概要
藍染惣右介は五番隊隊長であり、とてもやさしく温和な性格から護廷十三隊の中(特に副隊長の雛森桃)でも最も親しまれる存在だった。
そんな藍染が何者かに殺害されてしまい、十三隊は混乱に見舞われる。
以下ネタバレ注意
ギン「会わせたい人がおるんよ」
なんと死んだと思われていた藍染隊長が生きていた。
しかし喜びと再会の感動もつかの間、
藍染「さよなら」
真実
何と藍染は雛森を刺し、彼女を利用していたことを証言。
ギンに洗脳されているわけでもなく、こっちが本性であった。
更に自身の殺人事件で死を偽装していたこと、周囲の人間に教えていた斬魄刀の能力ですら嘘であったこと、ギンや九番隊隊長・東仙要が藍染の部下であったことを告白。
この藍染の自分語りを聞いた四番隊の卯ノ花烈と虎徹清音が全隊長格に連絡。これにより藍染は完全に尸魂界の敵になった。
騒動の後、『これからは……私が天に立つ』と言い残し護廷十三隊を去っていき、逃げるように虚圏に行く。
更に裏で虚の改造・研究をしていること、バラガン陛下が住まわれた虚夜宮という愛城を占領・改良しそこをアジトにしていること、大虚を崩玉によって破面にし自分の部下にしていることや、その組織の首領を勤めていることが明らかになる。
その後も様々な本性と圧倒的な実力が次々と明らかになり、親しみやすいキャラクターが突如として変貌した意味でも、ラスボス的な意味でも、読者に計り知れない絶望感を与え続けた。
余談
ギンが悪であることを予想している人は多くても、まさか主人公と全く関わらないただのモブの人格者キャラが黒幕だったとは誰も思わなかったであろう。
また、藍染の再登場展開を怪しむことは出来ても、まさかギンによる洗脳ではなくこっちが本性だと見抜けた人は少なかっただろう。
そのくらいの衝撃展開だったこともあり、読者の間で話題になった。
主人公と全く関わっていないキャラが黒幕だったというところも衝撃に拍車をかけたと思われる。
他作品で例えると『ドラゴンボール』のナメック星編でデンデが黒幕だったとか、『北斗の拳』でシュウが黒幕だったとか、『鬼滅の刃』で煉獄杏寿郎が黒幕だったなどと言っているのと同じレベルである。
同作品で言うなら劇場版のとあるキャラが近いかもしれない。
なお、死亡したと思われていたキャラが黒幕だった、味方が裏切り敵になる、味方だと思っていたキャラが実は敵だった、などという展開は王道展開のひとつであり他作品でも見掛けるが、大概伏線が張られていたりしており、読み返すと展開に納得がいくことが多い。
しかし彼の場合は伏線が特になく、読み返しても違和感を感じるほどに、途中で設定を変えたのではと思うくらい別キャラになっている。実は元々藍染を黒幕にする予定などなく、本当に途中で設定を変えていたのかもしれない。
この辺りも当時、衝撃を増した理由のひとつだったと思われる。
途中で設定を変えられた疑惑のあるキャラとしては『北斗の拳』のアミバなどがいる。
なお、後にギンは実は藍染を倒すためだけに藍染の部下になり、弱点の情報収集をするなど暗躍していたことが判明し、その動機も幼馴染である松本乱菊の仇だからというまともな理由だったため、最終的には当初の印象と立場が完全に逆転することになった。
この事件は黒崎一護と浦原喜助によって最終的に藍染が封印・逮捕・捕縛されて終わった。
詳しい動向は『藍染惣右介』の個別記事を参照。