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生き残りをかけたサバイバルレース


概要編集

競馬において、新馬戦に負けたり、未出走だったりなどでまだ1勝も出来ず収得賞金が0円の馬が出走可能なレース。

中央競馬においては、未勝利戦は平地競走と障害競走でそれぞれ存在する。平地競走のそれは、2歳の6月、新馬戦(メイクデビュー)が始まってすぐのころから始まり、終わりは3歳の夏季競馬の終わり(おおむね9月1週ごろ)である。競走馬の生産数とレースプログラム(新馬戦が年間約300戦、未勝利戦が年間約1,250戦)の関係上、1勝クラスを勝ち上れるのは概ね1,500頭と少し程度までとなる。中央競馬の入厩馬は毎年4,000頭以上にのぼるため、この時点で概ね3歳世代の所属馬の3分の2程度が1勝もできずに残ってしまうこととなる。これを過ぎてしまうと、通常は中央競馬の平地競走馬として事実上キャリアの終わりを迎えることになる。

そうなってしまうと、だいたいの場合、



のいずれかの選択肢を余儀なくされる。

例外として、1勝クラスと戦っても見込みがある場合は、1勝クラスへ格上挑戦し続けるルートもある。そういうルートで勝ち上がり、重賞を制した馬もいる。2021年の小倉記念(GIII)を制したモズナガレボシは、2020年の9月までに未勝利戦を勝ち上がれなかったが、10月に1勝クラスを勝ち上がり。その後1勝クラス・2勝クラスを勝利し、その後格上挑戦の小倉記念を勝利した。この関係で、通常南関東4競馬場へ移籍するために必要な(地方競馬での値に換算した)収得賞金が、3歳で150万円以上必要なところ、8月から10月の間に限り、浦和競馬場・船橋競馬場・川崎競馬場のいずれかであれば、収得賞金が50万円でOKになる。

(もちろん地方競馬でも勝てないとそのうち引退するしかなくなるが。)

ただし、1勝クラスからの勝ち上がりを目指す場合、まず、東京中山阪神京都のいわゆるメイン4場で行われる平地競走には出走出来ない。そのため主戦場は福島新潟小倉札幌函館中京のローカル6場に限定され、ローカル開催がない場合は出走すら出来ない。

  • …だったのだが、2024年から3歳および4歳以上の未出走馬・未勝利馬に対する、中山競馬・東京競馬・京都競馬・阪神競馬の平地競走における出走制限が解除されることが決定した。厳しい戦いには変わりはないが、前よりも選択肢が増えることはプラス材料と見ていいだろう。

また、登録多数で出走投票があった場合は収得賞金の関係で真っ先に除外対象となる。なので、フルゲート割れを狙って登録するしかない。

加えて、未勝利馬の場合は格上挑戦をして掲示板に入っても、次走の優先出走権は発生しない。

そのため、3歳未勝利以上に厳しい戦いとなる。


また、未勝利であっても収得賞金を得ることが出来れば定義上では未勝利ではなくなるため、いきなり2歳のオープンでデビューして、勝てば未勝利脱出どころかオープン入りとなる。

また、未勝利でも出走可能な2歳重賞や3歳のクラシックトライアル重賞で収得賞金が入る2着以内に入る事でも未勝利脱出は可能である。なので、「未勝利のまま青葉賞で2着に入り、優先出走権を獲得。そのまま日本ダービーに挑戦して優勝し、それまでの勝ち数が0のままダービー馬になる。」という嘘の様な事も起こり得る可能性はある。

まるで抜け道の様な手段だが、まず重賞なので収得賞金での足切りがあり、出走予定馬がフルゲートの頭数を割っている状態で無ければ出走はまず無理で、出来たとしても2歳時点で既に仕上がっている馬や、何としてもクラシックへの望みを託す強豪との対決となるため、余程のことがない限り、まず無理と考えても良いだろう。

過去にはロイスアンドロイス未勝利のまま青葉賞に挑戦し、3着入賞という惜しいところまで行った例はあるが、現時点では達成した馬は未だ存在しない……

と思いきや、2024年の小倉2歳ステークスで未勝利馬のクラスペディアが2着に入り収得賞金600万円を獲得。オープンクラスに昇格。未勝利のまま朝日杯FSに出走予定であり、実現すれば、未勝利馬がGⅠ挑戦という現象が起きる。仮に3歳5月まで追加の収得賞金が無くても、条件戦が2勝クラスからとなるため、1勝クラスのレースに出走することは出来ない。

3歳クラシックトライアル重賞に関しては、未出走・未勝利馬が2着以内に入ったケースは存在しない。


3歳夏季競馬の未勝利戦の終わりは、多くの競馬関係のゲームでも再現されており、ダービースタリオンであれば3歳8月までに未勝利戦を突破できなかった競走馬は強制的に引退になるし、ウマ娘プリティーダービーにおいても、クラシック級8月後半までに未勝利戦を突破できなければゲームオーバーになる。

  • ただし、大半のウマ娘はその前に目標レースが来て、その前に未勝利戦を突破していなければならないため、ほぼハルウララのみが該当する(マヤノトップガンも理論上は該当するが、現実的に起きない)。

一方、障害競走の未勝利戦は3歳の夏季競馬の始まり(おおむね6月1週ごろ)から始まり、終わることはない(もちろんあまりにも勝てないと馬主から引退させられるが)。さらに、未勝利戦を突破するともうオープン馬の仲間入りである。1998年までは400万下(1勝クラスに該当)の条件戦があったが、翌99年の障害競走改革において廃止されたため未勝利戦が事実上の障害唯一の条件戦となった。なお、平地と障害で収得賞金の通算は(現在は)行わない。


いずれにせよ未勝利戦で勝てずに引退した馬は運がよければ乗馬ホースセラピー、牝馬であれば繁殖牝馬になれることもあるが、ほとんどは廃用処分…言ってしまうなら馬肉になってしまう

そうならない為には


戦わなければ生き残れない!


ならず未勝利戦が終わる前に1勝、ないしは収得賞金を勝ち取らないといけない。たとえどんな良血統な素質馬だとしても…。



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新馬戦

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