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新約「巨人の星」花形

しんやくきょじんのほしはながた

『巨人の星』を、ライバルキャラ花形満の視点からリメイクした、村上よしゆきによる漫画作品。
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概要編集

梶原一騎原作、川崎のぼる作画による野球漫画の不朽の傑作『巨人の星』。

その『巨人の星』生誕40周年を記念し、同じ『週刊少年マガジン』で2006年36・37合併号から、2011年4・5合併号まで連載されたリメイク作が、この『新約「巨人の星」花形』である。

作者は村上よしゆき


単行本は全22巻と『巨人の星』そのもの(同作は19巻、続編『新巨人の星』は11巻)より長く続いたが、甲子園終了後唐突に時が飛んでプロ入りした飛雄馬が大リーグボール1号を発揮、それを花形が打ち果したシーンで完結してしまった(これは『巨人の星』全19巻に当てはまると4巻から10巻相当まで飛ぶ展開であり、事実上の打ち切りであった)。


本作の特徴編集

タイトル通り、原作主人公星飛雄馬は副主人公であり、飛雄馬の宿命のライバルたる花形満を主人公としている。花形を主役としたスピンオフは、2002年に製作されたアニメスペシャル『巨人の星【特別編】猛虎・花形満』があるが、本作は連載当時の2000年代後半を舞台としているので、携帯電話ノートパソコンなどのデバイスが登場する。

作者の画風もあって登場人物は男性キャラはホスト並みの細マッチョイケメン(なお一徹並びに伴親子と左門は除く)、女性キャラは爆乳ロリ顔萌えキャラが多く、原作では殆ど無かったギャグやコミカルなシーンもある。しかし、『巨人の星』の持つ熱さ、激しさは全く損なわれていないどころか、むしろヒートアップしており、「そうはならんやろ」という超次元野球描写も見受けられる。


本作は吉川英治小説宮本武蔵』のように、主人公とライバルの視点が徐々に交差していく手法を取っている。故に、連載開始当初は殆ど『巨人の星』要素が無く、中学校に進学したばかりの花形がブラックシャドーズを結成するまでの完全オリジナルストーリーが進んでいたが、花形が3年生に進級した4巻以降は星家の人々が物語に絡み始め、原作をリファインした描写が数多く登場した。

そのため、本作はそれ単体としても(ツッコミどころ満載というのもあって)楽しめるが、先に『巨人の星』を読んでおくと、より一層深みが出る仕上がりとなっている。

また、『巨人の星』は連載当時のスポーツ漫画の特徴として名ありモブが少なく、主要人物以外のキャラは有象無象の書割か何かのような扱いを受けることが多かったが、本作は『ドカベン』以降の野球漫画同様、ナインの人物像が深く掘り下げられている。


『巨人の星』との主な相違点編集

  • 年齢

花形と飛雄馬が同い年(花形は2歳年上で伴・左門と同級生)であり、明子との年齢差も『巨人の星』より小さい。(明子は1943年より前の生まれであることから、1951年世代の飛雄馬と少なくとも8歳以上離れているが、本作では主にセーラー服を着用しており、高校生に相当する年齢(1〜2歳上)ということになっている)

  • 作品序盤

目標を失って不良になっていた花形が飛雄馬との出会い(と敗北)を経て更生し、紅洋高校に入学する。という流れは踏襲しているものの、不良になる過程などは大きく異なる。詳細は後述のあらすじを参照。

  • 野球理論

時代と共に野球理論が変化し、花形の「大リーグボール養成ギブスは意味がない」発言など、随所に当時との違いが描かれ、魔送球やノックアウト打法も登場しない。もっとも、野球理論だけでなく、時代等で変化した描写を見てニヤリとするのも本作の楽しみ方の一つと言える。

  • 実在選手の扱い

『巨人の星』では最序盤から実在の選手が数多く登場しているが、本作では高橋由伸とか阿部慎之助が登場……することはなく、殆ど架空の人物のみの登場となっている。(仮に登場していた場合、一徹の選手時代は長嶋茂雄原辰徳の間、1970年代後半頃に相当するか)


(『巨人の星』で描かれないところを重点的に解説する)あらすじ編集

リトルリーグ天才と称されていた花形満は、進学した中学校の野球部不良のたまり場になっていたことを憂い、不良たちのヘッドである元主将黒沢影人と諍いを起こす。肩を壊し投手から野手(打者)に転向せざるを得なかった花形は黒沢のアンダースローに苦戦するもこれを打ち果し、更生した不良部員たちや元部長天野四郎らと共に、(黒沢が花形のしがらみを断つため)廃部となった野球部を捨て、草野球チームブラックシャドーズを結成した。

