邪悪竜ドライケン
じゃあくりゅうどらいけん
リュウオーン「見るが良い、大邪悪竜ドライケン誕生の瞬間を!滅びの竜が降誕する!!」
登場話数:Task.7「火竜(サラマンダー)の鱗」、Task.24「初音の太鼓」
ジャリュウ一族が使役する邪悪竜の一体で、作中にてリュウオーンが生み出した初めての個体でもある。
元となった竜人兵ジャリュウの名残を残しつつも、赤い外殻と無数の金色のトゲに覆われた姿は、人を通り越して怪獣の如き様相を呈している。また後発の邪悪龍達とは異なり、ジャリュウに備わっていた言語能力は失われ、終始咆哮を上げるのみの存在となっている。
素体のジャリュウを遥かに凌駕する、優れた身体能力と凶暴性の持ち主で、特に全身を覆う外殻はいかなる攻撃も寄せ付けない堅牢さを備えている。もっとも変態直後は不完全な状態で、脊椎あたりの外骨格が他の部位と比べて弱いという弱点も有するが、それすらもわずか半日程度で固まって完全に攻撃を寄せ付けなくなる。口から吐く爆発力の高い火球も強力な武器の一つである。
しかし、このような高い能力の持ち主であるドライケンも、あくまでより強力な存在たる「大邪悪竜」を生み出すための過程、謂わば中間形態にしか過ぎないことが作中でも言明されている。この大邪悪竜は、プレシャスの一つである「サラマンダーの鱗」を、2000度以上の高温や爆発によって融解させ、邪悪竜と化学反応を起こすことで変態するとされており、作中でもサラマンダーの鱗を手に入れ、大邪悪竜へと変貌を遂げようと目論んだ。
前出のサラマンダーの鱗が、サージェス・ヨーロッパ支部から日本に届けられたという情報をどこからかキャッチしたジャリュウ一族は、ドライケンを差し向けこれを輸送中のトラックを襲撃する。
駆けつけたボウケンジャーの攻撃をものともせず、圧倒的なパワーで叩きのめすが、ここでボウケンレッドが、自身の敬愛する小説家・香川慈門の新作小説(※)に「変態したばかりの竜は背中がまだ軟らかい」という記述があったことを思い出し、自らその動きを抑え込むとともに背中を他の4人に攻撃させるという反撃に打って出る。
果たして、その記述の通り弱点である背中を傷つけられ怯んだドライケンであるが、ここでリュウオーンが助太刀に入ったことで辛くもその場から撤退する。
撤退こそしたものの、目的であるサラマンダーの鱗の奪取には成功しており、とある工場内にて鱗と融合し、目論見通り大邪悪竜への変態を完遂しようとする。
しかし、リュウオーンがレッドに引きつけられ、自らも動けない隙を突かれ、他の4人にサラマンダーの鱗を奪還されたために大邪悪竜への変態は失敗。高熱化させた工場の大爆発でドライケン自身も大ダメージを負ってしまう。その際の爆発は超広範囲に及ぶことが危惧されていたが、ダイボウケンミキサーのハイパーコンクリートによって工場全体が固められ、周囲への波及は未然に封じられている。
目論見が頓挫し、満身創痍になってもなお往生際悪くボウケンジャーに挑みかかるが、完成したアクセルテクターを装着したレッドにより、ぶっつけ本番で実戦投入された新装備・デュアルクラッシャーによる必殺のコンビネーションクラッシュを叩き込まれ、自慢の防御力も活かせぬまま爆砕された。
後に、プレシャス「初音の太鼓」が生み出した幻影ネガティブ怪人軍団の一員としても再登場しているが、後方でうろうろしてばかりで特に活躍らしい活躍もないまま、菜月の操縦するアルティメットダイボウケンの攻撃でまとめて吹き飛ばされた。
(※ この小説は、香川がヨーロッパの書店で偶然手に入れた古い手記を元に執筆されたものであるが、実はこの手記の筆者こそ、かつて人間であった頃のリュウオーンであることが作中でも示唆されている。手記には「邪悪竜の身体は、2000度以上の高熱や爆発によって融解したサラマンダーの鱗と化学反応を起こす事で、大邪悪竜へと変態する」という、前述した大邪悪竜の生成にまつわる理論も記されていたが、最終的にリュウオーン自らこの手記を取り返し、焼却処分に及んでいる)