英雄派(D×D)
えいゆうは
ライトノベル「ハイスクールD×D」に登場するメイン敵組織「禍の団」の派閥の一つ。旧魔王派の指導者が壊滅したことを機に、新たに主軸となる勢力として台頭した。
相手を研究して弱点を突く戦法を得意としている。
英雄の末裔や魂を継ぐ者、神器の保有者で構成されており、メンバーは全員人間なのが特徴。曹操曰く「人間がどこまで行けるのかを知りたい」を基本理念としており、神や悪魔などといった超常の存在に挑むことを目的としている。しかし、『英雄』と言えば聞こえが良いものの、概念としての『英雄』は、どちらかと言えば負の側面を象徴としている(解かりやすく言えば、ヒトラーやスターリン、レーニンみたいな悪い意味での『英雄』)。
悪く言ってしまうと、『信念』や『理想』、『大義』と言った崇高な動機ではなく、「力の腕試し」という自分達の個人的な『欲望』から行動している為、自分達の行動が世界にどの様な影響や混乱をもたらしてしまうかについては興味が無く、自分達の望みが叶いさえすれば基本的に手段も選ばず、テロリスト集団である禍の団に組する事も辞さない。そして、テロリスト故に、誘拐や洗脳、人体実験、レアな神器を入手する為に所有者を殺害して奪う等といった非道な所業を平然と行う事にも躊躇が無い。
攻撃対象に関しても、自分達の目的に沿うなら悪魔や天使、妖怪はおろか、ただの人間にまでと誰彼構わずで、戦う気も全くない相手の意思など御構い無しに戦闘を仕掛けており、挙句の果てには幼い子供にさえ危害を加えようとする姿勢には、サイラオーグ・バアルからも「子供から声援すらもらえない者が英雄を名乗るな……ッ!」と唾棄されてしまっている。
メンバーの中には自ら人体実験を受ける者や、寿命が縮む真似を行う者も多いが、結果としてこれまで非常にレアケースだった禁手に至る方法を発見。それによる禁手のバーゲンセールという異常事態を引き起こす等、作中世界において技術的ブレイクスルーを果たす。更にそれを「独占」するのではなく「流通」させる事により、神器関係故に不遇を強いられていた者達の暴走を画策する等、現政権側との正面戦闘はあえて避け、テロリストらしい立ち回りを行っている。
主要メンバーの多くは生まれ持った異能ゆえに迫害される等といった経験を持っている者が多く、首魁である曹操が示した英雄という光明は希望の光ともなっている。
しかし一方で、恵まれた環境を生きてきた者への凄まじいルサンチマンを内包している事から、自分達の派閥に所属する英雄の子孫であっても不自由無く暮らしてきた者に対しては「余所者」扱いして排他的に扱う傾向が強く、派閥所属時のアーサー・ペンドラゴンやリルベット・D・リュネールは差別的な扱いを受けた結果、いずれも離反する事になっており、そういった部分に嫌気がさしてなのか、ペルセウスにも離反されている。
「自分達が世間から迫害を受けた被害者である」という極度な被害者意識を「免罪符」にしている傾向も目立ち、真っ当な思考をした者達に批判されても完全に居直った姿勢を見せている等、かつて魔王としての栄光を取り戻すという大義や理想を掲げている旧魔王派に比べるとかなり質が悪く始末に負えない部分があり、一方的かつ身勝手な屁理屈で攻撃を仕掛けられたり、人体実験の材料にされる悪魔や神、妖怪、神器所有者からして見れば堪った物では無い傍迷惑な集団となっている。
数々のテロ活動などを行い、神器のドーピング剤を開発する等、旧魔王派よりも立ち回ることに成功したが、若いメンバーが多い故に詰めが甘い所がある。
そこを突かれる形で暗躍したハーデスの策略にはまりメンバーの一人が再起不能レベルの大ダメージを受けた事から徐々に崩れ始め、主要メンバーの大半が捕縛され、一人が死亡。組織としてはほぼ壊滅する。
……のだが、そもそも彼の情報を隠していた帝釈天が、「聖槍無しでハーデスの冥府から戻って来れたら聖槍を返す」との約束を守ったことで、彼が後ろ盾となる形で事実上の再結成。アザゼル杯において天帝の槍チームとして、監視役を付けられるも参戦し、本戦出場すら果たす。
黄昏の聖槍を保有する曹操や聖人の魂を継ぐ者であるジャンヌがいることから意外と人気があり、また主目的である「頂上の存在への挑戦」が結果的にあっさりかなったこともあって毒気がぬかれ、人格的にだいぶまともになっている。
また、人間主体のチームとしてはトップクラスな上、英雄の末裔や後継者というネームバリューから人気があり構成員希望者が殺到。紆余曲折ありイッセーが面接を監視するという条件のもと選別試験が行われ、数名神器メンバーが入ることとなる。
