ニューヨークも沈黙しました!
概要
1989年にデータイーストから発売された業務用縦スクロールシューティングゲーム(以下:STG)で、海外でのタイトルは『Vapor Trail: Hyper Offence Formation』。硬派な世界観やメカデザイン、英語による合成音声やギターサンプリングの容量をふんだんに使用したBGMが特徴である。1991年には家庭用移植版としてメガドライブ版が発売。当初はデータイーストから発売される予定だったものの、紆余曲折を経て日本テレネットから発売される事となった。周回プレイの削除やステージ5のボスの変更等、ゲーム内容にも若干の修正が行われている。
尚、本作は正体不明の敵「ラグナロック」と東西両陣営との戦いを描く一連の「ファング」シリーズの第1作に当たる作品であり、後にロボットのカスタマイズや近接戦闘の要素を取り入れたアクションSTG『ウルフファング』、状況に応じて加減速を行い制限時間内にボスのいる空域へと到達・撃破を行う『スカルファング』という続編がリリースされている。
自機
謎の軍隊に占領された海を 空を 都市を
再びその手に取り戻すために生まれた鋼の翼
女神や妖精の名を冠した3種の試作戦闘機。形式番号からも分かるように各機体にはVTOL機能があり、ステージ1やステージ3等の終盤では自機がVTOLモードで飛行するシーンがある。また、本作から2年後の世界となる『ウルフファング』では晴れて正式採用となり、ゲーム中の随所でプレイヤーら装甲機兵小隊を援護する。
XF/AV-01 シルフ
カナード翼を備え、主翼端に尾翼が付いた米海軍の試作VTOL戦闘機XFV-12のようなフォルムを持つ戦闘攻撃機。火力・移動スピード共に平均的な性能だが、逆に突出した性能の無さこそが欠点とも言える。
XAV-02 ヴァルキュリア
A-10に酷似したデザインを持つ攻撃機。攻撃力は他の2機より高いものの移動スピードは遅く、状況によってはそれが原因でミス時のリカバリーが困難となる場合もある。
XFV-03 セイレーン
X-29のような前進翼を持った戦闘機で、全3機中最も移動スピードが速く、初期装備の状態で後方を攻撃可能な唯一の機体。しかしながら前方の火力が低く、耐久力の高い敵が多数登場するようなシーンでは苦戦を強いられる。
武器
ステージ中に飛来する敵輸送機を撃墜すると出現。バルカンとミサイルは各機体によって弾の軌道が異なる。
バルカン
前方に機銃弾を連射し、パワーアップすると扇状に拡散するようになる。初期装備だが、威力はそれなりにあり扱いやすい武器。また、セイレーンのみ後方にも射撃する事が可能。
ボム
前方に単発の炸裂弾を発射。敵に着弾すると爆風が発生し、爆風に巻き込んだ敵弾を相殺する事ができる。ただし、威力は中程度。
ミサイル
前方と後方に敵を追尾するミサイルを発射。発射速度は速いが威力は低い。
ディフェンダー
螺旋状に飛ぶ勾玉状の弾を発射。連射が効かず威力もあまり高く無いが、後述のバグ技を駆使すれば最強の武器と化す。
Sユニット
自機のショットを強化する為の強化装備。各機体によって攻撃方法が異なり、シルフは三日月状のショットをV字状に連射するVスラッシャー、ヴァルキュリアは直線状に火炎放射を行うブレイザー、セイレーンは複数の鏃状のショットを前後方向に放つフェザーダーツが撃てるようになる。バレルロールボタンを押すとユニットはパージされ、それと同時に画面内の敵にダメージを与える爆風を伴う。尚、自機がやられてもSユニットは無くならず、アイテムとして画面内を漂うので再度取得可能。
バレルロール
シールドを纏いながらローリングを行い、一定時間自機が無敵状態になる特殊機動。STGにおけるポピュラーな緊急回避手段として知られるボンバーとは違い純粋な危険回避の為の手段であり、体当たりで敵を倒したり敵弾を相殺するといった事は出来ずアイテムを取得する事も不可能だが、ショットの発射は可能。使用後はゲージが時間の経過と共に蓄積され、「ROLL OK」と表示されれば再び発動可能。Sユニット装着時にはユニット解除→バレルロールの2段階の緊急回避が行える。
小ネタ
- 有名なバグ技として、Sユニット装着時にショットを連射しながら解除すると怒涛のような連射が可能となるものがあり、ディフェンダー装備時には画面を覆いつくす程の弾幕を張る事が可能。ただし常に連射し続ける必要があり、ステージクリアやミス等で効果は失われる。また、機体によって連射可能な武器は異なる。
- オープニングデモに登場する女性オペレーターの名前はライフィス・D・アリネス。スリーサイズはB:まぁまぁ、W:それなり、H:そこそこ。アーケード版はアニメチックな絵柄だが、メガドライブ版では写実的な絵柄に変更されている。