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前後のストーリー


概要編集

2003年12月7日放送。

脚本:井上敏樹、監督:石田秀範


このタイトルは正確に言うと新聞ラテ欄用のサブタイトルで、シナリオでのタイトルは「最後のメール・後編」だった(すなわち前話が「前編」となる)。


準レギュラーであり、ヒロインの一人であった長田結花/クレインオルフェノクの退場回にして、555の最終盤へのターニングポイントとなったエピソード。


予告編集

Open your eye's for next φ's!


北崎「無駄なんだよ…僕は世界一強いんだから…!」

木場「まさか君が……!」

啓太郎「俺、本気で思うんだ。人間もオルフェノクも、みんなが幸せになればいいって…」


前話「赤い風船」のあらすじ編集

結花は南雅彦率いる警察の研究機関にとらえられ、実験と称した拷問を受けることとなった。

何とか脱走した結花は木場勇治の計らいで菊池啓太郎のクリーニング店にかくまわれることとなった。啓太郎は、気になっていた結花に意を決して告白するも、半ば諦めていた。

だが結花は心の支えだったメル友の「啓太郎さん」の正体が菊池啓太郎であることを知っていた。気まずさからクリーニング屋から飛び出してしまった結花を探す啓太郎もまた、彼女がメル友の「結花さん」と知ってしまった。

そこに影山冴子/ロブスターオルフェノクが襲撃。啓太郎を守るためにクレインオルフェノクに変身する結花。

結花がオルフェノクだったことに呆然とする啓太郎を拒絶する結花だったが、啓太郎はそっと彼女を抱き締める。

一方、警察の特殊部隊に襲われる巧と木場だったが、木場は人間を守る戦いに疑念を抱き始めていた。


後編のあらすじ編集

啓太郎に抱きしめられてもなお、彼に迷惑がかかると拒絶を続ける結花。そんな彼女に啓太郎は優しく語る。

「俺の夢、知ってるよね?俺、本気で思うんだ。人間もオルフェノクも、みんなが幸せになれるって。かければいいじゃん。迷惑くらい」


啓太郎のその言葉を聴いて、涙を流す結花。一方、影山は捨て台詞を吐いて逃げ去っていった。


先の戦闘で戦いを放棄した木場を問い詰める巧。木場は人間を守るのが嫌になったと正直な気持ちを吐露する。結花にひどい仕打ちを与えた人間たちの姿を見た木場は人間に失望しかかっていた。

「オルフェノクであることを自覚し、それでも人間として生きてきた」巧と、「オルフェノクになったことを受け入れた」木場。二人の差はあまりに大きすぎたのだ。

ここに来て自覚した二人の断絶に気まずい空気が流れる中、巧は電話で結花が帰ってきたことを知る。

クリーニング店にてすっかり仲良しになった啓太郎と結花をからかう真理。


そのころ、警察ではスマートブレインから貸し出されたオルフェノクに襲われたことを沢村が南に報告していた。南は「そういう事もある」とし、いらぬ同情をしても無意味と突き返した。


巧は結花がオルフェノクだったことを啓太郎に告白するが、啓太郎は「もう大丈夫」と気にしていなかった。


「だってたっくんはたっくんだし、結花さんは結花さんだし。俺分かるんだよね、結花さんの心の傷みたいなもの。だから俺が傍にいてあげたいというか……。」


彼の男らしい面に触れ思わずじゃれつく巧。


一方、結花は木場や海堂直也と共に再び警察を訪れていた。研究所で言われた「実験次第では人間に戻れる」という言葉を信じての事だった。

だが人間に不信感を抱く木場は懐疑的だった。海堂は「もしかして恋とかしてるんじゃねえの?普通の人間に」と結花に問う。

それを木場は止める。「人間との間には深い溝がある」と悲観的な意見とともに。


「どーでもいいけど木場、お前なんか変わったな。昔のお前だったら絶対そんなこと言わなかったぜ?」

「俺は、俺達を守りたいだけだ」


変わってしまった二人に愚痴を呟きながら空き缶を蹴飛ばした海堂だが、その空き缶が通りかかったチンピラの頭に当たり、男に痛めつけられる。

「俺が本気を出したらな、お前なんか……」と凄むが、よもや殺せるはずもなく、追い払うだけで終わってしまった。


そして、啓太郎は結花にメールで目的だった「ちゃんとしたデート」の誘いをする。だが結花の脳裏には木場の悲観論がよぎった。


深夜の公園。巧は草加を呼び出していた。

巧は草加の「人間とオルフェノクの共存は不可能」という持論に対し、啓太郎という反例を出す。

だが草加は頑なに語る。


「甘すぎるんだよ、奴は…実際君だって今までオルフェノクと戦ってきたはずだ。人間としてな。矛盾してるんだよ。君は。早く君も現実を直視した方がいい。多分今頃、木場勇治は現実の厳しさを感じているはずだ。自分の甘さを後悔しながらな……」


「あいつはそんな弱い奴じゃない」と巧は反発するが、草加は聞き入れずいずれ君とも戦うと言い捨て、自分の仇を討つためにやらなければならないことがあるといった。


真理にデートの事で相談を持ち掛ける結花。「このままだと啓太郎に迷惑をかけてしまう」とネガティブなことを考える結花に、真理は「啓太郎なら大丈夫。あいつはああ見えて凄く強い奴だし」と励ます。