リトルリーグ時代の戦友であった篠原レイジ藤原新のいる桜町シニアとの練習試合、黒沢を憎む元部員滝洋一との武力抗争を経て、ブラックシャドーズは短い生涯を閉じる。

夢潰えた黒沢への思いを燻らせ、バイクを乗り回す不良となった花形は2年の月日を経て、生涯最大のライバル星飛雄馬と出会う事となる。


主な登場人物編集

原作にも登場するキャラ編集

主要人物編集

それぞれ、該当項目参照。


花形の周りの人々編集

誰?とか言ってはいけない。原作で飛雄馬に大リーグボール養成ギプスを付けられて逃げ出した花形の子分、あいつである。

本作では黒沢の子分であり、髪型はウニ頭と原作とは全く違う。黒沢の一件からグレていた花形を野球に戻した人であり、紅洋高校にて花形と再会した。


メイン画像左。

アニメ版『巨人の星』オリジナルキャラ。本作では名前が同じだけのほぼ別人。

元は四番バッターだったが、黒沢の暴力事件に伴い、野球部で活躍する事が出来ないまま母親と死別した哀しみから、黒沢への憎悪に燃える凶悪な非行少年になっていた。

黒沢が交通事故に遭った事で改心し、紅洋高校に進学する。



青雲高校関係者編集

飛雄馬の通う青雲高校野球部部長のメガネ君。

本作では花形の通う中学校の元野球部部長という設定で、最初期から登場する。なお原作では下の名前は不明。


青雲高校野球部エース。

原作とは名前と立ち位置が同じだけの別人に等しく、登場当初は飛雄馬に嫉妬するイヤな先輩だったが、後に隠された真相が明かされる。なお原作では下(ry


伴の親父。青雲高校PTA会長で伴自動車工業の社長。

原作通りKYなバカ親父。


青雲高校の生徒。漫画家志望。

原作では美少年だったが、本作ではサブカル風陰キャイケメン。


そのほかの原作キャラ編集

誰だお前は!といいたくなること請け合いの左門のいったいあの兄と同じ血からどうしてこんな子がというくらいの絶世の美少女である。心臓を病んでいる。


原作では空気だった椿マミが花形と絡んで多く登場。逆に飛雄馬と絡んだルミはというと…全部打ち切りが悪い


本作オリジナルの登場人物編集

本作の最重要人物にして、花形満の人生に最も影響を与えた球児。

花形の通う中学の野球部主将で、アンダースローの名手。過去に暴力事件を起こしたことで野球部の背部を招いていたが、花形との戦いを経て野球への情熱を取り戻し、花形をシニアに進ませるべくわざと非行に走り、ゾンビ状態にあった野球部を廃部させる。自らの名前から付けたブラックシャドーズを結成するが、滝との一件で交通事故に遭い、半身不随となる。飛雄馬と出会うまでの花形は(チームメイトながら)彼を最高の投手として打ち崩すことを目標としており、選手生命が断たれたことで、その目標を果たせなくなった花形が野球から離れる遠因にもなった。


黒沢の幼馴染で序盤のヒロイン。


花形の侍女。美人で有能だが年齢は禁句。花形にとっては姐替わり。


紅洋高校の野球部部長。サムライのような外見で非常に厳格。


原作『巨人の星』の青木君(飛雄馬の先輩)に当たるキャラ。

花形と同期で紅洋高校に入った投手で、小柄で気が弱いが針の穴を通すコントロールを持つ。


メイン画像右。

紅洋高校の正捕手・四番打者。チャラくてスケベだが実力は本物。


紅洋高校の主将。金髪で一件朴訥な少年だが、実は中学時代は天才と称されていた打者で、足のケガから(花形が入学した当初は)治療に専念していた。


花形のいたリトルチームの投手(2年上)。小学生当時はでかい図体に見合わない豆腐メンタルのいじめられっ子だったが、中学編では桜町シニアのエースとして登場、花形をお遊びと断じ監督の意向を無視してブラックシャドーズと対決した。

高校編では一浜高校に進学。


花形の元バッテリーを務めていた捕手。クールなイケメン。

中学編ではレイジと共に桜町シニアに所属し、釜倉学園に進学。

巻を追うごとにギャグキャラ度が増しているざんねんな人。


関連項目編集

リメイク リ・イマジネーション 講談社 高校野球


横浜市:原作の紅洋高校は横浜にあるため、高校編で主な舞台となる。

乳袋:本作の明子姉ちゃんのトレードマーク。

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