉しいキャスティングとなった。ちなみにモロボシ・ダン役を演じた森次晃嗣氏と黒部氏とは直接の共演はしなかった。
これを踏まえ、映画『大決戦!超ウルトラ8兄弟』では、ハヤタ・シン/アキコ夫妻は物語の舞台である横浜で自転車屋を経営しているという設定になった。
なお、桜井女史は1/8人間、巨大フジ隊員と併せて三種類もの怪獣としての姿が書籍に載っていることがある。
桜井女史は監督の満田かずほ氏から「鶴の恩返しのような可憐でかわいそうな役」と説明されていたにもかかわらず、実物は鶴とはかけ離れたワニのような姿だったため憤慨したという。
また、「宇宙で一番美しい」という肩書きの持ち主である彼女だが、上記の容姿からこれに関しても眉唾物であるという意見が多い。若しくは、彼女を付け狙ったマグマ星人の個人的な主観か、宇宙人の彼らからして見たら美しいかのいずれかだったのかもしれない。
なお、木目憲悟氏によるデザイン画では肩書き通りの優雅で美しい姿になっており、何らかの要因により造形の段階であのような姿になってしまった模様。
鳴き声はウルフ星人の流用。悲鳴はその後、ブニョに流用された。
2015年に行われた人気投票『怪獣美少女コンテスト』では見事1位に輝き、プレミアムバンダイから商品化を果たした(「マグマ星人による組織票」とネタにされた)。ちなみに次点は女ヤプール。
第54話で登場。
やたらとマグマ星人に求婚されていた原作とは異なり、合コンに命を懸ける人物として描かれている(ローランを狙っていたマグマ星人は第11話で登場している)。
「男のプライドを満たす」、「距離感を利用する」をモットーにゼットンを落とそうとするが、恋愛的な意味ではなく、物理的に落としてしまう…どうしてこうなった。
「2nd」では第36話にて登場。
男性陣が趣味をさらけ出した事を受け、羽をむしって風車を作り、どこからともなく取り出した自転車でテーブルの周囲をぐるぐる回るという奇行でアピールした。他の男性陣の趣味がフィギュアに標本集め、自分語りという有様なので正に地獄絵図と表現するに相応しい光景を生み出していた。
第51話では「怪獣ラーメン」の従業員であるエレジアが各地から集めた10体の鳥怪獣「怪獣ラーメン十傑」の一体として登場。鍋に浸かって出汁を取る事が役目である。
それ以外の回でもモブとして度々登場している。