しびれを切らした真理は、結花の代わりにメールの返事を出すのだった。


養護園。そこでは鈴木照夫が同級生にいじめられていて、それを海堂が陰ながら観察していた。

三原がそれを庇うが、やがて彼は、門の外に草加がいるのを見つける。

草加は三原を連れて、「仇」を取りに行こうと持ち掛けた。

一方、養護園から逃げ出した照夫を、海堂が見かねて一緒に外へ連れ出した。

すると、二人を一筋の鋭い光が照らしたかと思いきや、照夫の影が伸び、異形の顔…王の影が映る。


巧は南に会いに行き、もう結花を狙うのはやめるよう説得していた。

だが南は「誤解がある」「人間とオルフェノクの平和的共存が目的」なのだと断言した。


「信用してください。私は、あなた方を人間だと思っている。人間同士で、争う必要はないのですから」


南は誤解を解くために話し合いの場を設けたいと申し入れてきた。それを受け入れる巧。


デートのために真理にヘアセットをしてもらう啓太郎。結花はどうしたのかと問う啓太郎に、真理は「巧に呼び出された」と答える。

巧は、木場と結花を公園に呼び出して、南ら警察の意向を伝える。

それに対して木場は「罠かもしれない」と不信感を抱き続けており、一方結花は「乾さんがどうしてもというのなら」と前向きな姿勢。


「もう一度信じてみてもいいんじゃないか?お前の理想のために。変わってほしくないんだよ、俺はお前に」


だが妙な気配がした。気が付いたとき、巧たちは草むらの中に隠れていた警官隊に取り囲まれていたのだった。

催涙弾が投げ込まれ、銃弾が雨あられと降り注ぐ。「まさか君が!」と巧を避難する木場に、巧は否定する。3人は必死でその場から逃げ出した。


「クローバー」に入店する北崎。そこへ、草加が現れる。

余裕の北崎の背後から、三原も現れた。

流星塾の同窓会を襲って塾生達を変貌させた元凶だった北崎に、仇討ちにしに来たのである。


警察に追われる身となった巧たち。警官のみならずバットオルフェノクまで現れ巧たちに銃弾を浴びせる。

バットオルフェノクは警察の部隊を始末すると、巧に変身するよう促した。

仮面ライダーファイズに変身した巧はバットオルフェノクに立ち向かい、木場のホースオルフェノク、結花のクレインオルフェノクが援護に回る。

だが、クレインオルフェノクはバットオルフェノクの攻撃を食らい、大きなダメージを負ってしまった。ファイズは彼女に逃げるよう言い、その言葉に従いクレインオルフェノクは逃げ出した。

ブラスターフォームに変身したファイズは、バットオルフェノクに立ち向かっていく。


別の場所では北崎の変身したドラゴンオルフェノクと草加の変身した仮面ライダーカイザ、三原が変身した仮面ライダーデルタが戦っていた。

だが、強力すぎるドラゴンオルフェノクに太刀打ちできない。


デートの待ち合わせの場所にやって来た啓太郎だが、そこに結花の姿はない。



何とか深手を負いながら逃げおおせた結花は、息を切らして一本の木の傍に寄りかかる。

だが天は彼女を見放した。何とそこに影山が現れたのである。


「馬鹿な女……死になさい、そこで」


冷酷に言い放つ影山。結花にはもう警察からの拷問とバットオルフェノクからのダメージでもうオルフェノクに変身する力も残されていなかった。


「どうやらオルフェノクの力を失ったようね。可哀想に。」


じりじりと迫ってくるロブスターオルフェノク。待ち合わせの相手が来ず、不安げな表情の啓太郎。

結花は、一本の木の下に座り込んでいた。

彼女は、うつろな表情で右手に握りしめた携帯電話で文章を打っている。その表情からは生気が失われていった。

どこからか、鐘の音が聞こえる。強い風は、木の葉を揺らし続けていた。

気が付くと、そこには白い羽が舞っていた。木の下には誰もいない。ただ羽が残っているだけ。音もなく、羽根は唯々舞い続けていた。


「ごめんなさい、啓太郎さん。私、今日行けそうにもありません。

 私も啓太郎さんと普通のデートがしてみたかったな。みんながしてるみたいに。

 お茶を飲んだり、映画を観たり、散歩したり。

 

 私、幸せでした。啓太郎さんに出会えて。どうか啓太郎さんの夢が叶いますように。


 世界中の洗濯物を真っ白にして、そして、世界中のみんなが、幸せになりますように……。」


余談編集

オルフェノクの運命に翻弄され続け、決して幸福とは言えない人生を送り続けた結花であったが、同時に彼女はオルフェノクの力に溺れ、自分をいじめていた人間たちに対し殺戮を繰り返していた少女でもあった。

そんな彼女がようやく掴めた幸せ。だが、その幸せがよりにもよって人間の手によって破壊されるという後味の悪い結末となった。

井上氏が過去に執筆した「帝王トランザの栄光」「ガラスの幸福」とは別ベクトルでトラウマエピソードである。


そして結花の死をきっかけに、木場はついに人類に見切りをつけ、オルフェノクのための世界を築くことを目的に据えるようになる。

更に、これによってようやく分かり合えたと思えたはずの巧と木場は完全に決裂してしまうこととなるのである。

そして巧たちを騙し結花を死に追いやった南も自業自得な末路を遂げることとなる。


関連タグ編集

仮面ライダー555

長田結花

クレインオルフェノク

菊池啓太郎

啓結花

涙腺崩壊

悲恋

みんなのトラウマ


GotoHell,YouMortals


ガラスの幸福最後のメールフォーカード


次回予告編集

Open your eye's for next φ's!


うっ

実は新しい発見があるんですけど、オルフェノクについて…

これは!?

負けらんねぇ 

草加!

へぁっ!

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