概要
右手に杖を持ち、背中には琵琶を背負うという、いわゆる琵琶法師のような恰好をした巨人。月が終わるころに海上を彷徨い歩いては、遭遇した不運な船を沈めるという。一方、船員に「お前の怖いものはなんだ」と質問することがあり、返答を誤らなければ見逃してくれるともされる。
ただし、鳥山石燕の『画図百鬼夜行』、熊本県八代市の松井文庫所蔵品『百鬼夜行絵巻』といった江戸期の絵巻には姿のみしか記されていない。そのため、上記の伝承は昭和期以降の出版物により付加されたとみられている。
各作品中での海座頭
『ゲゲゲの鬼太郎』での海座頭
声 - 内海賢二(第1作)、大竹宏(第3作)、沢木郁也(第5作)、青森伸(第6作)
原作、及びアニメシリーズ第1期第26話、第3期第50話、第5期第4話、第6期第16話に登場。いずれも手下として船幽霊を従え、人の魂や生気を奪って船幽霊に変えてしまう力を持っている。
原作では船を沈めては船員を船幽霊に変えて手下にし、船に積まれていた宝を貯め込んでいる凶悪妖怪。旅の途中だった鬼太郎に遭遇し、彼の生気を奪おうとして逆に吸収されてしまい倒される。海座頭が倒され、奪われた魂が戻ったことで船幽霊にされていた船員たちは元の人間に戻る事ができた。だが海座頭が貯めこんでいた財宝の隠し場所は分からずじまいになってしまい、ねずみ男は惜しがっていた。
アニメ第1期では近場の船を次々に襲い、被害者の家族からの手紙を見つけたねずみ男が謝礼をピンハネしようと、ノイローゼの治療という名目で鬼太郎を連れ出した。海座頭は海中戦に持ちこんで鬼太郎を苦しめるが、最後は体内電気によって倒された。
第3期では打って変わって、争いの空しさを訴える妖怪として登場。漁場争いを繰り返す船頭たちの船を船幽霊に襲わせ、船員たちの魂を奪って新たな船幽霊に変えていた。最後には源平合戦の幻影を見せて人の愚かさを諫め、奪った魂を開放して去っていく。
第5期ではぬらりひょんの口車に乗せられて人間の子供を襲っていたが、たまたま近場の子供と親しくなった一反もめんと、彼の知らせを受けて駆け付けた鬼太郎に倒される。
第6期では、江戸の時代に堺港の沖を行く北前船を襲って積まれていた財宝を奪っていたが、壺の中に封印されて海の底に沈められていた。
それから数百年後の現代、沈没船の財宝の噂を聞きつけて欲にかられたねずみ男が財宝と間違えて壺の封印を解いたことで、まなの伯父夫婦が住む境港市に出現。
海底に隠した財宝を引き上げるための労働力にするために、堺港の漁師たちを船幽霊に変えて奴隷にしようと企み、まなの伯父、庄司が乗り込んだ船を襲って船幽霊に変えてしまう。だが、最後は庄司が放った剛速球と鬼太郎の指鉄砲のコラボに倒された。
『うしおととら』での海座頭
琵琶法師の姿をした妖怪で、海の妖怪の元締め役。
海を荒らすあやかしに手を焼き、尊敬するとらに助けを求めた。
海の底で白面の前に立ちはだかるお役目様(須磨子)を妖怪たちの中でも特に憎んでおり、彼の発言で潮は母親の生存を知った。
『モノノ怪』での海座頭
CV:若本規夫
第二章「海坊主」に登場。
三つ目の黒白目で小袖を着付けて直立二足歩行する青い魚の妖怪。
桜色の魚型の三味線を持ち、船幽霊の去った商船「そらりす丸」に次なる災難として出没した。
乗り合わせた者たちに「自分が最も恐れるもの」を問い、それを具現化させて気絶させていった。
そして修験者・菖源から「師匠(源慧)が最も恐ろしい」と発言したことから、徐々に事件の「真と理」が明らかになっていく。