概要
仏教説話に登場する、百の禽獣の頭を持つ怪魚。別名「百頭魚」とも呼ばれる。
かつてはカピラという名の優秀なバラモンであったが、経典の読み間違いをする僧たちに対し「猿頭」「馬頭」などと罵倒を繰り返していた。
その前世の業(カルマ)のために輪廻転生したのがこの魚だといわれる。
釈迦が立ち寄った漁村で漁師によって引上げられ、寿命が尽きる前に自身の罪を語り、安らかに息を引き取ったといわれる。
カピラとは、同名であるバラモン教サーンキャ学派の開祖であるとの説もある。
創作での扱い
百の頭を描写するのが大変なため、そのままの姿ではあまり登場しない。
ホルヘ・ルイス・ボルヘスの「幻獣辞典」でも紹介されている。
水木しげる作品
『幻獣辞典』や『妖鬼化(むじゃら)』に繊細なタッチで描かれたイラストと解説が掲載。
サンサーラ・ナーガ
インド神話風の世界が舞台のロールプレイングゲーム。カピラという名の深海魚のようなモンスターとして登場した。特殊攻撃として頭の発光器官の点灯で眠らせてくる。食料にもなり食べると知恵が上がった。なお監修の押井守作品では魚はロゴスの象徴であるという。
その他の百頭
- 百頭女:マックス・エルンスト作のシュルレアリスムなコラージュ小説。
- ラードーン:ギリシャ神話の百頭竜。弟のヒュドラも切られるほど増える頭を持ち、百頭のときもあった。
- 射殺す百頭(ナインライブス):バーサーカー(Fate/staynight)、アルケイデス(Fate)の法具。ヒュドラ殺しの弓をはじめとした、相手に合わせた形態になるという武技。
- 是、射殺す百頭(ナインライブズ・ブレードワークス):バーサーカーでは狂戦士のスキルの影響で使用できなかったが、衛宮士郎が斧剣と斬撃を投影して使用した。