概要
初の金曜ロードSHOW!で放送となった第23弾。
監督は「セブンデイズ・ラプソディ」「ルパン三世VS名探偵コナン」の亀垣一、脚本は日高勝郎。
須藤昌朋が久しぶりにキャラクターデザインを担当し、以前の「燃えよ斬鉄剣」や「ハリマオの財宝を追え!!」に近いデザインになった。エンディングテーマはDOUBLEの「ルパン三世 愛のテーマ」。
ストーリー
イタリア・ジェノバ。サン・ジョルジョ宮殿で1人の老教授が何者かによって殺害された。その現場に居合わせたのは、ルパン三世(栗田貫一)。そこで発見されたある石板を追って宮殿に潜り込んでいたのだ。狙い通り、老教授・テオ(中村正)を殺害したと思われる男たちから石板を奪い取ったルパンだったが、逃走失敗。絶体絶命のピンチかと思われた瞬間、突然石板が光を放ち、ルパンを追っていた男たちが松明のように燃え始めた! あ然とするルパンの前で、追っ手の男たちのリーダーが石板とともに姿を消した…。
その男・ベルナルド(石井康嗣)が奪った石板は、マルコ・ポーロの「東方見聞録」の“アナザーページ”と呼ばれる幻の1ページ。殺されたテオの日記によると、そこにはマルコ・ポーロの隠し財産を示すヒントが書かれているらしい。次元(小林清志)とともにそれを取り返そうと策略を巡らせるルパンだが、彼はテオ殺害の容疑で手配されていた。ルパンがケチな殺人などするはずがないと信じる銭形(山寺宏一)は、テオの孫娘・リサ(井上麻里奈)に事情を聞きに行くが、そこにリサを狙う何者かが攻撃を仕掛けてくる。偶然リサを助けることになった次元とルパンは、咄嗟にICPOの刑事のフリをしてリサの信頼を獲得。一度は逃げ切ったものの、ベルナルドと組んだ不二子(沢城みゆき)に出しぬかれリサを連れ去られてしまった。リサが連れていかれたのは、ベルナルドが待つ“ロンバルド重工”の工場。そこは表向きは普通の工場を装った、巨大な兵器工場だった。不二子の目をくらませて工場に忍び込んだルパンは、石板とリサ、そしてロンバルド重工にとって最も重要なあるデータを盗み出すことに成功! その足で中国・北京に向かうことに。
同じ頃。五ェ門(浪川大輔)は、岩手県・平泉のある寺に籠って修業を続けていた。自らの生き方と斬鉄剣の使い方に深い疑問を抱き、刀を捨てて生きるべきかどうか見極めようとしていたのだ。その寺に住んでいるのは掴みどころのない性格の住職(永井一郎)と三人の孫娘。彼らは寺に伝わるある物を守るという使命のもとに生きていた。五ェ門は三姉妹の妹たちから何度もイタズラを仕掛けられるうちに、長女でしっかり者の博美(朴璐美)といつの間にか心を通わせるようになっていき…!?
北京に到着したルパンのターゲットは、中華マフィア・包龍(宮澤正)。刑務所で服役中の包龍を奇策をもって脱獄させたルパンは、彼が経営するカジノへ。そこで包龍は2つの真実をルパンに告げる。ベルナルドの真の目的はマルコ・ポーロの宝ではなく、中立国であるタリア共和国に武器を売りつけることであること。そして、マルコ・ポーロとモンゴルのフビライ・ハンの意外な関係…。お宝が眠っているのが岩手県・平泉だと直感したルパンだったが、その頃には既にベルナルドによってカジノが完全に包囲されていた! 最新兵器の怒涛の攻撃からなんとか逃れたルパンと次元、リサはそのまま平泉へと向かった。
一方、博美たちの身のこなしが只者ではないと見抜いた五ェ門は、衝撃の事実に直面していた。彼らは、武蔵坊弁慶の“七つ道具”を代々守り続けてきた由緒ある家系だったのだ。しかしその道具は本来8つあったはずで、8つめの“黄金の太刀”が見つかれば天下に泰平が訪れると伝えられているのだという。そんな中、ルパンたちがその寺に到着。そして銭形と、ベルナルド、不二子もそれぞれ平泉に向かっていた。果たしてそこにはどんなお宝が隠されているのか? すべての事件の果てに待っている真実とは!?(公式サイトより)
余談
放送終了後、五エ門の「戸がね、開かないの!」 がネットでちょっとした流行となった。
住職の孫娘の末っ子の亜美役は、にっこにっこにーでお馴染みの矢澤にこでもお馴染みの徳井青空が演じている。
長年「ルパン」シリーズにゲストキャラクターで出演していた永井一郎氏は本作がルパンシリーズでの最終出演作となった(本作放映後の2014年1月27日に死去)。
ベルナルドの部下に追われるリサに遭遇したルパンがリサに名前を聞かれた際、正体を隠す為(たまたま見かけたカーネル・サンダースの人形から)とっさに「ICPOのカーネル警部(ルパン)と、その部下のサンダース刑事(次元)」と名乗るが、この作品が放送された2012年時点ではジェノバはおろか、イタリアにはケンタッキーフライドチキンの店舗は存在しなかった(イタリアには2015年に進出)。