関鉄バス
かんてつばす
土浦市・つくば市を中心として茨城県南地区、鹿行地区、筑西地区と、県央地区の一部に路線を展開している。
地方私鉄のバス事業としては珍しく、直営事業で残っている。というか関東鉄道の収益のおよそ7割を占めてる。ただし一部地域の路線は分社化している。
営業エリア内に偕楽園、筑波山、水郷潮来などの観光地や、筑波研究学園都市の各研究所、常総ニュータウン、竜ヶ崎ニュータウンを始めとする東京通勤のベッドタウンなどを抱えており、観光から用務・通勤・通学まで幅広い需要の受け皿となっている点が特徴。
高速バス事業も手がけ、一部の路線は東京都内や東京ディズニーリゾートまで伸びている。
夜行路線
- よかっぺ関西号(水戸駅・土浦駅・つくばセンター⇔京都・大阪)
- 近鉄バスとの共同運行。関東鉄道唯一の夜行長距離バス。
東京方面
- つくば号・ミッドナイトつくば号(東京駅⇔つくばセンター・筑波大学)
- 関鉄観光バス、JRバス関東との共同運行。
- かしま号・ミッドナイトかしま号(東京駅⇔鹿島セントラルホテル・鹿島神宮駅・カシマサッカースタジアム)
- JRバス関東、京成バスとの共同運行。
- カシマサッカースタジアム号(東京駅⇔(直行)カシマサッカースタジアム)
- JRバス関東、京成バスとの共同運行。鹿島アントラーズ主催試合開催日のみ運行
- はさき号(東京駅⇔神栖市役所・波崎)
- JRバス関東との共同運行。関鉄観光バスから2010年7月より移行。
- 常総ルート(東京駅⇔水海道駅・岩井)
- 関鉄パープルバスと共同運行。
- みと号(東京駅⇔水戸駅)
- JRバス関東、茨城交通と共同運行。
- ミッドナイト水戸号(東京駅→赤塚駅・水戸駅)
東京ディズニーリゾート方面
分社子会社を含めて600台近くが在籍。いすゞがおよそ半数を占めるが、他3メーカーも導入している。特に高速車はふそう製が多く在籍しているが、日野の高速車・貸切車は少ない。
移籍車も多く、神奈川中央交通・京王バス、京成バスなどからの移籍車を受け入れている。
路線バス(高速バス含む)のカラーリングは水色基調の独自のものだが、観光バスについては京成グループ共通のカラーリングとなっている。ただし、路線バスについても広告収益を上げるためのラッピング塗装車も増えている。
一部の不採算路線は関鉄パープルバス・関鉄グリーンバス・関鉄観光バスを設立し、そちらに移管する形で関東鉄道本体から切り離している。この子会社のバスでは一時期PASMOの導入が遅れていたが、現在は解消されている模様。
また、土浦市(キララちゃんバス→)やつくば市(つくバス)などからコミュニティバスの運行委託も請けており、そちらは自治体の指定カラーリングとなっている。
以前はMT車の導入割合が高かったが、メーカーが路線バス車両からMT車の設定を排除していったため、現在の新車はAT車が主流になりつつある。……のだがその肝心の新車の導入がスローペースなため、花形の土浦営業所管内でもATの方が遭遇率が低い有様。
別の背景として、2022年3月25日から運転を開始した荒川沖駅←→イオンモールつくば往復便(※)などに代表されるように、常磐線・常総線の駅を起点とする路線にはおおよそ標準長路線バスが入るのはかなりの無茶振りな区間が点在し、ベテラン運転士がMT操作でそれをこなしている側面があるため、MT車の廃車が進まない原因のひとつとなっている。
- ※:かつて荒川沖駅から茨城県道館野荒川沖停車場線(通称・谷田部街道、現県道273号線)を経由して現在のつくば市谷田部地区方面へ向かう路線が存在したが、2001年に廃止となった。しかし2013年にオープンしたイオンモールつくばに対し、土浦市南部地区の住宅地から、距離的には近いのに公共交通機関がない状況が続いていた。土浦市には多くのコミュニティバス(キララちゃんバス・つちまるバス)の路線設定の要望があったが、イオンモールつくばがギリギリつくば市内であるため、「市内コミュニティバス」は設定できずにいた。今回旧路線の一部をなぞる形で新設された路線だが、周辺では「キララちゃんバス・つちまるバスとしては設定できないため、土浦市の要請と補助金支出を受けて、建前上『関鉄バス』の看板で運行が開始された」とまことしやかに言われている。なお、旧路線時は谷田部営業所(現・つくば中央営業所)の担当だったが、現路線は土浦営業所担当となっている。