因みに無条件で許されたわけではなく、各構成員が稼いだ金を使って少しずつ賠償金を払っている。そのため組織としては万年金欠状態だとか。
スピンオフ作品「ジュニアハイスクールD×D」では、英雄派の内部でも派閥争いが起きている事実が判明しており、「大帝」と呼ばれる女性を中心とした分派が曹操を中心とした派閥と対立している模様。
曹操
英雄派首魁。最強の人間候補とまで言われる、ハイスクールD×D第三章の難関。詳細は個別ページにて
ジーク
英雄派サブリーダー。北欧神話の英雄筆頭、龍殺しシグルドの末裔である白髪の少年。愛称はジークフリート。メンバーで一番イカレていると称される人物。
教会内部で行われていた「魔帝剣グラムを使える英雄シグルドの真の末裔」を生み出すことを目的とした戦士育成機関「シグルド機関」の出身。作中初期に出てきたフリード・セルゼンはこの機関で生み出された試験管ベイビーであるなど、その成長などには未確定ながらかなりの闇が付きまとう。
五本の伝説の魔剣の使い手となり、更には神器迄保有するという、ある意味で曹操以上のチート。だが同時に最強装備である魔帝剣グラムと保有する神器との相性が悪く、真の意味での全力が出せない不遇を持っている。
第三章全体において、木場祐斗のライバルポジションに近く、都合四回ほど戦闘を行っている。
原作12巻でグレモリー眷属と戦って戦死。メンバー唯一の完全退場。
ゲオルク
英雄はメンバーの一人。悪魔メフィスト・フェレスと契約した、ゲオルク・ファウストの子孫を名乗る。
上位神滅具である絶霧の所有者。英雄派の作戦行動は絶霧が多用されており、そういう意味では英雄派の屋台骨を支えている。また魔法使いとしての力量も高く、ロスヴァイセが驚くほど、多種多様な種類の魔法を習得している。
英雄は壊滅後は冥府の環境が気に入ってあえて残っていたが、アザゼル杯において英雄派メンバーとして参戦する。
レオナルド
英雄派メンバーの一人。先祖が誰なのかの来歴は不明。
上位神滅具である魔獣創造の所有者。原作でもアニメで全然しゃべらない。
一度は再起不能になりながらも生存するが、その経緯ゆえに唯一アザゼル杯の参加を見送られることとなる。
ヘラクレス
英雄派メンバーの一人。ヘラクレスの魂を継ぐ者。
メンバーの中でも外道度が高かったが、サイラオーグとの戦闘で改心フラグが立つ。
その後はサーゼクスの計らいで徹底的に反旗を翻せないように術式をかけられたうえでだが、なんと幼稚園の用務員兼守衛をする羽目に。子供たちからはアザゼル杯で応援されるぐらいには慕われ、当人も子供の相手が得意になるぐらい影響を受けているが、おじちゃん呼びされているのが玉に瑕www
アザゼル杯においては戦車枠で参加。サイラオーグとのリベンジマッチでは、彼に獅子の鎧を使わせるほどにまで善戦する。
ちなみにヘラクレスは死んだあと星座に挙げられたので転生する魂はないはずだが…
ジャンヌ・ダルク
英雄派メンバーの一人。ジャンヌ・ダルクの魂を継ぐ者。
メンバーの中でも外道度高めな上、イッセーの乳技の前に一蹴されるという憂き目にあう。
その後はバチカンに送られ、これまた安全策を施されたうえでだが、バチカンの食堂で働くことになる。聖女の魂を継いでいるためか教会でも応援しているものが割といており、かなり毒気が抜かれている。因みに料理の腕は微妙。
ちなみにキリスト教は輪廻転生を否定している宗教だがなぜキリスト教の聖女であるジャンヌの魂を受け継いでいるかは不明。自称じゃないだろうな…
コンラ
英雄派の構成員の1人。
神器のせいで迫害されていた中に「英雄」という光明をあたえられたことから曹操に惚れこんでおり、使い捨て同然の人体実験を洗脳も受けずに行っているほど忠誠心が強い。
イッセーとは二度戦闘しているが、そのどちらにおいてもてこずらせるなど、なかなか見せ場あり。アザゼル杯においては戦車枠で参加する。
アーサー・ペンドラゴン
現ヴァーリチーム。もとより優遇された立場をあえて家出してまで禍の団に参加した来歴からか、不遇な来歴の多い英雄派とのそりが合ってなかったらしく、ヴァーリチームに移籍する。特にジークに嫌われていたらしい。
リルベット・D・リュネール
元分派の一員。英雄派の結成後に新たに加入したらしく、その為なのか英雄派のメンバー達からは排他的に扱われていた。
自分から家族を奪った邪龍に復讐すべく英雄派に加入していたが、あまりに非道なやり方に嫌気が刺していき、潜入していた駒王学園での絶花達との関わりを経て、離反する道を選んだ。